Joyful Life Design*
やまだ ともこ
POSTED | 2019.10.16 Wed |
---|
TAGS | 従業員数:5人以下 業種:研修・コンサル 創立:11〜14年 決裁者の年齢:50代 商材:BtoC |
---|
本当はただ、誰かにこの気持ちをわかって欲しかった…
悩みを抱えるママたちの、安心できる居場所づくりをTopics
「子どもが言うことを聞かない」「夫が育児に協力してくれない」「ついイライラしてしまう」…。母親になってから、こんな悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回潜入したのは、コーチングによって子育てのストレスやイライラを解決するプレシャス・マミーの講座。その場の雰囲気はとても明るく、ママたちが前向きに語り合う姿がありました。なぜそんな空気が生まれているのでしょうか?
Joyful Life Design* 社長 やまだ ともこ氏のONLYSTORY
2歳差男女3人の子育てにイライラしっぱなし。言うことを聞かない子どもたちを「イイコにしたい」と、それができない自分を「私はダメな母親だ」と思いながら毎日をため息ばかりで過ごしている中、コーチングを子育てに取り入れるプレシャス・マミーの手法に出会う。ここで、子どもを自立させる育て方や、自分自身の心を整える場や方法を知り、現在はこの手法を世界中のママたちに伝えるプレシャス・マミーコーチ養成トレーナーとして、東京・神奈川・オンライン等で母親向けの子育てセミナーを開講している。年間開講日数250日以上。受講者数800人以上。(2018年実績)
どうして、何に、私はモヤモヤしているの?
ーこの講座には、どのような方々が集まっているのでしょうか?
やまださん:主に幼稚園~中学生くらいまでのお子さんを持つママたちです。みなさんそれぞれ子育てに関する悩みを抱えていて「なんとか解決したい!」と集まってくれています。
ー実際にお邪魔させていただいて、活気あふれる雰囲気に驚きました。なぜこのような空気感がうまれるのでしょうか?
やまださん:ここは、どんな気持ちでも吐き出していい場所なんです。私だけでなく参加者同士も、お互いのことを否定せず、まずはその人が言っていることを「そっか、辛かったね」「大変だったね」「よく頑張ったね」と受け止めます。
たとえばよくあるケースとして、「子どもが言うことを聞かないからどうにかしたい」という悩みを抱えているママの奥底には「もっと旦那さんに話を聞いてもらいたい」という思いがあり、それが悩みの原因になっていたりもするんです。
自分が本当にモヤモヤしているポイントは何なのか、それに気付けることが出発点です。現在地がわかれば、じゃあそこからどうなりたいのか?という理想が出てくる。
―そうすると、気持ちも会話も前向きになれそうですね。
やまださん:はい。だからこそ私は、ママたちがどんな悩みでも安心して話せる場所づくりを大事にしています。ママたちが講座の場で、勇気を出して気持ちを打ち明けたり、次第に希望を見出して前を向いていく。その姿を見て、私自身も参加者の方々から元気をもらっています。
ママが幸せになってこそ、家族も幸せに。
今回は、実際に講座を受講されていた2名のママにもお話を伺うことができました。
ー石川さんが、講座に参加された理由を教えてください。
石川さん:やまださん(以下、ともちゃん)と同姓同名の友人をFacebookで探していたときに、たまたま候補にともちゃんが出てきたことがきっかけです。どんな方なんだろうと気になっていたところ、偶然近所でセミナーをすることを知り、これもなにかの縁だと思い参加しました。
ーすごい巡り合わせですね。講座をお受けになったときには、どのような悩みをお持ちでしたか?
石川さん:実は私、講座を受ける時点では子育ての悩みは何もなかったんですよ。正確には、問題にも気づけないほど自分自身が「毒親」で(笑)。
具体的には、私は子どもが0歳の頃から英才教育をするほど教育に力を入れていたので、塾のテスト結果が悪いと「なんで100点じゃないの?」とよく叱っていました。子どもが言い訳すれば、「あの子は100点とっているでしょ。同じ条件で同じ学校に行っているんだから、あなたにもできるはずよ!」と、常に他の子と比べて怒っていました。
―なぜそのような接し方をされていたのでしょうか?
石川さん:私自身が完璧主義者なんです。だから、周囲にも同じ期待をしてしまっていたんだと思います。例えば、夫がふらっと飲みに行くのを見て、イライラしてしまうこともありましたね。当時、子どもをお風呂に入れて、夕飯の用意もしてキッチリ「母親の役目」を果たしてから外出していた私からすると、許せなかったんですよね。
ただ、講座でそんな自分の気持ちを話したら、「100点取ることって、そんなに大事?」と質問されて。最初は「いや、大事でしょう」と思っていたのですが、もしかしたら私の子どもへの接した方ってよくないのかも、と徐々に自覚しはじめました。
―ご自身の状況を客観視されるようになったのですね。
石川さん:今思えば、「お母さんは家にいるべき」と決めつけて無理をして、被害者意識をもっていたんです。
でも、出かけるときの子どもの世話を夫にお願いしたっていいんですよね。ママだって家庭じゃない場所で楽しんでいい。そう思えるようになってから子育てが楽になったし、夫にももっと感謝しなくちゃいけなかったんだと、講座の場で思わず泣いてしまいました。
ーなぜそこまで変われたのでしょうか?
石川さん:この講座が、ただ話を聞いてくれるだけじゃなく、自分の中にある「~すべき」という考え方を外してくれる場だからだと思います。
ここに来るまで、自分を大事にするなんてこと、考えたことなかったんですよ。全部家族最優先でやってきたし、自分の人生とかどうしたいとか全くなくて。でもここに来て、ママが幸せになってこそ家族も幸せになるんだと知ってから、考え方が180度変わりました。自分が変われて楽になって、毎日の出来事に感謝が湧くようになったと思います。
「言うことを聞かない子」そう決めつけていたのは、自分だった
ー講座に参加したきっかけを教えてください。
鈴木さん:子育てに関するメルマガでともちゃんを知ったことがきっかけです。とくに刺さったのが「怒りんぼかーさん」というフレーズ。ともちゃん自身がイライラして怒ってしまった過去のエピソードに共感して、講座に参加することを決めました。
ー当時はどのような悩みをもっていましたか?
鈴木さん:どうしてこの子は私の言うことを聞いてくれないんだろう、とずっと悩んでいました。
息子は、幼稚園の頃から何かあると手が出てしまったり、友達と上手くいかないと癇癪をおこしたりするところがあり、私ともよく取っ組み合いの喧嘩していました。極めつけには、小学校5年生の頃に「学校に行きたくない」と、不登校になってしまったんです。
ママ友に相談に乗ってもらって一時の気は晴れても、不登校の子をもつ人や解決方法を知っている人がいるわけではない。親や夫に相談しても、「お前がもっと強く言わないからじゃないのか?」と言われてしまう。最終的には、「全部私のせいなの?」と困り果てていました。
―そこで辿り着いたのが、やまださんのセミナーだったんですね。
鈴木さん:はい。ただ、私は専業主婦なので、講座を受けるためには夫を説得する必要がありました。はじめは「自分のためだけにお金を使うなんて」と後ろめたさがありましたし、夫もどれだけ効果あるのか半信半疑だったと思います。
けれど、どんどん悪化していく家庭内の状況を見て、「ここのままではいけない。自分自身が変わらなければ。」と思い、受講を決意しました。
ー講座を受けてどのような変化がありましたか?
鈴木さん:私はずっと「息子は自分の言うことを聞かない」と思っていました。でも実はそうではなく、「言うことを聞かない子だ」というフィルターをかけて息子を見ていたことに気づいたんです。子どもを信頼しきれていなかったのは、私自身でした。
そう気づいてから、息子の意見もちゃんと聞こうと思えるようになり、穏やかに会話ができるようになりました。そして「不登校はダメなことだ」という考えからも解放されました。学校に行きたくないなら、他の道を探せばいい。それまでは周りからの見られ方を気にして、学校がある時間に息子と出かけるのをためらっていましたが、一緒に外に出られるようになりましたね。
ーなぜ、講座を受けて変われたのでしょうか?
鈴木さん:この場では、自分で自分を縛っていた考えを手放せて、解決に向かうための手だてを知ることができるんです。
最初は、ひどい母親だと思われるのではないかと、息子のことを打ち明けるのもすごく勇気がいりました。でも話してみると、ともちゃんや参加者の方々がみんな親身になって具体的なアドバイスをくれるんです。
今抱えている悩みを「本気で解決したい」と思っている人たちが集まっているから、それぞれが受け止めあい、支えあえます。
違いを尊敬し合うことで、可能性が広がる世界を創りたい
ーお二人の話をお伺いして、ママはそれぞれに悩みを抱えているのだと感じました。なぜこのような状況が生まれてしまうのでしょうか?
やまださん:子どもに幸せになってほしいと願うのは、すべての母親が持つ愛情だと思います。子どもを「みんなと同じで嫌われない、いい子」に育てたいと考えたり、「この子がいい子でなければ、育てている私の評価が下がる」と感じてしまったりするのも事実。だから、自分の思い通りにいかないとイライラしてしまうのかも知れません。
実は私自身もそうでした。2歳差で3人の子どもがいるのですが、きょうだい同士で喧嘩ばかりしていたんです。上の子が下の子の足を引っかけたり、おもちゃを取りあったり。その度に、どうして喧嘩するの?!とすごくイライラしていました。
夫は仕事人間で、私がやっと子どもを寝かしつけた頃に帰宅する日々。イライラがたまっている私は「今日もすごく大変で疲れた」と夫に愚痴る日々を繰り返していたら、ある日夫が「この家に帰ってきたくない」と言ったんです。
正直、腹が立ちました。「あなたが子どもを好きだっていうから、子どもを産んで毎日子育てしているのに、そんな言い方ってある?」と。夫婦仲は険悪になり、離婚話が出るところまでいきました。
でも、小さな子ども3人を一人で育てることは難しいし、冷静に考えると夫と離婚したいわけでもない。ただ、夫に自分の気持ちをわかって欲しいだけだったんです。
そこで、夫婦関係をなんとか改善しようと離婚問題カウンセラーに相談しました。そこでもらったアドバイスをもとに夫への向き合い方を変えてみたら、少しずつ険悪な状態が改善されていったんです。コミュニケーションを変えるだけで、人間関係は改善するんだと気づきました。
ーまずは旦那様と向き合われたのですね。
やまださん:夫との問題がコミュニケーションによって解消されるなら、もしかしたら子どもへのイライラもなくなるのかも知れない。そんな淡い期待を胸に、調べて行きついたのが、プレシャス・マミーの講師をしている大阪のお母さんのブログです。うちと同じように2歳差の3人の子ども育てている方でした。
そのブログには、子育てにコーチングの要素を取り入れてみたら、子育てが楽しくなったと書かれていたんです。「この人に会いたい。だけど大阪まではいけない…」そう諦めていたら、その方の先生であるプレシャス・マミーの創始者が東京で講座をやることを知り、すぐに申し込みました。
ー参加されていかがでしたか?
やまださん:講座では、これまで誰もわかってくれなかった自分の気持ちを、講師や受講生が受けとめてくれて、とても安心できたんです。改めて、私は自分の気持ちを誰かにわかってほしかったんだ、と理解しました。
実際に講座で学んだことを家で実践してみると、子どもたちが意外と素直に言うことを聞いてくれることも体感しました。こんな風に、コーチングを取り入れるだけで家族関係が変わるなら、みんなももっと知った方がいい。「この考えは、絶対に広めなくては」と使命感にかられ、自分自身もコーチングを勉強し、プレシャス・マミーの認定講師になったんです。
ー認定講師にまでなられるとは、すごい変化感ですね。
やまださん:講師になり、今日のように講座を開かせていただいて、私が衝撃を受けた方法や考え方、大事にしたいと思っていることが、みなさんにも伝わるんだと実感しています。とにかくそうやって明るいママたちが増えてくのが、嬉しいんです。
それまで私は「普通のお母さん」でいいと思っていたんですよ。起業したり人前で話したりするなんて、考えもしませんでした。それがこうやって、私に会いたいという人が集まってきてくれるなんて、奇跡みたいなことです。プレシャス・マミーに出会って、人生が変わりました。
ー講座の中では、ママたちが今後のミッションを語っていました。やまださんご自身は、何を目指してきたいですか?
やまださん:私が掲げているモットーは「違いを尊敬し合うことで、可能性が広がる世界を創る」ことです。
人と違うことって、決しておかしいことじゃないんです。例えば、不登校の子はおかしいとかかわいそうだとか言われたり、それを受けいれている親はダメな親だと思われたりすることもあるかも知れないんですけど、そうじゃない。ただ、違うだけなんですよね。
その違いを知るためには、やはりコミュニケーションが必要です。こうして話していて、私は私が正しいとは全く思っていないんです。私の言う通りにして欲しいとも思っていないから、受講生のみなさんにも「ともちゃん」と呼んでほしいとお願いしています。「先生」と呼ばれることには違和感があるんです。みなさんがそれぞれの人生をシェアしてくださるおかげで、私の世界もどんどん広がっていっているんです。そうやって、お互いの違いや可能性を尊重しあえるような場所を作っていきたいです。
ーありがとうございます。では最後に、悩みを抱えるママたちにメッセージをお願いします。
やまだ:”ひとりで頑張らなくていいよ”と伝えたいです。ママが明るくなれば、子どもは絶対に影響を受けるし、周囲のママたちにもプラスの効果があります。
困ったらいつでも会いに来てください。どんな悩みだって吐き出していいんです。みんなで学びを実践しながら、成功や喜びを共有できる世界で共に過ごしませんか?
取材・執筆=池野 花
写真=吉田 達史
編集=高越 温子
校正・構成=山崎 貴大