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2014/7/31
特集記事

坂本教授インタビュー

大学って、学ぶ場所ですか?      それとも仲間をつくる場所ですか?

20代の若者が抱える質問を坂本教授にぶつけてみた!!

『日本でいちばん大切にしたい会社』シリーズの著者坂本光司教授


この度は坂本教授の独占インタビュー記事をご覧頂き、誠にありがとうございます。

このインタビュー記事は
【1部、坂本教授についての記事
【2部、中小企業の現状についての記事】
【3部、若者からの質問についての記事】
という3つの部に分かれています。

できれば皆様に全てのインタビュー記事を見て頂きたいのですが、文章が少し長いので
【坂本教授の過去の経歴や活動内容について知りたい方】は1部を、
【中小企業で働いている方や、中小企業に興味関心のある方】は2部を、
【学生や、20代の方】は3部を
お時間がない際には読んで頂けると良いかと思います。
それではどうぞよろしくお願いします。


[話し手紹介]
  坂本光司 
[プロフィール]
法政大学大学院政策創造研究科教授。同大学院静岡サテライトキャンパス長
1947年、静岡県出身。1970年法政大学経営学部卒業。静岡文化芸術大学文化政策学部・同大学院教授等を経て現職。他に、「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」審査委員会委員長等、公務多数。主な著書は『日本でいちばん大切にしたい会社1.2.3.4』(あさ出版)『人に喜ばれる仕事をしよう』(WAVE出版)『幸せな職場のつくり方』(ラグーナ出版)『なぜこの会社に人財が集まるのか』(商業界)『社員と顧客を大切にする会社「7つの法則」を実践する優良企業48』(PHP研究所)など。
中小企業経営研究の第一人者として、これまで7,000社を超える企業への訪問調査 ・
アドバイスを行う。



[インタビュアー&ライター紹介]
  平野哲也 
[プロフィール]
株式会社オンリーストーリー代表。
1990年、神奈川県横浜市出身。2013年、早稲田大学政治経済学部卒業。小学生でテニスを始め、在学中は140人規模の体育会系テニスサークルでキャプテンを務める。大学生活後半からはプロの実演販売士として2年間経験を積む。その後起業家支援の会社でインターンをし、『起業家スーパーカンファレンス2013summer』(http://bbank.jp/ksc/)主催、月間10万PVの学生向けインタビューサイト『ReLife』(http://bb-relife.jp/)の運営、学生向けフリーマガジン『The Entrepreneur』の創設。などの経験をする。
20代前半で髄膜炎、腹膜炎、肺気胸を経験。それらが転機となり、就活を一切せずに経営の道を志す。現在は、『中小企業の魅力を若者に』をテーマとしたインタビューサイト
~ONLY STORY~(http://onlystory.co.jp)を運営している

1部:坂本教授が中小企業支援を始めたそもそものきっかけ


平野:この度はお忙しい中インタビューの機会を頂き、誠にありがとうございます。よろしくお願いします。さて早速ですが、まず坂本教授の現在の活動内容について教えてください

坂本:よろしくお願いします。私のメインの活動は、学生の教育です。私の専門である中小企業や地域経済について、学生が理解を深められるように日々講義をしています。私は教育を何より大切にしています。なので今までに一度も休講したことがないんです。病気になったこともないですし、どんなに学会が忙しくても休みません。それは、学生を教育することこそが私の役割であり、使命だと思っているからです。

その他の活動としては、社会貢献活動として経営者や行政から相談を受けたりします。あとは講演会にも出たりしていますね。様々な依頼の中でも特に高齢者や障がい者の依頼はどんなに忙しくても断らないようにしています。それ以外の日は、今でも自分の足で中小企業を訪問するようにしています。




平野:今でも実際に中小企業をご自身で訪問されているとのことですが、どのぐらいの頻度で中小企業を訪問しているのですか?

坂本:基本的には、週に2日間ほど企業を訪問しています。その訪問以外にも、学生と共に2泊3日の合宿を年に4回やっています。1回の合宿で訪問する会社は10社ぐらいなので、それだけで40社です。私たちが行く会社はどれも魅力的な頑張っている中小企業ばかりですね。

ですので全部合わせると、現在は1年間に150~200社ぐらい回っていますかね。若いころは1週間のうち3~4日のペースで訪問していたので、今までに回った会社は計7000社ぐらいですね。



平野:7000社ですか。それはすごい数ですね。今までにそれだけの数の中小企業を見てきて、たくさんの中小企業を応援してきたとのことですが、坂本教授が中小企業を応援するようになった、そもそものきっかけは一体何なのですか?

坂本:私が大学を出て最初に入ったのが、中小企業の調査をする会社だったんです。中小企業がどんなことで困っているかを無料で調査する仕事をしていたのですが、その現場でのある一つの出会いが私にとって中小企業支援を志す大きなきっかけになりました。

ある日、私は1つの中小企業を訪問しました。訪問すると、全身油まみれの社長が工場の奥から出てきました。早速話を聞いてみると、「円高によって仕事が減っており、社員を来月から解雇しなければならないことが何より辛い」という悩みを、重たい表情で話してくださいました。

私は中小企業の調査会社に勤めていたので、私の仕事は中小企業の困っていることを聞き出したら、それで調査会社としての仕事は終わりです。ですが私はその話を聞いたときに、「なんとかしてこの会社の力になりたい」と素直に思いました。それから必死に勉強を始め、会社をよりよくするために、この会社の社長に提案するようになりました。

ですが最初は「そんなことできたら苦労しない‼若者が何を言っているんだ‼」と言われ、全く相手にされませんでした。でも私はそれでも諦めませんでした。会社が保有している工場の設備でどんなことが出来そうか調べてみたり、倒産の危機から再建した企業の成功例の雑誌を持って行ったりしました。

そうしているうちに、最初は相手にしてくれなかった会社の人が、少しずつ電話をしてきてくれたり、「この前は雑誌持ってきてくれてありがとう」という感謝の言葉をかけてくれるようになりました。

その『ありがとう』という言葉をもらったときはすごく嬉しかったですね。その時に、自分が誰かの役にたっているのだなと初めて感じました。その時の経験がきっかけで「もっと多くの中小企業の力になりたい」と思うようになり、段々とこの世界にのめり込んでいきました。

2部:7000社の現場を見て分かった、中小企業の本当の現状




平野:そんな素敵な物語があったんですね。さてここからは少しテーマを変えて、中小企業の現状についてお聞かせいただければと思います。

会社と一口に言っても、本当に色々な会社がこの国にはあります。上場を目指す会社があれば、存続を最優先に考えている会社もあります。坂本教授は『会社』の、そもそもの存在意義についてどのようにお考えですか?

坂本:今までの経営学では、企業経営の目的は、売り上げを増やすとか、組織を発展させるとか、そういうものでした。ですが私は、『企業経営とは、会社に関係する全ての人々を幸せにするための活動だ』と考えています。

今までに7000社を回ってきて、不況になったことのない会社は皆、この方針が守られていました。そういった意味では、継続はあくまで手段です。それは会社が潰れてしまうと、多くの人が路頭に迷ってしまい幸せでなくなってしまうからです。企業の真の存在意義は、社員やその家族等、人を幸せにすることだと私は思います。



平野:坂本教授は今までに7000社以上の中小企業の生の現場を見てきているので、中小企業の本当の現状が誰よりわかっていると思います。抽象的な質問になってしまい申し訳ないのですが、中小企業全体として見たときに、今の日本の中小企業の状況は坂本教授にどのように映りますか?

坂本:今の日本の中小企業の状況は、本当に両極端だと思います。それは、素敵な会社とそうでない会社との格差が大きいということです。一つの指標として、経営状況から見ても、中小企業の75%は赤字経営です。以前の赤字率は30%ほどだったので、これは赤字率が大幅に増えていると言えます。一方で、現在の黒字企業の割合は約25%です。そしてこの赤字企業と黒字企業の経営格差も非常に大きいという印象を受けます。
今はまだ数少ないこの素敵な中小企業を増やすことが、私の使命だと思っています。




平野:なるほど。先ほど、素敵な会社とそうでない会社という表現がありましたが、坂本教授の中で素敵な企業と、そうでない企業とを分ける一番の要因は何だと考えますか?

坂本:要因は経営者に関することが多いですね。いくつかあるのですが、ここでは2つ紹介させて頂きますね。

まず1つは、業績基軸で判断しているか、幸せ基軸で判断しているかということですね。業績基軸で判断するということは、先ほど話した企業経営の目的からそもそもずれてしまっています。幸せにする対象は顧客であったり従業員であったり、地域社会であったりします。大切なのは、どんなことがあっても、自分の給料を減らしてでも、社員とその家族を守り幸せにするんだという気持ちだと思います。「自分は周りの人を本当に幸せにできているのか」という基軸から経営者が判断しているかどうかということですね。

もう1つは、価格競争をしているかどうかということですね。価格競争をしていては企業は生き残ることはできません。それは、価格競争に負けるとお客さんが来なくなってしまいますし、逆に値段を下げて価格競争に勝っても、今度は利益が少なくなりすぎてしまうからです。価格以外の要素でお客様に魅力を与えられるような商品やサービスを提供することが出来るような会社は素敵だなと感じますね。



平野:先ほど経営者という話がでましたが、坂本教授が中小企業の経営者に会ってきた中で、中小企業の経営者の悩みの中で1番多かった悩みはなんですか?

坂本:これは元気のない会社の経営者と、元気のある会社の経営者とでは悩みが全く違いますね。元気のない会社は、売り上げが上がらないという悩みや、立地条件の悪さに関する悩み、また、そもそも何をすればいいかわからない等の悩みが多いです。

一方で、元気のある会社は、どうしたらもっと社員やその家族を喜ばすことが出来るのか、どうしたらお客様の満足度を上げることができるのかということを悩んでいるような印象を受けます。

3部:若者の悩み・疑問を坂本教授にぶつけてみた


平野:ありがとうございます。さて、ONLY STORYの読者は20代の若者が多いので、ここからは実際に若者が抱えている悩みや疑問について質問させて頂ければと思います。恐縮ながら、実際の若者の悩みを直接質問させて頂きます。2言論的な質問が多い印象を受けますが、お付き合い頂けますと幸いです。

ではまず初めに、大学生活の過ごし方について聞かせて頂ければと思うのですが、学生だからこそ、仲間と遊んだりして一生の思い出をつくることを優先するべきなのか、それとも、社会に出る前の大切な準備期間として、学ぶことを優先するべきなのか、坂本教授の考えをお聞かせください。


坂本:良い質問ですね、これはあくまで個人的な意見なのですが、もちろん友達と遊んで一生の想い出や一生の仲間を作ることは大切だと思います。しかし、大学は『大いに学ぶ場所』です。仲間をつくるためや思い出をつくることそのものを目的とするのではなく、一生懸命に学び続けていれば、結果として一生の仲間や一生の想い出のようなものが自然とできてくると私は思います。あと私にとっては、『社会』こそが最後の大学だと思います。何歳になっても、例えおじいさんになっても、生涯学び続けるべきだと思っています。



平野:次に、自分が本当に何がやりたいのかがわからないという悩みを抱えている若者の悩みなのですが、やりたいことが見つからない若者は、何か一つのことを深くやってその先の世界を見るべきなのか、それとも色々なことを経験して色々な世界を見るべきなのか、坂本教授の考えを聞かせて頂ければと思います。

坂本:私は、若いうちは色々な事を経験した方が良いと思います。大学生はまだ20年ぐらいしか生きてないですし、情報も経験も少ないので、自分の本当にやりたいことなんて、正直なかなかわからないと思います。ですので、若いうちに色々な経験を積んでいき、その中で自分のやりたい道が見つかったら、今度はその道に絞ってどんどん突き進んでいくと良いのかなと思います。

これは、穴を掘るのと同じ理論だなと私は思います。まず色々な場所を掘ってみると、その中から「ここは柔らかいから掘りやすいな」という場所が見つかります。それが見つかってから、そこを特化して掘っていけばいいのです。

なぜ色々な経験をすると良いかというと、その中から、自分は本当は何をしたいのか、逆に何をしたくないのか、その共通項が見えてくるからです。そしてその共通項こそが、自分がやりたいことを知るうえでの何よりの近道になります。色々な経験ができる時間があるというのは、ある意味で若者にとっての最大の特権だと私は思っています。

ただ、そうして色々な経験をするうえで、意識してほしい点が2点あります。

1つ目は、会社を選ぶ際に給料や待遇という視点から仕事を選ぶのではなく、『自分自身の成長や経験という視点から仕事を選ぶ』ということです。この仕事はどれだけのお金になるのかという、給料そのものが目的になってしまうと、色々な経験を積むという目的からずれてしまいます。そうではなく、『この仕事をすることで、自分はどんな経験ができるのか、どのように成長できるのか』という視点から仕事を選ぶと、より1人1人に合った濃い経験をすることができると思います。

2つ目は、どんな仕事をするにしても、『エンドユーザーの幸せを常に考える』ということです。やはりだらだらと仕事をしていては、自分が本当にやりたいことは見えてきません。ですので、エンドユーザーがどうしたら幸せになれるのかを常に考え、そのエンドユーザーの幸せのために、まずは精一杯行動してみてください。そこから生まれる、「自分が誰かの役にたっているな」という感情は、自分がやりたいことを見つけるうえで大きなヒントになると思いますよ。それで精一杯やってみて、それでも何か違うなと思ったら、幸せになるためなら転職したって、会社の中で自分で新しい仕事をつくったっていいと私は思います。



平野:ありがとうございます。では次に、何かに取り組むうえでの取り組み方についての質問なのですが、まず将来どうなりたいかを描き、そのために何をしなければいけないかを考えて行動する逆算型の思考と、まず目の前のことに全力に取り組んでみて、1つ1つクリアしていく展開型の思考とがあるかと思います。この思考の仕方について、坂本教授の考えを聞かせて頂ければと思います。

坂本:私はどちらの思考も正しいと思います。どちらのやり方でも成功した人は大勢います。それらはあくまで手段の部分なので、どちらが正しいかは一人一人によって違うと思います。私は『今日という1日を精一杯生きる』という言葉が大好きなのですが、もしビジョンが明確でなくても、昨日より今日、今日よりは明日と成長していることが何より大切だと思います。



平野:なるほど。ありがとうございます。ちなみに、私は今23歳で、この記事を読む読者には私と同年代の方も多いと思うのですが、坂本教授がもし仮に23歳に戻れるとしたら、何かこれをやっておけばよかったなと今だからこそ思うことは何かありますか?

坂本:私はもし仮に今23歳に戻ったとしても、同じように中小企業支援をするでしょうね。ただ今になって思うのは、「大学時代にもっと勉強しておけば良かったな」ということですね。学ぶのは早ければ早い方がいいですし、「あの時このことを知っておけば違ったんだろうなあ、やっておけば良かったなあ」と後から後悔することほど辛いことはないと思います。



平野:それでは最後の質問になります。私達ONLYSTORYは、日本の魅力的な中小企業を若者の目線から発掘し、それをホームページとFacebookで若者に向けて紹介しています。私事で大変恐縮ですし、このような場で聞くべきかではないのかもしれませんが、ONLY STORYの活動についてどのように思いますか?本人の前でいいにくいかと思いますが、率直なご意見を頂ければと思います。

坂本:やはり学生にとっては、年の離れた大学の教授が「中小企業にも良い会社はあるんだよ」と言うのと、同じ世代の若い人が言うのとでは、受け取り方に大きな違いがあると思います。若者だからこそできることがあると思いますし、素敵な活動だと思います。応援しています。頑張ってください。




平野:素敵なお言葉を頂き、本当にありがとうございます。素直に嬉しいです。それでは以上で本インタビューを終わります。
この度はお忙しい中、貴重なお時間を頂き、そして素晴らしいお話を聞かせて頂き、本当にありがとうございました。

坂本:こちらこそ、素敵な時間を過ごすことができました。ありがとうございました。

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