ラクスル株式会社

田部 正樹

売上16倍の急成長!裏側にラクスル独自のノウハウ

ユーザーにとっての「負の仕組み」を解決し続ける
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売上高が4年で16倍。ネット印刷サービスを中核事業として今もなお右肩上がりの成長を続けているラクスル株式会社(以下:ラクスル)。その勢いはとどまるところを知らず、今回新たにCM制作サービスもリリースしたという。

そのようなラクスルの急成長をマーケティングの側面で押し上げたのが、取締役CMOの田部 正樹氏だ。流通大手の丸井グループ、ウェディング業界のテイクアンドギヴ・ニーズで事業戦略やマーケティングを経験したのち、ラクスルにジョインした田部氏。

彼はどのようにしてラクスルを急成長に導いたのか。新たなテレビCM制作サービスにかけた想いとは。その真意に迫った。

ラクスル株式会社 取締役CMO 田部 正樹氏

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業界の負を解消するシェアリングエコノミーを展開

 
-まずは、手がけていらっしゃる事業についてお聞かせください。
 
田部氏:当社は、空き枠を活用したシェアリングエコノミーサービスを提供しています。具体的に中核事業であるネット印刷においての例をあげると、印刷会社の空きを把握して、その情報を印刷したいユーザーに提供。そうすると、誰でも簡単にネット上で印刷の発注ができるという仕組みを作りました。
 
-空き枠を必要とする人へ提供する。ありそうでなかった独自のネット印刷の仕組みですね。
 
田部氏:印刷業界自体は昔から存在していましたが、このような形のビジネスモデルはありませんでした。

業界は大手企業による寡占市場となっており、多くの中小企業が下請けや孫請けになっているピラミット構造。ネット化が遅れているため、価格も不透明。「このチラシを印刷したい」と思った時に、それがいくらかわからず、印刷会社に問い合せて見積もりをもらう手間が発生していたのです。

「ユーザーにとっての負を仕組みで解決したい。」

そのような想いから生まれたのが、このモデルでした。
 
-その仕組みが誕生してから、4年間で売上16倍。急成長を可能にした貴社の強みを教えてください。
 
田部氏:当社の強みは大きくわけて3つあります。
 
1つ目は、テクノロジーです。インターネットのテクノロジーを活用することで、これまで不透明であった価格を透明化し、ユーザーが商品やサービスを購入しやすいプラットフォームを構築しました。現在では、イラストレーターなどの専門ソフトを使わずに、オンラインで誰でも簡単にデザインができる『オンラインデザイン』もWEB上で提供しています。
 
2つ目は、オペレーションです。ラクスルのサービス購入自体はネットで完結しますが、購入後に商品が納品されるまでには多くのやり取りが発生します。多くの工程を問題なく進めていくオペレーションの設計力やフォロー体制も当社の強みです。
 
そして3つ目は、やはりマーケティングです。当社ではマーケティングを外注せず、すべて内製化。約30億円の予算を投下しながらPDCAサイクルをまわすことで、当社ならではの勝ち筋を見つけ、売上16倍の急成長を遂げることができましたと思っています。
 
-自社で取り組んだからこそ、社内にそのノウハウが蓄積されているということですね。
 
田部氏:はい。この成功体験は、今後も当社で活かせる知見だと捉えていますし、当社だけではなく他社にも提供できるものだと考えています。

ジョインのきっかけは、ヴィジョンへの共感


-取締役CMOとして御社の急成長に大きく貢献された田部様ですが、ラクスルへの入社を決めたきっかけについて教えてください。
 
田部氏:入社のきっかけは、転職エージェントからのスカウトです。当時のラクスルは売上が7億円、社員数は15~20人ほど。正直、私自身ラクスルのことは知りませんでしたし、世の中での知名度もまだ低い状況でした。
 
-そんな中、なぜ入社を決断されたのでしょうか?
 
田部氏:1つには、代表取締役社長CEOである松本が語った『仕組みを変えれば社会はよくなる』というラクスルのヴィジョンに共感したことです。
 
当時の私は仕事にやりがいを感じながらも手詰まり感をおぼえていて、社会貢献ができる事業に携わりたいと考えていました。そんな最中に出会った松本の言葉に純粋に魅かれましたし、彼自身本当にヴィジョンを実現していける人だと感じました。
  
もう1つは、10年間マーケティングをしてきた自分のスキルを中小企業の成長に役立てたいと感じたから。というのも、マーケティングスキルのある人材が社内にいるケースは、意外と少ないんです。大手企業であれば予算があるので外注できますが、中小企業はそうもいきません。
 
自分がラクスルにジョインすることで、ラクスルの事業の成長を後押しできればと考えました。
 
-入社後、最初に手掛けられたのが「500円名刺」。この取り組みの裏側には、どのような狙いや背景があったのでしょうか?
 
田部氏:「500円名刺」は、その名の通り500円で名刺が印刷できるサービスです。当時は宣伝に使える予算が少なく、テレビCMを打つようなゆとりはありませんでした。そのため、できるだけ予算をかけずに注目を集めるにはどうしたらよいかと考えた末に出てきたのが、この「500円名刺」でした。
 
-実際の反響はいかがでしたか?
 
田部氏:結果として、日経などの大手メディアで取り上げてもらうことができ、多くの方に500円名刺を発注していただくことができました。正直、500円名刺を1度発注してもらうだけでは赤字ですが、500名刺をきっかけに名刺の継続発注やチラシ・冊子の新規発注につながり、収益を生み出すことができました。
 
-視点が斬新でありながら、それを本当に実現できる点が素晴らしいですね。ぜひともマーケティング成功の秘訣の一部をお伺いしたいのですが、どのような点を意識してマーケティングを行っているのでしょうか?
 
田部氏:マーケティングは、 一言で言えば経営者や会社の思想やアイデアを世の中にわかりやすく翻訳することだと思っています。
 
例えば、私たちのビジネスの根幹にあるのは「シェアリングエコノミー」ですが、それをユーザーにそのまま伝えたところで興味を持ってもらえません。それよりも「どのくらい安くて早くて簡単なのか」という、お客様へのメリットをストレートに伝えることが大事なのです。

-「こちらが何を伝えたいか」ではなく、それが「どうしたら伝わるか」が重要ということですね。

田部氏:それはどの事業においても言えることです。たとえ取り扱うサービスや領域が変わっても、マーケティング手法は変わりません。

差別化ポイントをあぶり出し、顧客に届くコンセプト・キャッチコピーに置き換え、ABテストで仮説検証、勝ちパターンを見つけたら大きく予算を投下する。この方程式を解いていくことに尽きると思います。

-とてもシンプルに聞こえますが、実際に実行し、結果を出すことはそう簡単なことではないかと思います。田部様がこの方程式を解く中で、意識されていることを教えてください。

田部氏:今自分が取り組んでいることは、きちんと売上につながっているのか、短期と長期で捉えるようにしています。一方で、効率的な施策だとしても、『仕組みを変えれば社会はよくなる』という当社のヴィジョンにマッチしなければ、やる意味がありません。

投資対効果と、当社のヴィジョンとのマッチ度の両軸を捉えながら、前に進むようにしています。

従来の形と一線を画す、新テレビCMサービスをリリース


-売上が伸び続けている中、新サービスもリリースされたと伺いました。ぜひ、そのサービスの詳細についてもお伺いできますでしょうか。
 
田部氏:当社が新たにリリースしたのは、テレビCM制作サービスです。コンセプトは、”初めてのテレビCM”。価格は、制作費・放映費込みで50万円からです。
  
一般的にテレビCMは多くの予算が必要な一方で、どのような効果が期待できるかがわからないことが多く、私自身もそう思っていました。しかし、当社で実際にテレビCMを打ち、その効果を体感したことで捉え方が変わりました。

テレビCMであっても、きちんと目的・目標を定め、振り返りをして次に活かすことで効果につなげることができるのです。当社がCMを打つ中で蓄積したノウハウを同じ課題を抱える中小企業にも提供していきたいと考え、本サービスをリリースしました。
 
-すでに200社のCMを制作されたとのことですが、具体的にどのようなお客様からのご依頼があるのでしょうか?
 
田部氏:たとえば大分県でLPガスの販売をしている正木屋商店様の場合は、長年集客にチラシを使用されていました。しかしながら、次第に効果が薄れてきたことを課題視し、何か新しい手を打とうと考えたときに、当社のテレビCMを活用してくださったのです。
 
-実際の効果はいかがでしたか?
 
田部氏:CMを放映した結果、リフォーム事業の新規受注率が1.5倍に増加。新規取引企業や市外からの受注も入りました。当初は既存顧客の減少を食い止めることが目的でしたが、結果的には新規顧客の獲得ができ、非常にご満足いただけました。
 
-これだけ低価格でありながら、なぜそのような効果を出せるのでしょうか。
 
田部氏:これまで培ってきた当社の知見を最大限活かしているからです。
 
我々の持つノウハウの特徴としては、テレビCMの世界にインターネットの効果検証の考えを応用している点が挙げられます。複数パターンのCMを用意し、どちらが効果的なのかA/Bテストを実施。その効果を検証し、より効果的な内容へとブラッシュアップして勝ちパターンを見つけていくのです。

目標指標も「ブランディング」や「認知度アップ」などの効果が測りにくい指標ではなく、来店数などの売り上げに直結する指標に絞っているので、次に活かすことができます。
 
-どのような効果があったか定かではないCMではなく、きちんと振り返りができるCMが手頃な価格で作れるということですね。最後に、今後の展望についてお聞かせください。
 
田部氏:「テレビCMのやり方がわからない」「費用が高いわりに効果が見えにくくて敬遠している」という中小企業の経営者の方々にこそ、ご利用いただきたいです。

当社はまったく知名度のないところから、試行錯誤してやっと今の成長を遂げることができました。我々自身の実体験があるからこそ、提供できるノウハウがあり、解決できる課題があると思っています。過去の知見を惜しみなく外に出していくことで、経営者の方のお役に立っていきたいです。
 
執筆=池野
編集=高越
校正=山崎
 

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