株式会社Surpass

石原亮子

営業・マーケでも活躍するモンゴル人材を紹介

ダイバーシティを自ら体現し日本全体に広げていきたい
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今回のインタビューは、優秀なモンゴル人材の紹介や派遣サービスを営む株式会社Surpassの石原氏にお話を伺います。

「女性と社会の架け橋になりたい」と語る石原氏に事業内容はもちろん、現在に至るまでの経緯や今後のビジョンについて教えていただきました。

株式会社Surpass 社長 石原 亮子氏のONLY STORY


【経歴】

1979年東京生まれ。短大卒業後、日本生命に入社。退職後は、グルメサイトの立ち上げ、ペット保険の立ち上げ、地下水プラント、EC広告、また上場企業のIR資料の制作や翻訳の営業など様々なプロジェクトで、いずれも高い業績を挙げた。2008年8月「営業のあり方を変えたい」という思いで株式会社Surpassを創業、代表取締役社長に就任、現在に至る。

2017年に続き、2019年「Forbes JAPAN WOMEN AWARD 2019」従業員数300名未満の部受賞。積極的に女性を採用し、女性が活躍できる環境のある会社に送られる「WOMAN‘S VALUE AWARD2019」総合部門特別賞を受賞。

またEO TokyoやWAOJEなど起業家ネットワークで理事を務め、SDGsやESGにも含まれる、社会女性活躍のフィールド拡大や人材育成にも精力的に取り組んでおり、セミナーやワークショップなどの開催も行う。

日本企業でシナジーとなるモンゴル人材を紹介


–まずは、株式会社Surpassの事業内容をお聞かせください。

石原氏:Surpassでは、人材不足にお悩みの経営者の方や外国人材を採用したい企業様に、モンゴル人材の紹介と派遣サービスを提供しています。

機械・IT・建築など理系分野はもちろん、営業・マーケティング・通訳・経営幹部候補などの文系分野においても人材の紹介が可能です。

また、男性はもちろん、優秀な女性のご紹介も可能です。

–モンゴル人材の良さはどのような点にあるのでしょうか。

石原氏:モンゴルは大学進学率が高く、アジアの中でも言語習得能力がとても優れているため、自然なイントネーションで日本語を話せるようになります。また、日本人と近しい感覚を持ち合わせており、日本での環境適応能力に長けています。

そのため、流暢な日本語や日本人とのコミュニケーションが必要とされる職種であっても、活躍できる人材が多いです。弊社にもモンゴル人メンバーがいるのですが、営業を担当しており、アポイント獲得率もNO1です。

またモンゴルは世界の中でもアジア有数の女性活躍国であり、真面目で向上心がある女性が多くいます。彼女たちはとても真っ直ぐに業務に取り組みます。

–同業他社と比較した際、御社ならではの強みはどこにあるとお考えですか。

石原氏:まず海外人材としてモンゴル人材紹介ができる企業が珍しいです(笑)また、弊社は実際に自社でモンゴル人材を採用をした上で、トライアンドエラーをどんどん積み重ねながら運営をしている点や、彼らの特性を理解した上でご紹介できる点は強みだと思います。

紹介して終わり、というところが多い海外人材紹介業界の中で、内定後も入社、定着までの丁寧なサポート体制がある点も大きな特徴ですね。ビザの申請、入国手続き、住宅、口座開設などの生活に関するサポートはもちろん、研修事業を運営する弊社だからこそ実施できるようなビジネスマナーや考え方の研修も行っています。

Surpassを通したからこそ上手くいったと求職者にも企業にも思ってもらえるような支援を常に心がけています。

中国人・モンゴル人との出会いが人生を変えた


–現在の事業を始められたきっかけについて教えてください。

石原氏:7年前に道に迷っている中国人女性にたまたま道案内をしたことがきっかけです。彼女は私の姿が見えなくなるまで何度も何度もお辞儀をしてくれました。その姿に心を打たれ、その後も彼女と親交を深めていきました。

ある日彼女が「御社に就職したい」と言ってくれたのですが、当時は会社に力がなく採用することができませんでした。私も一緒に働きたいと思っていましたので、採用できないことが本当に悔やまれました。

単に彼女が優秀だったからという理由だけではありません。彼女を通して新たな気づきを得たこの体験を企業経営の中でも実現していくべきだと強く思ったからです。実際彼女と話すことでメディア情報だけで諸外国やそこに住む人たちのことを判断してはならないと気が付きましたし、私自身も中国へのイメージが一変したからです。

そこでまずは自社で海外人材と働ける環境を作ろうと思い、中国人の採用を始めました。その後、モンゴル人の評判を聞き、現地に飛んでモンゴル人を採用しました。採用したメンバーはとても優秀で、私自身が学ぶのはもちろん、社員たちも彼女達からたくさんの刺激を受けています。

そして改めて「自社だけでなく、日本企業全体で海外の方との共存の仕方を模索していく必要がある」と強く感じ、この事業をスタートさせました。

–実際に海外の方たちと働くことでどういった変化がありましたか。

石原氏:まず私自身がはっとさせられました。実は、創業して10年を過ぎた頃「自分の会社の価値は何だろう」「存在意義は何だろう」と、これまで一途に会社運営をしてきたものの、急に目的を見失ったような状態に陥りました。

そんな時、中国やモンゴルに行って、自分自身が足りない5%ばかり見て悩んでいたことに気がつきました。日本は先進国ですし、人々は豊かで安全に暮らしている。その当たり前に満たされている環境が95%あるのに、それを当たり前と考え、感謝できていないことに気が付きました。

日本人は足りない5%の虚無感に支配されがちです。しかしモンゴルや中国の方のような、働くこと生きることに真っ直ぐな人たちと一緒に働くことで、働く意味や生きる意味などを再認識することができる。逆に私たちは彼らに、日本ならではの強みやノウハウを伝えることができる。そういった、どちらにとっても有意義な働く形が作れると思いました。

多様性を形作るのが難しい日本社会で、私たちが『女性』や『海外人材』の架け橋となる。そう決意をしたことで、再び心に火がつき自分や会社の存在意義を見出すことができたのです。

ダイバーシティの実現可能性を証明できる企業に


–今後のビジョンを教えてください。

石原氏:まだ、世にはダイバーシティや女性活躍を体現している会社はそう多くはありません。女性活躍、ダイバーシティ、SDGsといった言葉がある時点で、それができていないことを証明してしまっているんです。

ダイバーシティの必要性も女性による組織の活性化も多くの論文で唱えられていますし、体感としている人も多いはず。けれど、実現できていない現状があります。

だからこそ、私たちの存在自体がその証明になるように、自分たちでトライアンドエラーを繰り返しながら体現していきたいと考えています。

–ありがとうございます。では最後に、読者へメッセージをお願いします。

石原氏:モンゴル人採用をご検討される際は、ぜひ自ら現地に足を運び、しっかりと彼ら彼女らと対話をしていただきたいと思います。そうしてダイバーシティを体現される経営者とその企業の皆様と共にグローバルな国を目指していきたいと考えておりまる。

執筆=山田
校正=笠原

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