BizSuite株式会社
多治川 友之
POSTED | 2020.07.07 Tue |
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TAGS | 従業員数:6~10人 業種:BPO・業務委託 創立:5〜6年 決裁者の年齢:40代 商材:BtoB |
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スタートアップ向け管理系業務のコンサル・BPO事業
経験豊富な専門家集団のサポートで事業を成功に導くTopics
今回のインタビューは、スタートアップ企業向けに管理系業務のアウトソーシング事業を営むBizSuite(ビズスイート)株式会社の多治川氏にお話を伺います。
さまざまなバックグラウンドを持った専門家集団が、将来IPOを目指すスタートアップ向けに管理系業務のアウトソーシングから資本政策、投資実務まで幅広く対応する同社。サービスの内容はもちろん、多治川氏が実現したい世界観についてもお話いただきました。
BizSuite株式会社 社長 多治川 友之氏のONLY STORY
【経歴】
2004年東京大学大学院情報理工学系研究科卒業後、ITコンサルティング会社を経て、会計コンサルティング会社に入社。上場会社の内部統制の整備や上場支援、M&Aのサポート等に携わる。2010年にサイバーエージェントFX(現:ワイジェイFX)に入社し、2011年より取締役、2019年6月まで在任。主に管理系業務全般を担当し、省庁等の折衝にも携わる。その後、英国子会社や新規事業・新規部門の立ち上げに主に従事。2019年7月XTech株式会社へ入社。2019年7月BizSuite株式会社を設立、代表取締役に就任。
IPOを目指すスタートアップをサポート
–まずは、Biz Suite株式会社の事業内容をお聞かせください。
多治川氏:弊社はスタートアップを中心に、管理系業務全般についてのご相談やコンサルティングを行うほか、人員が足りない業務のアウトソーシングを受けている会社です。
主にバックオフィス業務と呼ばれる経理、人事、総務、法務、経営管理といった部分から、将来IPOに向けたコンサルティング、資本調達、投資実務に関するご相談まで幅広く対応しております。
–スタートアップ企業がIPOを目指す場合、管理系業務においてどういった課題があるのでしょうか。
多治川氏:企業によってもさまざまですが、例えば社長自身が管理系業務を全てやっている場合、本来は売上を伸ばさなければならないフェーズなのに、会社の本業に集中できないといった課題があります。
また逆に管理系業務を税理士に丸投げしている場合は、資金調達をする上で自社の状況を説明できなかったり、投資をしてもらっても投資家が求める期間までに財務諸表を出し切れなかったりするケースも課題としてありますね。
–御社を利用されているお客様はどういった方がいますか。
多治川氏:現在は、IPOに向けてこれから審査が始まる企業が3、4社。来期以降のIPOに向けて管理系の業務を綺麗にしていこうと取り組みをされている企業が約10社。
また、IPOの予定はないけれど、ある程度大きな資本を入れたので内部をしっかりとしておきたいと取り組みをされている企業が4、5社ほどですね。
他にも大手企業の子会社の管理系業務であったり、買収に伴い管理系業務の再構築をコンサルティング業務として請けている企業が3、4社ほどあります。
–御社サービスの強みについて教えてください。
多治川氏:弊社は、私を含め企業側の管理系業務を経験してきた者や、会計士や税理士、USCPAといった士業の立場からスタートアップを見てきた者がいる専門家集団なので、その特徴を生かして必要な業務にワンストップで対応できる点です。
なので「経理業務を綺麗にしましょう」と最初に入らせていただいても、担当者の方が「資金調達で動かなければならない」といった場合は、状況に合わせ優先順位を変えてサポートいたします。
また、スタートアップ企業だけでなく大手企業へのコンサルティングも行っていますので、幅広い業務に対応できるのが弊社の強みになりますね。
–サービスを提供する上で、大切にしていることはありますか。
多治川氏:各企業のフェーズに合わせて対応することです。20人の企業ができることと、5人の企業ができることはやはり違いますので、必ず人数比や会社全体の方向性をヒアリングしながら、将来の拡大を見据えてサービスの提供を心がけています。
過去の起業で失敗した経験を今に生かす
–起業された経緯を教えてください。
多治川氏:長年、管理系の担当役員をしていましたが、並行してスタートアップ企業の経営者から個別に相談をもらうことが多かったんですね。
その中で、良いビジネスモデルがあっても管理系業務の整備が追いつかずに上場前に失敗したり、内部で崩壊していくケースを見てきたので、そういった状況を防いでスタートアップの成功確率を上げていきたいと思ったのがきっかけでした。
–起業は人生にとって大きな決断だったと思います。その決断に踏み切れた理由はありますか。
多治川氏:実は過去にも起業したことがあって、今回が4社目なんです。
10年前に起業した最初の会社は起業することが目的になってしまい、自分1人が食べていく仕事はあったのですが、そこから拡大させようという意識がないままズルズルといってしまい、結果として会社を閉じました。
その後、上場企業の子会社の役員となり、その会社の支援を受けながら子会社として2社目、3社目を立ち上げました。今回、1からの起業に再度チャレンジをしたく、この起業に至りました。
–多治川様にとってのターニングポイントはいつでしたか。
多治川氏:1回目の起業の失敗で「覚悟がないと人を雇うことはできない」と実感したことで、自分が先頭に立って稼ぎながら皆の生活を守るにはどうすればいいのかと考えるようになりましたね。
4社目となる今、社員の生活を守っていけるだけの営業力には自信があります。黒字を目指しつつも従業員を増やして事業を成長させていくという点を念頭に経営にあたっていこうと思っています。
副業で管理系業務の経験を積める場をつくる
–短期的な目標を教えてください。
多治川氏:管理系業務は担当者それぞれに属人化してしまったり、自動化したくてもシステム開発リソースが他に取られて後回しにされてしまうケースがあります。今後は管理系業務の生産性向上のため、仕組化・自動化に力を入れていきたいです。
また、スタートアップの管理系業務は1人でオールラウンドに対応できなければならないため、興味があっても「経理しかできない」「人事しかできない」と経験不足からチャレンジをためらっている人も少なくありません。
そういった人たちに未経験の管理系業務を経験できる場を、副業という形で提供していきたいと思っており、現在トライアルを行っています。
–長期的な目標を教えてください。
多治川氏:弊社の仕組みを使っていただくことで、スタートアップだけでなく日本全体の管理系業務の生産性向上に寄与していきたいです。
今後サービス開発に力を入れていくためにも、資金調達の可能性を念頭に置きながら事業を進めています。
–今後、日本の社会にどういった影響を与えていきたいとお考えですか。
多治川氏:北欧のエストニアという小さな国は、人口が少ないため会計ソフトが監査法人と繋がり作業が自動化されるなどITによる効率化が進んでいます。
そういった事例を見ていると、日本の管理系業務はまだまだ効率化が図れると思いますね。特に昔からあるトラディショナルな業界に対して、もっと効率化や自動化を進めていきたいです。
–ありがとうございます。では最後に、メッセージをお願いします。
多治川氏:会社運営にあたって管理系の業務でお困りのことがあれば、まずはお気軽にご相談ください。さまざまなステージを経験した専門家が実例を含めたアドバイスをさせていただきます。
執筆=山田
校正=米山