株式会社アセンドラーク

藤枝 誠

業務の効率化や製品開発の迅速化に導く製造業コンサル

ITに弱い中小企業のシステム構築を全面サポート
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今回のインタビューは、製造業向けのコンサルティングで中小企業の設計開発をサポートする株式会社アセンドラークの藤枝氏にお話を伺います。豊富なコンサル経験から見えた中小企業の課題や今後のあり方などについて語っていただきました。

株式会社アセンドラーク 社長 藤枝 誠氏のONLY STORY


【経歴】

北海道札幌市出身。大学院修了後、日立製作所の映像メディア研究所にてコンピュータ周辺機器の研究開発を行う。1992年に川崎重工業と米IBMの合弁会社であるキャダムシステムに転籍し、ソリッドモデラの企画・開発に従事。1998年に富士通に転籍し、PDMSTAGE開発プロジェクトをリードし、現在のPLEMIAのベースを作った。第1期コンサルタント認定を受け、富士通グループ5万人のSEのなかから50名に選抜される。2000年に東証一部ITコンサル会社に転籍。製造業ドメインを統括する執行役員に就任。日経BP社主催のセミナーなど講演多数。製造業の全領域においてIT活用のコンサルティングを手掛ける。2007年独立。

独立後、製造業を中心にITのグランドデザインや業務コンサルティング、新規事業戦略を手掛ける。2012年から2013年にかけて、クニエのディレクターとして、未来戦略のソリューションを手掛ける。現在、ハイクラス専門の転職エージェント『アセンドグリッド キャリア』を展開しつつ、継続事業として製造業やグローバル化を進めたい企業に対するコンサルティングを行っている。著書として、『人生100年時代を生き抜く キャリア4.0』や『生涯年収の最大化計画』、『マスカスタマイゼーションの実践』、『デジタルツインの真髄』などがある。

経験豊富で低料金なスタッフが製造業を支援


–株式会社アセンドラークの業務内容からお伺いします。

藤枝氏:弊社は製造業向けのコンサルティング会社です。

製造業には製品の「設計・開発」と「製造」という2つのフェーズがありますが、弊社は前段の設計・開発に強い会社で、最近は業務効率化による原価低減や製品開発の迅速化などの支援に注力しています。

また最近は、IoTで収集した工場内のデータを分析して業務効率化を図る「インダストリー4.0」をドイツ政府が主導して話題になっており、お客様からご要望いただく機会が多いので、IoTの導入サポートに関する実績やノウハウも溜まってきています。

–どういう課題を持つお客様を対象としていますか。

藤枝氏:1つは大手企業様ですね。大手企業の方針や中期経営計画はしっかりと作られていることが多いので、その実現のためにどういったアクションを取っていくのかを一緒に考え、実行までをお手伝いしています。

もう1つは中小企業様です。中小企業にはIT分野の人材が集まりにくい現状があるので、CIO(最高情報責任者)のサポートという形でIT部門を統轄し、システム構築の際にはPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)を派遣するなどして、全面的に支援をします。

そのようなプロジェクトにはベンダー(販売供給元)も参画しますが、なかなか話がかみ合わないことも多く、予算と期間に制限がある中では本来の目的とズレも生じがちです。そうした場合、弊社がPMOサービスとしてお客様の視点でベンダーコントロールをします。

–システム構築には困難が伴うと思いますが、その際に御社が留意する点は何でしょうか。

藤枝氏:やはり、それを実行する人たちの納得が必要ですね。上層部の指示でベンダーの作ったシステムを無理に導入するケースも多く見られますが、その後現場で問題が発生し、失敗に終わってしまうケースが多いと感じています。

そんな失敗を避けるため、弊社はお客様自身が決められる題材をできるだけ多く提示し、想定される問題や課題を顕在化させて、事前に検討する機会を設けているので、稼働後にトラブルが発生しても迅速な対処が可能になります。

–同業他社との差別化ポイントや強みは何でしょうか。

藤枝氏:弊社は大手コンサルティングファームを卒業した経験豊富なスタッフをアサインメントできることや、相場の30%オフ見当に設定した低料金が他社との差別化であり、強みだと思っています。

また、お客様の成功に必要とあらば、契約を上回る日数や人員も厭わずに提供し全力を尽くすところは、他社と大きく異なる点ですね。お客様の視点で動くことを一番大切に考えています。

起業直後にリーマンショック発生


–独立に至った動機は何だったでしょうか。

藤枝氏:私が役員としてITコンサル系の上場会社にいた頃は、新人でも月間200万、上のクラスになると1000万という高額なフィーにもかかわらず、お客様の資金繰りにダメージを与えるような結果を出してしまう状況を何度も見ました。

そこで私は、もう少し妥当な金額で、お客様の成長とともに継続してお付き合いしていける関係を築きたいと思い、もともとの独立志向とも相まって起業に踏み切りました。

–独立後に苦労はありましたか。

藤枝氏:たくさんありましたね。起業直後にリーマンショックが起きて、その時は苦しいながらもどうにか凌いでいましたが、それから約1年後に直接的な衝撃が襲いかかってきました。単価が落ち、プロジェクトの予算が削減されることが増えてきたんです。

ちょうどその間に、マインド重視でスタッフを大量増員したことも大失敗でしたね。採用は慎重にすべきだと勉強しました。

もちろん苦労が報われることもあります。プロジェクトが最初から最後まで順調に進行するケースは少なく、信頼関係ができるまでの間はお客様とどこかで揉めてしまうものですが、それを切り抜けてプロジェクトが成功を収めれば、苦楽を共にした仲間意識が芽生えますね。

実際に、今でもゴルフや飲み会などでプライベートなお付き合いを続けているお客様もいます。

–これまでで特に嬉しかった案件をお聞かせください。

藤枝氏:他のコンサル会社とベンダーが約1年間関わった結果全く進まなかったプロジェクトの立て直しを依頼され、弊社が関わってから3ヶ月で一気に状況を好転させたケースがありました。

コンサル会社に対して不信感がある中に飛び込むというマイナスからのスタートでしたが、弊社が良い意味で予想を覆したことによる周囲の変化が面白かったですね。

伸び盛りでイケイケドンドンの会社も楽しいですが、方向転換によってV字回復を目指す方が面白いと思っています。


収益を安定化し、面白く挑戦的な仕事を


–今後の目標をお尋ねします。

藤枝氏:会社の規模を拡大することはあまり考えておらず、今後は他のコンサル会社のサポート役にどんどん回っていこうと考えています。経験値の少ない若手コンサルタントが増えているので、過去のケーススタディも整理しながら、彼らの経験値を高める機会を提供していきたいです。

数字目標で言えば、現在の売上5億円のうちの60%ほどをストックビジネスに切り替えていきたいですね。そうやって収益を安定化させていくことで、低予算でも面白く挑戦的な仕事をやっていきたいと思っています。

また、エンドユーザーに対するブランディングでは大手コンサルティングファームに太刀打ちできないので、弊社は逆にコンサルティングファームを強化する会社になりたいと思っています。

–最後に、読者へのメッセージをお願いします。

藤枝氏:かつて日本の製造業には世界中から注目された高度成長期があり、今もなおその成功体験から脱却できない保守的な体質が続いています。弊社はそんな状況を打破し、変わろうとしているお客様、常に新しいことを模索するお客様とともに歩みたいと考えています。

10年後20年後を見据えて新しい考え方を受け入れ、ITを活用した業務モデルを目指す中小企業の経営者様をぜひサポートしていきたいです。

執筆=増田
校正=米山

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