株式会社E-Style
野 英利香
POSTED | 2018.08.16 Thu |
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TAGS | 従業員数:11〜30人 業種:研修・コンサル 創立:9〜10年 決裁者の年齢:その他 商材:BtoC |
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あなたの会社の働き方、本当に改革できていますか?
働き方改革時代の業務改善・教育に『E-Style』Topics
「働き方改革は、業務改善なくして成り立ちません。」
そう断言するのは、システムコンサルティング『E-System』を手がける株式会社E-Styleの野 英利香氏だ。
長時間労働を是正し、雇用形態による差をなくし、多様な働き方を可能にすることを目標にした働き方改革だが、政府が推進する一方で混乱している企業も実は多い。
『E-System』が掲げる業務改善とは一体どのようなものなのか。
野氏にお話を伺った。
株式会社E-Style 社長 野 英利香氏のONLY STORY
【経歴】
1981年東京都品川区出身。1998年白百合学園高等学校卒業、2002年日本大学理工学部物理学科卒業。母子家庭だったので早く親を楽にさせたいと思い、幼少期より医者を目指し勉強するが、大学は医学部に入れず挫折。その時に医者と同じく多くの人の役に立てる仕事はと考え、起業を思いつく。
経営やシステムを学ぶため、大手都市銀行でSEとして就職。その後山形へ。機械開発エンジニアとして仕事をし、その後再びシステム開発に当たると、年間1億6千から2億の経費削減をすることになった。大手生保会社の男性コンサルティング組織でのマネジメント。7年間の山形での生活を後にし、帰京。そこで保険について知る。お金に関して苦労してきたので沢山の節約方法を話に交えながらお伝えしていくと喜んで戴ける方が大変多く、お役に立てる仕事だと思い、AFPを取得する。その後代理店で他社の保険も勉強し起業。
メディア出演等:TV朝日「お願いランキング」「教え方のうまい家庭教師ランキング」で1位を獲得。
働き方改革時代。企業に求められるシステム化と人材教育
「国は残業をなくせと言うけれど、仕事はたくさんある。一体どうしたらいいのか。」
『E-System』の展開を中心に社内業務の効率化とシステム化を通して、働き方改革に向けたサポートを主に行っている野氏の元には、多くのクライアントからこうした声が届くのだと言う。
「どこが問題になっているのか、作業にムダがないかを調査し、システム化できるところはシステム化していきます。
例えばそれまで手入力でやっていた部分をシステム化できれば作業時間の短縮が図れますし、そこに関わっていた人員を新規事業などに生かすことが可能になります。社員のスキルややる気の向上に繋がり、生産性の向上にも繋がるんです。」
また、野氏は人材教育の重要性も強調する。それは、非効率的な働き方の根底には、社員一人ひとりの考え方の違いが影響しているためだ。
「人の思考回路って一人一人違っていて、同じ業務でもショートカットできる人もいれば、やたら複雑に遠回りしてしまう人もいる。でも遠回りしてしまっている人の多くは、ショートカットできる術があることややり方を知らないだけなんです。
こうした人材を教育することで業務効率は格段に向上しますし、自ら行動し業務改革に取り組めるようにもなります。」
このような取り組みから、大幅な経費削減につなげることができると語る野氏。『E-Style』のホームページには過去の業務改善実績が掲載されているが、ある製造系の企業では2億円もの経費削減に繋がった事例もあるというから驚きだ。
「経費削減=利益が増えると言うことですし、ムダな作業時間が減れば社員もワークライフバランスのとれた働き方ができるようになりますよね。一見遠回りしているように見える地道な改善作業ですが、実は、これが一番の近道なんです。」
実際に業務効率化を果たしたクライアントからは、「働き方はこんなに変えられるのか」と驚かれると言う。そして、「知り合いの会社も助けてあげて」と次なるクライアントの紹介へと繋がっていくのだそうだ。
「多くの人の役に立ちたい」という強い想いの原点
「こうやったら簡単なのに…って分かっているのに、遠回りしている時間がもったいないなって思うんですよね。」
にこやかに語る野氏の胸には、「多くの人の役に立ちたい」というシンプルな熱い想いがある。
野氏が幼少期になりたかったのは、医師だった。残念ながらその夢は断念したが、たくさんの人に喜んでもらえる仕事がしたいという想いはずっと変わっていない。学生時代に起業を決意したのも、会社の歯車になるよりも同じ想いを抱くたくさんの人たちが活躍できる環境を作りたかったからだと言う。
起業を決意してからまず始めたのが、小中高校生向けの家庭教師。在学中に教員免許を取得するために教育を学び、人を育てることの大切さを強く感じていたからだ。
この時、授業で特に心がけたのは、解き方やテクニックよりも、「学び方」を教えることだった。成績の良い子は、授業の聞き方、ノートのとり方など「成績が上がる学び方」が、教えなくても自然と身についている。
それを教えることで、子どもが自ら勉強し、成績が上がるような思考力を高めていくのだ。こうした授業は「わかりやすい」「成績が上がった」と評判を呼び、瞬く間に生徒数が増加。
学習塾「E-School☆」へと姿を変え、現在の株式会社E-Styleを支える支柱のひとつへと成長した。この学習塾経営で得た気づきが「E-System」での人材教育に生きていると野氏は語る。
「成績が振るわない子どもの中には、教える側には思いもつかないような考え方をする子がいます。
どうしてそういう考え方に行き着いちゃったのだろう。そう思って話を聞くと、すごく遠回りな考え方をしているんですね。でも、そうした子に効率の良い考え方を伝えるとすごく伸びるんです。
これは子どもだけの話じゃない。大人にも効率化のノウハウを教えることで、自発的に業務改善に取り組めるようにすれば企業の成長につながるんですよ。」
“女性の働き方改革” の先頭に立ち、ロールモデルに
今日まで、システムコンサルティング「E-System」、学習塾「E-School☆」、フィナンシャルコンサルティング「E-Finance」、美容塾「E-Beauty♥」と多種多様な事業を展開してきた野氏。
銀行系システム開発会社のシステムエンジニアとして、プライベートバンキングシステムや投資信託のシステム開発などに携わった経験や、製造系の会社で社内全体の業務改善を果たした経験、大好きな美やコスメに関する情報をブログで発信してきた経験など、野氏自身が培ってきたものが株式会社E-Styleの全ての事業のベースになっている。
そんな彼女が考える今後の展望とはどのようなものなのだろうか。まず数字的な目標を伺うと、野氏はちょっと困ったように笑った。
「短期的には、2年以内に年商を1億円まで上げることを目標にしたいです。でも正直、目の前で困っている人を助けたい!という想いだけでこれまで動いてきたので、数字的なことはそれほど重視していません。」
では、野氏が本当に実現したいことは何だろうか。長期的な目標を伺うとその目がさらに輝いたように見えた。
「まずはE-Styleをもっと多くの人に知って頂いて、関わった方々が “人生が変わった ”とか“ 知って良かった ”と思っていただけるようになりたいですね。
あとは、女性の働き方改革を応援していきたい。システムを通して在宅や副業でも出来るような、女の人が働きやすい職場のロールモデルになりたいと思っています。」
女性が働きやすい職場づくりは大手企業なども取り組んでいることだが、育休復帰後に部署の異動があったり、やっている事がやりたい事と違ってしまったり、現実的にうまく行かないことが多い。
それは、会社の成り立ちそのものが根本的に違うせいだと野氏は言う。
「“女性は家を守る”という時代にできた会社は、男性がベースになって組織が出来上がっているんです。だから、付け焼き刃的に制度を整えてもうまくいきません。
だったら、女性が活躍できる会社に根本から変えてしまえば良い。一つモデルができれば、あとはみんながマネすればいいわけですから。今日までやってきたシステム化を次のステップに生かしたいと思っています。
そして、最後になりますが、株式会社E-Styleを1人1人が自分の個性を生かし、人生の幸せを得られるように働き方に融通の効く会社にしていきたいですね。また、お客様にとっても私たちと関わることによって人生の中のターニングポイントになるような会社にしていきます。」
業務改善の若きエキスパートが、女性の働き方改革のエキスパートとして輝きを放つ日も遠くはなさそうだ。