Rehatech Links株式会社
大北 潤
POSTED | 2019.03.26 Tue |
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TAGS | 従業員数:5人以下 業種:研修・コンサル 創立:7〜8年 決裁者の年齢:その他 商材:BtoC |
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視野を広げるコンテンツを提供し、セラピストを育てる
実際に体験することで身につく講習会を開催Topics
今回のインタビューは、理学療法士・作業療法士などのセラピストの教育事業に取り組むRehatech Links株式会社の大北氏にお話を伺いました。セラピストを育てることによって、患者により良いサービスを提供したいという同社の想い、これからの展望について語っていただきます。
Rehatech Links株式会社 代表取締役 大北 潤氏のONLYSTORY
【経歴】
1990年2月1日生まれ。鳥取県出身。
2012年3月玉野総合医療専門学校理学療法学科卒業。2012年4月新卒で医療法人天和会松田病院に入職。リハビリテーション業界の教育における地域格差を感じ、理学療法士を2年9ヶ月で同病院を退職し、上京。ITサービスの基盤をつくるため、2015年1月にWeb制作・広告プロモーション会社を設立。2016年4月にリハビリテーション業界の教育を変革するため、Rehatech Links株式会社を設立。現在は、「人を創り、未来を創る」ことを理念に掲げ、リハビリテーション教育の入口を広げることを目的とした『リハデミー』を運営している。
誰もが質の良い教育を受けられるように
–Rehatech Links株式会社の事業内容を教えてください。
大北氏:Rehatech Links株式会社は、リハビリテーションに関する教育事業、具体的には理学療法士、作業療法士に向けた講習会を行っています。
講習会の他には、どこにいてもリハビリテーションの実践的な学習ができるような『リハデミー』という教育プラットフォームの運営も行っています。こちらでは、講習会を収録した動画や、海外の論文の紹介、講師の先生方に執筆いただいたトピック、インタビューなどを配信しています。
インタビューでは先生方の生き方や、人生の中で培ってきた叡智や知恵を伺い、セラピストの生き方や考え方の幅が広がるようなコンテンツを提供しています。そのほかにも、医療従事者として働いていたけれど、怪我をして脊髄損傷になってしまった友人に執筆を依頼し、医療人としての視点と患者としての視点を発信するコンテンツも配信しています。
なので、いろいろな角度から視野を広げてもらえる内容になっていると思いますね。
–他社と差別化をはかっている点や強みについて教えてください。
大北氏:まず『リハデミー』のオンラインコンテンツが充実している点です。私はもともとIT業界で、Web制作やインターネット広告を行っていたので、他社に比べてWeb戦略に強いというのはひとつの特徴だと考えています。
また、弊社にはセミナールームがあり研修設備が完備されているので、実際に実技講習ができるような環境が整えられている点も弊社の特徴であり強みだと思いますね。
–サービスを提供するにあたって大切にしていることは何ですか。
大北氏:講習会については、体験してもらうことをとても大切にしています。やはり聴いて満足するだけでは意味がないので、それをしっかりと技術として学んでいただけるような環境作りに注力しています。
Webコンテンツについては、情報に間違いがないよう、きちんと監修をつけて根拠のある情報
の発信を行なっていますね。
お金よりも社会のために
–起業のきっかけについて教えてください。
大北氏:自分自身が理学療法士として働いているときに感じたことが起業のきっかけになっています。それは「勉強がなかなか満足にできない、勉強しているけれど、実際に患者と向き合ったときに学んだことをどのように活かせば良いのかわからない」ということ。
ちょうどそんなことを考えていた頃に、交通事故で入院するになり、自分が治療を受ける立場になったんです。その時も、やはり上手なセラピストに治療していただきたいと思いましたし、担当してもらうセラピストが誰でもいいとは思えなかったんですね。
そういった課題を解決するために何かを始めなければならないと思いました。
–そこからリハビリテーション事業を立ち上げたということですね。
大北氏:実はそうではなくて、起業当初はお金が必要だったので、Web制作やWeb広告といった今とは異なる事業を立ち上げて会社の売上を作っていました。その後に本当に自分がやりたかった医療の仕事を始めたんです。
この事業に関しては、お金を稼ぐことよりも、自分が必要だと思うこと、社会に必要だと思われていることを最優先に進めてきました。リハデミーも長い時間をかけて、本当に自分が納得できるコンテンツが完成してからリリースしたんです。
–講習会だけでなく教育のプラットフォームとしてリハデミーを展開されたのには何か理由があるのでしょうか。
大北氏:私は岡山の専門学校で理学療法士の資格を取り、その後現場で働いていたのですが、地方だとどうしても情報格差が激しく、講習会も都市部でしか行われないことが多いんですね。けれどコストを考えると、勉強のために都市部に頻繁的に行くことも難しいんです。
そこで住んでいる場所にかかわらず、誰もが平等に学べる環境が必要だと考えました。やはりセラピストが育たなければ患者は質の高いサポートを受けることができません。その課題を解決するために、教育コンテンツの配信を始めたんです。
理学療法の可視化を目指す
–今後の目標について教えてください。
大北氏:短期的なところだと、リハデミーを次のステップに進めることです。会員数を増やすことはもちろん、医療メーカーや大学、大学院と連携していくことで、アカデミックな教育に関してもしっかりとした基盤づくりを行っていきたいです。
また、理学療法を可視化することに力を入れていきたいとも考えています。VICON:三次元動作分析システムをこれから導入するのですが、この装置で動作を可視化したり、超音波エコーで評価や治療効果を可視化できるようにしていきたいです。どちらも普段の臨床現場ではなかなか使用できないので、そういった環境を身近にしていきたいと思います。
そしてその後は2025年までにはIPOができるよう、組織作りや事業の拡大を行っていきたいと考えています。
–読者にメッセージをお願いします。
大北氏:リハビリテーション業界は、もっともっと実力を発揮できるセラピストが多くいる現場だと思っています。そういった方がもっと活躍できる場を作っていきますので、今後の理学療法士、作業療法士という職に、より注目していただけると幸いです。