株式会社エクセリーベ
大橋稔
POSTED | 2016.04.26 Tue |
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TAGS | 従業員数:5人以下 業種:研修・コンサル 創立:11〜14年 決裁者の年齢:その他 商材:BtoB |
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会話でみんなが笑顔になる。驚くほど楽しい未来になる。
年を重ねることが楽しみ!そんな生き生きとした社会へ。Topics
株式会社エクセリーベ 社長 大橋 稔氏のONLY STORY
株式会社エクセリーベ
~代表取締役CEO エクセリーベ 大橋 稔(おおはし みのる)様~
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1974年8月生まれ 福島県福島市出身。産業カウンセラー。
富士通系ソフトウェアベンダー、SCSKグループ企業を経て2011年7月に株式会社エクセリーベ設立、代表取締役に就任。
これまでWindows版IMEの開発、コールセンター、セミナー講師、品質管理業務等に携わるとともに、のべ200名を超える社内スタッフへのメンタルケアおよびコーチングの実績を持つ。
個人活動としても、2010年より目黒区のデイケアセンター、2012年より新宿区の小規模多機能ホームおよびリハビリセンターにて、ほぼ毎月、傾聴ボランティア活動を行なっている。
エクセリーベ設立後は、かながわサイエンスパーク等での講演、陸上自衛隊の部外カウンセラーおよびメンタルヘルス講師としても活躍中。 さらに、2014年には日本ピアカウンセリングアカデミー(JPA)を設立し、障がい者の就業支援にも関わっている。
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「心のケアの仕事をするなんて、全くの予想外だった」
私は学生の頃からプログラミングが好きで、当時はその分野でずっと食べていきたいと思っていました。
今はご年配の皆様をケアするお仕事をしていますが、昔の私はきっと想像もしていなかったでしょう。人生とは不思議なものです。
通っていた福島県の高校も、当時にしては珍しい、プログラミングを学習できるところでした。もともとは地元で就職するつもりだったのですが、様々な縁で、エンジニアとして東京へ行くこととなりました。
そこでは最新のIME変換システムを作る仕事に従事し、新鮮で充実した経験を積むことができたのですが、ひたすらに打ち込んだことで、ふと「プログラミングの仕事は、もうやり切ったのではないかな。」という気持ちになったんです。
勿論プログラミングは今でも大好きですが、人と直接出会って話す、コミュニケーションのお仕事に転換しようと思いました。
上京した頃は、予想もしていなかった転職でした。
「人と話す」ことに興味があった私は、新聞の営業や電話対応の仕事を選びました。
やはり、どれも面白いお仕事でしたね。最初は、次々とたくさんの方とお話をすること自体が楽しかったですし、そうして物事を進めていくことに充実感を感じていました。
ただ、電話対応のお仕事をしていたとき、強く心に残ったことがあります。
まず、続けていけば面白さがわかっていくであろう仕事なのに、メンバーがすぐに辞めていってしまうこと。
そして同時期に、私の友人が心を病んでしまったことです。
そのとき私は職場でチームリーダーの立場にあり、仕事の調子が良くなさそうなメンバーと、個別に話をするようにしていました。
すると、仕事を辞めてしまう背景として、“仕事が忙しくて大変"といったこと以上に、各々が抱える悩みが大きいことが原因であると分かったのです。
例えば、家族とうまくいっていない、自分の性格について悩みがある、等です。
心を病んでしまった自分の友人にも、そういった「話したいけど、誰にも話せない」ことがあったのかもしれない。
そう思ったのです。
もともと話を聴くことが好きでしたので、当時は自己流で1人1人と向き合っていましたが、「もっと、きちんとメンバーや周囲の人の話を聴けるようになりたい」と考え、その後も仕事を続けながら、私はカウンセラーの資格を取得しました。
そして、日本には、資格を持ちながらも、活躍の場を得にくいカウンセラーがたくさんいるのだということに気づきました。
彼らの活躍の場を作ることも、「話したいけど話せない」という問題を解決する手立てになるかもしれない。
そうした思いから、『ITで人々のこころを豊かにする』ための会社を設立しました。
これがエクセリーベです。
専門家が緩やかに見守る対話サービス
私にはそうした想いがあります。
“ただ、会話するだけ。”そう見える行為にも、思いがけない力があるものです。
しかし、実際にメンタルクリニック等へ赴くとき、今の社会では様々な問題があるのが現状です。
まず、「精神科に行く」というイメージが、どうしても重く取られがちであるということ。
だから、気軽に知り合いと「カウンセリングを受けた」話題を共有することも難しいでしょう。
更に、メンタルの予約は1か月ほど先まで一杯であることが多く、すぐに話を聴いて貰いたいという希望に、応えきれない場合があります。
私たちのスカイプを利用したカウンセリングサービスは、そうした課題を解決してくれます。
また、超高齢社会の日本において必要になると考え、カウンセラーの聴くスキルを最大限に活かした高齢者向け対話型サービス「見守りん」もリリースいたしました。
離れて暮らす親は高齢になっているが、今のところ元気で、施設に相談するほどではない。けれども、将来が少し不安。今すぐ親と一緒に暮らすことはできないし、頻繁に顔を見に行くことも難しい。しかし、親も心配や悩みを抱えているのではないかと思う。そんな、ちょっとした後ろめたさを抱えてしまっている方におすすめなのです。
「見守りん」は、スカイプでモーニングコールをするようなイメージです。ご高齢の方と担当のカウンセラー(アテンダーと呼んでいます)が、毎週定期的に会話をするサービスです。
アテンダーはすべてカウンセリングの有資格者であり、いわば傾聴のプロです。
私たちは、定期的なコミュニケーションの中での気づきを、ご家族の皆様へ共有して安心を提供しています。
あるご高齢の男性が、ご自分の畑にタブレットを持ちだされて「見守りん」のサービスを受けていたことがありました。
「私の趣味は、畑なんですよ。見えますか?――ほら。」
男性がタブレットをかざして見せてくれたのは、生き生きとした野菜だったのです。
これにはアテンダーも驚いて、次の回からお互いに、自分たちの作った作物を画面で見せ合うようになりました。
単純にお話をしてご様子を伺うだけではなく、視覚を通して深く結び付くことができるんです。
顔が見えるコミュニケーションには、まだまだ、予想できないような可能性が潜んでいると思っています。
また、「スカイプを使いこなすことで自信が付いた」というお声もお聞きします。
孫ともスカイプで話せるようになった、共通の話題ができた、という喜びですね。
そしてもう一つは、「第三者だから言えることがある」ということです。
例えば、子供の頃の思い出を話してくれるとき。
皆さんの表情はとても生き生きしているんです。当時のことを思い出し、当時の気持ちになっているんですね。
「話を聴く」ということはやはり大事です。
ご高齢の方が何度も同じ昔話をするとき、ご家族でしたら距離が近い分、「その話はもう聞いたよ」と反応することもあるでしょう。
しかし第三者であるアテンダーは、お相手が納得するまでしっかりとお話をお聴きします。
そうすることで生き生きとした感覚を思い出し、自分の生きがいを見つめなおすことができるんです。
そうした情報をご家族と共有すると、「親の生きがいを、大人になってから初めて知った!」と感動されることもしばしばです。
年をとればとるほど楽しい社会へ
また、主婦の方など、かつて前線で活躍されていた方にも、再びご自身のスキルを活かして頂ける場を創っていきたいですね。
「話したいけど話せないことがある」問題を解決することが、同時にカウンセラーさん達の活躍の場を作ることにもなり、良い循環を生むのではないかと思っています。
少し先ですが、中国のように、日本と同じく高齢化が進んでいる国に進出することも考えています。
また、有資格でない方も傾聴のノウハウを得ることができるシステムも構築したいですね。例えば、定年後のキャリアとして「見守りん」のアテンダーになることを、一つの選択肢にしたいです。
老後の楽しみが一つでも増えれば、年を重ねることが楽しみになりますよね。
「もうすぐ自由な時間が増えるな、何をしようか」とワクワクしますし、ノウハウを持つことが、充実感や自信にもなります。
僕自身も、老後の自分が「見守りん」を使っていたら、すごくいいなあ!と、今から楽しみなんですよ。
株式会社エクセリーベ
http://www.exceliebe.com/corporate/index.
「見守りん」