株式会社エーエスエル
平出 浩太郎
POSTED | 2018.03.13 Tue |
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TAGS | 従業員数:101〜300人 業種:IT・情報通信業 創立:15年以上 決裁者の年齢:50代 商材:BtoB |
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”エンジニアファースト”を貫く理由とは!?
社長が、エンジニア一人ひとりのキャリアパスを描く!Topics
株式会社エーエスエル 社長 平出 浩太郎氏のONLY STORY
【経歴】
【経歴】
1975年東京都品川区で生まれる。最終学歴は國學院大學経済学部卒業。1999年に株式会社システム情報に入社し、2年目からプロジェクトリーダとなり、さまざまな大規模システム開発に携わる。2005年3月にPMP®(Project Management Professional)の資格を取得し、翌年からライン部長職となる。
その後、PMO室長、事業推進部長、事業企画室長、品質管理室長などを歴任し、2015年10月に株式会社システム情報が株式会社エーエスエルを子会社したことに伴い、株式会社エーエスエルの常務取締役に就任。その後同社の業績を順調に拡大した功績を認められ、2017年12月に代表取締役に就任し、現在に至る。
黒字化に成功!出向先の会社を立て直し、代表取締役に就任
私は現在、親会社の株式会社システム情報から出向して、株式会社エーエスエルで代表取締役を務めています。
エーエスエルがシステム情報の100%子会社となった2015年の10月に、常務取締役としてエーエスエルに参りました。
振り返ると就任当初は大きな赤字を抱えている状況でした。お客様からいただけている金額が相場よりも安く、仕事にアサインできていない社員も多数おりました。
適切な金額にするためにお客様の元へお願いしに行ったり、全員が仕事につける状態にするために営業として奔走しました。その際、今まで一緒に仕事をしていた親会社でのパートナー企業の方々には様々な面でサポートしていただき、現在でも大変感謝しております。
また、弊社のお仕事に協力していただくビジネスパートナーさんも1名しかいなかったのですが、半年で15名ほどまで一気に増員しました。その後、黒字化し利益も安定したため、営業担当を雇用し、私は採用に傾注いたしました。社員数は、当初43人程度でしたが、現在では90人弱まで増えてきています。
これらの実績が認められて、2017年12月に代表取締役に就任いたしました。
転職中のエンジニアに響く!独自の”エンジニアファースト”とは
エーエスエルでは、システムインテグレータとして主に三つの事業を行っています。一つ目は、オープン系アプリケーションの開発で、これが最も多いです。二つ目は、サーバーやネットワークなどインフラ関係の上流から下流まで。コンサルティングフェーズから基本設計など上流工程の仕事もあるのが、エンジニアには魅力的かと思います。三つ目は、PMO(Project Management Office)などのマネジメント系の事業です。
お客様のニーズに対して、コンサルティングのような形でこちらからアドバイスをすることもあり、優秀な社員が多いため、他社に比べて顧客満足度は高いと自負しています。お客様からベストパートナー賞を頂いた事もあるほどです。
一方で、社内に対しては徹底的に”エンジニアファースト”の姿勢を貫いています。「エンジニアを第一に考えている」という会社はたくさんありますが、大きな会社の場合、実際には社員に無理を強いるケースが多くなる傾向にあります。しかし、エーエスエルではエンジニアが本当に困った場合、お客様とも徹底的に交渉するほど、完全にエンジニアファーストの信念を貫いているつもりです。
これは、私自身がずっとエンジニアをやっていて、大炎上プロジェクトに入りこんだり、月に一人ずつ誰かが倒れていくような現場を経験しているということの影響が大きいと思います。エンジニアの転職の理由の多くは職場環境に依存すると感じているんですよね。
ですから、必ずエンジニアの個性と仕事との相性を考えてアサインするようにしています。実際に、その仕事にあわない人に担当させてしまうと、パフォーマンスを十分に発揮できないという場合が多いのです。また、年齢を重ねたからマネジメントをしろというわけではなく、その社員に合った何か別の長所を伸ばしていけば良いと思っています。
また、それに加えてしっかりとキャリアパスを考えてあげることが重要です。乱暴な言い方ですが、この業界は人が商品なので、今後のキャリアパスをきちんと作ってあげることで、その人自身の価値が上がっていき、最終的にはそれが会社の成長にもつながるんです。
その一方で、エーエスエルの採用面談にいらっしゃった方であっても、他社の方がその方に適していると感じたときは、紹介をすることもあります。これはただ私が純粋に、皆さん自身にあった仕事をして欲しいという思いからです。 仕事ではないのでお金をもらうことはありませんが、ありがたいことに紹介した人から何通か、お礼状を頂いたこともあります。
また、社員が働くうえで何を重視したいのかを明確にするため、アンケートに答えてもらっています。仕事を決めるうえでの条件や優先順位、将来のなりたい姿を描いてもらっています。社員と直接電話で話すことも多く、私自身が現場出身だからこそ、いろいろな相談に乗ることができるんです。採用やパートナー推進などを含む前職の経験もあり、エンジニアの相場感の正確さには自信があります。『この経験でこのスキルがないともったいないので、もっと市場価値を上げるにはこのスキルが最適』などといった的確なアドバイスをさしあげることができると思います。
前職では、プロジェクトマネージャーを長く務めていて、アプリケーション基盤を作る仕事に従事していました。他のアプリケーションの基盤となる部分なので、関わるチームや担当者の方が多く、サーバインフラのエキスパートの方からネットワークの専門家まで、様々な方々と一緒に仕事をしてきたので、多岐にわたる分野の知識を蓄えることができたことも良い経験になりました。
また、現在エンジニアは売り手市場なので、中途採用でより優秀な人に入社してほしいという思いがあります。そのために待遇面では、給料を上げたり、期末賞与も出していて、平均残業も少なく、福利厚生面では働きやすさを重視しています。
ロボティクスやノンプログラミング開発の新分野に挑戦!でも、”エンジニアファースト”は変えない
現在、エーエスエルでは業務の幅を広げている最中です。私がエーエスエルに移った時点では、インフラ関係を扱うエンジニアはいなかったのですが、必要性を感じ、現在では20人以上に携わってもらっています。
また、直近ではRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)や、ノンプログラミング開発など、新しい分野にも進出しています。
RPAは、今まで人間が行ってきたパソコン上の事務作業を記録し、それをベースにカスタマイズすることで自動化・効率化できる仕組みです。ルーティーン業務を繰り返し反復したり、ルールを定めて覚えさせれば、判断もできるようになります。
たとえば、企業の業務システムの検索結果をエクセルに記入するという作業を繰り返し行って、その結果が正しいか、他のデータと照らし合わせて判断するなどということも簡単にできてしまいます。中小企業でも、事務コストを削減できる可能性がありますよね。
ノンプログラミング開発については、技術の進化に伴い、さまざまなプログラムを書かずにシステムを開発できるようなツールがどんどんと世に出てきています。
ですがやはり、赤字を出すわけにはいきませんし、投資するにも様々な制限があるので、なるべくお金をかけずに、新しいことに挑戦していきたいと思います。
ただ、”エンジニアファースト”というコンセプトだけは、変えないようにしたいですね。現在、会社が急成長中でどんどん人数も増えていますが、営業コストが余計にかかっても、このスタンスだけは変えずに残していこうと思います。