株式会社シンクスクエア

田中 健一

【後編】3年連続ベストベンチャー100選出企業から学ぶ経営術

個性を受け入れ、活かすことができる しなやかな組織へ
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前編に引き続き、人の個性を理解し合えるチーム作りを行う専門家・株式会社シンクスクエアの代表取締役社長を務める田中健一氏の研修を覗いていきましょう。

〈前回記事のポイント〉
☑︎日本人の価値観は欧米化の中で多様化が進み、個性を活かした働き方や生き方が広く認められつつある。こうした中では、それまでの日本で主流だったトップダウンマネジメントは通用しない。

☑︎人の脳には、利き腕・利き脚と同じように“利き”という特長が備わっている。自分と他人のその個性を理解し、受け入れ、活かすことで、人とチームがもともと持つ力は最大化される。

☑︎これからの次世代型のチームビルディングには、『人材力』『組織力』『関係力』が欠かせない。これらは、仮想体験ゲームを通して何度も体感と気づきを繰り返していくことで、本当の意味で身についていく。

☑︎人が変わるためには、知識、経験、そして習慣の壁を越えていかなければならない。一回の学びや気付きだけでは、変化は起きない。

▼ 前編記事はこちら。

後編は、チームやメンバーの目標実現を可能にするリーダーの在り方とコーチングの活用術について伺ってまいります!

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リーダーとは、メンバーの目標達成を実現できる人材であれ。


ゲームとその振り返りを終えると、次の段階へ。
「それでは、皆さん前回の宿題の方はどうなっているでしょうか。」

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今、私たちが伺っているのは全12回のうちの5回目。私たちが伺う2週間前の前回、各参加者が抱えるチームの目標を設定していたとのことで、ここからはその進捗を報告する時間にうつります。
みなさん、幹部社員としてチームを抱えて目標に向かう中で様々な想いを抱えていらっしゃるようでした。

Aさん
「自分では(設定した目標は)いけると思っているんですが、どれくらい周りに自分の想いが伝わっているか、周りがどのように思っているのかわからない。」

Bさん
「目標を設定したものの、振り返ってみるとできていないことが多い。本当にチームとして目標達成できるのか不安。」

それに対して、田中社長は1つ1つに朗らかな表情でうなずきながら、
次のようにフィードバック。

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なるほど。そもそも人間というのは、自ら目標に向かって生きるということはしないものじゃないですか?
そう考えると、チームとして共通の目標を持つためにはまずはメンバー個人の目標を聞いてあげることが大切。その上で、メンバーの個人目標とチームの目標が重なる部分を見出してあげるんです。
そのような目標設定をすることで、メンバー、チーム、会社、ひいては社会のために、チームとして進んでいくことができるようになります。
ただ、この時、高すぎる目標設定はしてはいけませんよ。階段を作るようなイメージで、達成可能な目標を作っていくようにしましょう。

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目標が決まったら、長い目でその達成に取り組む。
チームとしての成長や目標達成を見据えた時には、3年後くらいにいま思い描く理想の形にたどり着いているくらいのスパンで考えていかなければなりませんよ。
断言しますが、たった3ヶ月や半年ではみなさんの思い描く理想は実現できませんから。

参加した幹部社員が頷く中、田中社長はこう続けます。

「チームとして目標達成するのは難しい。しかし、(これからは)それができる組織にならなければなりません。そのために、まずはリーダーであるみなさんは個人として目標達成できる人間になることが大切です。その上で、あなた以外のメンバー個々が目標達成できるようにサポートできる人材になる必要がある。」

そう話しながら、田中社長は新たな資料を配り始めました。
幹部社員の方々の手元に配られた資料に書かれていたのは、「コーチング」の文字。

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「コーチングとは、何ができるものだと思いますか?例えば、ゴルフ界で最も成功を収めた選手の一人、タイガー・ウッズ。彼にもコーチがいましたね。タイガー・ウッズのコーチは何をしているのでしょうか。タイガー・ウッズよりもゴルフは下手なはずですよね。もし上手ければ、そのコーチの方が躍しているはずですから。」

「確かに・・・。」という声にならない声が聞こえてくる。

ならば、タイガー・ウッズのコーチの仕事とはなんなのか。
田中社長は、さらに続けます。

「タイガー・ウッズのコーチとは、『タイガー・ウッズに自ら行動をさせ、彼の目標の達成をサポートする人』です。

みなさんには、この研修を通してメンバー個人個人の行動を促し、その目標達成をサポートできるような人材、つまりコーチになっていただく。」


相手を理解し、目標に向けた行動を促すコーチング(GROWモデル)


この日、田中社長が取り上げたのは、コーチングの手法の中でも世界的に標準とされている「GROWモデル」というコーチング手法。

この手法を社員とのコミュニケーションに用いることによって、上司と社員との間に生じているギャップを埋めることができると言います。

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「上司や経営者は自ら考え、働く社員を求めますよね。
一方で、若手の社員にどんな上司の元で働きたいかと聞いてみると、自分を認めて任せてくれる上司の元で働きたいと答える。こうしてみると、お互いに『自立』『自ら働く』というところを共通してキーワードにしています。わかりますか?」

こうして聞くと、上司と社員が互いに求めていることが一致していることがよくわかります。
それでも、企業や組織によってはその間にギャップができ、うまくいかないことがある。

例えば、上司が組織の目標を社員の方に伝えた時、「分かりました。」と返事はするものの、自発的な行動には繋がらないという場面がありますよね。

このような関係では、組織としての目標達成は不可能に近い。

「みなさんは、社員の方に組織として設定した目標を話しますよね。その時、社員の方は『分かりました。』と言いますよね。それでも、なぜか社員の行動は変わらない。そんなことはありませんか?こうしたとき、社員が言った『分かりました。』は理解したという意味ではないんです。『聞こえました。』という意味ですからね。これでは、互いにコミュニケーションが取れているとは言えない。そのようなギャップが生まれた時、それを埋めるのがコーチングです。」

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コーチングとは・・・

“相手に自発的な行動を促し、目標達成のサポートを行うためのコミュニケーション技術です。コーチはクライアントとのコミュニケーションを交わすことで、クライアントが実現したいゴールを明確にし、短時間で達成できるようにサポートする。”

(研修資料より抜粋)

「このコーチングというのは、13分ほどでも効果が出ます。私のコーチングを受けてみたい方はいますか?」

そう言うと、田中社長は一人の幹部社員を呼びました。

「悩んでいる問題はありますか?」
「どんなところが気がかりですか?」
「実際にあったエピソードを話していただけますか?」

幾つかの質問を投げかけながら、ヒアリングをしていきます。

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その中で一人の幹部社員の悩み事を分解し、ともに理解を深め、最後にはその人自身の口から「今後はこうしていきたい」という意思のある言葉と次の行動目標を引き出しました。
コーチングを受けた幹部社員も、このように話しています。

「特別な質問をされているわけではなかったんですが、質問に答えるほどに自分自身がより深く考えることに繋がって、次にすべき行動が見えてきました。まさに、引き出されたといった感じでしょうか。」

その後、よりコーチングの理解を深めたところで、2人1組のペアになり実際にコーチング練習へ。
両者がコーチ側・クライアント側の両方を交代しながら務め、田中社長が都度フィードバックを行う形で進みます。

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真剣に話に入り込むペアがいれば、和やかに笑顔が垣間見えるペアも。
感想を伺うと、どのペアも互いに様々な面を引き出すことができたようです。

クライアント役の社員
「人に聞いてもらって言語化することで悩みが明確になり、すっきりしましたね。」
「こうして話を聞いてもらえたことも嬉しかったですね。お互いの関係性が深くなったと思います。」

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コーチ役の社員
「話を聞いているうちに、自分も頑張らなければと刺激をもらえた。」
「相手の考え方を聞いていくうちに、もっと話が聞きたくなった。」
「仕事場でも使えるが、プライベートでも活かせると思う。」

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コーチング練習前、幹部社員の方々のコーチングへの印象といえば「言葉は聞いたことがある程度」という方が多かったようでしたが、コーチング練習が終わる頃にはコーチング自体への印象が変わり、とても有意義な時間になったようです。

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最後に、田中社長から幹部社員のみなさんへ。
「職場に戻ったら、職場の社員2人に対してコーチングをしてみましょう。頑張ってくださいね。」

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次回研修までに、みなさんはこのコーチングを用いて社員の方々との関係性をよりよくされていくことでしょう。

企業理念や行動指針を体現できるマネージャーを育てたかった。


今回の研修を終えたところで、この研修を導入されている会社の社長様にお話を伺いました。
全12回のうち5回の研修を終えてみて、どのような実感と変化を持っていらっしゃるのか。
導入のきっかけからお話を聞いていくと、会社運営の難しさとこの研修の効果がよく見えてきました。

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−なぜ、研修を導入しようと思ったのですか?

「この研修を導入したのは、常に企業理念を念頭に置いて行動できる社員を増やすためでした。というのも、弊社は8期目に入り、従業員数は13名の会社になるんですが、『私たちはこういうことをやりたい会社です』と堂々と話せる社員は少ないだろうと感じていたんです。さらに、個々人の方向性や判断基準のズレから、社員全体の行動指針も揃えられていないなあと感じていました。とはいえ、正直なところ、現場の社員としては日々のタスクをこなすことが忙しく、企業理念についてなど考える時間がないということもあるでしょう。」

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−導入する際にハードルとなったものはありますか?

「最初にこの研修の参加者を募った際は、なんとなく義務感が漂っていたような気がします。どうせマネージャークラスの私は参加しなければいけないんだろう、というような。違う社員からは、参加する時間を作るための現場での調整が難しいとの声もあった。私は、別にこうした人に強制することはしませんでした。やりたくないことをしても限界がありますからね。研修は慣れないこともするし、簡単ではないことも考え、行動していかないといけない。そこで、『マネージャーになりたいけれどそのための努力はしたくない、というのはナシだ。』と伝えた上で、マネージャーになりたくない人は参加しなくてもいい、マネージャーとしてやっていく意思のある社員のみ参加してくれ、と言った。マネージャーにならなくても、現場でスペシャリストを目指すという選択肢も1つなので。そうすると、初めは参加できない理由を並べていた社員も、自分の意思で参加を志願してくれました。」

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−導入してみて、いかがでしたか?

「まず、単純にマネージャークラスの社員同士が仲良くなりましたね。以前は特に一緒に仕事をするような機会はなくて顔見知り程度の仲だったと思いますが、研修中に互いを理解しよう、自分を理解してもらおうとする中で自然と距離が縮まっていったのだと思います。立場的に日頃人に話を聞いてもらうことが少ない社員たちでもあったので、これは研修を受けたからこそ見られた大きな効果と新たな発見でしたね。ここまで約半分の回を終えて、参加している各社員の意識や姿勢も確実に変化しています。今後、自らが立てた目標に向かってしっかりと計画・行動・効果検証を行っていってほしいし、私もそこに彼らと関わっていくつもりです。引き続き、参加する社員には研修で得られるものを現場で活かし、会社の『人材力』『組織力』『関係力』を高めてもらいたいですね。そして、今いる社員のもともとあるポテンシャル、チームの力を最大化させ、同じ方向を向いていきたい。」

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−どのような方にこの研修をおすすめしたいですか?

「自身では確固たるビジョンを持ちながらも、なかなか周囲の社員の行動にまで紐付かないと悩んでいる経営者でしょうね。やはり、ビジョンや理念、指針といったものの大切さは、率いる立場にならないと理解できない部分があると思うんです。そういった実感がない社員は、なかなか会社と足並みを揃えることができない。そういった時、この研修ではチームビルディングの大切さと求められることを実際に体感しながら学ぶことができる。チームの足並みをそろえて力を最大限に発揮したいと考えている経営者やマネージャークラスの方には、ぜひ一度問い合わせてみてほしいですね。」

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会社経営の難しさを語りながらも、そのお顔はどこか未来に光を見出しているような晴れやかさを感じる表情も垣間見えました。

引き続き、残りの回の研修が有意義な時間になることを祈っています!

取材を終えて

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ここまでお読みいただき、いかがでしたでしょうか。
私たち自身、この取材を通して大きな気づきを得ることができました。

それは、『個性を恐れることはない』ということ。

「個性は大切に」という言葉を目にするたびに、「個性って一体なんなんだろう」というモヤっとした気持ちが湧いてくることはありませんか?
いつしか、言葉にできず、目にも見えないその個性というものに触れることを避けるようになり、他人のそれに対してもなるべく触れないようにしていたような気がするんです。
今回、田中社長にお話を伺う中でそのことに気づきました。

もしも私たちが感じていた人間関係やコミュニケーションの難しさというものは、私たち自身が無意識に抱いていた「個性というものへの恐れ」からくるものだとしたら。
そして、その個性を理解し、活かすことが、これからの時代の組織の成長に欠かせないものだとしたら。
これから先、個性というものに対して見て見ぬふりをしたりなんとなくで互いの個性を判断したりしてしまうことは、会社にとって、チームにとって、何か大きな躓き(つまづき)を生んでしまうことになるでしょう。
そうならないうちに、ぜひ一度専門家に相談してみてはいかがですか?

新しい足し算をすることなく、今いるメンバーのポテンシャルを最大限に引き出し、さらなる会社の飛躍をお手伝いしてくれるはずです!

執筆・編集 山崎

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