コロナがオンライン教育のチャンスを連れてきた?

【対談企画】変化した教育業界と変わらない教育者の理念

POSTED
TAGS 業種:IT・情報通信業 商材:BtoB

株式会社ウィザスの生駒様と株式会社やる気スイッチグループ正木様の特別対談

SHARE ON

日本で初めて新型コロナウイルスがニュースになった2019年12月。そこからみるみる感染が拡大し、未だに業種を問わず、あらゆる業界に新型コロナウイルスの影響が出ている。

今回は教育サービスを展開する株式会社ウィザスの生駒様と株式会社やる気スイッチグループの正木様に展開する教育事業の内容やコロナ禍の教育業界についてお話を伺った。

対談者紹介


株式会社ウィザス(以下:ウィザス) 
代表取締役社長 生駒 富男(以下:生駒氏)

1959年 生まれ。1984年に株式会社ウィザスに入社。2005年には夢の実現に向けて頑張る生徒や不登校・中退者の支援を積極的に推進する「第一学院高等学校」(当時、ウィザス高等学校)を開校し、常務取締役第二教育本部長に就任。その後、代表取締役社長就任し、「目標は志望校合格、目的は社会で活躍できる人づくり」の教育方針を掲げ、顧客の想像を超えるサービス提供を目指し、事業に取り組む。


株式会社やる気スイッチグループ(以下:やる気スイッチ) 
取締役 正木 俊介(以下:正木氏) 

コロナが引き起こしたパラダイムシフト。教育現場への影響は?


―新型コロナウイルスの影響であらゆるものが変化しましたが、教育業界ではどのような変化がありましたか。

正木氏(やる気スイッチ):新型コロナウイルスが流行し始めた3月は、教育業界にとって今期の生徒募集を締め切るタイミングでもありましたから、弊社だけでなく業界としてもコロナショックを大きく受けたと思います。

生駒氏(ウィザス):コロナ禍の前後では、教育環境は大きく変化しました。具体的には学校でも塾でもオフライン授業の実施が不可欠となり、それに伴い教材が黒板や教科書からタブレットやパソコンに代わりました。そのため、今後はいかに生徒の意欲や成績の向上につながるオンラインの教育方法を築いていけるかが、教育業界で勝ち抜くためのポイントになると思います。

オフラインの授業でも個別指導や集団指導、その中でも自立型があったりとこれまでも様々な教育方法がありましたが、その中からオンラインと融合させて続けるものもあれば、完全にオンラインに切り替えるものもあるかと思います。ただオンライン授業はあくまで手段であり、その先の志望校合格という目標は変わりません。そのため、生徒のために何が最適かを考えて授業の形にするということは、これまでもこれからも変わらないと思います。

正木氏:そうですね。

例えば幼児教育の分野においてはリアルなコミュニケーションが重要です。ただこれはオンラインだけでは不可能な部分。このような点を補うためにもオフライン教育は残り続けると思います。つまり、オフラインとオンラインをどう融合させるかも大きなポイントになるはずです。

―オフライン教育と融合した「成果の出るオンライン教育の確立」が重要だということですね。

生駒氏:はい、その通りです。

少子化から教育業界の将来性を指摘される場面がありますが、子ども1人あたりにかける教育費用の増加や大人向けの教育サービスの増加から、実は、市場は拡大傾向にあるんです。そもそも、世界的に見れば人口は増加していますので、世界を視野に考えれば少子化は課題になりません。

コロナ禍で仕事も勉強もデジタル化を強いられたことにより、これまでオンラインに抵抗があった人々の考え方が変わってきたと思うんです。そのタイミングだからこそオンライン教育の海外展開がより実現しやすくなったと感じています。


業界としてこのような可能性があるため、すでにオンライン教育においては他の業界からの参入が増えてきています。教育事業者として、参入企業との差別化を模索しながら、この状況をチャンスだと捉え事業に取り組んでいきたいです。

事業拡大の要となる〇〇の浸透


ー生駒様と正木様はどのような教育事業を展開しているのでしょうか。

生駒氏:ウィザスは総合教育サービス企業として、大きく3つの教育サービスを営んでいます。

①学習塾事業:「第一ゼミナール」ブランドの中核とした、幼児から高校生までを対象とする教科学習指導・進学受験指導ならびに能力開発指導と独自の「プラスサイクル学習法」を用いた学力指導

②高校・キャリア支援事業:「第一府学院高等学校」「広域通信制単位制高等学校」の運営や高大連携事業、ICTを活用した学校内外での学習機会の提供、社会人(高卒以上)を対象とした各種資格・スキル等取得に向けた支援。そして、日本語学校や日本語教師養成事業

③その他:ICT教育・能力開発事業、企業内研修ポータル事業、ランゲージサービス事業、ヘルスケア事業など

①〜③を合わせて、計219校(2020年6月現在)を運営しています。


正木氏:私たちは個別指導学習塾『スクールIE』をはじめとして、国内外の1800教室で幼児(未就学児)から高校生までの教育サービスを行っています。そのうち『スクールIE』は1,000教室を超え、現在は特に英語で預かる学童保育・バイリンガル幼児園のフランチャイズ展開に注力しています。

ー2社とも幼児から高校生までの教育支援をされていらっしゃるんですね。一方でフランチャイズ展開をしているか、していないかという相違点があることも分かりました。

生駒氏:実は弊社でも過去には幼児部門に置いてフランチャイズ展開をしていたことはありましたが、現在は行っていません。

正木氏:フランチャイズにはスピーディーな事業拡大という利点がありますが、マネージメントの難しさという課題もあります。やはり教室の管理者が異なると、「A教室は〇〇だけれどB教室は違う」ということが起きてしまう。そこをどう無くしていくかは日々試行錯誤しています。


その1つとして、経営理念や教育方針が浸透するような取り組みを行っています。会社の理念に共感していれば、自然と会社の意向に沿った判断ができると考えているからです。例えば、フランチャイジーになる前に理念をきちんと確認いただいたり、創業者の想いを紙に書いて共有したりしています。

「教育者こそ成長し続けなければならない」


―先ほど経営理念・教育方針のお話が出ましたが、詳細をお聞かせください。

正木氏:弊社は「やる気スイッチという一生の財産を、すべての子どもたちへ。」というメッセージを掲げています。

私たちは学習において「何を学ぶか」よりも「どのように学ぶか」が重要だと考えています。21世紀型スキルと呼ばれるような「スキル」を学ぶことももちろん大事ではありますが、常に変動する世の中で人生を切り拓く力を得るために、やる気を出して自ら学ぼうとする生徒を1人でも増やせる仕組みを作ることが私たちの目標です。


生駒氏:「“社会で活躍できる人づくり”を実現できる最高の教育機関をめざす」、これが弊社のコーポレートビジョンです。

この話をするとき、私はいつも168という数字を使います。168は1週間の時間数で、週に1回1時間通ってくださっている生徒がいれば、168分の1は生徒が授業を受けにくる時間になります。ただ大切なのは168分の1ではなく、168分の167です。生徒と接しない時間にどれだけ影響を与えられるような1時間の指導をするかは、私たちの基軸にしている考え方です。

そしてもう1つ大事にしているのが、「成長実感型の教育」です。自己成長を自分自身も周りも実感できれば、そこから生まれる喜びや達成感が次の自己成長のエネルギーになる。その考えから、自己成長の見える化を行っています。

正木氏:自分たちが目標に向かって学び続け、成長し続ける姿勢を見せなければ指導は難しいと思いますし、生徒もついて来てくれません。目標の実現のためにこれからも邁進していきたいと思います。

―本日はお時間をいただきありがとうございます。日本の教育を担うお二人のさらなるご活躍を楽しみにしています。




執筆・編集=笠原

株式会社ウィザス/株式会社やる気スイッチグループの住所や電話番号、採用・求人等が載っているホームページはこちらから↓


株式会社ウィザス

株式会社やる気スイッチグループ

SHARE ON