株式会社日精ピーアール

中村 慎一郎

環境配慮型・高精細印刷技術が高品質と付加価値を保証

オリジナル販促物の小ロットニーズにも対応
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今回は、アート、紙、電子という視覚3媒体を通して、顧客ニーズに丁寧な対応で好評の株式会社日精ピーアール代表取締役社長の中村氏にお話を伺いました。

環境に配慮した水なし印刷や小ロット受注などの事業と、企業理念などを重視した事業展開についてお聞きします。

株式会社日精ピーアール 代表取締役社長 中村 慎一郎氏のONLY STORY


【経歴】

1974年生まれ、東京都世田谷区出身。1997年、学習院大学経済学部経済学科卒業。付属高校入学を機にラグビーを始め、大学では体育会ラグビー部に所属。卒業後は損害保険会社に入社し、個人・法人営業として計7年間従事する。その後、3年間は広告制作会社に入社し、営業として現在の事業の基本を経験する。日精ピーアールに入社3年後に代表取締役へ就任。紙への印刷を中心に、アート媒体事業、電子媒体事業を手掛け、顧客ニーズへの対応を行っている。近年は、紙以外への印刷・加工に取組み、顧客の販売促進の総合提案企業を目指している。

環境に配慮した印刷と小ロット対応が強み


–株式会社日精ピーアールの事業内容からお聞かせください。
中村氏:昭和10年の創業以来84年間に渡って、商業印刷物の企画制作、印刷を主たる業務としております。この売り上げが大部分を占めますが、ニーズに合わせて紙以外の印刷物を小ロットで1個から印刷するといった新しい事業にも昨年から取り組んでいます。
さらにWebなどの、いわゆる電子媒体で顧客企業の販売促進をお手伝いする事業も手掛けています。
10年前から当社は、水なし印刷方式で環境に配慮すると同時に、超高精細をキーワードとしたきれいな印刷での表現に努めており、このようなところで差別化を図ってきました。
–10年前から環境に配慮されていたんですか。
中村氏:水なし印刷はクリアな仕上がりで、しかも廃液を出さないという点で環境にやさしい技術です。しかも印刷機を動かす電力も、自然エネルギーを調達し、会社全体として環境との調和を図る試みをしています。
環境に取り組み始めたのは先代社長である私の父ですが、縮小一途の印刷業界で生き残るための付加価値を考えたときに、当時すでに社会的なキーワードとなっていた環境問題から、印刷事業の環境対応に思い至ったそうです。

–お客さまからはどのようなお声をいただきますか。
中村氏:例えば、プラスチックやPETの社員証は1社何千枚もの数になる一方、1枚1枚違う印刷になります。またお客さまの中には、イベントの際にオリジナルでノベルティを作る企業もいらっしゃいます。

こうした場合、当社では小ロットの対応もできるため、オリジナルなものを少量作る場合や、例に挙げたような社員証を作成したいときには、ご利用いただきやすいと思います。小ロット対応は展示会でも非常に評価されており、差別化にもなっています。
もちろん大量に作ればコストも下がって利益も大きくなりますが、お客さまは無駄になることは避けたいでしょうし、またオリジナル性を求めていますから、個別対応の大変さはあっても、付加価値を大切に考えたいと思っています。

そのこだわりゆえに、環境に配慮する姿勢をはじめ製品の出来栄えや表現力が、お客さまの高い評価につながっていると思います。
–そういったところが、御社が選ばれる理由になっているんですね。

中村氏:そうしたことに加え、当社はネットで全て完結させるのではなく、お客さまのところへ出向いて、きめ細かく俊敏に、かつ真摯な姿勢で取り組むところに対する評価もかなりあります。

もっとも、それは当社のある千代田区近くのお客さまが大半ということから実現していることでもありますね。
–その営業姿勢の指針とはどういったものでしょうか。
中村氏:毎日の朝礼で経営理念やミッションなどを繰り返し伝え、クレドを全員で唱和します。また、年度ごとに策定する事業計画も、折に触れて進捗具合を発表し、全社員で情報を共有しています。

多くのライバル社がある中で、いかにして当社を選んでもらえるかを、営業担当のみならず全社員が考え、さらには社会人としての自分の在り方をも考えることが、ミッションのひとつでもあります。
–中村様が事業をしていく上で、大切にしていることは何でしょうか。
中村氏:それは日精ピーアールの頭文字をとった「NSPR」の4文字に集約されています。Newborn(新生)、Sincerity(真摯)、Pride(自尊)、Respect(敬意)。これを当社のクレドとしています。

初心に立ち返り、プライドを持って誠実に取り組むことでお客さまのニーズにこたえ、印刷の品質に誇りを持って社会に貢献するという社訓であり、お客さまをはじめ、全ての人に尊敬と感謝の気持ちで接しましょう、ということです。
過去から築き上げてきた印刷技術にさらなる磨きをかけながらも、時代の変化による新しいニーズに対応した取り組みとチャレンジで、事業展開をしていきたいですね。

予期せぬ就任がターニングポイント、経営者の腹が座る

–中村様が代表取締役になるまでの経緯をお聞かせください。
中村氏:84年前に祖父が製版業として創業し、父の代で設備投資をして事業を拡大、今の日精ピーアールの形になりました。親族も多く、私が会社を継ぐという前提があったわけではないので、大学卒業後、保険会社、広告会社で営業職として働きました。

しかし、サラリーマンに限界を感じ、社会人としての目から家業を見たとき、経営者になれる環境を持っていることに気がついて、日精ピーアールに入社しました。
私の入社2年後に父が病気で亡くなり、2009年に代表取締役になりました。全く予期しないことでしたが、そこで自分を信じてやるしかないと腹が座ったからこそ、今日があると思います。それが私のターニングポイントでした。
–経営者になって、うれしかったこと、つらかったことは何でしょう。
中村氏:給料をもらう立場から、支払う側に変わって、社員に対する責任の重さを痛感しました。製造業は設備投資や毎月の固定費が大きく、売り上げの変動は資金繰りに影響し、万一、不渡りでも出せば大変なことになるので、そのプレッシャーはつらいものがありますね。
資金同様に悩んだのは、やはり人を束ね、組織を運営する難しさです。当然ながら、それぞれの個性や価値観、人生観は異なるので、それは尊重しています。そんな中で当社の姿勢を理解して仕事に臨み、成果を出してくれるのを見ることには、この上ない喜びを感じます。

顧客の販売促進をワンストップでできる会社を目指す

–短期的な数字目標をお聞きしてもいいですか。
中村氏:事業計画としては2016年度から新中期5か年計画を設定しており、今はちょうど半ばに差し掛かっていますが、来期あたりから次の5か年計画も考えようかと思っています。
数字ありきのつもりはありませんが、「トリプル10」という数字目標を掲げ、売り上げを10億円にし、利益10千万円、給料10%アップを目指しています。
幸い、今は計画を上振れする好調な売り上げで推移していますが、限られたリソースの中での仕事なので、キャパオーバーや当社の手に余ることもあって、計画通りに利益が伸びていませんから、ここにひとつの課題が見えますね。
–長期的な展望をお尋ねします。
中村氏:とりあえず今の5か年計画を達成することが次のステップになりますが、当社には10億の壁があって、いくら景気がよかったときでも達成できていませんから、この壁を打破することが目標になっています。
さらに大きな目標として、私は紙以外への印刷やWebでの事業の他に、お客さまの販売促進をワンストップでできる会社にしたいとうい希望を持っています。

お客さまがイベントや展示会を実施する際、従来のような部分的なお手伝いではなく、イベント全体を総合プロデュースできるようにしたいですね。印刷業に留まらず、製造業でありサービス業でもある、そんな新しい形の会社になることを目指しています。

–最後に伝えたいメッセージがありましたらお伺いします。

中村氏:私自身はいろいろな想いや、こうなりたいという姿を描いていますが、そこに進んで行くには一緒に働く仲間が大切だと思っています。この想いを社内で共感してもらい、その上でお客さんの共感も呼べるような会社にするのは簡単な話ではありません。

ですから今後は、お客さまに選ばれる会社になるために、明確なビジョンと、腹に落ちた目標を共有することが一番重要だと考えています。しっかりと中身の伴った事業を展開していき、創業100周年に向かって進んでいきたいと思います。

執筆=増田
校正=勝野

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