株式会社ミリメーター
粕谷 孝史
POSTED | 2018.06.22 Fri |
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TAGS | 従業員数:6~10人 業種:製造業 創立:9〜10年 決裁者の年齢:50代 商材:その他 |
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こだわりのモノづくりによる靴製造のIT変革とは?
足に悩みを抱える女性にオーダーメイドシューズを。Topics
株式会社ミリメーター 社長 粕谷 孝史氏のONLY STORY
測定から製造まで、自社で一貫して行う婦人靴
––まずは御社の事業の詳細について、教えていただけますか?
粕谷氏:私たちは「未来のモノづくりで1ミリの幸せを提供します」をコンセプトに、オーダーメイドの婦人靴を製造しています。足の計測からデザイン、製造まで、すべて自社で行っています。
––この事業における、御社ならではの特徴はありますか?
粕谷氏:一番大きな特徴は、「3D技術」を活用していることですね。まずは3Dスキャナーを用いて足の計測をすることによって、従来の人が計測する方法より、劇的に正確性が増しました。
その後の工程では、従来は職人の手作業で木型を変形していたところを、3Dプリンターを用いて木型を作ることにより、製造期間が従来の2〜3ヶ月から、2週間程度にまで縮小することができました。
そして、その結果価格もオーダーメイドの婦人靴だと15万円以上するのも当たり前だったところを、当社では約半額の6万5千円から作ることができるようになったんです。
50年以上もの間、この業界は時が止まっていた
––3D技術の活用が、御社の肝なんですね。靴のオーダーメイド製造に3D技術を持ち込まれた理由、そもそも靴のオーダーメイド事業を始められたきっかけはなんだったんですか?
粕谷氏:私は以前、ITコンサルティングファームのフューチャーアーキテクトに、18年間在籍して、主に小売業など流通業界を活性化させる仕事をしていました。
その中で、特に靴業界の製造事業はITの活用が非常に遅れていて、50年くらい、製造工程やそこで使われている技術が変わってないことに気づきました。それにも関わらず、とある調査によると、8割近くの女性が足についての悩みを抱えていたんです。
これはITで靴業界を変革して、世の中の女性の悩みを解決できるのではないかと思ったのが、起業のきっかけです。
––粕谷さんご自身の前職時代の体験と、世の女性が抱える問題が合わさって、現在の事業にたどり着いたんですね。
粕谷氏:あと他の想いで言うと、靴業界に雇用を生みたいです。なんというか、今は少し覇気がなくなっちゃってるんですよね。なんでかなあ、と考えた時に、過剰な分業化に課題があると気づきました。
結局、下請けになってしまった工房は、同じ規格のものを大量生産することだけを求められて、お客さんの顔が見えないんですよね。それに下請けだと、給料も上がりにくいです。
これをなんとか解消したいなという想いもあって、自社ですべての工程を一貫して請け負っています。
オーダーメイド靴をより身近な存在へ
––今後の展望について、教えてください。
粕谷氏:1つ目は、オーダーメイドの靴を、より身近なものにしていきたいです。
今でいうと、例えば婦人靴の市場でオーダーメイドで作られているのって、0.01%しかないんですよ。これをなんとか、2030年頃には20%になるように持っていきたいです。
というかこれからは、「オーダーメイド」という概念がどんどんと希薄になっていくと思っています。一人ひとりにあった靴が、より手軽に作れるようになるので。
将来的には、今は店舗まで来てやってもらっている足の計測も、家で勝手にできるようにしたいですね。そしてそのデータをAI(人工知能)を使って機械に入力して、一切人の手を介入させず、自動で3Dプリントまでできることを考えています。
––すごく未来感のあるお話で、ワクワクします。
粕谷氏:2つ目は、今の事業を軸に、より様々な活動をしていきたいです。
例えば、紳士靴ですよね。あとは、他業種とのコラボレーションも色々と考えています。「足の正確な計測」っていうところだと、スポーツ業界ですし、「ユーザー層」でいうと、コスメ業界などとのコラボレーションがいいのかなと思います。
あとは「地域」でいくと、海外展開ですね。まだ確定ではないですけど、ポップアップストアを、一度海外でやろうかなという話は出てます。
そういったプロモーションを色々とやっていく際は、発信力や影響力のある方とうまく連携していければなと思っています。まだまだ構想段階のものも多いんですけど、とにかく今年は勝負の年なので、色々と仕掛けていきますよ。
ぜひ一度、株式会社ミリメーターの婦人靴をお手に取ってみてくださいね。