FUNFAM株式会社
藤岡康代
POSTED | 2019.07.01 Mon |
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TAGS | 従業員数:6~10人 業種:製造業 創立:11〜14年 商材:BtoB |
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出産祝いに最適、安全な天然素材の竹食器
子どもには間違いのない安全な食器を使わせたいTopics
今回のインタビューは、子ども用に特化した安全な竹の食器を作るFUNFAM株式会社の藤岡康代氏に、竹食器と食の安全にかける想いをお伺いしました。
FUNFAM株式会社 社長 藤岡 康代氏のONLY STORY
子どものための竹食器を出発点に事業を展開
–FUNFAM株式会社の事業をお伺いします。
藤岡氏:弊社はいくつか事業を展開していますが、メイン事業は子ども用に特化した竹食器のデザインや製造、販売になります。
また、新たな事業としてIoT、AIを活用して子どもの食生活全般を記録し、そのデータに基づいてお客様に必要な離乳食や食物アレルギーなどの情報を提供できるような取り組みを進めています。
–メイン事業とのことですが、なぜ、竹を使った食器を作ろうと思われたのでしょうか。
藤岡氏:15年程前、輸入材規制や森林伐採が問題となった際、木材の代替を考えた末に、竹へとたどり着きました。竹はイネ科の植物なので森林伐採に該当しないんです。
それに竹は縁起物でもありますし、真っ直ぐにすくすく伸びるところから、子ども向けの製品・贈り物として最適と考えました。
–どういった方々に購入していただくことが多いのでしょう。
藤岡氏:今、国内では800を超える店舗で売られているのですが、出産祝いに購入していただく機会がもっとも多く、出産祝いとしてのシェアは8%強を占めています。出生数が100万人を切っているなかで8%のシェアを取れているので、子供に使ってもらえるようプレゼントしたいと思っていただける商品を作れているのではないかなと思います。
–御社商品ならではの強みはどこにあるとお考えですか。
藤岡氏:やはり、一番大きいのが軽量で強度もある竹を使用していると言う点ですね。
また、商品の値段が変わらないことも特徴だと思います。と言うのも、お祝いとして贈る商品はどこで買っても同じ値段であった方がいいんです。
贈られたほうも内祝いをお返しをする際に、いただいた物の値段が店によって異なるといくらの物をいただいていくらの物をお返しすればいいのか、判断に困ってしまいます。その点、私たちが販売する竹食器は価格破壊を起こさせず、どこで買っても同一価格です。
–サービスを届ける人に対してどういった想いを持ち、事業に取り組んでいるのでしょう。
藤岡氏:竹食器に関して言えば、常に、「自分の子どもに本当に使わせたいと思うか」を考えながら商品開発をしています。子どもには間違いのない本物を使わせたいという親心を裏切らず、手触りよく、扱やすい商品開発を心掛けています。買う方や贈る方、使う方の期待以上の商品を作るにはどうしたらいいかという話し合いを日々欠かすことはありませんね。
食の安全を第一に、竹食器の製作に試行錯誤
–竹食器のFUNFAMはどのように立ち上がったのでしょうか。
藤岡氏:十数年前、中国で粉ミルクをプラスチック粉でカサ増ししたメラミン粉ミルク事件が起きました。日本にも中国製の食品や食器など、口に近づけるものが多く入ってきていますが、この事件により「市場に出回っているものは安全だ」という認識が覆され、何を信じて自分の子どもに与えたらいいんだろうかと世の中が不安になった時があったんです。
その時、自分たちは家具屋なのだから食器も作ればいいんじゃないかと思い至り、子どもの竹食器の製作を始めました。
–竹の商品は他の材料を使用した食器より珍しいですよね。
藤岡氏:そうですね。その竹食器も試行錯誤の末、1年かかってやっと満足できるものを作り上げることができたんです。しかし商品と言えばそのひとつだけなので、展示会に出品しても、注目どころか何をやっている会社なのかも伝わらない有様でした。
しかし、食の安全に対する想いは強く、ニーズもあるはずだと信じて、販売に力を入れる気持ちに揺らぎはありませんでした。とは言え、FUNFAMを知る人もない中、市場開拓は大きな課題で、実りのない営業の繰り返しでした。
–そこから、どのようにして認知を広げていったのでしょうか。
藤岡氏:ある日、伊勢丹さんの催事で、商品としてではなく展示品として置いてもらえるチャンスが訪れました。その催事が終わった後、お客を装って伊勢丹さんに、展示してもらった商品に関する問い合わせの電話をしたんです。「展示品のなかに子どもの食器ですごくかわいいやつがあったんですが、あれはなんですか?」と。
それを何回か繰り返すうち、とうとう売り場に置いてもらえることになりましたが、売れなければそれまでなので、今度は自分で買いに行きました。とても王道とは言えない方法でしたが、これをあっちこっちで続けた末、デパート関係者の認知も広がり、竹食器の良さもわかってもらえて今に至ります。
私は商品を作るプロとして良い商品を作りつつ、売るところについてもできれば最初から最後まですべてやっていくべきだろうと考えています。いいものは作れても、売る力がないから下請けに甘んじるという在り方ではなく、自社で竹食器を作り、オリジナルブランドとして販売までする道を選びました。
衣食住の全てをサポートする企業を目指して
–今後の短期的な目標は何でしょう。
藤岡氏:準備を進めているIoTの新事業が、残すところ特許庁との折衝の段階にまで来ましたから、2年以内にはビジネス化にこぎつけたいと思っています。
–中・長期の展望はどう考えていますか。
藤岡氏:もの作りが弊社の基盤なのですが、いずれは「FUNFAMって昔は食器を作る会社だったよね」と言われるような、食に関するコンテンツの全てを提供する会社になりたいと思います。
–最後に、読者へメッセージをお願いいたします。
藤岡氏:いくら社会が進化しても、生活の中で変わらず不可欠なものはあって、食器もそのひとつだと思います。そうやって普遍的に生活に必要なものを作り続けていきたい。同時に、この食器を起点として食全般、さらには衣食住の全てをサポートできる企業に成長したいとも考えています。
この考えに共感してくださる方がいましたら、ぜひご連絡ください。
執筆=増田
校正=6483works・笠原