株式会社グローバルウィングス
臼井 基樹
POSTED | 2014.06.09 Mon |
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TAGS | 従業員数:5人以下 業種:製造業 創立:11〜14年 決裁者の年齢:その他 商材:BtoC |
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路地裏から始まる小さな町工場の物語
町工場の強みを活かして新しい価値を生み出すスペシャリスト集団Topics
株式会社グローバルウィングス 社長 臼井 基樹氏のONLY STORY
町工場の強みを活かしたチームづくり
「大企業がいっぺんに全部の仕事を引き受けて、町工場がその下請けになる。そうやって大企業がメーカーから消費者まで、一連の流れを作る時代は終わったんです」
株式会社グローバル・ウィングス代表である臼井 基樹社長はそのように語ってくださった。 臼井社長は自分で事業を始めてから来年で10年を迎える。元々は墓石の卸売りから始まり、事業転換を繰り返しながらリーマンショックなどの不況を乗り越えてきた。そんなグローバル・ウィングスが、現在いくつかの小さな町工場を巻き込んで始めた事業部が「バックストリートファクトリー」という小さなブランドである。この事業がとても面白い。
「路地裏にある小さな町工場が、それぞれの持っている技術を活かし、1つの商品をつくりだす。そんなコンセプトで事業を行っています。例えば飲み会とかでそれぞれの町工場の人たちで面白いアイデアを言い合って、そこから『じゃあ始めようか』と言ってそのアイデアを元に、それぞれの町工場がそれぞれの長所を集合させてビジネスとして大きくスケールさせていっています」
それを象徴するのが、バックストリートファクトリーの作った付箋「MENMO」だと言えるだろう。
このMENMOは、今やテレビでも取り上げられる程の大人気製品となった。ここで面白いのが、レーザー加工が得意な町工場はレーザー加工技術を提供し、糊付け技術のある町工場は糊付けをし、営業が得意な町工場は営業をするということだ。こうしてそれぞれの町工場の技術が合わさって作られたものだからこそ、その商品の質は圧倒的に高く、他にはまねできないようなものができるという。
例えば、中国とかで安く同じ製品を作ろうとしても、レーザー加工等の技術力が足りなくて真似する事ができない。徹底的に一つの技術を極めてきた日本の町工場だからこそ、繊細で美しい商品をつくれるのだ。
町工場だからこそ、周りを巻き込んで柔軟に対応できる
この町工場が結束して商品開発するシステムには、実はこんなメリットもあるという。
「私たちはメーカーからクレームを受けたり、消費者からアドバイスをもらったりしても、すぐに製品を作り直す事ができるんです。例えばこの前テレビで取り上げられたときに、『この製品にカラーがあったら満点だね』とテレビでコメントを頂いたことがあります。そしたら次の瞬間にはカラーの製品を作る事が決まっていましたね(笑)
これも、町工場で、小回りが利くからこそできることです。また、素敵な商品をつくるために、実は女子大生とかと一緒にコラボして商品開発をしたりもしています。女子大生の柔軟なアイデアと、町工場の技術力を合わせて一つの商品をつくるという試みは、やっていてすごく刺激になりますね。こういった柔軟な発想を取り入れることができるのも、小回りの利く町工場ならではだと感じます」
このように語る臼井社長だが、製品を作れるのは何よりもプロフェッショナルな技術を持つメンバーを集める事ができたからだと力説する。
「この製品は何社ものプロフェッショナルが集まって、それぞれが本音で意見をぶつけ合っているからこそできたんです。全員が経営者の立場に立って意見を言い合っています。そうやってできた製品だからこそ、町工場の魅力が凝縮されているんです」
「今後は『この製品といったら、バックストリートファクトリー』だって言ってもらえるカテゴリーを作りたいですね。世の中の人が普段意識しない程小さなもので、自分たちオリジナルのアイデアを具現化する。自分たちは製品を作って売る事の大変さを知っています。だからこそ一つコレだっていうものを作って、それを中心にそれ以外の製品も売れるような独自の販売網を作っていきたいです」
将来的は経営者として、仲間として一緒に仕事をしたい
「私たちのところには、将来経営者になりたいと言う人が集まっています。だからこそ、私は事業の失敗や経験を通して、将来必要になるマインドやスキルを彼らに伝えています。そうして将来的には彼らにはうちを辞めていってもらって、そして今度は部下としてではなく、仲間として一緒に組んで事業をしていきたいんです。そんな素敵な仕組みを作り、彼らと一緒に仕事をする繋がりを持ち続ける事で、自分の仕事はもっともっと面白くなっていきます」
町工場がつくりだすこの新たな働き方は今までになかっただけに、非常に面白い試みだと思った。
従業員 齋藤 健太さんの声
齋藤 健太さん
「今は主に営業中心に担当しています。新規の営業も行うし、既存客のフォローもします。正直に言うと、自分は元々大きな失敗をしていて、この会社を首になってもおかしくない立場なんです。でも、今こうやって拾ってもらって働かせてもらっています。なので本当に社長には感謝してます。だからこそ、何としてでも今の事業を伸ばしていきたいと思っていますし、この町工場で作られた製品をもっと多くの人に知ってもらいたいんです。
仕事をやる中での苦労は絶えなくあります。でも、仕事をする中で自分たちの製品が市場に出回り、世間に認められる。そういうプロセスに関わっていると、『自分たちはお客さんに喜んでもらえるものを作っているんだ』と実感できて、それが一つの大きな自信に繋がるんです。そうやってゼロから自分たちの事業に関わり、事業を大きくしつつ自分も成長する。それはやはりやりがいを感じますね」
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