医療法人社団モルゲンロート 有明こどもクリニック
小暮 裕之
POSTED | 2018.09.11 Tue |
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TAGS | 従業員数:31〜50人 業種:医療・介護・健康 創立:15年以上 決裁者の年齢:40代 商材:BtoC |
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患者目線に立った医療経営で共働きの家族をサポート
海外に日本の小児医療を発信することを目指してTopics
今回は、有明・豊洲・勝どきの湾岸地域にクリニックを構える、有明こどもクリニックの理事長・小暮氏にお話を伺いました。まずは、小児科医の道を選んだきっかけからお聞きしましょう。
有明こどもクリニック 理事長 小暮 裕之氏のONLY STORY
小児科医になってはじめて、日本の小児医療の厳しい現実を知った
私は実家で両親が動物病院を営んでいたので、医療行為によって人に喜んでもらうという現場は非常に馴染み深いものでした。
そういった影響もあって、医学には長年興味があり、普通の会社に勤めるという感覚は持っていませんでした。資格を取って職人としてその技術を人に提供し、人から感謝される仕事をしたいという想いが根本にずっとありました。
自分にもっとも身近だった医療従事者が獣医として動物の全身を診療するのが当たり前だったということもあって、大学に入ってから臓器ごとに分野が細分化されていることに少し慣れませんでした。
心臓だけ診るとか、脳だけ診るといった専門的なものに魅力を感じないなと思っていた折に、実習で小児科の病棟を診る機会があったんです。
そのときに、小児科の先生に直接話を聞いたのですが、小児科医って本当に人を見ているんですよね。
もちろん病気を治すということが大切なのですが、子供の成長から、発達段階、予防行為、健康診断と、大変幅広く患者に携わっていて、私が理想とする医師の在り方にぴったりと合っていたんです。
さらに、そのとき聞いた話では、今小児科医は人材不足で非常に困っているということでした。理由としては昼夜問わず現場に呼び出され、要求の多い親から訴えられることもある。検査や薬も少なく、儲からないといったことが挙げられます。
それを聞いたとき、私は挑戦したいと思ったんですよね。業務内容や環境の大変さより、必要性が高いのに成り手が少ないという状況はやりがいがあると思って、それが高いモチベーションに繋がりました。
医学部では、日本の0歳児の医療は世界トップというふうに教えられていたのですが、いざ小児科の現場に入ると、1歳から4歳の生存率は先進国の中でワースト2位という事実に直面することになります。
それを知って何とかしたいという想いがより一層強くなり、有明こどもクリニックを開業するに至りました。
共働きの両親と子供が安心して暮らせる環境を作るためのクリニック
現在、東京ベイエリアと呼ばれる江東区から中央区にかけて、「有明こどもクリニック」という医療機関を経営しています。
子供が中心ではありますが、家族全体を診ることを目的にしており、特に共働きの両親が笑顔で安心して出産や子育てができる社会を作るというミッションのもとに医療を提供しています。
この東京ベイエリアを選んだ理由は、このエリアが東京の中でも共働きの両親が多かったこと、そして新しい町であるがゆえにインフラが追いついていなかったことです。たくさんの人が住んでいるのにもかかわらず、特に子供の医療がまったく足りていなかったんですね。
有明こどもクリニックが他のクリニックと違うのは、働く両親の時間に合わせてサービスを提供しているという点です。共働きをしている夫婦は、朝9時から夜6時まで働いて、その後保育園に子供を迎えに行きます。病院に行くとなるとどうしてもそれ以降の時間になってしまうんですよね。
だからこそ、有明こどもクリニックでは、平日朝9時から夜9時まで診察をしています。また、会社の昼休みが病院の昼休みと被らないように、平日はスタッフが交代で休み時間を取るようにして、ノンストップでずっと診察が受けられる環境を整えています。
休診日も同様に、土日休みの両親が休日に通院ができるよう祝日のみの休業にしています。土曜日は朝9時から夕方5時まで、日曜日は朝9時から昼1時まで開いています。
安心して出産や子育てができるために必要なすべてのサービスを、共働きの両親の目線で展開しているので、例えば、子供が熱はあるけど元気そうなときに安心して預けられる場所がほしいというニーズに応えて、病児保育施設も2019年1月に豊洲駅前で開業予定です。
今まで需要と供給のバランスが崩れていたところを、社会貢献の精神でカバーしているのが有明こどもクリニックの大きな特徴であり、強みであると言えます。
海外に日本の医療を発信するため、国内で圧倒的に信頼を得る小児科グループを目指す
今後の展望としては、日本で働く外国人の方々の出身国に、日本の医療を発信していきたいと思っています。
アジアやブラジルなど、医療の水準がまだ日本より低い国、かつ子供が多く、これからも子供が増えそうな場所にきちんと医療を届けるというミッションを持っています。
しかし、世界で通用するようになるには、中小規模でいるわけにはいきません。採用にしろ集客にしろ、ある程度のブランド力がないと共に働く仲間を集めるのに苦労するだろうと考えています。
そこで、まずは日本国内で圧倒的に信頼される小児科グループを作る必要があります。そのためには、クリニックの数を増やして、より多くの価値を必要としている様々なエリアへ提供していかなければなりません。
有明こどもクリニックは現在3院体制ですが、「うちの地域にも展開してほしい」という声をいただきます。
人材を揃えて環境を整えるところから始めなければなりませんが、日本国内で有明こどもクリニックがある場所は安心して出産や子育てができるという信頼を得て、世界で活躍できるように邁進していきたいと思います。
自分の技術をより多くの人に提供したいという医師は多いと思うのですが、独立のために経営を一から勉強するのは非常に大変だと思うんですね。だからこそ、私や、私の経営チームがサポートをして、医療に集中できる環境を作るという選択肢も用意しています。
こうしたフランチャイズのシステムを導入することで、自分ですべてをまかなうよりずっと働きやすい職場を作ることができると思います。
有明こどもクリニックでは、将来開業したい人と信頼関係を結び、目標を達成すればクリニックをタダであげるという方法も取っています。設計図を一から作るよりも、上手くいく設計図を持っているところで夢を叶えてほしいという想いで、このような方法を展開しています。
また、私たちのクリニックであれば、子育てをしながら働くこともできます。待機児童のママドクターの方には、ベビーシッターを用意し、自分の力を発揮でき、のびのびと働ける職場として選んでいただければ嬉しいですね。