カイロス・アンド・カンパニー株式会社
高橋正
POSTED | 2016.06.24 Fri |
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TAGS | 従業員数:6~10人 業種:医療・介護・健康 創立:11〜14年 決裁者の年齢:60代 商材:BtoC |
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日本の高齢者に、「自宅で看取る」幸せを。
認知症・終末期ケアのプロが手がける「ホスピス住宅」とは。Topics
カイロス・アンド・カンパニー株式会社 社長 高橋 正氏のONLY STORY
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東京工芸大学工学部卒業後、 都内設計事務所にて病院建築や公共施設の設計に携わったの ち、1990 年に株式会社丸山工務所(ユーミーらいふグループ)に入職。湘南エリアにてデ ザイナーズマンション等の開発に携わる。
ユーミーケアでは、湘南エリアにてドミナント展開により湘南版CCRC「湘南ケアセンターシステム」を構築。サ高住を中心に介護付き有料老人ホームやグループホームなどの介護施設も取り込んだ、自立期から介護、認知症、そしてターミナルケアに対応する住宅を多様な在宅サービスと組み合わせることで、「途切れない介護・100%の終身ケア」を実現する。湘南で26棟約700室の高齢者住宅を展開。
2012年12月、カイロス・アンド・カンパニー株式会社を創業。
2014年8月、日本初のシェアハウス型ホスピス住宅「ファミリー・ホスピス鴨宮ハウス」を神奈川県小田原市にて開設。
有限会社ナースコール在宅センター訪問サービス代表取締役社長就任。2015年1月、ナースコール株式会社に改組及び商号変更。
ナースコール株式会社は、名古屋市において訪問看護ステーション3事業所を中心に在宅サービス事業を展開するとともに、がんと難病に特化した高齢者住宅『ナーシングホームJAPAN&OASIS』の2棟を運営する。
今後、カイロス社とナースコール社にて名古屋と首都圏を中心に訪問看護ステーションとホスピス住宅の組み合わせによる在宅ホスピス事業の全国展開を目指す。
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あなたは人生の最期をどこで迎えたいですか?
全ての生きるものにとって自然な「死」というものを、自宅で心穏やかに、安らかに迎えていただきたい…。
カイロス・アンドカンパニー株式会社は、そんな思いで立ち上げた会社です。
私が高齢者向け事業を初めて手がけたのは、今から15年程前。
勤務していた「株式会社丸山工務所」で、高齢者向けアパートを設計したのが始まりです。この会社は湘南エリアに特化して、ペット同居専用マンションやサーファー専用マンションと言った、独自性の高いデザイナーズマンションを多く建築していました。
でも、少子高齢化が進み始め、湘南エリアであっても若者が減少していたんです。そこで新たなターゲットとして注目したのが、シニア層でした。
やっぱり皆さん、自宅に居たいんですよね。
それに「入居後に認知症やガンになったら、最後はどうなっちゃうの?」という不安の声も聞かれました。
こうした経験から、2006年に高齢者向け事業に特化した子会社「株式会社ユーミーケア」で、本格的なサービスの構築を始めました。
ユーミーケアでは、湘南版CCRC「湘南ケアセンターシステム」を構築。
サ高住を中心に介護付き有料老人ホームやグループホームなどの介護施設も取り込み、ひとつの会社で自立期、介護期、そして終末期まで、一貫してケアできる仕組みを作りました。
多様な在宅サービスと組み合わせ、「途切れない介護・100%の終身ケア」を実現したんです。湘南で26棟約700室の高齢者住宅を展開しました。
2012年、ユーミーケアが大手に編入する事になったのを期に独立。カイロス・アンド・カンパニー株式会社を立ち上げ、自分が住みたい、受けたいと思えるような高齢者住宅を実現する事にしたんです。
終末期の自立した暮らしを応援する。
これまでの老人ホームは、健康な方も重度の方も関係なく受け入れてきました。これからは施設ごとに専門性を持つ事が必要です。
私は、ホスピス住宅の実現を目指しました。
「ホスピス」とは、末期の患者様に緩和治療や終末期医療を行いながら、穏やかに最期を迎えていただくことを目的とした医療施設のこと。
これを病院ではなく「家」でできるように、「ファミリー・ホスピス」という訪問看護ステーションを立ち上げました。
また、2014年に日本初となるシェアハウス型ホスピス住宅を、神奈川県小田原市に開設しました。
私が理想とするホスピスケアは、「極力手を出さないケア」です。
宮崎県にホームホスピス「かあさんの家」という施設があるのですが、そこはできることは入居者自身がやりますし、入居者同士で助けあいます。
そうすることで、自立した生活ができ、入居者同士がご近所さんのような関係になれるんです。
個室も、老人ホームのようなワンルームではなく、小さいながらもリビングを設けて、自宅として寛げるようにしました。人生の大切な時間を過ごす場所ですから、皆様へのおもてなしの気持ちを込めて、壁の漆喰塗りなど、できるところは職員と私が自分たちの手でやりましたね。
病院と違い、あくまでも生活することがベースですから、看護師は医療行為に加え、例えばお散歩や湯治のための旅行といったサービスを提案し、有償で提供することができます。
病院では、こうした混合診療はできません。
入居者が終末期を心豊かに過ごせる取り組みができるのも、この施設の魅力ですね。
「治療をやめる」という選択肢で笑顔を守る。
「終活ブーム」もあり、死後について考える機会は増えましたが、延命治療を具体的に考えられる人は少ないですし、命をながらえるだけの医療行為こそが一番辛いということを、皆さんご存知ありません。どこで死にたいか、どんな治療を受けたいか、そもそも延命したいのか。
そういった具体的な終末プランを考えておくことをお勧めしたいですね。
尽きようとする寿命を延ばすことは、高齢者にとって決して自然ではないし、幸せなことでもありません。
治療をどこかでやめることも大事な判断だと思います。
家族と共に笑顔で最期を迎えるために、病院で死ぬ以外の選択肢として、私たちの取り組みが役に立てれば幸せですね。