日本メガソーラー整備事業株式会社
目﨑 雅昭
POSTED | 2016.08.22 Mon |
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TAGS | 従業員数:101〜300人 業種:その他 創立:11〜14年 決裁者の年齢:50代 商材:BtoB |
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日本のエネルギー事情を転換する、建設会社。
世界一の収益、10年100カ国の旅を経て、次に見る“世界”。Topics
日本メガソーラー整備事業株式会社 社長 目﨑 雅昭氏のONLY STORY
~日本メガソーラー整備事業株式会社 代表取締役 目崎 雅昭様〜
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慶應義塾大学商学部卒。1993年メリルリンチ証券へ入社。東京、ニューヨーク、ロンドンで勤務しメリルリンチ社内で世界一の収益をあげる。 1998年退社後、世界100ヶ国以上へ10年近い歳月をかけた旅に出る。 2006年には旅の途中にロンドン大学にて社会人類学の修士号を取得。
その後、2011年6月『幸福途上国ニッポン』を出版。現在は日本メガソーラー整備事業株式会社の代表取締役社長を務める。再生可能エネルギーに注目し、日本全国にメガソーラー発電所を建設中
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10年、100カ国以上をまわった世界旅行で得たもの
私は以前、金融の会社に勤めていました。しかしあるとき、自分の価値観を180度変えたいと強く思いたちました。そこで退職して、約10年間で世界100ヶ国以上の旅をしました。その10年は日本人としての感覚、価値観が大きく覆され、素晴らしい経験となりました。
帰国後は、それまで蓄積してきた集大成として『幸福途上国ニッポン』という本を書きました。それは作家になるという意味ではなく、私個人のマニュフェストでした。『私の考えはこうです』と不特定多数の方に伝えることで、共感してくれる人と繋がれるだろうし、そこからさらに色々な活動が生まれるだろうと思ったのです。
案の定、ある人物との出会いのあと、「再生可能エネルギーの事業をやろう」と持ちかけられたタイミングで、起業をしました。その頃自分の幸福論を普及していこうと思っていた矢先でしたので、会社を起こすことに対して、正直当初は気乗りしませんでした。しかしその頃日本では、原子力発電所の事故をきっかけに、次世代電力供給の担い手として『再生可能エネルギー』が注目されはじめ、私はそこにビジネスチャンスを感じていましたし、幸いにも起業する上での良い仲間にも巡り会えました。
また、自著の内容でもある『どうすれば日本の社会で、一人一人が本当の意味で充実した人生が送れるか』をずっと考えてきたので、どうせならこの機会に『人が幸せになる会社』をつくってみよう、と思いました。そういった背景から2012年10月、日本メガソーラー整備事業株式会社が誕生したのです。
化石燃料からの転換
私たちは太陽光発電所の開発から建設、メンテナンスまで一括して行う建設会社です。2012年に創業してから4年間で、日本全国50カ所以上の発電所を手がけてきました。
2011年以降、日本では特に発電は化石燃料に頼っているのが現状です。しかし将来的には、いつか『再生可能エネルギーへの転換』が絶対に必要不可欠ですし、再生可能エネルギーを導入しやすい法律も導入されました。
現状太陽光発電など自然エネルギーを使った発電はコストが高いと言われていますが、逆にいうと、安くさえなればもっと爆発的に普及するでしょう。そこで、安い自然エネルギーの発電所を作るという大義を掲げつつ、企業としてもきちんと利益を追及することが理想だと思っています。社会的な貢献と自己の利益という両方が、同時に達成可能なのです。
具体的に弊社では「グリッドパリティ(太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーの発電コストが、既存の電力コストと同等であるか、それよりも安価になること)」を目指しています。社員にも日々の仕事から意識をしてほしいと思い、社内のいたるところに「Grid Parity for Sustainable Society(日本語訳、以下GPSS)」と書いてありますし、「この会社はGPSSのためにあるんだ」ということも毎日のように伝えています。
そうすることで、建設現場の人も、経理の人も、社員全員が自分の仕事に社会的な意義を感じることができますし、自分の存在意義にもつながってくるでしょう。それは、ひとが幸福になる第一歩です。また、単に社会への貢献だけではなく、自分の能力を最大限に発揮出来る会社だということも感じてほしいですね。
さらに弊社では、外国人や違う文化の人を積極的に登用することも心がけています。採用の基準は”変な人”です。(笑)最近では日本語が話せない人の採用もしているので、みんな必死に英語でコミュニケーションをとっていますよ(笑)
彼らは、将来的に海外展開するときの架け橋となると思っていますし、日本人が当たり前だと思っている価値観に、風穴を開けてくれるんです。『こんな風に自分を表現しても良いんだ』というカルチャーショックを与えてくれます。
私が作りたいのは、自社のユニークなカルチャーです。『違う価値観を持った他人に対して、寛容である』ことが、個人の幸福の大きなカギになると考えています。
100%再生可能エネルギーの社会へ
私が起業した際から、目標として掲げている「グリットパリティ」は今、だんだんと実現に近づいてきています。そこで、現在は次の目標として「100%再生可能エネルギーの社会」を目指しています。
現状日本の発電供給は、2011年の東日本大震災以降、原子力発電がほぼゼロにまで減りましたが、その減少分の大半を火力発電が補っています。ですから「100%再生可能エネルギーの社会」の実現には、次の50年、100年と莫大な時間がかかることでしょう。
しかし私は一企業として、どこまでできるのか、最大限の努力を続けていきたいと考えています。弊社には私をはじめ、金融の知識を持つ人間が多く在籍するので、それを上手く活用しながら、まずは発電所の所有数を増やしていきたいです。そうして安定的な収入を得ながら、他社が参入しない新規の再生可能エネルギーを日本で広めていきたいですね。
再生可能エネルギーというのは、太陽光をはじめ、地熱、風力、バイオガスなど、日本で馴染みのないものでも、世界でもっと普及しているものもあります。ヨーロッパでは石炭発電よりも風力発電のコストが低くなっていますし、アイスランドでは、地熱発電を中心に、既に「100%再生可能エネルギーの社会」が実現しています。
私たちとは違う環境で発電を行っている海外の方と情報交換をしていると、日本でもまだまだやれることがあるとワクワクしています。おそらくあまり知られていませんが、実は日本は世界で3番目に多くの地熱エネルギーが眠っているんです。これを活用しない手はないですよね。
私はただ発電所を建設していくだけではなく、地域の方々とコミュニケーションをとりながら、社員をはじめ、日本人が幸福になる社会づくりを目指しています。そのためにも地熱発電はじめ、再生可能エネルギーの可能性をもっと普及させていきたいです。