株式会社インユー
松浦 愛
POSTED | 2018.06.08 Fri |
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TAGS | 従業員数:6~10人 業種:ECサイト運営 創立:15年以上 決裁者の年齢:その他 商材:BtoB |
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オーガニック×マクロバイオを実践できるメディア
忙しい中にも身体のバランスを整える機会と時間を。Topics
株式会社インユー 社長 松浦 愛氏のONLY STORY
オーガニックとマクロバイオニックを日本に広める
株式会社インユーは、今すぐ実践できるオーガニックライフスタイルを提案するメディアを運営しています。まずは、その設立に至った経緯からお話ししますね。
大学卒業後、私が新卒で入った会社は大手ファッションブランドの企業でした。ファッションにはそれなりに興味はあったのですが、やりたい仕事というわけではなく、働く喜びを感じることもできなかったので、半年程度で退職しました。次に行く場所も決めていない状態でほとんど勢いで辞めてしまったのですが、縁があってインターネット関連のベンチャー企業に入社することに。
将来的に自分が何をしたいのかという部分については見通しの付かない日々を送っていたのですが、ある日、どのようなサービスを提供するにしても、自分のライフワークとして趣味と仕事の境界線上でやっていきたいという思いが芽生えました。
それとほとんど同時期に、心身の健康について考える機会がいくつか重なったんです。周りの人が若くしてがんになったり、母親の世代の人が病気になったという話を聞いたり、自分が新卒の頃にストレスで乱れた食生活を送っていたことを思い出したりして、身体のリスクマネジメントをすべきだと考えるようになりました。
そのときに出会ったのが、オーガニックやマクロバイオニックという考え方。
マクロバイオニックはニューヨークで流行った印象がありますが、もともと日本人が考えたものなんですね。人間の身体と土地は切り離せないので、今暮らしている土地の食材を食べることを意味する「身土不二」、またりんごだったら無農薬のものをまるかじりして食べたほうが栄養が得られるという「一物全体」を重要視するというものです。
これは古くからある考え方ですが、現代人はそういうことをあまり把握してなくて、海外のものや季節外れのものを口にして、それで身体のバランスを崩しがちなんですね。この考え方を知ってから、私は独学でオーガニックやマクロバイオニックを学び、自分の食生活に取り入れるようになりました。そのうち体調に変化が現れるようになります。風邪を引かなくなったりだとか、イライラしなくなったりだとか、些細なことですが、着実にプラスに向かったという実感があり、この事実を伝えていくべきだと思いました。
ただ当時、日本では「健康に配慮している人の方が変わっている」というイメージが定着していました。世界としてはオーガニックやマクロバイオニックという考え方が浸透しているのに日本では逆の流れになっている。その状況を打開するのに、私はメディアという形を通して発信することを選んだのです。最初はブログサイトを立ち上げ、徐々にメディアとして発展させてきました。
気軽にオーガニックに触れられる、真摯なメディア作り
インユーの事業を一言で説明すると、「忙しい現代人でも今すぐ実践できるオーガニックライフスタイルを提案するメディア」です。
メディアの読者の8割は女性なのですが、その中を紐解くと、働く兼業主婦や独身のOL、子供を持つお母さんが多いんですね。「自分自身の健康は大丈夫なのか」、「自分の親がガンになってしまった」、「自分自身がガンになってしまった」、「子供がアトピーを患っている」など、いろいろな悩みを抱えている人がほとんどです。
肌荒れなどの些細なことから、重い病気まで悩みは個人によってさまざまですが、何らかのヒントを得るために弊社のメディアを見に来ているという印象を受けています。
私たちの意識としては、そういうニーズに応えようとも思うのですが、一番は忙しい人でも実践できるオーガニックライフというところ。ハードルを下げて興味を持つ糸口を与えられるように工夫しています。例えば、オーガニック素材を使った料理のレシピを公開しているのですが、ほとんどが10分~15分間できる簡単なものを提案しています。気軽なところから、おいしそう、楽しそう、やってみたいから入ってもらうことを第一に考えています。
また、読み物というコンテンツが非常に人気です。比較的長文が多いのですが、提案型の記事が多くなっています。社会問題や、日本の実態と海外の実態を比べる記事、海外のレポーターが海外の実態を伝える記事もありますし、有名人にインタビューしてみようという記事もあります。身近なところから入り込んでくる記事が多く、例えば一つの梅干しから始まる記事だったりとか、本当にわかりやすいところからスタートするのが特徴ですね。
ライター自身がオーガニックを実践している方が9割9分というかたちで、そういうライターしか採用していないため、記事の質は非常に高いと思っています。コンテンツの質にはこだわっていて、特に個性やオリジナリティには自信があります。
営利目的だけですべてを判断せず、読者、消費者を最優先に考えたコンテンツ作りを第一に考えていますね。具体的には、自分の家族に読ませても問題がない記事を作ること。私は大切な人に嘘をつきたくありません。
そういう基準で、記事や商品を選んでいきます。真摯な姿勢で事業を進めていることもあり、マドンナの専属シェフをやっていた西村まゆみさんや、書道家の武田双雲とコラボレーションしていただきました。今後もインユーの理念を理解してくださる人と協力して、コミュニティを広げていきたいと考えています。
日本の基準を上げるために、海外との接点を強化したい
短期的な今後の目標は、インユーマーケットという事業をやりきることですね。
非常に好調で、話題となって人気を呼んでいる事業です。中途半端にせずしっかり出品者の方を集め、いい商品を選定していくこと、増やしていくことに集中します。また、既存のお客様にも何らかの特典を付けて、お返しをしていけるようなサービスも考えていきたいですね。
5年後くらいを見据えたときに、海外との接点をさらに活発化していきたいと思っています。海外って素晴らしいものとかあるんですよ。ドイツが特にそうで、有名なものだとシュタイナー教育とかというものが挙げられます。シュタイナーが発案したオーガニック農業やバイオニック農法は世界最高峰の農法と言われていて、そういう素晴らしいものを日本人にも知ってもらって、日本の基準を上げていかなければならないと思っています。作る側の意識改革が重要ですね。
弊社は採用にも力を入れていますが、スピード感や生産性を意識できること。自分の頭で考え、最後までやり遂げられること。オーガニックがただ好きいう感情だけでなく、ビジネスでどう貢献していくかという両軸で考えられる人を選んでいますよ。