なでしこTOKYO株式会社
宮内 由紀子
POSTED | 2015.08.05 Wed |
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TAGS | 従業員数:11〜30人 業種:その他 創立:9〜10年 決裁者の年齢:その他 商材:BtoC |
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物流業界に女性の力を!
女性”らしさ”を活かした宅配サービスを提供Topics
なでしこTOKYO株式会社 社長 宮内 由紀子氏のONLY STORY
女性の良さを活かした物流サービス
『男性が活躍する物流業界』のイメージを崩し、
”女性の強み”を全面に打ちだす軽貨物企業がある。
なでしこTOKYO株式会社の宮内由紀子社長に、
インタビューを行なった。
「物流はほとんど男性ばかりの業界です。しかし、
]清潔感のなさや臭いなどのクレームが多いという
現状があります。その点、女性スタッフならきめ細かい
対応ができるため、それらのクレームをクリアにできるんです。
また、配送時に女性が商品案内などもすることで、
お客様の共感を得やすく、営業代行の役割も果たせます。」
たとえインターネットで購入した商品でも、配送スタッフ
だけは購入者と接する。商品を買った人にとっては、
届けた人が商品や会社のイメージになることも多い。
そういった面でも、女性スタッフが届ける印象は
いいサービスにつながる。
結婚後に知った、社会復帰の難しさ
宮内社長は物流の他に、事務代行やお片づけの事業も
行なっている。起業への経緯は何だったのであろうか。
「IT業界で長年働きましたが、結婚を機に退職し、
一度専業主婦になりました。その後、再就職を
考えましたが、ダメだったんです。女性の社会復帰が
厳しい現実に直面しました。
育児が落ち着いた後に社会復帰を望む女性は多いですが、
みんな仕事がなくて困っています。自分自身のことを
考えても、この先20年以上も仕事をしていけるので、
女性が再就職できる仕事の必要性を感じました。」
女性は結婚・出産・育児などによって、仕事の機会を
失う場合が多い。宮内社長はそのとき、この先の人生に
危機を感じた。
『せっかく生まれてきたのだから腹をくくって生きる』と決め、
『一度離職した女性が働く機会を作りたい』という強い想いが
起業に至った。
IT業界の経験からパソコンを使う事務系の仕事が身近に
あったため、まずは事務代行サービスから始めた。
事務職なら女性が時短や扶養範囲内で働きやすい。
また、採用した女性を2〜3人のチーム制にして、休んだ際に
補い合うことのできる『ワークシェアリング』という働き方を
することで、利用側も働く側も安心できる仕組みをつくった。
働く女性の言葉がやりがいに
事務代行サービスを始めて資金繰りや採用で苦労した
宮内社長だが、『それでもがんばって続けたい』と
実感した出来事があったそうだ。
「育児が終わって社会に出て、働き始めた人から
『自分が世の中に必要とされ、社会の役に立てることを
感じられて嬉しい』と言われた事がありました。
この言葉が、ずっと私の心に残っています。
大変な仕事だけど、ずっと続けていこうと思えるのは
この一言のおかげです。日常の中で、自分が社会に
貢献していると感じられる主婦の方は少ないと思います。
だからこそ、採用した人がそう言ってくれたことが
とても嬉しかったです。」
採用した女性が仕事を通じて成長し、リーダーシップを
発揮している姿や表情の変化を見ることも、
とても勇気をもらえるそうだ。
女性の配送に対するイメージを変えたい
今後はどのような事業展開を考えているのか尋ねた。
「もちろん目先の数値目標などはありますが、
1番やりたいことは女性が配送することを
当たり前のサービスにしたいです。
働く女性をより増やしていけるように、
なでしこTOKYOの配送事業をこの1、2年で
しっかり作ります。そこでパターンをつくり、
広めていきたいです。」
女性の活躍を応援するなでしこTOKYOで、
人を採用する際に大切にしている事がある。
それは、『何よりも真面目であること。』
真面目で真摯な気持ちで生きている人と
一緒に働きたいと宮内社長はおっしゃった。
最後に、若者へのメッセージをいただいた。
「失敗を恐れず、もっといろいろやってしまえと思います。
人生は、想像しているほど大したことが起きません。
起きた時は大した事だと思っても、いずれ大した事じゃ
なかったと思えるようになります。
楽しい事も苦しい事も必ず起きるので、
自分でどう解釈するかだけの話なんです。
せっかく生まれてきたのだから、
もっと楽しんだらいいと思います。」
女性が活躍する機会を作っている宮内社長に、
これから社会へ出る女性へのアドバイスも伺った。
「女性は男性と張り合うと大変だと思うんです。
男の人に負けまいとがんばるのではなく、
一緒にがんばっていけばいいと考えた方が
いいと思っています。」
宮内社長の生き方は、多くの女性の新しいモデルになるだろう。
編集後記
インタビュー前に拝見したホームページに、
応援者から「人柄の良さ」という言葉がありました。
実際にお会いすると、宮内社長の雰囲気は本当に
人から好かれると思いました。
常に笑顔で明るい、楽しい時間でした。
女性が働く場がここから増えていくんだな、
と確信しました。
インタビュー後に、運送・家事代行において
「なでしこ」が商標登録を取得したので、
ますますこれからが楽しみです。