株式会社PROTECA
諸井 拓海
POSTED | 2020.12.23 Wed |
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TAGS | 従業員数:51〜100人 業種:その他 創立:3〜4年 商材:BtoB |
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保育士が作った自動シフト作成サービス『しふとっと』
一人ひとりの事情やスキルを調整し公平なシフトを作成Topics
今回のインタビューは株式会社PROTECA代表取締役の諸井拓海氏に、保育士の多様な事情を織り込んだシフトを自動作成する『しふとっと』の利点や保育に対する諸井氏の熱い想いなどをお聞きしました。
株式会社PROTECA 社長 諸井 拓海氏のONLY STORY
前後工程までフォローしたシフト作成サービス
––株式会社PROTECAの事業内容からお伺いします。
諸井氏:私たちは保育士向けの自動シフト作成サービス『しふとっと』を提供しています。
保育士と一言で言っても、当然ですが保育士によって経験量や力量も違いますし、0歳児から年長さんまでを担当する中で「◯才さんが得意」といった年齢層による得手不得手が生まれてくるものなんですね。
このような個々の特性やレベル以外に、勤務時間もシフトを作成する上での1つのポイントになります。例えば負担の大きい早番や遅番の回数は誰かに偏らせてはいけないため平均化させる必要があります。
今お話したようなポイントは20項目以上もあるんですが、『しふとっと』を利用するとそれらをバランスよく調整したシフトが自動で作成されます。他社製品では、手動で作成する仕様がほとんどの補助ツールが多い中、『しふとっと』は、簡単な操作をすれば自動でシフトが作れるのは大きな特徴だと言えます。
––自動作成の他に『しふとっと』にはどのような強みがありますか。
諸井氏:保育士の悩み解消に特化している製品だという点です。『しふとっと』は私自身が保育現場で学んだことをプログラム開発の根幹に織り込んで作られたものです。他社のプログラマーの手だけではなく、保育士の手を動かして企画や開発されたシフト作成サービスは『しふとっと』のほかにはありません。
––続いて『しふとっと』の機能について教えていただけますか。
諸井氏:『しふとっと』は連絡機能、シフト自動作成機能、管理機能の3つで構成されています。連絡機能は勤務希望の収集と作成されたシフトを全員に配信するもので、連絡機能で集めた情報からシフトを作成するのがシフト自動作成機能になります。最後の管理機能は労基法違反にならないかと本部がシフトをチェックする時に利用する機能です。
『しふとっと』はシフト作成だけに特化し、必要最低限の機能で高水準のシフトを作ることをコンセプトとしています。そのため、シフト作成の前後の工程である情報収集や確認などもフォローできる機能を搭載しているんです。
豊田市の事業所表彰で「イキイキ大賞」受賞
––株式会社PROTECAの設立経緯をお聞かせください。
諸井氏:大学では法律を学んでいたんですが、子どもが好きだったことから大学卒業と同時に保育業界に飛び込みました。しかし、事務員として務めた最初の保育園は半年、次の保育園向けコンサルティング会社も半年で辞めることになり、3つめの保育園では園長を任せていただきましたが、そこも1年で辞めることになりました。
なぜ私が何回も転職したかと言うと、「人を大事にする」という自分が持っている価値観と合う会社が見つからなかったからなんです。その後「自分に合った会社が見つからないのであれば転職を繰り返すのではなく、自分で会社を立ち上げるしかない」と思い企業に至りました。
––創業以後を振り返って、印象に残っていることを教えてください。
諸井氏:定員が25人なのに、7人しか子どもがいない赤字の保育園を買い取ったのが保育園の運営事業の始まりで、当初は朝7時から夜7時まで保育士として働いた後、経理や労務、パンフレット作りまで大変な毎日でした。しかし、そうした努力が実って1年も経たないうちに子どもたちの数が定員にまで達し、運営を軌道に乗せることができて、今では愛知県で3園を運営しています。
もちろん課題がなかったわけではありませんが、私としては多くの方の支えでここまで進んで来られたと思っています。それは最初の園で私を支えてくれた2人のパート保育士や、3園目開設直後に他社の内定を蹴って入社してくれた統括マネージャーなど、困った時に私を助けてくれる人が現れたことによります。本当に私は人に恵まれたと思っています。
そのような人たちのおかげもあって、豊田市が働きやすい会社を表彰する制度「はたらく人がイキイキ輝く事業所表彰」の中小企業部門でイキイキ大賞に選ばれたことは大変うれしい出来事でした。
––諸井様が経営をされる中で大切にしていることをお伺いします。
諸井氏:弊社は「PROTECAの誓い」という経営理念を3つ設定しています。
「働く人が幸せであること」
「誠実で一生懸命であること」
「人の役に立ち喜ばれること」
この3つを満たしながら、私が使命としている「子どもが笑顔でいる日々を当たり前に」を全うしたいと思っています。
「保育ならPROTECA」を目指して
––今後の短期的目標をお聞かせください。
諸井氏:『しふとっと』のマーケティングに注力し、機能の拡充も図っていくのが短期的な目標になります。
私は売ることを優先させずに、喜んでもらうことを一番に考えたいと思っています。弊社の製品が顧客にふさわしくないと思えば、ムリせずに引き下がり、ほかの業者さんの紹介もすべきで、それこそが弊社理念の「誠実で一生懸命であること」であり、顧客に喜んでもらえる営業だと思います。
––では、10年以上のスパンで見る長期的展望はどういったものでしょうか。
諸井氏:『しふとっと』は保育現場に限らず、他の領域でも十分通用するものだと思っています。例えばこの日本独特のきめ細かな配慮は海外の福祉産業でも必要とされるはずで、各国のルールに対応する設定に変更さえすれば、世界中のどこでも『しふとっと』が使えて喜んでもらえるものと確信しています。
また、生涯をかけての挑戦となりますが、弊社で働く人が「世界一働きやすいんだ」と言ってくれ、世界中から「保育ならPROTECA」と言われるのが私の夢なんです。
私の夢はまだまだあります。保育大学を運営して優秀な人材を育てることによって、賃金が低く労働環境の悪い保育士の社会的地位を向上させること、他にも東日本大震災の際に海外から評価された日本人の民族性をもって、日本の保育を海外に輸出すること……。夢の実現のために、まずは目の前の人に喜んでもらえるよう日々努めていきたいです。
––最後に、読者へのメッセージをお願いします。
諸井氏:弊社は「PROTECAの誓い」をもって顧客企業や働く人と気持ちよく仕事を続け、お付き合いをしたいと考えています。頑張っている人、誠実な人、努力している人、あるいは粋な人も含め、私はその出会いに無限の可能性を感じています。弊社に興味を持っていただけた企業さまや学生さんと、ぜひお話をしたいと思っていますので、ご連絡お待ちしています。
執筆=増田
校正=笠原
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