タイムカプセル株式会社

相澤謙一郎

地域を活性化するためのIT事業と人材育成

ITで地域から日本を元気に!
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今回のインタビューは、地域に根ざしたソフトウェア開発と人材育成事業を行うタイムカプセル株式会社の相澤氏にお話を伺いました。地方を盛り上げるための同社の取り組みについて語っていただきます。

タイムカプセル株式会社 社長 相澤 謙一郎氏のONLYSTORY


【経歴】

タイムカプセル株式会社代表取締役。 横須賀生まれ、横須賀育ち。明治学院大学法学部卒業。 19才で起業し、どぶ板通りでBARを開業。その後、株式会社ぱど、株式会社ユニメディアを経て、2010年Eagleを創業。

2013年、岐阜県大垣市にてタイムカプセルを創業。 300本以上のスマホアプリの開発にたずさわり、累計のアプリダウンロード数は1,000万を超える。初期のヒット作『ちゃぶ台返し』のほか、『あべぴょん』、『横浜F・マリノスコレクションカード』などが好評を博す。県立岐阜商業高等学校、県立東濃実業高等学校、尚美ミュージックカレッジ専門学校にてアプリ開発の講師を担当、大垣女子短期大学非常勤講師。「ITで地域から日本を元気に!」をミッションに全国を駆け巡る。共著「これからの自治体産業政策-都市が育む人材と仕事-」

2つの事業とITの力で地域を活性化を行う


–タイムカプセル株式会社の事業内容を教えてください。

相澤氏:弊社は「ITで地域から日本を元気に!」をミッションにソフトウェア開発事業と人材育成事業の2つの事業を展開しています。

–ありがとうございます。それぞれの事業について教えていただけますか。

相澤氏:はい。まずソフトウェア開発ではIoT、ロボット、AR/VRなど様々なアプリケーションを開発しており、例えば観光用のスマートフォンアプリの開発や業務用清掃ロボットの開発を行っています。観光アプリではその地域の魅力を発信して、国内、海外から観光客を呼んだり、延いてはその地域に転住してもらえるような流れを実現したいと考えています。

特にスポーツ分野に関しては、プロ野球12球団&侍ジャパン公式ライセンスアプリ、サッカー日本チーム公式ライセンスアプリ、横浜F・マリノス公式アプリ、阪神タイガース承認アプリ、楽天イーグルス公式アプリの一部、東京六大学野球連盟公認アプリの開発・運営をするなど多数の実績があります。

次に、人材育成事業では「地域人材の育成が地域活性化の本丸」という考えのもと、弊社の拠点において地域の市町村や学校、企業と共同でIT人材の育成を行っています。

‒他社との差別化をはかっている点や強みは何ですか。

相澤氏:地方活性化事業としての強みは大きく2つあります。

1つ目は地域に拠点を構えていることから、それぞれの地域における特徴をその目で見て知ることができ、その上で地域に根ざした企業と連携してビジネスを進められるという点です。

2つ目は、地方企業の弱みとされているIT領域に強い点です。と言うのも、地方の企業は、IT関連の部署を持たない会社が多く、自社でソフトウェア開発をしたり、ITを使って業務改善やコスト削減を行うことができないという声を聞いています。

その部分を、私たちがサポートすることで、地方の企業、地元の企業をしっかりと支援することができるんです。

‒そのような強みがあるからこそ、プロスポーツチームから案件をもらえるということでしょうか。

相澤氏:そうですね。

例えばプロスポーツチームはその地域を代表するコンテンツと言えます。そのコンテンツをITを使ってさらに発展させることで、スポーツが持つそもそもの魅力はもちろんのこと、より多くのファンを楽しませ、満足度を向上させる取り組みを行なっています。満足度が上がれば、ファンが地域自体に愛着を持ち、何度も球場やスタジアムに足を運ぶようになってくれるでしょう。その循環が、地域を活性化させることに繋がっています。

時代の流れに応じて、紙媒体からITへ


‒起業のきっかけについて教えてください。

相澤氏:実は19歳のときから何度か起業を経験していて、何度も失敗を重ねているんですよね。店舗経営に失敗したり、以前勤めていた会社では中国の上海の子会社で代表を担当していましたが、事業は成功に至らず撤退して帰国したという経験もしています。

そのような経験を経てiPhoneが日本に発売になった時、私はこの機会によって世界が大きく変わると確信しました。「次こそは成功させたい」という想いでiPhoneアプリの開発会社を立ち上げたのですが成功させることができず、現在のタイムカプセル株式会社を立ち上げるに至りました。

‒なぜ、地域の活性化の事業を始めたのでしょうか。

相澤氏:私は前職で地域密着のフリーペーパーを作る仕事をしていたんですね。具体的には地域の商店街に出店している飲食店や美容室、小売店などの宣伝を担当しており、商店街全体、延いては地域全体を元気にするという仕事で、やりがいを感じていました。

当時は紙媒体だったものがスマホアプリやウェブ媒体といったITのツールに移り変わっただけで、「地域を活性化させる」という目的は前職にいたときから変わっていないんです。

これからもその目的を果たすために邁進していきたいと思います。

全都道府県に拠点を作る


‒今後の目標を教えてください。

相澤氏:弊社は現在北海道から九州まで拠点を構えているのですが、まだ拠点を置けていない地域もあるので、5~6年後を目安に全都道府県に進出したいと考えています。それに伴って5年後までに現在の50名体制から100~150名体制にスタッフを増やしていきたいと思います。

‒5年後以降の長期的な目標は何かありますか。

相澤氏:長期的には、それぞれの地域の皆さんからタイムカプセルが必要と言われる存在になりたいです。そのためには、私たちの事業がその地域に貢献するものでなければなりません。

例えば、現在、首都圏に多くの人が流入、集中しています。人が集まれば集まるほど、事業の中心も首都圏になってくる。その流れが地方経済の縮小、地方の人口減少まで繋がってきます。

私たちはその流れを止められるような、地域を下支えする存在になりたい。そのためにも、私たちの取り組みがきっかけとして地域が盛り上がり、若い世代が地域を支え続けてくれるような仕組みを作っていきたいと考えています。

‒ありがとうございます。最後に、読者へメッセージをお願いします。

相澤氏:タイムカプセルが地域に進出していくにあたって、どうしても自社だけでは難しいことが多いです。一緒に地域を盛り上げていこうという企業や経営者の方がいらっしゃれば、ぜひお声がけいただければと思います。

執筆=スケルトンワークス
校正=笠原

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