有限会社デザインクラブEMW
中田 朝之
POSTED | 2020.05.28 Thu |
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TAGS | 従業員数:6~10人 業種:建築・不動産 創立:15年以上 決裁者の年齢:60代 商材:BtoB |
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事業性を見通した建築で商業施設をプロデュース
事業構築からプロパティマネジメントまで一貫サポートTopics
今回のインタビューは、建築デザイン、事業プロデュース、空間プロデュースを展開する有限会社デザインクラブEMWの中田氏にお話を伺います。主に商業施設の事業構築を一貫してサポートする同社。その強みや他社との差別化ポイントなどを語っていただきました。
有限会社デザインクラブEMW 社長 中田 朝之氏のONLY STORY
【経歴】
1958年、愛知県名古屋市出身、
1982年名古屋工業大学卒、
㈲デザインクラブEMW 代表取締役
㈲D&Pインターナショナル 取締役
日本プロパティマネージメント 取締役
ASAPropertyManagementInc. Exective Director
㈱キューブインターナショナル 取締役
建築設計会社に入社後、独立しD&Pインターナショナルを設立。中古衣料の輸出、クルーザー、ボートの輸入などアメリカとの貿易事業をスタートさせる。
その後ファインアートの世界から新しくApplied Art(機能を持つアート作品)という考え方を創出し、表参道スパイラルマーケットにて展開。
そして自ら造作活動を始め、日本全国での幅広い活動を行う。
この頃よりデザインクラブEMWを設立し、建築設計デザインの世界に再度進出、全国の商業施設のデザインを手掛ける。
また、日本のプロダクトアートにも深く、ニューヨーク・アクセント・オン・デザインへの作品プロデュースも行う。
現在、日本全国でさまざまな建築意匠デザイン、事業プロデュース、空間プロデュースを行っている。
将来の事業性を見通した建築・デザイン
–まずは、有限会社デザインクラブEMWの事業内容をお聞かせください。
中田氏:弊社は、新たに商業施設を展開する事業者に対して、建築のデザインから設計、施工管理、商業施設内の事業構築、その後のプロパティマネジメントのサポートまでを一貫して提供している会社です。
–競合他社と比べて差別化できるポイントはありますか。
中田氏:ある程度のプロジェクトを立ち上げるところまでは他社もやられていると思いますが、得意分野に特化した関わり方に留まっていると思います。
それに対して弊社は1つのチームとして複数の領域に関わることができるので、商業施設の展開の際に発生する事業構築においては、入居するテナントの構成を考えたり、契約条件の構築にまで一緒に取り組むことができます。そこまでやっている会社はあまりないはずですね。
また、不動産を探すチームや土地開発チーム、プロパティマネジメントチームなど、商業施設に関わるいろいろなチームをプロデューサーという立場から一括してサポートできる点も他社と差別化できるポイントだと思います。
–御社の強みを教えてください。
中田氏:イニシャルコストを抑えて建築、デザイン、設計監理を行えるのが弊社最大の強みですね。というのも、商業施設事業の構築をする上で建築費はイニシャルコストとして最も重要で、後のプロパティマネジメントを左右するからです。
我々は商業施設の将来の事業性を理解した上で、逆算して建築費を見積もり、プロデュースをしています。小規模施設から大規模商業施設まで、建築に関するコストマネジメントが行える会社は全国でも珍しいと思いますね。
–なるほど、建築デザインと事業コンサルを兼ね備えたサービスを提供されているんですね。
中田氏:はい、そのイメージです。
–御社を利用されるお客様はどういった方が多いですか。
中田氏:日本全国に商業施設を展開されている企業様になりますね。
また、行政が民間に公募し、民間が行政の土地に事業を組み立てる「PFI事業」に応募して、我々自身がプロパティマネジメントの事業体になったり、行政と協定を組んで20年ぐらい商業施設を運営していくこともあります。
–御社を利用される方からはどのような声がありますか。
中田氏:あるブライダル施設を作った際に、「お客様の利用率が上がった」「建物がユニークな割にイニシャルコストが抑えられた」など、お喜びの声をいただきました。
条件やルールをいかにクリアできるか
–これまで印象に残っている案件はありますか。
中田氏:日本の土地には建築上さまざまな条件やルールがあり、時には思ってもいなかった事実が発覚することがあります。たとえば所有土地内に歴史的な文化財が埋まっていたり、国有地があったり、インフラが整備されていなかったり。
そうした場合に、いかにクリアしていくかがとても大変でしたね。
–その中でも、とくに苦労されたエピソードを教えてください。
中田氏:結婚式場を建設する計画スペースの中に、国の土地である農業用水があったんですが、農業用水から5.5m上の空間には法律上何もつくってはいけないというルールがあります。
そのため農業用水の上の部分は、建物と建物をつなぐ連絡通路のようなものにしなければなりません。しかし、それには建物が7、8階以上必要ですし、そもそも結婚式場なのでそんなにややこしい構造にはできず、そのときは相当困りましたね。
結局、必要なときだけ開け閉めができる出入口をつくることで許可を取れたのですが、限られた費用の中で手動でどこまで対応できるかを含めて考えなければなりませんでした。
多様な人材とともに、チーム力を高めていく
–今後の目標を教えてください。
中田氏:弊社は短くて8ヶ月、長いと4~5年と、基本的に長期間でさまざまなプロジェクトを進めています。そのため、専門的な技術を持つ人たちとチームをつくっていくのがますます大事になっていきます。
たとえばディベロッパーや建築士、建築の管理者、3Dデザイナー、VRやアーティストコンテンツの専門家など、ソフトにもハードにも対応できるチームを作り、チーム力を高めていくことが今後の目標です。
–長期的な目標はありますか。
中田氏:我々の業界は今後大きな変革を迎えます。
なぜなら、コンピューターでプロジェクトを進めるBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)が発達することで設計環境が大きく変わり、大手の建築設計会社しか残らないと考えられるためです。
そして、その後は3つのPM(プロジェクトマネージメント、プロダクトマネージメント、プロパティマネージメント)が大切になっていきます。
この流れにしっかりと乗り、将来の商業施設プロデュースの根幹を担っていく事業体になっていくことが長期的な目標です。
–ありがとうございます。では最後に、メッセージをお願いします。
中田氏:新しい商業施設展開を考えている方や興味のある方は、ぜひご連絡ください。お仕事になるかどうかは別として、いろいろな実績事例を含めご相談できると思います。
執筆=山田
校正=米山