株式会社 旅籠屋

甲斐 真

本音を聞こう、本性を見よう!

”MOTEL”で日本人の価値観を問い直す
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株式会社旅籠屋 社長 甲斐 真氏のONLY STORY

借り物ではない自分の言葉で考える


株式会社 旅籠屋(はたごや)は、アメリカなどに無数にあるMOTEL(マイカー旅行者のための
素泊まりの宿泊施設。日本でラブホテルの意味として使われるのは誤用)を、日本で初めて誕生させ全国各地に50店舗以上経営している会社だ。宿の名前は「ファミリーロッジ旅籠屋」。今回、甲斐 真社長にお話をお聞きした。

「私の高校時代は世界中の若者が世の中の秩序に異議申し立てをしていて、ほとんどの大学がバリケード封鎖され、催涙ガスが街に漂っているような時代でした。私も、授業をボイコットして朝から晩まで議論ばかりしていました。有名企業や官庁に入って偉くなる人が上等なんて世の中はおかしい!
高校や大学は結果的にそういう物差しで人間を選別する役割を果たしているじゃないか。
そんなレールに乗っている自分たちはどうなんだ。世の中や大人を批判するだけでなく、自分自身を問い詰めざるを得なかったので、みんな真剣でしたよ。あれほど本を読み、深く考え悩み議論したことはありませんね。借り物の言葉ではなく、自分の言葉で考える習慣は、確実に今に繋がっていると思います」
 
親がエリートサラリーマンということもあり、上昇志向を求められていた甲斐社長は、高校卒業後、親の猛反対を振り切り「大学には行かない!」と家を出てフリーター生活を始めた。
いくつもの工場で働いたが、そこで出会った人達の話題は車と博打と男女の話しばかり。
そんな雰囲気に嫌気がさし、貧乏暮らしにも疲れ果て、猶予の時間をもらうために親に頭を下げて大学に入ることにした。
 
「いい加減な奴でした。世間知らずの甘ったれだったことを思い知らされました。大学に入っても、まったく学校には行かず、映画を作ったり、バイクで走り回ったりして『自分探し』をしていました。
でも結局何をしたいのかわからず、縁あってある住宅メーカーに就職し、あれほど嫌いだったサラリーマンになりました。会社に入って実感した大人の社会は、良い意味でリアルな世界で、そこから地に足の着いた人生が始まった感じです。
でも、正直に生きたそれまでの経験は、間違いなく私のベースになっていました。」

自立した個人の自由を守る


それから十数年後、アメリカ留学から戻った職場の同僚の土産話が大きな転機になった。

「アメリカにいた頃、毎週のようにMOTELを利用して家族で泊りがけの旅行をしたと言うんですね。
うらやましいな、日本だと高いし、余計なサービスが多くて、そんな気楽な家族旅行は難しいなと思いました。それで、すぐに彼に案内してもらって、アメリカのMOTELを泊まり歩いたんです。
アメリカってフレンドリーなイメージがあるじゃないですか。でもね、MOTELは全然お客様扱いしてくれないんですよ。部屋の鍵だけ渡してあとは放置。
最初は、『なんて冷たいんだ!』って思いました。しかし、何日も泊まっていると、『ああ、これがアメリカなんだな』って気づいたんです。
モーテルは安い分、サービスはない。でも、泊まるのに不便はない。価値と価格が対応している。
そして、どんなにオンボロなモーテルでも、管理人は皆胸を張っていたことが印象的でした。
そういうシンプルで自由な価値観を日本に取り入れたいと思ったんです。基本は高校時代に感じていたことと同じなんです!」

事業を始めたところ、「こんな宿を待っていたんだよ」という声が予想以上に多く、リピーターが増え、宣伝もしないのに稼働率が上がり、店舗が増えていった。

”普通じゃない人”も、条件は同じです


最後に今後の展開を伺った。

「創業理念の背景には”日本人の価値観を変えたい”という気持ちがありますから、”お客様は神様だ”とは考えていません。”サービスしないのがサービス”と割り切って、シンプルなスタイルを頑固に守っています。また、MOTELは車社会のインフラ施設だと考えていますから地方重視、利益率の高い都会中心に店舗を増やして利益を最大化させることを目指していません。
さらに、学歴・職歴・国籍などにとらわれずに社員を採用しているのもこだわり続けていることです。LGBTの方も同様です。皆と一緒でないといけない、周りの空気を読んで発言しなくてはならないという日本の息苦しさを打ち破りたいんです。
履歴書の内容ではなく、人間としての誠実さや責任感だけを見ています。
店舗の支配人の場合は、住み込みのおふたりを採用しますから、仲の良い人生のパートナーであることが条件です。本社のスタッフの場合は、これはもう幹部候補社員ですから、会社の理念に共感して”日本人の価値観を変えたい”という情熱を共有できる人に限ります。
とくに表立って募集しているわけではありませんが、いつでもドアをノックしていただければお会いしますよ。」

甲斐社長は、今まで、自分の本音を聞き、本性を見つめること大切にしてきた。
それが、問題意識のベースになり、会社を立ち上げる動機になり、ぶれない情熱の源泉になっている。
ユニークなビジネスを支えているのは、自分の人生は自分で切り開こうという熱意であった。

編集=勝野・山崎

株式会社 旅籠屋の住所や電話番号、採用・求人等が載っているホームページはこちらから↓

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