FIT Trading株式会社

阿部信太郎

ダイエットの成果を体重で判断する時代は終わった?!

相対的な価値ではなく絶対的な価値としての「健康」
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今回のインタビューは、輸入代理店として3Dボディスキャニング・システム「BODYGEE」を取り扱う、FIT Trading株式会社の阿部氏にお話を伺います。事業の内容はもちろん、人々の「健康」にフォーカスする理由や今後の展望についても語って頂きました。

FIT Trading株式会社 社長 阿部 信太郎氏のONLY STORY


【経歴】

1994年、埼玉県朝霞市生まれ。高校卒業後に渡英、ニューカッスル大学教養学部に進学。2017年に当大学を卒業後、アクセンチュア戦略コンサルティング本部に入社し、日系自動車メーカーの戦略立案に従事。退職後、FIT Trading株式会社を創設。2019年7月、スイス発3Dボディスキャニング・システム「BODYGEE」の日本における独占販売権を取得。都内の高級パーソナルジムやビューティーサロン、全国の総合型フィットネスクラブを対象に、「BODYGEE」をはじめとした世界最先端のフィットネス関連製品を提供する。   

3Dボディスキャニング・システムを販売


–まずはFIT Trading株式会社が手がけている事業について、お聞かせください。

阿部氏:弊社は代理販売事業を展開している会社で、現在、取り扱っている製品はダイエットの効果を見える化できる3Dボディスキャニング・システム「BODYGEE」です。

これまでダイエットの効果は「何キロ痩せたか」という点ばかりに焦点が当てられてきました。しかし「BODYGEE」ではどれほど身体が変わったかを視覚的にも定量的にも捉えることができるため、体重以外のダイエットの評価が可能になります。

当製品は昨年、世界最大のフィットネス・ウェルネス見本市 FIBOでInnovation & Trend Awardを受賞し、今全世界から注目を集めています。

–ダイエットの科学的な評価が可能になることが「BODYGEE」の特徴だとお話いただきましたが、そのほかにどのような特徴がありますか。

阿部氏:当製品の強みはソフトウェアであることだと考えています。そのためiPadとiPadに装着する特殊な3Dカメラを使うだけで、精密な身体3Dモデルを作成することができるんです。精密でありながら撮影にかかる時間もたった90秒。その手軽さにご好評をいただいています。

–ありがとうございます。どういった層のお客様が「BODYGEE」を購入されますか。

阿部氏:「BODYGEE」は個人向けではなく法人向けの製品なので、購入されるのはパーソナルジムや総合フィットネスクラブ、ビューティーサロンなどの法人のお客様です。

–お客様からは、どのような声をいただきますか。

阿部氏:パーソナルジムのお客様からは「BODYGEE」の導入後に、ジムの継続率が高まったというお声をいただきますね。

パーソナルジムのプログラムは2ヶ月ほど集中的にトレーニングのノウハウを学ぶものが多く、全て学び終えたら退会する方がほとんどなのですが、導入後はプログラムを終えた後も追加で通う人が増えたそうです。

ジムなどで実際に使用されている方々からは、体脂肪率や身体の部位の数値が出ることはもちろん、フォトリアリスティック3Dモデル、いわゆる自分だけのリアルアバターが作れることに「面白い」と言っていただくことが多いですね。

相対的でなく絶対的な価値を提供したい


–起業を決意したきっかけについて教えてください。

阿部氏:私はほとんどの人が相対的な価値観の中で生きていると感じています。そのような人は、周りの人が自分と同じ価値やそれ以上の価値を享受していると、自分が享受している絶対的な価値に素晴らしさを感じられなくなってしまうんです。

また今の社会は仕事でもプライベートでも過度な競争が行われています。常に自分を誰かと相対化し、そして優れていなければならないと感じてしまう。そんな競争化社会の中で疲弊して、多くの人々の人生の満足感が徐々に下がっているとも感じました。

さらに、日本やイギリスといった先進国では「経済的な豊かさ」によって実現される幸福が飽和状態にあるため、「新しい〇〇」が提供されたとしても、一時的な幸福にしか繋がりません。

では何が人々の豊かな生活に繋がるのか。そう考えたときに出てきた結論が「健康」でした。健康は全ての生活の基盤にある、絶対的な価値。だからこそ健康を増進するサービスを提供したいと思い、起業を決意しました。

–そのような背景から、「BODYGEE」の販売代理店を始められたということですね。

阿部氏:いいえ、そうではありません。私が最終的に事業を通して行いたいことは、健康になればなるほど安くなる保険「健康増進型保険」の開発なんです。
健康になることに対して、インセンティブが生まれる世の中を創れば、人々が「本質的な豊かさ」を実現するための手助けになると思い、このような仕組みを作ろうと考えました。

そのため「人々の健康を増進する」というビジョンを実現するための第一歩として「BODYGEE」の販売を行っているんです。

ジムで自身と向き合い自己肯定感を高める


–今後の展望について教えてください。

阿部氏:健康増進型保険の実現を含め、今後4つのフェーズを構想しています。
フェーズ1は現在行っている代理販売事業。

フェーズ2はジムの展開です。1年後ぐらいには店舗を出し、そこでは「BODYGEE」をはじめ、弊社が輸入する世界最先端のフィットネス関連製品を導入していきたいと考えています。

フェーズ3は健康増進型保険を実現するためにあたって不可欠な生体データをリアルタイムで取得するデバイスの開発です。

そしてフェーズ4では、フェーズ3で開発したデバイスから取得されるデータを解析し、健康増進型保険の開発に本腰を入れていきたいと考えています。

私自身、ジムに行って運動したあとは、エネルギーがみなぎってきて、とても気持ちが良いんですね。
競技スポーツですと、勝ち負けや自分のプレーの良し悪しでモチベーションが変化してしまいますが、ジムは向かい合うのが自分自身なので、常に良い気分でトレーニングを終えられるんです。
私はこれを「メンタルファンデーション」と呼んでいるのですが、私たちの取り組みを通して、誰もがこうした自己肯定感を持てるような社会を作れたらと考えています。

執筆=スケルトンワークス
校正=笠原

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