株式会社美通販
吉野 裕介
POSTED | 2022.07.15 Fri |
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TAGS | 従業員数:51〜100人 業種:卸売業・小売業 創立:15年以上 決裁者の年齢:50代 商材:BtoB |
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口コミで広がる美容卸サイト「美通販」
いつでも買える業界初の美容通信販売で利便性を。Topics
今回は、創業以来、閉鎖体質の美容業界の中、逆風にめげず美容通信販売のパイオニアとして業界を牽引してきた株式会社美通販の吉野氏にお話を伺います。
業界最大クラスの取り扱いアイテム数、自社配送機能による迅速な対応、価格競争をに配慮し、業界最安を目指した低価格設定た価格で知られる「美通販」を運営する同社の、業界における革命的販売の経緯や、美容業界のあるべき形などをお聞きしましょう。
株式会社美通販 代表取締役 吉野 裕介氏のONLY STORY
美容業界初のBtoB通販、33年間で得た信頼が強み
–まず、株式会社美通販の事業内容からお尋ねします。
吉野氏:当社は全国の美容室、理容室、エステサロン、ネイルサロンなどのお店で扱う商品を通信販売の形で卸しています。
パーマやカラー、ヘアケアといった美容業界で言う水物のアイテムを中心に、美容雑貨から美容機器、下着やフレグランスまで、一見サロンさんとは関係のなさそうな商品も含めて、常時約3万アイテムをそろえています。
美容の商品は、トレンドによって春の新色は春だけ、夏は夏だけで終わるなど、発売から廃盤までのサイクルが短いため、今までの総数で言えば100万アイテムを超える商品を扱ってきています。
–美容業界内での御社の強みはどういうところにあるのでしょうか。
吉野氏:水物だけ、エステだけ、ネイルだけの取り扱いといった形の会社が多い中、美容商材を総合的に扱っていることが強みだと思いますね。
最初にこの業界で通信販売を始めて33年の歴史もありますから、「美通販」を知らない人は美容業界にはほとんどいません。この知名度の高さと、33年で培った信頼も大きな強みと言えます。
そのほかの具体的なところでは、取り扱いアイテム数、注文から発送までのスピーディーな対応、そして価格ですね。
今は美容室の新規出店数が多い代わりに、倒産件数も多く、差別化を図らないと生き残れない時代となっています。加えてコスト面の負担は避けられない。そこで当社はひとカテゴリーに1アイテムはコストが安くて競争力があるものを提供しています。
スピーディーな対応については、3万点のアイテム全てが在庫であることに加えて、自社で配送機能も持っています。受注から発送まで一括処理で行うことで現在のスピードを可能にしています。特にこの点はお客さまから、ご好評をいただいています。
–そのほか、お客さまからはどういったお声をいただきますか。
吉野氏:顧客であるサロンオーナーの方々は、わからないことをディーラーさんには聞きにくい心理があるようです。当社の場合、お電話やメールなどでやりとりをしますので顔を合わせない分、いろんな質問をしやすいという声をいただいています。
また、当社の顧客数は15万軒、そして33年の積み重ねがあります。つまり膨大なデータを知的財産として持っていますので、お客さまからご相談をいただいた場合、このノウハウを活かして成功パターンの分析ができます。よって的確なアドバイスが可能となります。この点も喜んでいただいておりますね。
–事業に対して、一番重要視されていることは何でしょうか。
吉野氏:価格、スピード、対応の質は欠かせないものだと思っています。そしてとにかく、お客さまを第一に優先することを心掛けていますので、サロンさんが忙しいようであれば、遠慮なく私たちのことは後回しにしてもらっています。
BtoBを基本とするモデルは、美容業界では当社が最初に創業し、この業界でBtoBのパイオニアであるとは自負しています。ですから、古い慣習にとらわれず常にチャレンジし、後発業者が誕生する環境を作り出すなど、業界を牽引していることにも胸を張れる事だと思っています。当社の取り組みから、今後をさらに美容業界を変えていきたいですね。
美容業界の常識と慣習に疑問を持ち、起業へ
–現在の事業を展開することとなったきっかけは何だったのでしょうか。
吉野氏:創業した1986年当時の流通方法は、週に1度決まった曜日にディーラーさんがサロンさんへ美容材料を届けて、その時に次回分の注文を頂く方法でした。
しかし、お客さまの来店数には波があるため、材料が足りなくなって、「週に1度の配達を待てない」というサロンさんの声が非常に多かったんです。
その声に応える形で、必要な量を必要な時に購入できるようにしようと、通信販売を始めました。
–創業当時を振り返って、一番印象に残っていることは何でしょう。
吉野氏:実は、私には美容師やエステシャンとして働いていた経験があります。美容室を3軒経営しましたが、ヘアはヘアだけ、エステはエステだけといった美容業界の理不尽さを感じ、ちょっとした風穴を開けるべく起業に至ったとも言えます。
創業当時、業界の外には情報を流さないといったルールがあって、サロンさんに対しても簡単な商品カタログしか提供せず、まして一般のユーザーに仕入れ価格がわかるような情報は厳禁とされていました。
通信販売はそうした慣習を破壊しかねないものだったので、まずディーラーさんの反発、次にメーカーさんに商品を卸してもらえないなどの苦労が絶えませんでした。
しかし、サロンさんは利便性を理解してくれて、口コミで噂は広がり、注文が次々に舞い込むようになりました。
仕入れの苦労が続く中で、お客さまからの感謝の言葉はとても嬉しいものでした。今でもはっきりと覚えていますね。
根気よく、サロンさんの声を代弁する事で理解を示してくれるディーラーさんやメーカーさんが増えていって、現在の3万点に及ぶ商品が仕入れられるまでになりました。
美容業界のナンバーワンを目指して
–今後の短期的な目標について教えてください。
吉野氏:私は創業時から美容業界でナンバーワンになることを目標としてきましたが、世間一般の認知度はまだ低く、業界の重鎮の方々はまだ通販を認めていません。
古い慣習を捨てムダな制限をなくすことでユーザーに広く業界の情報を発信し、美容業界を変えていく。その結果として就職希望者が増えれば業界を繁栄させりことができ、私が目指すナンバーワンの夢に近づけると思っています。
一点気になることは、サロンさん・美容師さんの多くがパソコンを持っていないなど、業界全体がITに疎くて、他業種と比べるとWebマーケティング・SEO対策など、全ての面で遅れているのが現状です。
当社もITの先端を行っているとは言えませんが、それでもLINEや各種SNS、チャットボットを取り入れようとしています。そうやって美容業界に新しい風を送り込み、多方面から支えていきたいですね。
–その先の展望についてお聞かせください。
吉野氏:展望というよりは願いに近いですが、美容を通じて世界中の人が幸せになってもらいたいと思います。高齢化社会の中、訪問美容でお年寄りがきれいになることは、心身の健康にもとても良い影響を与えるはずです。
美容は多くの人を幸せにできる。その、お手伝いができたらと考えています。
–最後に、読者の方に一言お願いします。
吉野氏:私たちは値段、買いやすさ、対応といった全ての面で、サロンさんのために日々努力していることをぜひ伝えたいです。そして、興味を持ってくださったらぜひお声がけください。お待ちしております。
執筆=増田
校正=勝野・笠原