有限会社中川海苔店

斉藤徹

「美味しい焼き海苔」を適正な価格でお届けしたい

仕入れから商品化まで一貫製造で品質を保つ
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今回のインタビューは、千葉県木更津市で主に「ちば海苔」の製造・販売を営む有限会社中川海苔店の斉藤氏にお話を伺います。展開する事業内容はもちろん、4代目として事業承継した際のお話や今後のビジョンについて語っていただきました。

有限会社中川海苔店 代表者 斉藤徹氏のONLY STORY

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原料にこだわった品質の高いちば海苔が特徴


–まずは、有限会社中川海苔店の事業内容をお聞かせください。

斉藤氏:弊社は、千葉県木更津市で「ちば海苔」を主とした海苔製品の製造と販売を行っている会社です。

海苔は産地とグレードによってさまざまな種類があります。弊社では、海苔漁師さん達が作った商品の原料となる海苔を各県の漁業協同組合連合会で落札し、「焼き海苔」に加工して、美味しい海苔をお求めになりやすい価格でお届けしています。

主にご家庭用や贈答品用、飲食店や通販会社のほか、一部のスーパーでご利用いただいてます。

–「ちば海苔」の全国の生産量に対しての割合はどれくらいですか。

斉藤氏:かつて「ちば海苔」は全国生産量の5%弱の生産量がありましたが2018海苔年度の集計で全国の生産量は、全形(約20㎝×20㎝)のもので計算すると約65億枚に対して千葉県の生産量は約1億5000万枚で、2%程度となっています。平年では全国で年間約80億枚ほど生産されていますが、昨年度はマスコミでも報じられた通り大凶作で65億枚ほどでした。最盛期では100憶枚超の水揚げがありましたので全国でも30%以上減っているのが現状です。
現在、全国での生産量が昨年度の数量を上回っていますが、千葉の生産量は残念ながら昨年度の半分程度の数量しか水揚げされていません。このままでいくと約8000万枚程度の水揚げで今季は終了となってしまうかもしれません。

当然美味しいものだから「ちば海苔」を扱っているのですが、「ちば海苔」だけにこだわってはいられない非常に厳しい状況にあると言えます。

–だからこそ、「ちば海苔」だけでなく、他の産地の海苔も取り入れていらっしゃるんですね。

斉藤氏:そうですね。海苔を扱う上で、一番大事なのは「どの海苔を仕入れるか」だと考えているんです。

焼き芋屋さんを例にすると、焼き芋屋さんは選んだ芋を焼いて提供していますよね。それと同様に私たちも海苔漁師さん達が作った海苔を焼いて提供している。つまり商品の質は「選ぶこと」「焼くこと」の2つで変わる、むしろその2つでしか変わりません。その中でも、焼きすぎたという失敗を除けば、原料の海苔がおいしいかどうかが重要で焼き方でそれほど味は左右されないんです。

だからこそ、海苔の品質を重要視しているんです。

–なるほど。海苔の目利きの部分にこだわっていらっしゃるんですね。

斉藤氏:はい。弊社は千葉県の海苔指定商組合の会員なので、直接千葉県漁業協同組合連合会で入札ができるんです。反対に、入札会は指定商じゃないと参加できません。
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直接入札できるメリットは、自分たちで海苔の原料を選定し、落札して商品にするまでを一貫した製品管理ができることです。

海苔は天産物なので、その時にいつの商品を仕入れているのかによって、大きく物が変わります。手前みそですが他店に負けないグレードの良いものを仕入れるように努力していますね。

–お仕事をされている中で、楽しいと感じる瞬間はいつですか。

斉藤氏:やはり入札が上手くいった時ですね。実は、海苔の入札は代表的なまぐろなどの競りと異なり、一度決めた値段から変更することのできない一発勝負でやり直しのきかない勝負なんです。
また11月末から4月末にかけての入札会で1年分の海苔を買うわけですから、自分の懐具合と相談しながら、どのタイミングで、どの値段で買うか、決断や選択には経験値や勘も必要です。

だから多数の商社のいる中で欲しいものを落札するというのは非常に難しく神経を使う場面なので自分が欲しいと思った海苔を買えた時はやっぱり嬉しいですね。それを商品に加工して販売し、お客様からも「すごくおいしかった」と言っていただけた時には一番のやりがいを感じます。

41歳で中川海苔店の4代目経営者に


–斉藤様は今4代目でいらっしゃいますが、事業承継されるまでの経緯を教えてください。

斉藤氏:小さい頃から自分が海苔屋の息子であると分かっていたので、「ゆくゆくは商売を継がなければと」思っていました。ただ正直に言うと、自営業に憧れはありませんでした。家とお店が合体していたので、プライベートと仕事の境目がないのが嫌だったのかもしれません。

3年半ぐらいサラリーマンを経験したのち24歳の12月に実家に戻り、41歳の時に事業を承継しました。

–斉藤様が社長になられた際、変えていこうと思われた部分はありますか。

斉藤氏:もう少し小売りを増やしていきたいと思っていましたので、メインの卸売り商品のほか、変わった商品やギフトセットなどのラインナップを増やして、一般のお客様にも楽しんで海苔を購入していただけるようにしました。

–創業されてから60年近く続いてきた理由は、何だと思いますか。

斉藤氏:やはり口にはいる「食べるもの」という事で品質には特にこだわっているところだと思います。現在海苔の生産量が減り、選択の幅が狭くなった中でも、とにかく品質を保つことを大事にしてきたお陰でお客様たちがついてきてくださっているんだなと思いますね。

海苔はすごく値段に正直なので、高いものを買っていただければ当然美味しいのですが、私たちは安価なものを買っていただいても納得のできる美味しい商品を提供できるよう努力しています。また海苔は天産物なので、当たり年、外れ年があります。外れ年の中でもできるだけ良い物を揃えて商品にしていますね。

木更津アンテナショップで地域貢献したい


–今後の目標について教えてください。

斉藤氏:先ほどもお話をしましたが、今、「ちば海苔」が低迷していまして、これから海苔だけの商売は難しいと感じています。ですので、地域の社長方とのつながりを活かして、木更津の選りすぐりの商品を集めた「木更津アンテナショップ」をつくりたいと考えています。

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「ちば海苔」のPRもしていきつつ、地域の活性化に貢献できればと思いますね。

–社会の中でどういった影響を与えていきたいとお考えですか。

斉藤氏:私たちの取り組みを通して、もっと皆さんに「食べること」を考えていただきたいと思っています。

私たちは小学校の出前授業などを通して、自分たちで焼いた海苔を食べてもらうと、子どもたちはみんな「海苔ってこんなに美味しいの」ってびっくりするんですね。

もちろん本当に美味しい海苔は値段も高いんですが、「あの時食べた海苔ってすごく美味しかったな」という印象が残れば、普段食べているものに疑問を持つことができます。そこから、海苔だけでなく、食べ物に対する関心や興味を持っていただきたいと思っています。

なかには海苔はみんな一緒だと思われる方もいますが、グレードによって味は異なります。店頭に来ていただければ食べ比べもできますので、ぜひ「美味しい海苔」と出会っていただきたいですね。

–ありがとうございます。では最後に、読者へメッセージをお願いします。

斉藤氏:「ちば海苔」は生産者も減り、生産量も減っています。今後は海苔だけにとらわれず様々な可能性を模索していきたいと考えていますので、一緒に見出せる方と出会えたら嬉しいです。ぜひご連絡ください。

執筆=山田
校正=笠原

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