株式会社トランスアクト
橘 秀樹
POSTED | 2017.03.24 Fri |
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TAGS | 従業員数:6~10人 業種:人材(採用・派遣) 創立:11〜14年 決裁者の年齢:50代 商材:BtoB |
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忙しく、タイトな日々に信頼できる秘書・運転手を
トップエグゼクティブのために立ち上がった人材派遣業Topics
株式会社トランスアクト 社長 橘 秀樹氏のONLY STORY
日本のトップと共に働き、自らの天職に出会った
私は学生時代に浪人や留年の経験があり、社会に出たのが26歳のときでした。いずれ親族が経営する会社を手伝いたいという想いがあったため、スタートが遅れた分厳しい世界で修行を積もうと考え、30歳までは議員秘書として働いていました。
絶対にミスの許されない、常に緊張感のある仕事は精神的にも体力的にも厳しかったのですが、日本の中枢で最前線を担う人たちに囲まれて仕事をするということに大きなやりがいを感じていました。
秘書を辞めた後には、役員運転手の仕事に就きました。この仕事はまさに私にとって天職で「この業界で自分の理想の職場環境を作りたい」と思うようになります。運転手と秘書は、トップエグゼクティブにとって非常に重要な人材になります。そういった人材を提供したいと思い、株式会社トランスアクトを立ち上げました。
起業当時はこの仕事の価値を買ってくれる人は誰もいなかったのですが、ある医療法人社団の先生から商談をいただいたことで会社を存続させることができました。最初は私自身が運転席に乗っていたのですが、今は私のようなアウトソーシングではなく社員がほしいとのことで人材を紹介。株式会社トランスアクトのスペシャリストを専属として移籍させました。
本当に恩のある顧客なので、社長としての仕事に取り組みながらも200%のサービスを提供しましたね。このお客様の車は絶対に私がハンドルを握る。そして、絶対に間違えないし、どんなタイトなスケジュールでも対応するという強い意志を持っていました。
ギャラを越えたロイヤリティを求めないと、そのお客様との信頼関係は築けないということを身をもって証明できたと思います。
単なる秘書や運転手ではなく「執事」としてロイヤリティを追求する
株式会社トランスアクトのサービスをワンワードで言うと、フォーエグゼクティブになります。運転手の派遣会社は大小あり、秘書になると総合派遣人材会社も含めると非常に大きな土俵です。しかし、その2つを一緒に行っているのは、おそらく私たちだけでしょう。
それぞれ参入障壁が高い上にそれを両方やっているというのは非常に希有なことで、このノウハウを知っているのはおそらく私だけだと思っています。
株式会社トランスアクトという会社の業種を聞かれれば人材派遣業ですと答えますが、一般総合派遣会社のように事務と経理と営業事務といった分かれ方はしていません。運転手と秘書というまったく異なる業種を一括りにできるのは、社長向け、トップエグゼクティブ向けのスペシャル人材の派遣会社です。
つまり、最初に運転手が商談にきて、営業に行く。そうすれば秘書も扱っているということで、そちらも派遣してほしいという話になるんですね。実際に、株式会社トランスアクトから社長秘書と社長運転手が入っている会社もあります。まさに、トップエグゼクティブ向けのアウトソーサーになっているんですね。
私たちの仕事は、秘書やドライバーというよりも執事ということができるでしょう。私自身が厳しい状況の中で経験してきた仕事なので、「私が認めるスタッフなら間違いありません」と自信を持って言うことができます。
ただ、さまざまなタイプの顧客に対応できる多様なスタッフが必要になるため、分母を増やすためにLPやホームページにSEOをかけて広告宣伝を行っています。
また、秘書については、お金を稼がなければならないがナイトワークしか選択肢がなかった女性がその状況を打破するために、私たちが役に立てないかという想いもあります。意外に思われる方もいるかもしれませんが、ナイトワークで培ってきた気遣いや礼節といった能力は秘書としても欠かせないものなんです。その価値を彼女たちに気付かせ、昼間の仕事にコンバートしていくという目的もありますね。
直近の1ヶ月ではドライバーと秘書を併せて50名ほど採用し、拡大を続けています。株式会社トランスアクトの顧客はみんな超富裕層で、社会的ステータスが非常に高く、余裕を持って人を扱える人ばかりです。
金額よりも、他の人が買えない良いものを買いたいという想いを持つ人が多い。そういった方々に信頼いただいて取引をしているという点は、私たちの大きな特徴だと思います。
常に一定のニーズがある中、幅広く対応できる体制作りを
この仕事で重要なのは、市場を絶対に間違えてはならないという点です。
つまり、事業を拡大するにあたって名古屋や大阪に進出してもあまり効果はないんです。拠点はあくまで東京、さらに限定するのであれば、千代田区、中央区、港区に限られます。そして、私たちが今後目標として掲げるべきは、現在の市場の規模に従いながら会社を大きくするために、どんな需要にも応えることのできる体制を整えることです。
景気が良くなっても、悪くなっても、富裕層の人はほとんど入れ替わりがありません。そこには常に一定の需要があり、私たちはそこに対してサービスを安定して供給することに徹することが重要だと考えています。今はまだ道半ばという状態ですが、ドライバーと秘書の両方の基盤を築くことができれば、業界の中でも突出した存在になれると思うんですよね。
そのための教育システムが完全に確立できているとはまだ言えないのですが、私自身が現場で業務に携わっていた経験があるため、経営者目線ではなく、現場で働くスタッフの目線で仕事を理解できるという点は非常に大きいと思います。
難しい状況を打破するためのアドバイスをより的確にできるため、スタッフからも信頼されているのも感じますね。事業自体が薄利多売でない分、顧客に対してはもちろん、スタッフに対しても万全のフォロー体制を築いています。
当然ですが、普通の生活をしていると、社会的ステータスの高い富裕層の方や、その周りの方と接する機会というのはほとんどありません。私はそういった世界に触れること自体が刺激となり、人生の大きな財産になりました。株式会社トランスアクトでは単なるルーティンではない、キャリアアップに繋がる仕事ができる。これも、ひとつの大きなメリットだと思います。