経営者マッチングサービスとは
経営者マッチングサービスとは、希望する経営者と効率的にマッチングできるサービスです。新規顧客獲得や事業の成長促進、経営課題の解消などビジネスに役立つ出会いを仲介します。
経営者マッチングサービスのマッチング方法は、サービスによってさまざまです。プロフィールを検索してメッセージを送る、案件を登録して提案を待つ、プレゼンのイベントに参加する、AIまたはコンシェルジュに紹介してもらうといった方法があります。
無料で手軽に利用できるサービスがある一方で、手厚いサポートを受けられる有料のものもあります。有料のサービスの中には、登録している経営者へアプローチできるものや経営者同士の交流を目的とするもの、スマートフォン限定のサービスなど、それぞれ特徴があります。
サービスを利用し営業活動を効率化するには、利用シーンをイメージし目的に合ったサービスを選ぶことが重要です。
経営者マッチングサービスを利用するメリット
ここでは、経営者マッチングサービスを利用することにより得られるメリットを解説します。
営業活動の効率化
経営者マッチングサービスを利用すると、決裁権を持つ経営層と商談できます。そのため、最小回数の商談で成果を得られる可能性があり、営業活動の効率化が図れます。
通常の営業活動では、企業の担当者に電話やメールでアポイントを取り、相手企業に赴くことが多いでしょう。ところがほとんどの場合、担当者に決裁権がありません。そのため、相手企業は、打ち合わせ内容について、組織で時間をかけて検討することになります。その結果、上長との打ち合わせを求められ、改めて足を運ぶ場合も少なくありません。
しかし、経営者とマッチングできれば、商談相手が初めから決裁者となります。そのため、意思決定までのスピードを早められます。
ビジネスの拡大
業界を問わず多くのキーパーソンと交流できます。情報交換の場として利用することによって、ビジネスが拡大する可能性があります。
特定の分野において経験豊富な専門家や経営者にアドバイスを求めることができるため、新規事業の準備がスムーズにできるでしょう。
また、業務委託先が見つかるなど、ビジネスパートナーを得られる場合もあります。マッチングした経営者の人脈を活用することにより、商圏が広がることも期待できます。
ウィークポイントの改善
経営者マッチングサービスの利用により、自社の弱みの補強と改善が見込めます。
普段の営業活動では出会えない業界の企業と出会うことができるため、自社にないノウハウを学べたり、新しい視点や発想を得られる可能性があります。自社のウィークポイントに対しアドバイスを求め、弱点の克服を目指すことが可能です。
また、社外ブレーンを持つことにより新たな視点が加わり、問題点や課題が明らかになることがあります。社内からは見えにくい組織の特徴や文化について意見や指摘をもらうことによって、健全性を保てるでしょう。
経営者マッチングサービス12選
ここでは、経営者とマッチングできる12のサービスについて、それぞれの特徴を含めて紹介します。
1.長期にわたり利用できる「チラCEO」
チラCEOは、国内最大級の決裁者同士をマッチングする、経営・営業支援のプラットフォームです。気になる決裁者にアポのリクエストを送ったり、こちらのニーズを投稿したりといった機能があります。
また、サービス利用者を対象として、決裁者に自社をプレゼンできるイベントも開催しています。新規顧客獲得の他、顧客紹介スキームの構築など継続的な売上基盤の構築、新規事業の検討など事業の検討・開発、経営課題の解決などあらゆるビジネス課題に対する出会いを提供しています。
新規アポを獲得したい創業期、多くの施策を試したい成長期、既存事業を伸ばしたい成長期と、ビジネスのフェーズにあわせた利用が可能です。
企業の成長に合わせた課題解決ができるため、長期にわたり利用したい場合におすすめです。
https://onlystory.co.jp/service/chiraceo/
2.スポット起用も可能な「顧問バンク」
顧問バンクは経営者と顧問先をマッチングするサービスです。「業界の情報をヒアリングしたい」といった場合や、営業先紹介などの顧問のスポット起用も可能です。必要な時に必要な人数の顧問を選べる点が魅力です。
営業、マーケティング、業務改善、管理部門、経営・事業推進、海外ビジネスといった分野の専門家が8,000人以上登録しており、専門家のプロフィールを検索し直接メッセージを送ることができます。マッチングや直接のやり取りにおいて手数料は発生しないため、興味のある人にアプローチしやすいサービスです。また、案件を登録し相手からの提案を待つことも可能です。
長期的な利用の他、専門家をスポット起用したい場合におすすめです。
顧問バンク
3.アポイントが保証されている「アポチョク」
アポチョクは、質にこだわる一流のキーマンと出会えるサービスです。社長や経営者、医療法人理事長など社会に価値や機能を提供する影響力の高い人だけが登録できる「ジェントルクラブ」の会員とマッチできます。ジェントルクラブは適宜スクリーニングされ、コミュニティの品質が保たれています。
このサービスでは、経営者とのマッチングとアポイントの設定が自動でされます。月4件、年間48件の決裁者とのアポイントが保証されています。
ハイクラスの経営層と接点を持ちたい場合や、必ず決裁者とマッチングしたい場合に利用するとよいでしょう。
アポチョク
4.商談のフィードバックを求めるなら「アポレル」
アポレルは、決裁者とのアポ獲得がオンライン上で完結するサービスです。自社サービスのプレゼンを実施できるイベントの開催やダイレクトメッセージ機能の他に、アポレルのコンシェルジュによる仲介サポートを受けられる点が特徴です。
仲介サポートでは、紹介前に、利用者に対するニーズヒアリングが行われます。ヒアリングを通じてサービス内容や訴求ポイントをコンシェルジュがしっかり把握することにより、決裁者のミスマッチを防ぐ仕組みが構築されています。
もし受注できなかった場合は、紹介先からのフィードバックを回収してもらえます。商談のフィードバックを通じて、商材の改善やプレゼン方法の見直しなど今後の営業活動の改善につなげられます。
アポレル
5.気軽に利用したいなら「Linker」
Linkerは、企業や団体の経営者やトップ、役員などの経営層クラスのみが登録・利用できるマッチングサービスです。
気になるアカウントや投稿にコメントや「興味あり」の意思表示ができ、SNSのような感覚で利用できます。Linkerでは自分でマッチング申請できる他、AIによる最適な経営者の提案を受けることも可能です。
また、豊富な機能を全て無料で試用できます。無料版では週に3日、有料プランでは毎日提案を受けられます。有料プランは月額2,700円(税込)とリーズナブルな点も魅力です。 コストをなるべく抑えて気軽に利用したい場合におすすめです。
Linker
6.スマートフォンで完結したいなら「BizOn!」
BizOn!はiPhoneやAndroidで使用できるスマートフォン専用のビジネスマッチングアプリです。経営者、フリーランスのみが無料で利用できます。毎日5人、毎月150人の経営者を無料で紹介してもらえ、マッチングが成立し成約に至っても手数料はかかりません。
2022年6月時点のユーザーは、個人事業主・フリーランスが45%。年齢層は20〜30代が50%以上と、ユーザー層が大企業に偏っていないこと、年齢層が比較的若いことも特徴だと言えます。
費用がかからず手軽に利用できる点が魅力ですが、パソコンでは利用できないため、スマートフォン上で完結したい場合におすすめです。
BizOn!
7.リアルな出会いも可能な「COLABO」
COLABOは、5,000名以上の経営者が利用する経営者マッチングアプリです。利用はiOSに限定されますが、登録は無料なため、手軽にスタートできます。
自己紹介や学歴などのプロフィールの他、行動履歴などをもとにAIがおすすめの経営者を紹介します。マッチングの際には、サービスを提案したい、業務提携の相談をしたい、相手のビジネスに興味がある、などオファーの目的を確認できます。事前に目的がわかるため、マッチングに至る確率が高まることを期待できます。
また、特定の情報が欲しい人向けにセミナーや勉強会が開催されるため、オフラインでも人脈を広げたい場合におすすめです。
COLABO
8.経営者同士の悩み相談なら「MATCHING.CEO」
MATCHING.CEOは、経営者限定のマッチングプラットフォームです。審査を通過した経営層とのマッチングはもちろん、登録するとサークル・レクリエーション、勉強会などに参加できます。その他、忘年会やゴルフ会など年間を通じてイベントが開催されています。ビジネスの枠を超えて経営者同士のつながりが欲しい、交流を深めたい、人柄を知りたいといったニーズにも応えるサービスといえるでしょう。
経営や協業のスピードを速めるだけでなく、採用や人材育成など、経営者ならではの悩みを相談する場としても利用できます。
MATCHING.CEO
9.コミュニティで仲間と交流できる「GMO CONNECT」
GMO CONNECTは、GMOインターネットグループが提供するビジネスマッチングサービスです。GMOインターネットグループはインターネットを主軸としたさまざまな事業を展開しているため、サービスのスケールが大きい点が魅力です。
アプリでビジネスパーソンとマッチできるだけではなく、マッチングのためのコミュニティも運営しています。オンラインミーティングの紹介希望プレゼンタイムで、サービス説明と紹介してほしい人をプレゼンすることにより、参加者の中からプレゼンに興味を持った人や人材を紹介してくれる人にコンタクトを取ることが可能です。
経営者層とつながる可能性を得るだけでなく、コミュニティで仲間と交流しながらビジネスを活性化していくことができます。
GMO CONNECT
10.ITやコンサル業とのつながりを作るなら「Bowers」
Bowersは、1,500社の企業が登録する経営者限定のビジネスマッチングプラットフォームです。無料で、マッチングサイトへの掲載や相手へのアプローチできます。
業種別で経営者を探すことができます。登録業種割合は、ITが26%、コンサルが20%で、この2業種が約半数を占めています。ITやコンサル業の経営者とつながりを持ちたい場合におすすめです。
Bowers自体は無料で利用できるサービスですが、有料サービスである「経営者アポ獲得支援サービス」に登録すると、Bowersが見つけた自社に興味のある経営者を紹介してもらえます。
Bowers
11.コンシェルジュの全面的サポートが特徴の「Ready Crew」
Ready Crewは、高い傾聴力と提案力を併せ持つコンシェルジュによるビジネスマッチングを行うサービスです。上場企業の利用数は2,300社以上で、大手を中心とした企業のキーマンとの出会いが期待できます。
コンシェルジュがオフラインまたはオンラインでヒアリングを実施し、自社に最適な企業を紹介してくれます。これまでのマッチング実績は、累計56,000件を誇ります。
利用料金は月額30万円からです。費用をかけても丁寧なヒアリングなど全面的なサポートを受けたい場合におすすめします。
Ready Crew
12.口コミで評価されている「CXOバンク」
CXOバンクは、経営者同士のビジネスマッチングを行うBtoBプラットフォームです。完全無料のサービスのため、コストをかけずに良質な出会いが期待できます。
アプリ版をローンチした2020年4月から1年6カ月の間に、マッチング総数が30,000組を突破しており、マッチング数の多さが魅力です。広告を打たず、口コミやSNSで広まっているという点からも、利用者の満足度の高さが伺えます。
経営者だけにプレスリリース配信などができ、毎日3名、年間にすると1,095名の役員以上と決裁者とマッチングの機会を得られます。
CXOバンク
経営者マッチングサービスの選び方
さまざまな経営者マッチングサービスの中から、自社に合うサービスを選ぶ際のポイントを解説します。
登録者層やサービスの規模
特定の業界や分野に強みがあるなど、登録者に特徴があるかどうかを確認しましょう。自社の商材と相性の良い業界の経営者が多いサービスであれば、積極的に利用するとよいでしょう。
また、上場企業の経営者層に出会えるサービスもあれば、中小企業やベンチャー企業、専門知識や専門スキルを持つフリーランスや個人事業主とマッチングできるものもあります。サービスを利用する目的を明らかにし、登録者の属性が自社が求める経営者の条件を満たすかどうかを事前に確認することが大切です。
さらに、経営者の登録者数やマッチング成立数が公表されているか確認しましょう。サービスの利用者数が多ければ、自社が求める経営者とマッチングする確率が上がります。マッチング成立数が多ければ、それだけマッチングの精度が高いともいえるため、サービスを選ぶ際の指標となるでしょう。
使いやすさ
経営者マッチングサービスの中には、無料で利用できるお試し期間を設けているサービスがあります。直感的に操作できるか、経営者に直接メッセージを送れるかなど、自社が求める人材を探せる機能の有無について確認しましょう。また、無料期間のあるサービスを複数利用することにより、それぞれの機能や使いやすさを比較できるため、自社に合っているかどうかの判断をしやすいです。
パソコンの他、スマートフォンのアプリで利用できるサービスもあります。スマートフォンでの利用をメインにしたい場合は、アプリの使い勝手も確認しておきましょう。
費用対効果
サービスを利用する費用対効果も考慮しましょう。
経営者マッチングサービスには、完全無料のものから有料のものまで多くの種類が存在し、それぞれに特徴があります。自ら積極的に経営者にアプローチしていきたいのか、コンシェルジュから確度の高い経営者を提案してもらいたいのかなど、利用時の姿勢によっても相性のいいサービスは異なります。
無料のサービスであっても使いこなせなければ商談につなげることはできません。費用をかけることによって、より大きな商談を成功させられる可能性もあります。そのため、予算や利用頻度、期待できる成果などを洗い出し比較することをおすすめします。
経営者マッチングサービスの注意点
経営者マッチングサービスを利用する際には、以下の点に注意しましょう。
企業情報はサービス以外の媒体で調べる
企業情報は経営者マッチングサービスに掲載されていますが、他の媒体も確認し情報収集しましょう。
サービスに登録されている企業情報は限定的である可能性があるため、マッチングする企業のホームページやSNSなども確認すべきです。他の媒体からも得意分野や実績など情報を集め、総合的に判断しましょう。
マッチングできるとは限らない
経営者マッチングサービスを利用したからといって、希望する相手と必ず出会えるとは限りません。
中にはアポイントを保証するサービスもありますが、ほとんどのサービスはマッチングを確約していません。コンタクト申請しても相手から承諾が得られないこともあるため、相手に興味を持ってもらうための工夫は必要です。
成果が必ず得られるわけではない
経営者とマッチングできたとしても、期待する成果を得られない可能性があります。成約につながるかどうかは、マッチング後の行動によって変わります。商談を成功させるためには、商談に向けた準備や組織の営業スキルなどの継続的な改善が必要です。
例えば、担当者に対して準備していた従来の提案資料は、経営者向けに見直しする必要があります。経営者は経験や知識が豊富であるため、自社の商材のメリットや強み、同じ業界内での自社のポジションなどを簡潔に伝えられるよう、プレゼン内容をブラッシュアップしておきましょう。
経営者マッチングサービスを利用して業務を効率化しよう
BtoB営業において経営者層と早い段階で出会い商談することは、営業活動を効率的に進める鍵といえます。経営者マッチングサービスを利用することにより、経営者と出会うための営業活動時間を削減でき、効率的に営業活動が行えます。
経営者と商談できれば、商談回数を最小限にできるため、業務の効率化を図ることが可能です。また、自社の課題に対して専門家からアドバイスを得られるため、企業としての成長が期待できます。
ただし、サービスにはそれぞれ特徴があるため、利用する目的を明らかにし利用シーンをイメージした上で選択しましょう。登録者層の確認や使いやすさ、費用対効果などを考慮して選ぶことをおすすめします。