アポ取りが必要な理由
アポ取りとは、面会や商談、プレゼンの約束を取り付けることを指します。
自社のサービスを導入してもらうには、そのサービスに対する理解度を深めることはもちろん、架電した日時、その時の会話のを構築する必要があります。商談やプレゼンはその絶好の機会になります。サービス導入の入り口となるアポ取りは、営業活動に必要不可欠です。
飛び込み営業のように、面識のない相手にいきなり訪問すると失礼な印象を与える場合があるため、事前のアポイントを取ります。成果を上げるには、コツを押さえる必要があります。
電話でのアポ取りの基本的な流れ
基本的な流れは『挨拶』→『要件』→『アポの日時を決める』→『電話を切る』となります。
- 会社名・氏名を名乗って要件を告げる
- 担当者に繋がったら再度挨拶し、要件を伝える
- 〇分お時間いただけますか?と気配りを見せる
- 相手の都合の良い日時を尋ねる(またはこちらから日時をいくつか提案する)
- アポの日時が決まったら復唱して確認
- 電話を切る
電話を掛けるときに気を付けたいマナー
この項目では、アポ取り電話をかける際に守りたいマナーを紹介します。
事前に情報収集をする
あらかじめ、見込み顧客(リード)をピックアップした架電リストを作成しておきます。その上で、各見込み顧客の情報を極力多く集めておきましょう。情報収集には、前任の担当者に聞く、社内で管理している顧客情報を確認する、といった方法が挙げられます。
顧客情報を把握できていると、相手にとって有益な提案が可能です。また、的外れな提案や質問をせずに済むというメリットもあります。リストには、架電した日時、その時の会話の内容などを記録しておくと、次回以降のアプローチに役立ちます。
電話をかける時間帯や時期に気を付ける
相手のスケジュールや忙しさを考慮し、できるだけ迷惑にならない時間帯を選んで電話をかけます。忙しい時間帯に電話をかけても話は聞いてもらえないため、始業直後や終業間際は避けましょう。
会社によりますが電話をかける時間は、10時〜12時前、15時〜17時が良いとされています。当然ながら、営業時間外はもちろん、昼休みも避けるべきです。また、仕事が立て込む週明けや月末・月初も避けるのが賢明です。
用件をまとめ手短に話す
相手の貴重な時間を割いて話を聞いてもらっているため、雑談や遠回しなアプローチは避け、用件を簡潔に伝えましょう。そのためには、結論を明確にしておくことが重要です。「用件は何か」「何を伝えたいのか」をまとめて手短に話します。事前にトークスクリプト(台本)を用意し、何をどの順番で話すかも決めておくとよいでしょう。
正しい敬語を使う
言葉遣いは相手に与える印象を左右するため、敬語は正しく使ってください。以下に正しい敬語の例を紹介します。
「もしもし」はNG
「もしもし」の由来には諸説ありますが、日本で電話が開通した当初、電話交換手が使っていた「申します、申します」の略語「申す申す」がさらに縮まって「もしもし」となった説が有力です。略語を使うのは失礼であるとの考え方から、ビジネスシーンで「もしもし」を使うのはNGとされています。
電話をかける際「もしもし」は使わず、第一声は「お世話になっております」が適切です。
NG例 | 正しい言葉遣い |
わかりました・了解しました | かしこまりました・承知いたしました |
すみませんが | 恐れ入りますが |
おられますか・いますか | いらっしゃいますか?・ご在席ですか? |
よろしかったでしょうか? | よろしいでしょうか? |
行く | 伺う |
また、敬語と敬語を組み合わせた二重敬語も誤った言葉遣いです。アポ取りでは、「伺わせていただきます」「おっしゃられたように」などの二重敬語を使いがちですが、「伺います」「おっしゃったように」が正しいです。
会話の中でとっさに出てしまうことが多いですが、相手に失礼になったり、不快感を与えたりすることにもなりかねないので、注意したいところです。
感謝の気持ちを伝える
電話の最後には必ず感謝の気持ちを言葉にして伝えましょう。仮にアポの獲得ができなかったとしても、失礼な態度をとるのはNGです。
どのような状況でも、相手が貴重な時間を割いて対応してくれたことに変わりはありません。話の最後には必ず「貴重なお時間を頂きありがとうございました。」などの感謝の言葉を添えましょう。
※本記事経由で商談になった方には、10億円BtoBマーケ投資した秘伝の資料をプレゼント!商談時に「この記事を見た」とお伝えください。
https://onlystory.co.jp/
電話でアポイントを取る流れ【会話例】
この項目では、アポ取りの電話での基本的な流れを、文例と共に紹介します。新規顧客と既存顧客、それぞれに分けて解説しているので、ぜひ活用してみてください。
新規顧客へのアプローチの場合
この項目では、面識のない新規顧客にアポ取りの電話をする場合の会話例を紹介します。ビジネスにおいて第一印象はとても重要です。
電話での印象の良し悪しによって、会うかどうかを決めることもあるでしょう。正しい言葉使いや細やかな気配りは忘れないようにします。
挨拶・要件を告げる
「(会社名)の(自分の名前)と申します。突然のご連絡、失礼いたします。このたび、~~~~~~」
(担当者に繋がったら)再度挨拶・要件を告げる
「(会社名)の(自分の名前)と申します。弊社の(商品名)についてご提案をさせていただきたくお電話をいたしました。説明をさせていただきたいのですが、〇分ほどで結構ですので、近日中に一度お時間をいただくことは可能でしょうか?」
アポ日時を決める
「来週のどこかでご都合の良い日にちはありますか?」
「来週の〇日か△日ではどちらがご都合よろしいですか?」
アポ日時を復唱して電話を切る
「それでは〇日×時に伺います。本日はお忙しい中貴重なお時間を頂き、ありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします」
既存顧客へのアプローチの場合
この項目では、もともと付き合いのある既存顧客にアポ取りの電話をする場合の会話例を紹介します。
相手が既存顧客の場合、すでに何度かやりとりをしていて、ある程度お互いの会社を知っているため、要件は伝えやすいはずです。
しかし新規顧客に対するアポ取りと同様、丁寧な姿勢は崩さないようにします。
挨拶・要件を告げる
「(会社名)の(自分の名前)と申します。いつもお世話になっております。恐れ入りますが、(部署名)の△△様はいらっしゃいますか?」
(担当者に繋がったら)再度挨拶・要件を告げる
「いつもお世話になっております。(会社名)の(自分の名前)です。本日は弊社の(商品名)の件でご連絡差し上げました。近日中にお時間をいただき、一度ご説明をさせていただくことは可能でしょうか?」
アポ日時を決める
「来週中のどこかでご都合の良い日にちはありますか?」
「来週の〇日か△日ではどちらがご都合よろしいですか?」
アポ日時を復唱して電話を切る
「それでは〇日×時に伺います。本日はお忙しい中貴重なお時間を頂き、ありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします」
アポ取り成功のコツ
アポ取りを成功させるコツは以下に挙げる5つです。
- できる限り顧客情報を収集しておく
- 営業リストの質を高める
- 相手にとってのメリットを考えて話す
- 自信をもってゆっくり・ハキハキと話す
- 詳細を伝えすぎない
以下のパートで詳しく説明します。
1.できる限り顧客情報を収集しておく
アポ取りの電話をかける際は、相手先の会社の事業内容や企業規模といった情報をあらかじめしっかり調べて把握しておきましょう。
既存顧客であれば社内の前任者に話を聞き、新規顧客であればインターネットで検索したり業界誌から情報を集めることができます。
下調べをすることで、相手の会社のニーズや相手の会社にとって自社商品のどんな点がアピールポイントになるかが分かります。事前にそうした情報をまとめておくことで、テレアポが効果的なものになるでしょう。
何も調べずに電話をしてしまうと、見当外れなことを言ってしまったり上手く話せなかったりして、印象を悪くしてしまいます。
2.営業リストの質を高める
電話でのアポ取りを成功させるために、良質なリストは必須です。あらかじめ確度の高い見込み客を集めてリストを作り、無駄なコールは減らして効率的なアポ取りをしましょう。
架電を始めてからも、もしリストに載った会社の反応が芳しくなければ、都度、内容を見直して新しい会社をリストに加えたり、全く反響のない会社は思い切ってリストから除くなどブラッシュアップし、営業リストの質を高めていきます。
リストに掲載された社数がただ多ければいいというわけではありません。効果の高い架電をするためには、アポを取れる確率の高さや質の方が重要です。
3.相手にとってのメリットを考えて話す
商品やサービスの魅力を伝えるときには自社目線で話してはいけません。
どんなに素晴らしいものであっても「良い商品(またはサービス)なので話を聞いてください」では、相手は耳を傾けてはくれないでしょう。あくまで相手が知りたいのは、その商品やサービスが自社の課題を解決してくれるのか?という点です。
商品やサービスのセールスポイントを語るときは「御社の〇〇の事業に役立つ」「御社の〇〇といった困りごとを解決する」といったように、相手の利益にフォーカスしましょう。
どんなときも、まずは相手の立場に立って「相手にとってのメリットは何か?」を考え、興味を引けるようなフレーズや話し方を心掛けます。
4.自信をもってゆっくり・ハキハキと話す
テレアポは対面での商談と異なり、声や話し方だけで好印象を持ってもらうことが大事です。
特に、受話器を通した声はくぐもったり低くなったりして聞き取りにくくなるため、普段話すときよりも、ゆっくりハキハキと明るい声で話しましょう。
また、互いに顔の見えない状態で話すため、話を聞いてもらうためには声だけで相手に「信用できそうだ」と思わせる必要があります。焦って早口で捲し立てたり、消え入りそうな細い声ではいけません。
一語一語をゆっくり、堂々と話すと自信のある口調になり、相手に安心感や信頼感を与えられます。
コツは「少し遅いかな?」と思うくらいのスピードで、ワンフレーズの最後の語尾まで力を入れて話すことです。
5.詳細を伝えすぎない
アポ取りはあくまで商品やサービスについて詳しく説明するため面会の約束を取り付ける目的で行うものです。
アポ取りの時点ではこれから売り込む商品やサービスの詳細な説明をする必要はありません。
むしろ、「対面してさらに詳しく話を聞きたい」と思わせなくてはならないため、商品やサービスに関してはその魅力をかいつまんで伝える程度に留めます。
相手の興味を引けたと感じたら「電話では伝えきれないので、詳細は会って説明します」と言ってアポイントの獲得に繋げましょう。
【断られてからが始まり】切り返しトーク例6選
この項目では、良くある断り文句と、断り文句のパターン別の切り返しトーク例を紹介します。
アポ取りでは、すんなりアポが獲得できるケースはほとんどないと思った方がいいでしょう。そのため、断られてもすぐに引き下がらず、切り返しトークを使いましょう。それがニーズを探ったり次回の接触に役立つためです。
「検討しておきます」
<切り返しトーク>
「ありがとうございます。何か気になる箇所でもありましたでしょうか?ご検討いただけるのであれば、ご不明な点やご不安な点を解消させていただきます」
「ありがとうございます。ちなみに、今1番気になっているのはどのような点でしょうか?」 |
「損をするかも」「本当にいい商品か分からない」といった気持ちから、顧客は即決することを嫌います。そのため、時間稼ぎのために「検討する」と答えることもあります。また、検討するフリをして体よく断るつもりでこのフレーズを使うこともあるでしょう。
上の例のように、気になる箇所の有無について聞くことで、本当に検討しているのか、どんな点に懸念を感じているのかを知ることができます。
もし本当に前向きに検討している場合でも、時間が経つほど購買意欲は薄れてしまうため、あまり長く考えさせる時間を与えてはいけません。
近日中にアポの予定を入れるよう、こちらから会話をリードしましょう。
また、興味がなくただ単に断りたいだけの場合もあるため、その場でヒアリングをしても進展しないことも多くあります。その時は仕切り直して1週間以内を目安に再度連絡をしてみましょう。
それでもやはり同じ反応が返ってくるようなら、相手の気を引くトークができていないことが原因と考えられます。トークスクリプトを練り直す必要があるでしょう。
「忙しい」「時間がない」
<切り返しトーク>
「お忙しい時に本当に申し訳ございません。3分ほどだけでもお時間を頂くことは難しいでしょうか?」
「必要なければ断っていただいて構わないので、お話だけでもできませんか?」 |
「忙しい」「時間がない」は、「早く電話を切ってしまいたい」と思って使う断り文句です。
上の例のように、具体的に時間を提示したり、聞いたうえで断っても良いと言うことで相手の警戒心をやわらげ「それくらいならいいか」と思わせましょう。
「必要ない」「今は考えていない」
<切り返しトーク>
「では、もしもこういうものがあったらどうですか?」
「もし、(商品・サービス名)を使って〇〇%のコストをカットできるとしたらどうですか?」 |
相手の興味を引くものとしては、以下のようなフレーズも効果的です。
「そうですよね、やはり〇〇様のように「必要ない」とおっしゃる方も多いです。ただ、そう言われた方こそ皆さん導入されております。なぜかというと・・・」 |
「必要ない」と言う場合は、相手がこちらの提案する商品・サービスにメリットや価値を感じられていない可能性が高いです。
確かに電話の説明だけで商品やサービスの魅力を100%伝えることは難しいでしょう。そのため、アポ取りでは商品やサービスについて完璧に説明しなくても構いません。
上に挙げた例のように商品やサービスの特徴の一部をかいつまんで話し、会社や相手にどんなメリットや利益があるかを想像させて、興味を持つように誘導します。
「結構です」「間に合ってます」「興味がない」
<切り返しトーク>
「そうなんですね。ひとつだけお聞かせください、今お使いの商品(またはサービス)はどちらの会社のものなんですか?」
「今お使いの商品(またはサービス)にご不満がないのなら何よりです。ではぜひ、弊社の商品(またはサービス)とも比較していただけたら幸いです。特に〇〇の点では非常に利便性が高い(または効果が高い/性能が良いなど)と評判なんですよ」 |
「結構です」「間に合ってます」「興味がない」と断るときは、現在利用している商品やサービスに差し迫った課題を感じていない場合が多いです。
しかし、本当になんの問題や不満も感じていない場合もあれば、うっすらと不満を持っているものの、まだこちらを信頼していないために打ち明けてくれていないという場合もあります。
どちらの場合であっても、他社製品の否定はせず「何の不満や問題もないのですよね?」「改善してほしい点はひとつもないですか?」など、現状抱えている不満や問題点がないかをさりげなくヒアリングしてみましょう。
自社の製品の性能に自信があるのなら「比較してほしい」とはじめから導入を勧めてみるのも良い手法です。
「高い」「予算がない」
<切り返しトーク>
「そうですよね、なかなか予算をかけられないですよね。そう言われていた会社様も多かったのですが、『導入せずに〇〇を使い続けることのほうがリスクが高い』とおっしゃられて、今では弊社の(商品・サービス名)を導入しご利用いただいています」
「仮に(商品・サービス名)の導入が1年先になった場合、コストは全部で〇〇円ほど増加してしまう試算になります」 |
「高い」「予算がない」は導入や購入が失敗し、費用が無駄になるリスクを恐れているときに使われる断り文句です。こうした言葉で断る人が最も重要視しているのは、リスクの有無やその大きさです。
そのため商品やサービスの説明に耳を傾けてもらうには、導入しないことで起こりうるリスクや発生しうるコストを伝えて『使わないと損をする』と思わせることです。
人は誰しも行動することで起きるリスクの方に注目しがちですが、上の例のようなフレーズを使うことで『行動しないことのリスク』に目を向けさせ、相手に検討の余地を作らせることができます。
「上司に相談します」
<切り返しトーク>
「今、上司様に私からご説明させていただいてもよろしいですか」
「では、いつ頃ご連絡差し上げればよろしいですか」 |
本当に担当者に決裁権がなく、判断しかねるという場合もありますが、その場ではっきりと断るのが苦手なのでこうした言い方でやんわり断りたいという両方の場合が考えられます。
自分で断るのが気まずいので、決断を先延ばしにして話が立ち消えになるのを待ちたいというタイプです。
そのため、「上司に相談します」と言われたら上の例のように切り返しましょう。
また、このような場合は、そもそも担当者自身が必要性や魅力を感じていないことが多いので、まずは再度ヒアリングや商品説明を行ってアピールします。
もし担当者が必要性や魅力を感じ「これなら決裁者を説得できる」と思えるような材料があれば、話を通してもらいやすくなります。
担当者が乗り気になったら説得するコツを教えるのも良いでしょう。
アポ取りはトークスクリプトを準備して効率的に行う
アポ取りは会社にとって自社の商品を広めるために必須の営業活動です。
しかし、効率的・効果的な方法で実施しなければ思うような成果は期待できません。
基本的な電話マナーに気を配りつつ、相手の目線に立ってサービス紹介を行い、断り文句に対する有効な切り返しも準備しておく必要があるでしょう。
(本文執筆・編集:オンリーストーリー編集部)
弊社の直近3年で約10億円、btobの投資をしてきました。また、弊社自体が営業代行会社として、多くの会社様の案件を受けてきました。その中で、再現性のある営業手法がないという話や、1社だけで満足できる営業支援の会社はなかなか見つからないという声を多く聞いています。本記事や、10億円のまとめを記載したホワイトペーパーを用意していますので、少しでも皆様の営業の一助になりましたら幸いです。
(コメント:代表平野)