最終更新日: 2026.10.02
アタックリストとは?作り方・項目・優先順位の付け方を解説

監修:平野 哲也(株式会社オンリーストーリー 代表取締役)

新規開拓を任されたものの、どの企業から当たればよいのか分からず、手が止まってしまうことはないでしょうか。

この記事では、アタックリストの意味と営業リストとの違い、入れるべき項目、作り方の手順、優先順位の付け方、運用でつまずきやすい点までを順番に解説します。

この記事の要約

  • アタックリストは、これからアプローチする企業を優先順位つきで並べた実行用のリストで、単なる企業一覧とは役割が異なります。
  • 項目は企業情報と接点履歴、優先度の3種類に絞り、更新のルールを決めておくことが精度を保つ条件になります。
  • リストを整えても担当者で止まる場合は、決裁者と直接つながる手段を併用すると商談化までの距離が短くなります。

アタックリストとは

アタックリストとは、これから営業がアプローチする企業や担当者を、優先順位をつけて並べた実行用のリストです。

単に企業名を集めた一覧ではなく、誰に・いつ・どの順番で当たるかまで決まっている点が特徴です。

まずは、よく混同される営業リストとの違いから整理していきます。

営業リストとの違い

営業リストは、自社の商材に合いそうな企業を幅広く集めた母集団にあたります。

一方のアタックリストは、その母集団から今期に実際に当たる企業だけを抜き出して並べ替えたものです。

営業リストが地図にあたるなら、アタックリストは今日通るルートにあたると考えると整理しやすくなります。

同じ表を使い回していると、どこまで当たったのかが分からなくなり、抜け漏れと重複が同時に起きます。

アタックリストが必要な理由

新規開拓では、限られた時間をどこに使うかで成果が大きく変わります。

すべての企業に同じ熱量で当たると、受注確度の高い相手に割ける時間が減ってしまいます。

優先順位が可視化されていれば、朝の時点で今日やることが決まり、迷う時間がなくなります。

上司やチームと共有する際も、なぜその企業から当たるのかを説明しやすくなります。

アタックリストがないと起きること

リストがない状態では、思い出した企業から順に当たることになりがちです。

結果として、同じ企業に別の担当者から連絡してしまうといった事故も起きます。

過去に断られた理由が残っていないため、同じ切り口で再び提案してしまうこともあります。

件数をこなしているのに成果が出ないときは、まずリストの有無と中身を確認してみてください。

アタックリストに入れる項目

項目の設計は、リストが使われ続けるかどうかを左右します。

多すぎると入力が止まり、少なすぎると判断ができません。

ここでは、最低限そろえておきたい3種類の情報を紹介します。

企業の基本情報

会社名、所在地、業種、従業員規模、資本金、事業内容が基本になります。

加えて、自社の商材が刺さる条件を満たしているかどうかを判定する列を用意しておくと便利です。

たとえば拠点数や導入済みシステムなど、商材によって見るべき条件は変わります。

上場区分や決算月も、提案の時期を考えるうえで役に立ちます。

接点と履歴の情報

過去に接点があったかどうかは、アプローチの仕方を変える重要な情報です。

最終接触日、接触手段、担当者名、そのときの反応を残しておきましょう。

展示会で名刺交換した相手なのか、問い合わせから来た相手なのかで、最初の一文は変わります。

失注している場合は、理由と再アプローチして良い時期まで書いておくと無駄打ちが減ります。

優先度と判断の情報

優先度は、ABCのようなランクか、点数で持たせます。

なぜその優先度なのかという理由を一言でも残しておくと、他の人が引き継いだときに判断がぶれません。

次回アクションと期限の列も必須です。

担当者名の列を置き、誰のリストなのかをはっきりさせておきましょう。

項目を増やしすぎない

最初から細かく設計すると、入力の手間でリストが放置されます。

運用を始めてから、実際に判断に使った列だけを残すという引き算の考え方が有効です。

入力に1件30秒以上かかる設計になっていたら、項目が多すぎると考えてよいでしょう。

使われない列は、思い切って削除してしまって構いません。

アタックリストの作り方5ステップ

アタックリストは、集めてから並べ替えるという順番で作ります。

ここでは、はじめて作る場合でも迷わない5つのステップに分けて解説します。

ステップ1 ターゲットの条件を決める

最初に、どういう企業が自社の顧客になりやすいのかを言葉にします。

既存の受注先を10社ほど並べ、業種・規模・課題・決め方の共通点を洗い出すのが近道です。

ここを飛ばして集め始めると、条件のあいまいな企業が大量に混ざります。

条件は3つ程度に絞り、あてはまらない企業は最初から入れない判断にしましょう。

ステップ2 情報源を決めて集める

条件が決まったら、どこから情報を取るかを決めます。

企業データベース、業界団体の会員名簿、展示会の出展者一覧、自社の問い合わせ履歴などが使えます。

情報源ごとに取得日を記録しておくと、後から鮮度を判断できます。

名刺や過去の商談記録のように、社内に眠っている情報から着手するのが最も効率的です。

ステップ3 重複と誤りを整える

集めた直後のリストには、必ず重複と表記のゆれが含まれます。

株式会社の前株と後株、法人番号の有無、支店と本社の混在などを整えます。

重複を残したまま運用すると、同じ相手への二重連絡という最も避けたい事故につながります。

電話番号や住所が古いままの行は、この段階で確認するか優先度を下げておきます。

ステップ4 優先順位を付ける

整ったリストに対して、当たる順番を決めます。

全件に順番を振るのではなく、上位20パーセントを選び出すという進め方が現実的です。

残りは保留の箱に置き、上位から当たり終えた段階で見直します。

順位付けの具体的な基準は、次の章で詳しく解説します。

ステップ5 運用ルールを決める

最後に、誰がいつ更新するのかを決めます。

商談が終わったその日のうちに結果を書き戻すところまでをルールにしておきましょう。

週に一度、チームでリストを見ながら進捗を確認する時間を設けると定着します。

更新されないリストは、作った翌月から使えなくなります。

優先順位の付け方

優先順位は、感覚ではなく基準で決めると属人化しません。

ここでは、現場で使いやすい4つの切り口を紹介します。

売上規模で分ける

自社の商材の単価に対して、相手の事業規模が合っているかを見ます。

規模が大きすぎる相手は決裁の階層が深く、商談期間が長くなる傾向があります。

逆に小さすぎると、予算が確保できず提案が通りません。

過去の受注先の規模帯を確認し、そこに近い企業から当たるのが堅実です。

接点の強さで分ける

まったく接点のない企業と、一度でも名刺交換した企業では、返信率が大きく変わります。

紹介がある、過去に問い合わせがある、イベントで会っているといった接点は強い順に並べる価値があります。

社内の別部署が取引している企業も、強い接点にあたります。

接点の棚卸しだけで、当たるべき企業が数十社見つかることは珍しくありません。

タイミングで分ける

相手の状況が変わった直後は、提案が通りやすい時期です。

新しい拠点を出した、組織を変えた、採用を増やした、経営者が代わったといった変化は狙い目になります。

決算月の数か月前は、翌期の予算を考えている時期にあたります。

こうした変化は、企業の発表やプレスリリースから拾えます。

スコアで総合的に見る

条件が増えてきたら、項目ごとに点数をつけて合計する方法が使えます。

規模の適合で3点、接点の強さで3点、タイミングで2点といった配点にしておくと、迷いが減ります。

点数は完璧を目指さず、運用しながら配点を調整していけば十分です。

大切なのは、上から順に当たれば良い状態を作ることです。

アタックリストの運用で失敗しやすい点

作ること自体は難しくありませんが、使われ続けるかどうかは別の問題です。

現場でよく見かけるつまずき方を4つ挙げます。

更新されず古くなる

最も多い失敗は、作った時点で完成したと考えてしまうことです。

企業情報は毎月少しずつ古くなり、半年で判断材料として使えなくなります。

更新を特定の人の善意に任せると、その人が忙しくなった時点で止まります。

更新そのものを業務に組み込み、所要時間を確保しておきましょう。

担当者ごとに別管理になる

各自が手元で表を持ち始めると、組織としてのリストが消えます。

誰がどこまで当たったのかが見えなくなり、重複と抜け漏れが同時に発生します。

一つの場所にまとめ、閲覧と編集の権限を整えることが前提になります。

表計算ソフトで限界が来たら、営業支援ツールへの移行を検討する段階です。

件数ばかり追ってしまう

リストの件数が成果のように見えてしまうことがあります。

母数を増やしても、条件に合わない企業が増えるだけでは商談は増えません。

見るべき指標は、件数ではなく上位の企業にどれだけ接触できたかです。

量の指標と質の指標を分けて置いておくと、判断を誤りません。

除外リストを作らない

当たってはいけない企業を管理していないと、事故につながります。

競合、既存顧客、取引を断られた相手、関係会社などは分けて管理しましょう。

除外の理由と判断した日付を残しておくと、後から見直すときに迷いません。

除外リストは、アタックリストと同じ場所に置いておくのが安全です。

アタックリストの精度を上げる方法

運用が回り始めたら、次は当たり方の精度を上げる段階に入ります。

ここでは、効果が出やすい3つの打ち手を紹介します。

失注理由を書き戻す

断られた理由は、次の提案を変えるための材料になります。

予算がなかったのか、時期が合わなかったのか、決める人に届かなかったのかを分けて記録することが大切です。

決める人に届かなかったという理由が多い場合は、リストの問題ではなくアプローチ経路の問題です。

理由を分類しておくと、どこを直せばよいのかが見えてきます。

決裁者の情報を足す

商談が止まる原因の多くは、社内で決める人まで話が届かないことにあります。

誰が最終的に決めるのか、どの会議で決まるのか、いつその会議があるのかを列として持っておきましょう。

名前が分からなくても、役職と部署だけでも書いておくと提案の設計が変わります。

担当者に社内の進め方を聞くだけでも、十分な情報が得られます。

定期的に棚卸しする

三か月ほど運用すると、当たり終えた企業と保留のままの企業がたまります。

保留の理由ごとに分け、再アプローチの時期を決め直す時間を取りましょう。

この棚卸しをしないと、リストが過去の記録置き場に変わってしまいます。

棚卸しの頻度は、商談期間の長さに合わせて決めると無理がありません。

リストを整えても決裁者に届かないなら決裁者マッチングがおすすめ

アタックリストを整えても、担当者の先にいる決める人まで話が届かないことがあります。

その壁を越える手段として、決裁者マッチングの活用がおすすめです。

決裁者マッチングとは

決裁者マッチングとは、経営者や役員など、意思決定の権限を持つ人同士をつなぐサービスです。

担当者を経由せずに決裁者と直接話せるため、提案の背景や効果をそのまま伝えられます。

自社の業種や商材、会いたい相手の条件をもとに紹介を受けられる点も特徴です。

リストを一件ずつ当たる方法とは、商談の入り口そのものが違います。

アタックリスト運用との組み合わせ方

アタックリストは、こちらから順番に当たっていく積み上げ型の手段です。

決裁者マッチングは、条件に合う決裁者と出会う機会そのものを増やす手段にあたります。

両方を並行させると、リストの上位に当たりながら、新しい接点も同時に増やせます。

マッチングで得た接点をリストへ書き戻せば、情報も積み上がっていきます。

オンリーストーリーの決裁者マッチング

オンリーストーリーは、決裁者同士が出会える審査制の決裁者マッチングプラットフォームを運営しています。

登録には審査があるため、決裁権を持つ経営者や役員と出会いやすい環境が整っています。

担当者が自社の事業や課題を丁寧にヒアリングし、相性の良い決裁者を紹介するため、質の高い商談を始められます。

一方で、特定の一社だけを狙い撃ちしたい場合には、アタックリストによる直接のアプローチのほうが向いています。

まとめ

アタックリストは、これから当たる企業を優先順位つきで並べた実行用のリストです。

企業情報、接点と履歴、優先度と次のアクションという3種類の情報をそろえ、項目は増やしすぎないことが使われ続ける条件になります。

作り方は、条件を決める、集める、整える、順位を付ける、運用ルールを決めるという5つのステップで進めます。

優先順位は、規模の適合、接点の強さ、タイミングの3つを基準にすると属人化しません。

更新が止まったり担当者ごとに分かれたりすると、重複連絡という最も避けたい事故につながります。

リストを整えても決める人に届かないと感じるなら、決裁者マッチングで決裁者と直接話す方法もあわせて検討してみてください。


よくある質問

Q. アタックリストと営業リストはどう違いますか

A. 営業リストは、自社の商材に合いそうな企業を広く集めた母集団を指します。

アタックリストは、その中から今期に実際に当たる企業だけを抜き出して並べ替えたものです。

地図と当日のルートの関係に近く、同じ表を使い回すと抜け漏れと重複が起きます。

Q. どんな項目を入れればよいですか

A. 企業の基本情報、接点と履歴、優先度と次のアクションの3種類で足ります。

項目を増やしすぎると入力の手間でリストが放置されるため、判断に使った列だけを残します。

1件の入力に30秒以上かかるようなら、項目を減らす合図だと考えてください。

Q. 優先順位はどう決めればよいですか

A. 規模の適合、接点の強さ、相手の状況が変わったタイミングの3つを基準にします。

全件に順番を振るのではなく、上位の2割を選び出す進め方が現実的です。

項目ごとに点数を付けて合計する形にすると、担当者による判断のぶれを抑えられます。

Q. リストが使われなくなるのはなぜですか

A. 更新を誰かの善意に任せていると、その人が忙しくなった時点で止まります。

企業の情報は毎月少しずつ古くなり、半年経つと判断材料になりません。

商談が終わったその日のうちに結果を書き戻すところまでを、業務のルールに組み込みましょう。

この記事の監修者

平野哲也

平野 哲也(ひらの てつや)

株式会社オンリーストーリー 代表取締役

BtoB営業と決裁者マッチングの領域に12年間携わり、決裁者同士をつなぐマッチングサービスを運営。

累計26億円の資金調達を実施し、「ベストベンチャー100」にも選出されている。

「つよいい会社をつくる」を掲げ、経営の中でのしくじりや営業の現場で得た知見を発信中。

ENICXO
メッセージアイコン オンリーストーリー代表 平野からのメッセージ
オンリーストーリーでは、これまで10年以上にわたり、
BtoB営業における「集客の課題」と真剣に向き合ってきました。

経営者同士が信頼でつながるマッチングプラットフォームや、
想いを届ける手書きの手紙など、独自の形で支援を続けています。

そして最近では、経営者同士を直接つなぐ「顧問&コミュニティサービス」も新たにスタートしました。

私たちが大切にしているのは、単なるマッチングツールの提供ではなく、
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