監修:平野 哲也(株式会社オンリーストーリー 代表取締役)
担当者との商談を重ねても決裁者の承認が得られず失注する、という経験は少なくありません。
決裁者マッチングは最初から意思決定権を持つ相手と話せる手段ですが、サービスごとに性格が異なります。

決裁者マッチングサービス10選を、登録者数や審査制度、サポート体制の違いとともに比較します。月額課金型と成果報酬型の料金相場、選び方の5つのポイント、導入前に知るべき注意点も解説します。
監修:平野 哲也(株式会社オンリーストーリー 代表取締役)
担当者との商談を重ねても決裁者の承認が得られず失注する、という経験は少なくありません。
決裁者マッチングは最初から意思決定権を持つ相手と話せる手段ですが、サービスごとに性格が異なります。
決裁者マッチングサービスとは、商品やサービスを売りたい企業と購買の意思決定権を持つ決裁者を仲介するサービスです。
従来の営業では担当者経由で何度もアプローチが必要でしたが、このサービスを使えば決裁者と直接つながれます。
BtoB営業では、担当者との商談を重ねても最終的に決裁者の承認が得られず失注するケースが少なくありません。
特にリモートワークの普及により対面での飛び込み営業が難しくなった現在、オンラインで効率的に決裁者へアプローチできる手段として注目が高まっています。
テレアポや展示会だけでは接点を持てなかった大手企業の役員クラスにもリーチできる点が、従来の営業手法との大きな違いです。
決裁者マッチングサービスは大きく4つのタイプに分けられます。
1つ目はプラットフォーム型で、登録された決裁者データベースから自社のニーズに合う相手を検索しアプローチする方式です。
2つ目はAIレコメンド型で、AIが企業データや過去の商談履歴を分析し最適な決裁者を自動で提案します。
3つ目はイベント型で、オンライン交流会やプレゼンイベントを通じて決裁者と直接出会える形式です。
4つ目は顧問人脈活用型で、登録顧問が持つ人脈を通じて決裁者への紹介を受ける方式です。
ここからは国内で利用できる代表的な決裁者マッチングサービスを9選紹介します。
それぞれの特徴や強みを把握し、自社に合ったサービスを見つける参考にしてください。
チラCEOは株式会社オンリーストーリーが運営する決裁者マッチングサービスで、7,000人以上の決裁者が登録しています。
おすすめ決裁者への「会いたい」リクエスト送信、ニーズ投稿ができるタイムライン機能、決裁者限定のオンラインイベントなど複数のマッチング手段を備えています。
カスタマーサクセス担当による決裁者の直接紹介も受けられるため、自力での検索だけに頼らず効率的にアポを獲得できます。
アポレルは株式会社アライアンスクラウドが提供するオンライン完結型の決裁者マッチングサービスです。
登録できるのは購買意思決定者である決裁者のみで、アポを実施する意思だけでなく受ける意思も審査基準としています。
データベースから従業員数や業種、購買ニーズで絞り込んでダイレクトメッセージを送れるほか、イベント形式のプレゼン機会も用意されています。
コンシェルジュ経由でフィードバックを受けられる点も特徴です。
CXOバンクはCEOやCFOなど役員以上に限定したダイレクトネットワーキングサービスです。
最大の特徴は完全無料で利用できる点で、毎日3名の経営者が自動でレコメンドされます。
審査制と実名制を採用しており、信頼性の高いマッチングが期待できます。
24時間で消える投稿機能を使えば、PR情報やリリース、募集案件を何度でも無料で発信できます。
Linkerは完全審査制の経営者向けマッチングアプリです。
AIがユーザーのニーズを分析し、最適な経営者を定期的に提案するため忙しい経営層でも手軽に利用できます。
無料プランでも全機能を使え、有料プランは月額2,700円とリーズナブルです。
マッチング数は累計44,000回を突破しており、コストを抑えて多くの決裁者と接点を持ちたい企業に向いています。
顧問バンクは企業と顧問をマッチングするプラットフォームで、8,500名以上の顧問が登録しています。
顧問が紹介できる人脈の約56%が上場企業の役職者であり、通常の営業では接触が難しい大手企業の決裁者にアプローチできます。
紹介手数料が不要で、必要なときに必要な人数だけ顧問を活用できる柔軟な契約体系も魅力です。
大手企業の開拓を加速したいスタートアップやベンチャー企業に適しています。
テクモーは株式会社ケーケーシステムが提供する決裁者マッチングサービスです。
1社につき1人の担当者がつく専任制を採用しており、マッチングの成立だけでなく商談後の成約まで一貫してサポートを受けられます。
初めて決裁者マッチングサービスを利用する企業でも安心して導入できる点が強みです。
GMO CONNECTはGMOインターネットグループが運営するビジネスマッチングサービスです。
毎週開催されるオンライン交流会が特徴で、交流タイムや紹介希望プレゼンタイム、マッチングシステムの3つの要素で構成されています。
大手グループの運営による信頼性の高さと、イベントを通じた対面に近いコミュニケーションが魅力です。
アポチョクは株式会社Enjinが運営するマッチングサービスです。
5,000社以上の広報PR支援で構築した審査制コミュニティ「ジェントルクラブ」の会員と自動マッチングされます。
登録者は中小企業の経営者、弁護士、医師、会計士など多彩で、適宜スクリーニングにより会員の質が保たれています。
Sales Hubはベンチャー支援に特化した顧客紹介サービスで、全国50,000人以上のサポーターが登録しています。
サポーターが自分の知り合いと企業をつなぐ紹介型のため、紹介経由の商談は信頼度が高く成約率の向上が期待できます。
累計10万件以上の紹介提案実績があり、営業リソースが限られるスタートアップにとって心強いサービスです。
サービスによって料金体系は大きく異なります。
導入前に費用構造を把握し、自社の予算と照らし合わせましょう。
毎月定額を支払う料金体系で、利用頻度が高いほどお得になります。
多くの商談を獲得したい企業に向いており、予算も立てやすい点がメリットです。
ただし、成果が出なくても費用は発生します。
まずは低価格帯のプランで試し、効果を確認してからアップグレードする方法が堅実です。
アポイントや商談が成立した場合にのみ費用が発生する体系です。
初期費用を抑えたい企業や、少数の商談で効果を検証したいフェーズに適しています。
一方で1件あたりの単価は月額型より高くなる傾向があります。
成果の定義や報酬の算定基準を事前に明確にしておくことがトラブル防止のポイントです。
CXOバンクやLinkerのように無料プランを提供しているサービスもあります。
まずは無料で使い勝手やマッチング精度を確認し、自社に合うと判断してから有料プランへ移行するのが効率的です。
複数のサービスを無料プランで並行利用し、最も成果が出たサービスに集中投資する方法もおすすめです。
サービスの数が多く迷いやすいからこそ、選定基準を明確にしておくことが大切です。
以下の5つのポイントを押さえれば、自社に合ったサービスを見極められます。
登録者数が多いほどマッチングの選択肢は広がります。
ただし数だけでなく、自社のターゲットとなる業種や企業規模の決裁者がどの程度登録しているかを確認しましょう。
IT企業が多いサービスもあれば製造業に強いサービスもあるため、自社の商材と相性の良い層が揃っているかが重要です。
決裁権を持たない人物が混在していると、商談の質が低下します。
審査制を採用しているサービスは登録者の質が担保されやすく、アポの確度が高まります。
審査基準が公開されているか、どのような役職の人物が登録しているかを事前にチェックしましょう。
月額型、成果報酬型、無料プランなど料金体系はさまざまです。
料金の安さだけで選ぶと、サポートが薄くマッチング精度も低い場合があります。
料金に含まれるサービス内容を確認し、アポ獲得単価ベースで費用対効果を比較しましょう。
マッチング機能だけでなく、担当者による決裁者の紹介、商談後のフィードバック、スクリプト作成支援など付帯サポートの有無で成果は大きく変わります。
初めて利用する企業ほど、サポートが手厚いサービスを選ぶ方が早期に成果を出しやすくなります。
日常的に使うツールだからこそ、画面の見やすさや操作のしやすさは重要です。
トライアルや無料プランがあるサービスは、事前に操作感を確かめてから本契約に進めます。
アカウント開設から利用開始まで数日で済むサービスが多いですが、完全審査制の場合は承認に時間がかかることもあるため余裕を持って準備しましょう。
決裁者マッチングサービスの導入で得られる具体的なメリットを整理します。
導入判断の材料として確認してください。
従来の営業では担当者との接触から決裁者に到達するまでに何度も訪問やメールが必要でした。
決裁者マッチングサービスなら最初から意思決定権を持つ人物と商談できるため、リードタイムを大幅に短縮できます。
商談相手が最初から決裁者であることで、提案の内容もより具体的かつ戦略的なものに高められます。
自社の知名度が低い場合やターゲット企業との接点がない場合でも、サービスを通じて大手企業の役員クラスにアプローチできます。
テレアポや飛び込み営業ではまず会えない層と商談できるのは大きなメリットです。
決裁者と直接話すことで、ニーズの把握や価格交渉がスムーズに進みます。
担当者経由の商談と比べて受注確度が高く、結果的に成約率やLTVの向上につながります。
メリットだけでなくデメリットも理解したうえで導入を判断しましょう。
事前に対策を講じれば、リスクを最小限に抑えられます。
サービスの質や登録者数によっては、自社のターゲットに合致する決裁者が見つからないケースもあります。
競合他社も同じサービスを利用している場合、希望する決裁者へのアプローチが集中し反応率が下がる可能性もあります。
複数のサービスを併用し、マッチングの幅を広げることで対策できます。
成果報酬型では想定以上にアポが取れた場合に費用が膨らみ、月額型では成果が出なくても固定費がかかります。
導入前に月間の予算上限を設定し、定期的にアポ獲得単価を検証する運用が重要です。
サービスに依存しすぎると、自社でリードを獲得する力や営業ノウハウが蓄積されません。
マッチングサービスはあくまで営業チャネルの1つと位置づけ、自社営業力の強化と並行して活用する姿勢が大切です。
決裁者マッチングサービスは、BtoB営業の効率化と成約率向上を実現する有力な手段です。
サービスの種類はプラットフォーム型、AIレコメンド型、イベント型、顧問人脈型と多岐にわたり、料金体系も月額課金、成果報酬、無料プランとさまざまです。
選ぶ際は登録決裁者の数と質、審査制度、料金の費用対効果、サポート体制、操作性の5つを基準に比較しましょう。
まずは無料プランやトライアルで複数サービスを試し、自社の商材やターゲットとの相性を見極めてから本格導入するのがおすすめです。
A. 月額課金型は月1万円から10万円程度、成果報酬型は1件あたり3万円から10万円が目安です。
月額型は利用頻度が高いほど割安になり予算も立てやすい一方、成果が出なくても費用が発生します。
成果報酬型は初期費用を抑えられますが、1件あたりの単価は高くなる傾向があります。
A. 登録決裁者の数と業種の偏り、審査制度の厳しさ、料金体系と費用対効果、サポート体制、操作性の5点で比較しましょう。
登録者数が多くても自社のターゲット層が少なければ意味がないため、業種や企業規模の構成を確認することが重要です。
A. 最初から意思決定権を持つ人物と商談できるため、リードタイムを大幅に短縮できます。
自社の知名度が低くても大手企業の役員クラスにアプローチでき、ニーズの把握や価格交渉もスムーズに進むため、成約率の向上も期待できます。
A. マッチング精度にばらつきがあること、コスト管理が難しくなる場合があること、自社の営業力が育ちにくくなることです。
複数サービスの併用でマッチングの幅を広げ、月間の予算上限を設定してアポ獲得単価を定期的に検証しましょう。
この記事の監修者

平野 哲也(ひらの てつや)
株式会社オンリーストーリー 代表取締役
BtoB営業と決裁者マッチングの領域に12年間携わり、決裁者同士をつなぐマッチングサービスを運営。
累計26億円の資金調達を実施し、「ベストベンチャー100」にも選出されている。
「つよいい会社をつくる」を掲げ、経営の中でのしくじりや営業の現場で得た知見を発信中。