監修:平野 哲也(株式会社オンリーストーリー 代表取締役)
成約に至らない原因が、どの段階にあるのか特定できないまま改善が進まないことがあります。
商談をフェーズに分けて管理すると、つまずいている箇所と打つべき手が見えてきます。

商談フェーズ管理の重要性を、目標設定や問題点の分析といったメリットから解説します。案件の見極めから成約までの9つのフェーズごとのポイントと、管理時の注意点、SFAツールの活用法も紹介します。
監修:平野 哲也(株式会社オンリーストーリー 代表取締役)
成約に至らない原因が、どの段階にあるのか特定できないまま改善が進まないことがあります。
商談をフェーズに分けて管理すると、つまずいている箇所と打つべき手が見えてきます。

商談を成功させるためには、営業活動におけるフェーズを管理することが重要です。
そもそもフェーズとは、「段階」や「局面」を意味する言葉であり、営業活動におけるフェーズとは、営業活動のプロセスやステップのことを指します。
商談化から成約までのフェーズを整理するメリットは、以下の通りです。
営業活動に成功するためには目標設定が重要であり、フェーズ管理によって、現実的で意味のある目標設定が実現します。
たとえば、「月10件成約」という目標を立てたとしても、そのために何社にアプローチし、何件の案件を商談化すべきなのか、などはわからないでしょう。
最終的な成約目標を達成するためには、「商談化100件」「決裁者との商談30件」などのように、営業フェーズごとに細かく目標を立てることが大切です。
そして、そのためには営業フェーズの可視化が求められます。
フェーズ管理を行うことにより、現状の営業活動の問題点を、細かく的確に分析できるのもメリットです。
「成約に至らない」と一口に言っても、その原因は以下のように複数考えられます。
フェーズごとに細かく状況を分析できれば、どのフェーズに問題があるかが明確になります。
適切な対応策がわかり、改善につなげられるでしょう。
フェーズ管理によって、営業担当者個人だけでなく、組織全体の状況や課題を可視化できるというメリットもあります。
従来は、1人の営業担当者が、アプローチから成約まですべて担当するケースが一般的でした。
しかし、最近ではインサイドセールスとフィールドセールスにわかれて連携したり、カスタマーサクセスと協力して顧客満足度を高めたりと、1つの案件に複数の部門が関わるスタイルが増えています。
そのため、営業担当者個人だけでなく、組織全体の状況を細かく分析することが欠かせません。
フェーズ管理を行い、各フェーズごとにやるべきことや注意すべきポイントなどを明確にすることにより、教育コストの削減にもつながります。
新卒や、営業未経験の中途社員が入社した場合でも、フェーズに沿って営業活動を行うと、即戦力として活躍できる可能性が期待できます。
新入社員がすぐに営業活動を行えるよう、フェーズ管理を徹底しましょう。

営業活動におけるフェーズは、以下のように細分化できます。
ここでは、フェーズごとの内容や成功するためのポイントを紹介します。
まずは、複数の案件の中から、商談化する案件を見極めましょう。
アプローチしているすべての顧客が、商品やサービスの購入を検討しているわけではありません。
情報収集を目的にしている顧客も多く存在します。
そうした顧客にアプローチしても、成約は見込めません。
商談化する案件を見極めるためには、以下のBANT条件を確認し、判断するのが効果的です。
BANT条件は、法人営業における基本的なフレームワークと呼ばれており、受注確度の見極めに役立ちます。
案件を絞り込む際は、受注確度を正しく判断する必要があります。
そのためには、受注確度を判断する基準を組織内で統一することが大切です。
基準がバラバラになると、ビジネスチャンスを逃してしまうリスクがあります。
BANT条件のようなフレームワークを活用し、認識を統一しましょう。
また、これまでの顧客データや類似案件をもとに、AIが受注確度を判断してくれるツールを利用するのもおすすめです。
商談化する案件が決まったら、商談に備えて準備を行います。
顧客の基本的な情報はもちろん、顧客の競合の様子や業界のトレンドなども把握し、訪問時に何をヒアリングするかを考えましょう。
さらに、収集した情報をもとに、顧客がどのような課題を抱えており、どのようなサービスを必要としているか、仮説を立てることも大切です。
訪問時は、商談をスムーズに進められるよう、相手に信頼してもらうことが重要です。
身だしなみを整えて清潔感を出すことはもちろん、商談前にアイスブレイクを行う、相手に興味を持って真剣に話を聞く、相手の目を見てゆっくり話す、など、顧客からの信頼を獲得するための心がけが欠かせません。
顧客に刺さる提案をするためには、ヒアリングで顧客が抱える課題を明確にすることが必要です。
商談となると、自社やサービスの紹介で精一杯になってしまう営業担当者は少なくありません。
しかし、営業トークを中心にしてしまうと、顧客の課題やニーズを把握できなかったり、押し売りしているかのような印象を与えてしまったりします。
前述のBANT情報を中心に、顧客の状況について詳しくヒアリングすることが大切です。
また、顧客自身も気づいていない潜在ニーズを明らかにできると、次の提案フェーズに活かせます。
提案フェーズでは、ヒアリングによって明らかになった顧客の課題に対する解決策を提示します。
自社の商品やサービスが、どのように課題解決に役立つかについて説明し、導入するメリットを感じてもらうことが重要です。
このとき、顧客と同じ業界・業種の事例を話したり、動画を用いたりすると、より商品やサービスの魅力を具体的に訴求できるでしょう。
顧客によっては、決裁者への提案が必要なこともあります。
規模が大きい会社の場合、営業担当者とは別に決裁者が存在するケースが多く見られます。
決裁者の承認を得てはじめて成約につながるため、担当者とは別に決裁者と面談の機会を設け、提案を再度行わなければならない場合も少なくありません。
また、担当者が上司に商談内容を報告し、上司が決裁者に報告を上げ、協議の末契約するかを決める、というケースもあります。
この場合、担当者が上司や決裁者を説得できるよう、提案資料を追加で共有することが大切です。
決裁者との商談では、決裁者が購入・契約の意思決定をするプロセスを確認し、それぞれに必要な情報や資料を提供することが大切です。
商品やサービスのメリットを十分にアピールできるよう、表やグラフを使って視覚的にわかりやすい資料を作成しましょう。
また、担当者を介さず決裁者に直接アプローチできれば、商談から成約までスムーズに進められます。
興味のある決裁者とマッチングしてメッセージを送れる、決裁者マッチングサービスを利用するのがおすすめです。
決裁者が提案内容について合意した後は、契約締結に向けて、価格やスケジュールなどを確定させる必要があります。
齟齬が生まれないよう、価格やプラン内容、サービス提供の開始時期など、細かい部分まで確認しましょう。
条件面が定まったら、社内稟議で契約について最終決定が下されます。
契約書の雛形や見積書など、稟議決裁のために必要な書類がある場合は、すぐに作成して相手に送付しましょう。
クロージングとは、顧客の購買意思を確認し、商談を商品の購入やサービスの契約につなげるフェーズのことです。
商談の終盤に、相手が商品やサービスの購入を迷ってしまうことは珍しくありません。
顧客が抱く不安や疑問を解消できるよう、商談の最終段階でクロージングを行うことが大切です。
クロージングに失敗すると、契約が白紙になる、競合他社に流出するなど、ビジネスチャンスを逃してしまう可能性があります。
クロージングは重要性が高く、高度なスキルが求められるフェーズです。
クロージングがうまい営業担当者のアプローチ方法やトークを分析し、トークスクリプトを作成することが効果的です。
クロージングに成功するためには、タイミングを見極めることが大切です。
購買意欲が高まっており、「あと少しで購入・契約してくれそう」というタイミングでクロージングを行わなければ、意味がありません。
また、2回に分けてクロージングを行うのも効果的です。
1回目にオプションをつけたプランを提示し、2回目に予算内のプランを提示すると、お得感が出て購入や契約につながりやすくなります。
契約書の記名押印をもって、案件が成約します。
成約後も気を抜かず、経理担当と協力して支払いにスムーズに対応しなければなりません。
また、顧客満足度を高められるよう、カスタマーサクセスとの連携も必要です。
顧客の情報を共有し、顧客のサポートを徹底することが求められます。
顧客が抱えている課題や、自社サービスを選んだ決め手、今後の窓口といった情報を細かく伝えると、カスタマーサクセスのサポート方針も明確になります。
商談フェーズを管理する際は、以下の2点に注意が必要です。
それぞれの注意点を見ていきましょう。
営業フェーズをどのように分けるかは、組織によって異なるため、認識を統一することが大切です。
フェーズごとに、どのような営業プロセスのことを指すのか定義しなければ、営業担当者ごとにフェーズの分け方がバラバラになってしまうでしょう。
営業担当者ごとに認識が異なると、正確な分析結果を出せなくなってしまうため、認識をすり合わせることが必要です。
案件ごとの進捗を、リアルタイムで把握できるようにすることも欠かせません。
情報共有に遅れが生じると、フェーズ管理の意味がなくなってしまいます。
リアルタイムで進捗を把握するためには、営業担当者が簡単に進捗を入力できるツールや、入力したデータをリアルタイムでグラフ化してくれるツールなどを使うとよいでしょう。

商談フェーズを管理する際は、ツールを活用するのがおすすめです。
SFA(Sales Force Automation)ツールは、案件や顧客管理を効率化できるツールです。
営業支援ツールとも呼ばれており、以下のようなさまざまな機能が備わっています。
案件ごとの進捗や、担当者それぞれの行動などを効率的に管理できるため、商談におけるフェーズ管理に役立つのが魅力です。
SFAツールによっては、フェーズごとの案件維持率を可視化でき、どのフェーズに課題があるかをすぐに分析できるものもあります。
ここでは、商談フェーズ管理についてよくある質問を紹介します。
A.商談フェーズごとにKPIを設定する際は、結果を計測して分析できるよう、KPIは定量的で具体的な指標にすることが大切です。
数値で表せない定性的なデータにしてしまうと、目標を達成できたか否かの判断が曖昧になってしまいます。
たとえば、見込み度が高い顧客にアプローチしたい場合は、「過去に資料請求をしたことがある顧客50件と接触」のように、具体的にKPIを設定しましょう。
A.Excelでももちろん管理はできますが、リアルタイム管理ができない点に注意が必要です。
ツールの導入には費用がかかるため、商談フェーズ管理をExcelで行いたい、という方も多いでしょう。
しかし、外出先でExcelに入力するのは面倒であり、オフィスに戻ってから入力するとなると、リアルタイムでの情報管理が難しくなります。
まとめて入力しようとする営業担当者が増えれば、データが散在してしまったり、入力漏れが生じたりする原因にもなります。
Googleスプレッドシートを活用すると、リアルタイムでの情報共有が可能です。
しかし、タスクの管理に特化した機能がなく、プロジェクト管理に最適とは言えません。
導入にコストはかかるものの、商談フェーズを適切に管理するためには、ツールの導入がおすすめです。
A.フェーズの数に決まりはなく、自社の営業プロセスに合わせて分けることが大切です。
重要なのは数ではなく、それぞれのフェーズがどの営業プロセスを指すのかを明確に定義することです。
定義が曖昧だと担当者ごとに分け方がばらつき、集計しても比較できなくなります。
営業フェーズを管理することには、以下のようなメリットがあります。
案件の見極めから成約に至るまで、営業活動をフェーズごとに管理し、組織全体の営業力を強化しましょう。
営業フェーズを管理する上では、営業担当者が簡単に進捗を共有でき、リアルタイム性のある情報を管理できる体制を整えることが大切です。
SFAツールを活用し、商談フェーズの管理を効率化しましょう。
営業フェーズの管理を自社でするのが難しい場合、営業代行を利用するのが効果的です。
営業代行のサービス内容や利用するメリット、選び方については、こちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
営業代行おすすめ17選!費用相場・選び方・成功事例を徹底解説
成約までスムーズに進めるためには、決裁者に直接アプローチするのが有効です。
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詳しくは、以下をご覧ください。
(本文執筆・編集:オンリーストーリー編集部)
弊社の直近3年で約10億円、btobの投資をしてきました。
また、弊社自体が営業代行会社として、多くの会社様の案件を受けてきました。
その中で、再現性のある営業手法がないという話や、1社だけで満足できる営業支援の会社はなかなか見つからないという声を多く聞いています。
本記事や、10億円のまとめを記載したホワイトペーパーを用意していますので、少しでも皆様の営業の一助になりましたら幸いです。
(コメント:代表平野)
この記事の監修者

平野 哲也(ひらの てつや)
株式会社オンリーストーリー 代表取締役
BtoB営業と決裁者マッチングの領域に12年間携わり、決裁者同士をつなぐマッチングサービスを運営。
累計26億円の資金調達を実施し、「ベストベンチャー100」にも選出されている。
「つよいい会社をつくる」を掲げ、経営の中でのしくじりや営業の現場で得た知見を発信中。