監修:平野 哲也(株式会社オンリーストーリー 代表取締役)
経営者マッチングは、受付突破に悩まず決裁者と商談できる営業チャネルです。
営業活用の5ステップと成果を出すコツ、注意点をまとめました。

経営者マッチングを営業チャネルとして活用する方法を、運用計画の立て方からプロフィール作成、アプローチ、初回商談、フォローまで5ステップで解説します。成果を出すコツや他チャネルとの組み合わせ方も紹介します。

経営者マッチングとは、経営者同士や経営者と企業をオンラインでつなぐサービスのことです。
もともとは人脈形成や情報交換の場として広がりましたが、いまは新規開拓の営業チャネルとして活用する企業が急増しています。
その背景には、従来型営業の限界があります。
BtoB営業の最大の壁は、決裁者へ到達することの難しさです。
テレアポは受付で止まり、フォーム営業は担当者の受信箱で埋もれ、ようやく取れたアポも担当者止まりというのが現実です。
担当者経由の商談は、稟議・社内調整という長いプロセスを経るため、リードタイムが長く、途中で案件が消える確率も高くなります。
「最初から決裁者と話せたら」という営業現場の切実なニーズが、経営者マッチングの営業活用を後押ししているのです。
買い手である経営者側も、売り込み電話を嫌う一方で、自社の課題を解決してくれるパートナーとの出会いは常に求めています。
「売り込まれるのは嫌だが、良い出会いは欲しい」という経営者心理に、相互合意で商談が始まるマッチングの仕組みはうまく合致しています。
売り手と買い手、双方の変化が重なった結果、経営者マッチングは営業チャネルとして急速に市民権を得ているのです。
営業チャネルとして見たとき、経営者マッチングには従来手法にない明確なメリットがあります。
主なものを整理しておきましょう。
最大のメリットは、営業プロセスの序盤にある高い壁をスキップできることです。
マッチングが成立すれば、相手は経営者本人です。
受付トークを磨く必要も、担当者から上申されるのを待つ必要もありません。
経営者との商談は、課題・予算・導入判断の話がその場で進みます。
相手も関心を持ったうえで会っているため、初回から本質的な議論ができ、成約までのスピードは従来手法を大きく上回ります。
テレアポのような大量の架電リソースは不要です。
マッチングした相手に絞って丁寧に対応すればよいため、少人数の営業組織や、営業専任者のいない企業でも運用できます。
どんな業種・規模の経営者と商談が成立し、成約したかのデータが蓄積されます。
このデータはターゲティングの精度向上に直結し、営業全体の質を引き上げてくれます。
では、実際にどう営業活用すればよいのでしょうか。
成果を出している企業の進め方を、5つのステップに整理して解説します。
まず、「月〇件の成約のために、商談を〇件、マッチングを〇件」という逆算の計画を立てましょう。
目標が曖昧なまま始めると、マッチングはするものの商談化しない、という漂流状態に陥ります。
担当者と対応時間をあらかじめ確保しておくことも重要です。
プロフィールは、営業でいう会社案内とトップ営業トークを兼ねる最重要ツールです。
「どんな企業の、どんな課題を、どう解決できるか」を相手目線で明記しましょう。
実績は具体的な数字で示し、会いたいターゲット像も明確に書くことで、質の高いマッチングを引き寄せられます。
自社の勝ちパターン(成約しやすい業種・規模・課題)を定義し、合致する経営者に絞ってアプローチしましょう。
メッセージは定型文の一斉送信ではなく、相手のプロフィールを踏まえた個別の一文を必ず入れます。
「あなただから会いたい」が伝わるメッセージは、返信率を大きく高めます。
経営者との初回商談で、いきなり商品説明を始めるのは典型的な失敗です。
まずは相手の事業と課題を深く聞き、「解決すべき課題」の合意を目指しましょう。
売り込みではなく対話の姿勢が、経営者からの信頼と次のステップを引き寄せます。
商談後24時間以内の御礼と提案、検討中の相手への定期的な情報提供をルール化しましょう。
すぐに成約しなくても、経営者との関係は中長期の資産になります。
紹介や別案件につながることも多いため、関係維持まで含めて営業プロセスと捉えることが大切です。
経営者マッチングには、交流の場としての文化があります。
営業活用で成果を出すには、その文化を尊重した振る舞いが不可欠です。
マッチング直後から一方的な売り込みメッセージを送ると、経営者には確実に敬遠されます。
まずは相手への関心と、相互にメリットのある関係を築きたいという姿勢を示しましょう。
「営業したい」ではなく「情報交換から始めたい」という入り方が、結果的に商談への近道になります。
経営者コミュニティで信頼されるのは、先に価値を提供する人です。
相手に役立つ情報や人脈の紹介など、まず自分から与えることを意識しましょう。
ギブの積み重ねが、自然な形での商談機会と紹介を生み出します。
サービスによっては、「経営者」を名乗っていても実際の決裁権が曖昧な登録者が混ざっています。
商談の早い段階で、意思決定のプロセスと相手の権限をさりげなく確認しましょう。
この見極めを怠ると、経営者マッチングのはずが担当者営業と同じ長いプロセスに逆戻りしてしまいます。
マッチング数やメッセージ送信数をKPIにすると、雑なアプローチが増えて逆効果です。
有効商談数と成約数を軸に、質を高める運用を心がけましょう。
経営者マッチングの営業活用を検討する際は、既存チャネルとの役割分担を設計しておくと効果的です。
主要チャネルとの比較と、組み合わせの考え方を整理します。
テレアポやフォーム営業は、量を稼げる一方で決裁者に届きにくく、商談の温度感も低くなりがちです。
経営者マッチングは量では劣るものの、商談の質と成約への近さで圧倒します。
担当者層への認知拡大は従来手法、決裁者への本丸アプローチはマッチング、という二層構造が有効です。
リアルイベントは偶然の出会いに強みがありますが、開催時期が限られ、決裁者に会えるかは運次第です。
経営者マッチングは、時期を問わず狙った層と出会える計画性が強みです。
イベントで出会った相手とマッチングサービス上で再接続する、という併用も効果的です。
紹介は最も成約率の高いチャネルですが、件数をコントロールできません。
経営者マッチングは、紹介に近い「信頼の入口」を、安定した件数で作れるチャネルと位置づけられます。
マッチングで築いた経営者との関係が、新たな紹介の源泉になる好循環も期待できます。
自社での活用イメージを持ちやすいよう、代表的な活用パターンを紹介します。
システム導入やコンサルティングなど、経営判断が必要な高単価商材では、決裁者と直接話せる価値が最大化されます。
初回から予算と導入時期の話ができるため、営業サイクルが数ヶ月単位で短縮されるケースもあります。
営業組織が整っていないスタートアップにとって、代表自らが経営者マッチングで顧客開拓するのは王道の使い方です。
トップ同士の対話から始まる取引は、初期の重要顧客との深い関係につながります。
新市場のキーパーソンと素早くつながり、ニーズ検証と初期案件の獲得を同時に進められます。
市場の生の声を経営者から直接聞けることは、事業立ち上げの精度を大きく高めます。
地方に本社を置く企業が、東京や大阪などの都市部市場を開拓する手段としても有効です。
オンラインで都市部の決裁者と商談を重ね、案件が具体化してから出張する流れなら、移動コストを最小限に抑えられます。
営業拠点を持たずに全国展開を進める企業も増えています。
マッチングで新規の経営者とつながりつつ、既存顧客からの紹介と組み合わせれば、決裁者ネットワークは加速度的に広がります。
経営者同士のつながりは連鎖しやすく、一つの良い取引が次の出会いを呼ぶ好循環が生まれます。
経営者マッチングを営業チャネルとして本気で使うなら、サービス選びがすべての土台になります。
そして、営業活用という観点で突き詰めると、行き着く結論は「決裁者マッチング」です。
決裁者マッチングとは、審査を通過した企業の社長や役員など、決裁権を持つ人物だけが登録できるマッチングサービスのことです。
営業活用に最適な理由を整理します。
一般的な経営者マッチングで必要だった決裁権の見極めが、決裁者マッチングでは審査によって最初から保証されています。
すべてのマッチングが「決裁者との商談機会」になるため、営業リソースを空振りなく投下できます。
AIが自社と相性の良い決裁者を提案してくれるため、リスト作成やターゲット選定の工数が大幅に減ります。
「会うべき相手」が自動で供給される状態は、営業組織にとって理想的なパイプラインです。
決裁者マッチングは、ビジネスの出会いと商談を前提としたプラットフォームです。
交流メインの場で営業色を出す気まずさがなく、堂々と提案・商談に進めます。
営業活用における心理的なハードルの低さも、成果に直結する要素です。
継続的にマッチングが生まれるため、「毎月〇件の決裁者商談」を営業計画の前提にできます。
売上予測の精度が上がり、営業戦略全体の再現性が高まります。
経営者マッチングの営業活用について、注目される背景からメリット、5つの実践ステップ、成果を出すコツ、そして最適なサービスの結論まで解説してきました。
経営者マッチングは、「決裁者に届かない」という従来型営業の最大の壁を突破できる、強力な営業チャネルです。
成果を出す鍵は、目標からの逆算、プロフィールの作り込み、課題ヒアリング優先の商談、そしてギブファーストの姿勢にあります。
そして、営業活用を本気で進めるなら、決裁権が審査で保証され、AIが会うべき相手を提案してくれる決裁者マッチングが最適解です。
すべての商談が決裁者との商談になる環境は、営業の生産性を根本から変えてくれます。
従来の営業手法に限界を感じているなら、決裁者マッチングを営業の主力チャネルとして導入することを、ぜひ検討してみてください。
決裁者と直接つながる営業スタイルへの転換が、貴社の売上成長を大きく加速させるはずです。
A. 受付突破や担当者経由が不要になるため、新規開拓の営業チャネルとして活用する企業が増えています。
他の営業手法と組み合わせることで、決裁者と出会う経路を増やせます。
A. 成約目標から必要な商談数とマッチング数を逆算し、担当者と対応時間を確保しておくことです。
担当者と対応時間を先に決めておくと、マッチング後の連絡が遅れて機会を逃すことを防げます。
A. どんな企業のどんな課題をどう解決できるかを相手目線で書き、実績は具体的な数字で示します。
会いたい相手の条件も具体的に書いておくと、目的に合ったマッチングにつながりやすくなります。
A. いきなりの商品説明は失敗のもとで、まず課題を深く聞き合意を目指すのが有効です。
課題の合意ができてから提案に進むほうが、結果として成約までの近道になります。
A. マッチング数や送信数ではなく、有効商談数と成約数を軸にした質のKPIが適しています。
質のKPIを置くことで、一件ごとの商談を丁寧に進める運用が定着しやすくなります。
この記事の監修者

平野 哲也(ひらの てつや)
株式会社オンリーストーリー 代表取締役
BtoB営業と決裁者マッチングの領域に12年間携わり、決裁者同士をつなぐマッチングサービスを運営。
累計26億円の資金調達を実施し、「ベストベンチャー100」にも選出されている。
「つよいい会社をつくる」を掲げ、経営の中でのしくじりや営業の現場で得た知見を発信中。