金融業界における営業活動の特徴
金融業界の営業活動には、個人営業と法人営業があります。個人営業とはリテール営業とも呼ばれ、個人事業主や小規模企業の経営者に対し、金融商品の提案を行います。
会社によって提案する商品は異なり、銀行であれば住宅ローンや預金・投資・保険商品などを取り扱います。保険会社が提案を行うのは主に個人向けの保険、証券会社であれば株式・債権・投資信託などです。
法人営業では、企業や団体などの法人に対し、資金調達を提案します。銀行であれば現金融資、証券会社であれば株式や社債の融資などが挙げられるでしょう。法人営業では資金調達が目的であるため、役員や経営者、財務のトップなどを相手に取引を行います。
そのため、金融の専門家として、企業のコンサルティングを行えるレベルの経営や財務に関する知識やスキルが求められます。
金融業界のアポ取りに求められるスキル
金融商品を取り扱い、顧客へアプローチする金融業界の営業活動において、アポ取りは容易ではありません。アポを獲得するには、次の3つのスキルが求められます。
- 幅広い知識
- タイミングを見極める力
- 高いコミュニケーション能力
それぞれ解説します。
幅広い知識
金融業界の営業では、自社の金融商品について幅広い知識が必要とされます。また、顧客となる企業の業界もさまざまです。そのため、情報収集する力や学び続ける力が欠かせません。
営業先がどのような理由で金融商品や資金を探しているのかによって、提案する商品は異なります。相手の状況に合わせて、ニーズを満たす金融商品を提案するには、自社が扱う全ての商品について深く知っておかなければなりません。
また、金融商品は法律に関わるものもあります。例えば、年に1回のペースで行われる税制改正
や、不定期に見直される法改正などによって法律が変わると金融商品にも影響が及ぶため、自ら学び続ける姿勢が大切だといえるでしょう。
法人営業の場合、企業や各種団体が顧客となります。顧客から信頼を得るには金融商品に関する専門知識だけでなく、業界や企業の経営について幅広い知識が必要とされます。
タイミングを見極める力
金融業界のアポ取りには、アプローチのタイミングを見極める力が必要とされます。
例えば、経営者や資産家などを対象にした個人営業では、投資信託や債券といった金融商品を提案するケースがあります。為替や株価の動きを把握し、適切なタイミングでアプローチしなければなりません。
法人営業の場合、事業拡大や設備投資などの資金調達を目的とするケースが多い傾向があります。金融業界が取り扱う商品やサービスは、金額や取引先の規模が大きいことが多いため、アポ獲得を難しくしています。
顧客の業界を取り巻く状況を把握し、適切なタイミングでアプローチできれば、アポ獲得の可能性が高まるでしょう。
高いコミュニケーション能力
金融業界の営業は、経営者や役員、事業主、財務担当者などを相手とするケースがほとんどです。そのため、アポ取りには高いコミュニケーション能力が求められます。
顧客の業界の知識や金融商品に関する専門知識、商品やサービスの提案力だけでなく、経営状況の理解や分析力も必要です。
金融商品ごとの違いを顧客に分かりやすく伝えるコミュニケーション能力や、顧客のニーズを感じ取るきめ細やかさが、アポ取りの成功につながりやすいといえます。
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金融業界のアポ取りに効果的な5つの手段
金融業界のアポ取りに効果的な手段として、以下5つが挙げられます。
- テレアポ
- メール営業
- セミナーやイベント
- オウンドメディア
- プレスリリース
1.テレアポ
テレアポは、アプローチしたいターゲットに電話をかけて、商談のアポイントを獲得する営業手法です。飛び込み営業のように顧客のもとへ訪問しなくて済むため、移動時間を削減できます。また、アプローチできる顧客の数が多くなり、アポ獲得率が上がる可能性があります。
その反面、テレアポは架電のための人的リソースが必要であったり、話を聞く前に電話を切られてしまったりするデメリットがあります。いきなり商品やサービスの売り込みをせず、話を展開して顧客の潜在ニーズを把握することが大切です。
自社にテレアポの経験者がいない場合、代行会社を活用すると効率的でしょう。
2.メール営業
メール営業は、名刺や見込み顧客リストへメール送信する営業手法です。見込み顧客が多い場合でも一斉にメールを送信できるので、営業活動の効率化につながります。また、都合のよいタイミングで読んでもらえるため、相手の時間を奪わない営業手法だといえます。
一方、メールは開封されない、または文章を読まれないまま削除される可能性があるため、見込み顧客の興味をひくタイトルにしたり、読みやすい文章にしたりといった工夫が必要です。
3.セミナーやイベント
セミナーやイベントへ申し込む参加者は、すでに自社商品やサービスへの関心が高い傾向にあります。そのため、セミナーやイベントを開催して見込み顧客を集めることにより、商談のアポ獲得につながる可能性が高くなるでしょう。
オフラインのイベントを開催する場合、時間や交通費などのコストをかけてでも参加する、熱量の高い見込み客を集められます。
一方、Zoomなどのオンラインを活用したウェビナーであれば、全国どこからでも参加してもらえます。資料を画面共有しながら説明を行えるため、自社と自社商材の魅力をわかりやすく伝えることが可能です。場所を押さえる必要がなく、コストもほとんどかかりません。
4.オウンドメディア
オウンドメディアとは、自社が運営する情報サイトのことです。自社商品やサービスに関する情報だけでなく、ターゲットに役立つ情報を発信することにより、見込み顧客を効率よく集められます。
問合せフォームを設置すれば、こちらから営業を行わずともアポ獲得につながる問合せが見込めます。フォームから寄せられる質問や意見は、見込み顧客のニーズや不満の把握に役立つでしょう。
5.プレスリリース
プレスリリースとは、自社の新商品・サービスの開始をマスコミに知らせ、情報を拡散する営業手法です。コストがほとんどかからない反面、プレスリリースを基にメディアが発信する記事内容は、コントロールできないといったデメリットがあります。
しかし、うまくプレスリリースを活用すれば、自社の新商品やサービスの認知度を高められます。メディア記事を目にした見込み顧客からの問合せなど、アポ獲得に効果が期待できるでしょう。
金融業界のアポ取りに活用できるツール・サービス
金融業界のアポ取りに、ツールやサービスの活用は効果的です。
ここでは、以下のツールやサービスを紹介します。
ツール・サービスの種類 | |
営業活動支援システム | TCS(東京コンピューターシステム)BANK・R |
決裁者マッチングサービス | チラCEOアポレル |
CRMツール | F3(エフキューブ)Synergy! |
SFAツール | Sales CloudArea Power営業情報可視サービス |
MAツール | SATORIMarketing Hub |
金融機関向け営業活動支援システム
営業活動システムとは、営業に関する業務を支援し効率化するためのツールです。金融機関向けの営業活動支援システムを、以下2つ紹介します。
TCS(東京コンピューターシステム)
TCS(東京コンピューターシステム)は、銀行や信用金庫など金融機関向け営業活動支援システムです。営業担当者だけでなく、窓口業務担当者や役員を含め、金融機関全体の営業活動を支援します。
従来からの顧客カードと勘定系情報・訪問履歴といった顧客情報を一元管理することにより、シームレスな営業活動を行えます。また、顧客データを地図情報(GIS)上に見える化し、営業の空白地帯や重複など、地域ごとの特性を把握して営業活動に役立てることが可能です。
エリア分析システムでは、国税調査や商業データなど、さまざまな統計データを利用できます。例えば、TMD500全業種店舗統計データでは、全国のあらゆる店舗の動向を経年把握できるため、改廃の激しい業種などを見極める戦略に活用できます。
タブレットなどのモバイル端末に対応しており、訪問先での顧客情報・印鑑照会や預かり証の発行など、さまざまな場面で営業力の強化が図れるでしょう。
TCS(東京コンピューターシステム)
BANK・R
BANK・Rは、株式会社電通国際情報サービスが運営する、地域金融機関向けソリューションです。営業現場が抱えている「効率化」と「業務推進」の課題を解決し、営業パフォーマンスの底上げを支援します。
金融機関では、本部と営業店の間で顧客情報が分散しているケースが多いです。「BANK・R 顧客情報管理」では、分散した顧客情報を一元化し、収益拡大につなげるための顧客別営業戦略の立案を支援します。
融資・審査や営業チャネル構築、リスク分析など、高い専門性が求められる領域に業務特化型パッケージを提供します。
BANK・R
決裁者マッチングサービス
金融業界では経営者や財務担当者など、決裁者とのアポ取りが大切です。質のよい決裁者との接点を持つきっかけを作る、おすすめの決裁者マッチングサービスを2つ紹介します。
チラCEO
チラCEOは、決裁者同士をマッチングする経営・営業支援のプラットフォームです。登録している6,000名以上の決裁者は、審査を通過した社員数5名以上の企業に限定しています。そのため、良質な決裁者とのアポ取りに成功する可能性が高まるでしょう。
「業種」「従業員数」「ニーズ」「所在地」「役職」「資本金」などの条件で絞り込み検索ができ、自社に合った決裁者を見つけやすくなります。カスタマーサクセスが企業に合った決裁者を紹介してくれる場合もあり、サポート体制も万全です。
チラCEO
アポレル
アポレルは、オンライン完結で決裁者とアポが取れる、完全審査制の決裁者アポ獲得支援SaaSです。決裁者限定のオンラインイベントでは、自社商品やサービスに興味を持った決裁者のマッチングを行います。
データベース上でアプローチしたい決裁者を絞り込み、ダイレクトメッセージを送ることが可能です。効率的な顧客開拓やパートナー探しができるため、アポ獲得につながりやすいでしょう。
アポレル
CRMツール
CRM(Customer Relationship Management)は、顧客管理に特化したツールのことです。顧客の属性や購買履歴などを分析し、マーケティング活動に役立てられます。ここでは、金融業界の営業におすすめのCRMツールを、以下2つ紹介します。
F3(Fキューブ)
F3(エフキューブ)は、金融機関の営業戦略と業務ノウハウを集約し、きめ細やかな顧客管理・活用を実現する CRMサービスです。金融機関が保有するさまざまな統合データベースを中心に、顧客管理や行動管理、実績管理などの営業活動を支援します。
また、コンサルティングツールやモバイル端末の活用で、対面での提案活動の強化が図れます。コールセンターやATM、インターネットバンキングなどと連携し、顧客との接点を強化できるでしょう。
F3(Fキューブ)
Synergy!
Synergy!は、顧客管理のために必要な機能だけを厳選し、確実に運用成果に結びつく製品を目指して設計されたクラウドベースのCRMです。
顧客情報はデータベースに集約し一元管理されるため、アプローチのためのリスト作りが容易になります。セキュリティも強固なため、金額や規模の大きい金融業界で重宝するでしょう。
利用料金:データベース/フォーム・月15,000円〜+オプション料金あり、要問合せ |
Synergy!
SFAツール
SFA(Sales Force Automation)ツールは、営業支援を行うツールのことです。顧客管理や案件管理、商談管理など営業活動全般を可視化できます。以下、おすすめのSFAツールを2つ紹介します。
Sales Cloud
Sales Cloudは、株式会社セールスフォース・ジャパンが提供するSFAツールです。商談やタスク、取引先など営業活動に必要なデータを集約し、一元管理できます。
リアルタイムでの売上予測に対応し、目標の達成度を意識しながらマーケティング施策を検討できるでしょう。
Sales Cloud
Area Power営業情報可視化サービス
Area Power 営業情報可視化サービスは、株式会社日立ソリューションズ西日本が運営する、地域金融機関向けの営業支援(SFA)サービスです。営業戦略・計画・商談・報告をワンストップで提供し、営業活動の効率化を実現します。
見込み顧客リストを自動作成し、地図上で顧客情報を可視化します。地域の特性や将来予測など、地域市場状況をビジュアル化し、ターゲットとしてアプローチすべきかの判断に役立つでしょう。
Area Power営業情報可視化サービス
MAツール
MA(Marketing Automation)ツールとは、マーケティング活動の自動化や効率化を行うツールです。顧客管理やスコアリング、メールマガジン配信の自動化など、顧客の購買意欲の促進や管理に活用できます。以下、おすすめのMAツールを2つ紹介します。
SATORI
SATORIは、見込み顧客の獲得から管理までを行うMAツールです。Webサイトを訪問したユーザーの行動履歴を把握し、見込み顧客の情報を獲得します。興味関心に合わせたアプローチで見込み顧客を育成し、最適なタイミングでアプローチすることが可能です。
実施したマーケティング施策の分析まで行うため、営業活動の効率化に役立つでしょう。
利用料金:初期費用300,000円(税別)月額費用148,000円/月(年間契約) |
SATORI
Marketing Hub
Marketing Hubは、収益拡大・時間と労力の節約・投資効果の測定や最適化に役立つ機能を搭載したマーケティングプラットフォームです。メール、LP、問合せフォームなどを通じ、適切なタイミングで見込み顧客との関係を構築できます。
顧客情報の一元管理や、キャンペーンの効果測定に役立つレポート作成ツール搭載など、営業活動の効率化にもつながるでしょう。
利用料金:無料・5,400円・96,000円・432,000円の4種類あり |
Marketing Huβ
金融業界のアポ取りにはツール・サービスを活用しよう
金融業界の営業では、商品やサービスに関連する幅広い知識や、顧客に合わせて分かりやすく提案するコミュニケーション能力が必要です。扱う商品やサービスによっては、アプローチのタイミングを見極める能力も求められます。
金融業界へのアポ取りを効率的に行うためには、営業代行や決裁者マッチングサービスなどツールやサービスの活用も有効です。金融業界のアポ取りを成功させ、業績向上につなげたい方は、ぜひ今回紹介したツールやサービスを参考にしてください。
金融業界にアプローチを考えている方は、本記事の観点を参考に、セールス計画を立てるのもよいでしょう。
(本文執筆・編集:オンリーストーリー編集部)
弊社の直近3年で約10億円、btobの投資をしてきました。また、弊社自体が営業代行会社として、多くの会社様の案件を受けてきました。その中で、再現性のある営業手法がないという話や、1社だけで満足できる営業支援の会社はなかなか見つからないという声を多く聞いています。本記事や、10億円のまとめを記載したホワイトペーパーを用意していますので、少しでも皆様の営業の一助になりましたら幸いです。
(コメント:代表平野)