IT業界でアポ取りが難しい理由
IT業界においてアポ取りが難しい理由として、以下の2つが挙げられます。
- 扱う商材が無形であり、魅力を伝えるのが難しい
- 営業のために膨大な知識が必要である
IT業界では、アポ取りに苦労している営業担当者が少なくありません。IT業界の営業は「きつい」「難しい」と言われ、業界独自ならではの難しさがあります。
アポ取りを成功させるためには、まずはIT業界のアポ取りが難しい理由を理解し、それを克服できるような施策を考えることが大切です。以下では、先に紹介した2つの理由について説明します。
扱う商材が無形であり、魅力を伝えるのが難しい
IT業界は、無形の商材を扱うため、顧客に価値や魅力を理解してもらいにくいという特徴があります。
無形商材は、口頭で価値を説明しようとしても、魅力が伝わりにくいです。具体的な導入イメージや成果を想像してもらうのも難しいため、興味を持ってもらいにくいのが難点です。
魅力が伝わっていない状態では、費用の妥当性も理解してもらえないでしょう。ITサービスの中には利用料が高額な商材がも多く、価格を伝えた途端にアポイントを断られてしまうケースも少なくありません。
営業のために膨大な知識が必要である
ITサービスの営業活動を行う際は、自社のサービスだけではなく、競合他社のサービスのほかITに関する専門用語や最新のトレンドなど、さまざまな知識が必要です。特に、IT業界における技術の進歩はめざましく、営業担当者が覚えることは多岐に渡ります。自社サービスについても、新機能や仕様の変更などが頻繁に生じるため、その都度知識を入れ直さなければなりません。
とはいえ、最新情報だけを把握すればよいというわけでもありません。顧客のニーズや動作環境などによっては、最新ではないサービスを提案する可能性もあります。そのため、自社サービスについては、網羅的に理解することが欠かせません。
また、顧客に興味を持ってもらってアポ獲得につなげるためには、他社のサービスと比較し、た自社サービスならではの魅力をアピールすることも必要です。
このように、IT業界の営業担当者は、膨大な知識を身につける必要があるため、難易度が高いと言われています。
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【商材別】IT業界の新規開拓でアポ取りに成功する方法
ここでは、IT業界の営業担当者が、新規開拓営業のアポ取りを成功させるための方法を、扱う商材別に解説します。
- ITシステム保守・管理サポートの場合
- コンサルティング型サービスの場合
- 特定の業種や業務に特化した専門サービスの場合
ITシステム保守・管理サポートの場合
企業のITサービスの保守や管理をサポートするサービスを扱っており、新規顧客開拓に従事している場合、アポ取りを成功させるためには以下の2点が重要です
- システムの保守・管理を外注する必要がある顧客を見極めてアプローチする
- 外注により顧客にとってどのようなメリットがあるかを理解してもらう
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
システムの保守・管理を外注する必要がある顧客を見極めてアプローチする
営業の効率化のためには、顧客の見極めが欠かせません。
システムの保守・管理は、自社で行うケースと、外部の企業に委託するケースがあります。システム保守担当者がいなかったり、そもそも社内にシステムに関する専門知識や技術等が不足していたりする場合は、外部に委託することが必要です。
そのため、人的リソース不足に悩んでいる企業や、社内のDXがあまり進んでいない企業をターゲットに営業をかけることによって、アポ取りが成功する確率が高まります。
外注により顧客にとってどのようなメリットがあるかを理解してもらう
現在システムの保守・管理を自社で内製化している企業に対して営業を行う際は、外注することによる利点をアピールすることが大切です。コア業務に注力できたり、最新のセキュリティ技術に迅速に対応できたりといったメリットを、相手が持つ知識や技術レベルに合わせてわかりやすく説明しましょう。
コンサルティング型サービスの場合
顧客の経営戦略に連動したIT戦略を策定し、経営課題を解決できるようなITサービスやツールの活用方法を提案するのが、コンサルティング型サービスです。
コンサルティング型サービスを扱う新規開拓営業の場合、アポ取りを成功させるためには、顧客の課題やニーズを丁寧にヒアリングし、ITコンサルティングへのニーズを顕在化させることがポイントとなります。
ITコンサルティングの依頼を自ら積極的に希望する経営者は、あまり多くありません。ITを活用する重要性はなんとなく認識しているものの、積極的に外部にコンサルティングを依頼しようとまでは思っていないパターンが多いのが現状です。
そのため、顧客からヒアリングした内容から、ITコンサルティングを利用するニーズを顕在化する必要があります。手紙やメールでアポを取る際は、テンプレの文面を利用するのではなく、顧客が抱える現状や課題などをリサーチし、それぞれに刺さる提案を記載すると効果的です。
特定の業種や業務に特化した専門サービスの場合
人材管理や会計業務など、特定の業種や業務に特化した専門のサービスを扱っている場合、アポ取りでは他社と差別化した自社サービスならではの魅力をアピールする必要があります。
例えば、人材管理クラウドシステムを1つとっても、世の中にはさまざまなサービスが存在します。日々多くの企業から電話やメールでアプローチされている担当者にとっては、他サービスとの違いがわからなければ、わざわざ時間を割いて話を聞いてみようという気にはならないでしょう。
他社のサービスとの明確な差別化ポイントを簡潔に説明できるよう、準備しておきましょう。具体的には、サービスが与える価値と金額の妥当性を整理し、顧客に納得してもらうことが必要です。そのためには、自社サービスや競合他社が提供するサービス、市場のトレンドなど、幅広い知識を身につけることが求められます。最新の情報にキャッチアップすることも大切です。
IT業界のルート営業でアポ取りに成功する方法
既存顧客にアプローチし、アップセルやクロスセルを狙うルート営業について、アポ取りを成功させるポイントは以下の通りです。
- 同じ営業担当者が定期的にアプローチする
- 顧客が気づいていない課題を指摘し、適切な解決策を提示する
ここでは、それぞれのポイントについて解説します。
同じ営業担当者が定期的にアプローチする
ルート営業では、顧客との信頼関係の構築が重要であるため、固定の営業担当者をつけて、定期的にアプローチすることが大切です。
「自社について深く理解してくれている相手」であれば、顧客も進んで面談に応じてくれるでしょう。営業担当者を変更すると、信頼関係が一度リセットされてしまい、関係性を構築するために、労力やコストがかかってしまうのです。
顧客が気づいていない課題を指摘し、適切な解決策を提示する
商談を打診しているがなかなか対応してもらえないという場合は、顧客の状況を分析し、相手の課題をこちらが新たに発見して、解決策を提示することもポイントです。顧客からの信頼を獲得し、今後も気軽に相談をしたいと思われるような関係性をできることが、営業担当者としての技量となります。
特に、コンサルティング型サービスのルート営業の場合は、新規開拓営業と同様に「上位プランを契約したい」という顧客のニーズが顕在化しているケースは少ないでしょう。こちらが課題を発見し、ニーズを理解してもらう必要があります。
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IT業界のアポ取りにおいて重要なセキュリティアクション
IT営業のアポ取りにおいて重要なのが、セキュリティアクションです。セキュリティアクションとは、情報セキュリティ対策に取り組むことを自己宣言する制度のことです。2段階の取り組み目標があり、IT導入補助金を申請する際の必須要件にもなっています。
多くの顧客に自社のITサービスを利用してもらうためには、万全なセキュリティ対策で、顧客から信頼してもらうことが必要です。特に、近年では特定の個人や組織を狙った標的型のサイバー攻撃が増加しており、ランサムウェアやアカウントの不正アクセスなど、サイバー攻撃被害は後を絶ちません。
セキュリティアクションを宣言することにより、自社スタッフのセキュリティに対する意識の向上を促すとともに、自社のセキュリティに対する取り組みを社内外にアピールできます。
アポを獲得するうえでは、セキュリティアクションを実施している、という点を強調することで、競合と差別化できるのがメリットです。特にIT業界では、機能の豊富さやプランの充実度、価格などと同様に、セキュリティレベルが重視されます。「セキュリティアクションに取り組んでおり、安心して仕事を任せられる企業である」というイメージを持ってもらえ、話を聞いてもらいやすくなるでしょう。
セキュリティアクションの宣言方法
セキュリティアクションのロゴマークを使用するためには、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)への申請が必要です。セキュリティアクションの取り組み目標には「一つ星」「二つ星」があり、宣言するとそれぞれのロゴマークを使用できます。ロゴマークは、企業のホームページやパンフレット、営業資料、名刺などさまざまなものに掲載できます。
「一つ星」を得るためには、中小企業の情報セキュリティ対策ガイドラインの付録である「情報セキュリティ5か条」に取り組みましょう。具体的には、以下の5か条への対応が必要です。
OSやソフトウェアは常に最新の状態にしよう! ウイルス対策ソフトを導入しよう! パスワードを強化しよう! 共有設定を見直そう! 脅威や攻撃の手口を知ろう! |
出典:独立行政法人情報処理推進機構「情報セキュリティ 5か条」
「二つ星」を得るためには、中小企業の情報セキュリティ対策ガイドラインの付録である「5分でできる!情報セキュリティ自社診断」で自社の状況を把握し、情報セキュリティポリシーを定めて外部に公開することが必要です。
ただし、あくまでも自己宣言であるため、「認定を受けました」「取得しました」とは表現できません。誤解を招くことがないよう、「一つ星(二つ星)を宣言しました」と表記しましょう。
参考:SECURITY ACTION セキュリティ対策自己宣言「SECURITY ACTIONとは?」
IT業界でアポ取りに活用したいサービス・ツール6選
IT業界でアポ取りに成功するためには、サービスやツールの活用も効果的です。
ここでは、アポ取りに役立つおすすめのサービス・ツールを6つ紹介します。
- IT業界専門営業代行サービス
- 決裁者マッチングサービス
- SNS
- CRMツール
- SFAツール
- MAツール
IT業界専門営業代行サービス
営業代行サービスの中には、IT業界に特化した、あるいはIT業界の営業支援を得意とするサービスが存在します。自社だけで成果を出すのが難しい場合や、アポ取りのプロセスを外注し、サービスの開発やクロージング、アフターフォローといったコア業務に注力したい場合は、IT業界専門の代行サービスを活用するのがおすすめです。
IT業界やサービスについての専門的な知識を持った営業人材を確保したり、育成したりするのは簡単ではありません。また、知識があっても、それを顧客に理解してもらえるよう、わかりやすく説明できるとは限りません。
難易度の高いIT業界のアポ取りこそ、営業代行サービスを積極的に利用するとよいでしょう。
決裁者マッチングサービス
決裁者マッチングサービスとは、登録することによって、社長や役員、部門責任者など、決裁権のある人材とマッチングできるサービスのことです。
IT業界ではアポ取りの難易度が高く、担当者とのアポを取得できたとしても、決裁者からの許可が下りなければ契約には至りません。決裁者と直接面談できれば、スムーズに契約につながるでしょう。しかし、テレアポやメールなどで決裁者とのアポを獲得するのは、困難であるケースがほとんどです。
そこで効果的なのが、決裁者マッチングサービスです。エリアや業種などの条件を選択し、興味のある経営者とのやり取りを申し込めます。マッチングできれば、そこからアポ獲得につながるのです。
決裁者マッチングサービスの中でも、事前に審査が必要なサービスを選ぶことにより、質のよい決裁者とマッチングできます。
SNS
SNSも、営業活動の重要なツールとなります。
多くの顧客と接点を持つには、テレアポやメール営業、問合せフォーム営業などのPush型営業だけでなく、顧客からの問合せを待つPull型営業を取り入れることが有効です。そして、Pull型営業に利用できるのが、TwitterやInstagramなどのSNSです。
SNSで企業公式アカウントを開設し、自社に関する知識や業界動向、ノウハウといったお役立ち情報を発信することによって、ファンの獲得を目指します。運用を続ければ、顧客からの問合せやアポ獲得を期待できるでしょう。
SNSのDMを利用し、自社サービスに興味を持ってくれた相手と直接やりとりできるのもポイントです。
CRMツール
CRM(Customer Relationship Management)ツールとは、顧客情報や商談履歴、購入履歴など、顧客に関するさまざまな情報を一元管理できるツールのことです。
組織全体で顧客情報を共有できるため、CRMツールを活用することで、営業担当者の引き継ぎもスムーズに行えます。顧客との信頼関係の構築が重要なルート営業にも役立つでしょう。
顧客のデータを複数収集できるため、その中から受注確度の高い顧客をリストアップしてアプローチし、効率のよい営業活動につながることも期待されます。
SFAツール
SFA(Sales Force Automation)ツールとは、商談から受注までの履歴を蓄積し、データで管理できるツールのことです。営業支援ツールとも呼ばれます。顧客の情報管理や商談管理、案件管理、スケジュール管理、日報管理など、営業活動全般を効率的に管理できるのが特長です。
これまで時間がかかっていた業務を効率化できれば、浮いた時間を使って、顧客ごとに最適化したトークスクリプトの作成や、クロージング方法の検討、アフターフォローなどに注力できます。
顧客情報を利用して、優先的にアプローチすべき顧客を洗い出せるのもメリットです。さらに、自社サービスの魅力を訴求するための競合他社分析や資料作成業務の効率化などにも役立ちます。
MAツール
MA(Marketing Autmation)ツールとは、見込み客(リード)の獲得や育成、商談という、新規顧客開拓における一連の営業プロセスを効率化できるツールです。受注確度ごとにリードをスコアリングできたり、リードの属性に応じて適切なコンテンツを自動で配信できたりします。
自社サービスにニーズがあるターゲットに優先的にアプローチできるようになり、難易度が高いIT業界のアポ取りでも成功しやすくなるでしょう。
まとめ:IT業界のアポ取りではサービスやツールも活用しよう
IT業界のアポ取りは、扱う商材が無形であることや、幅広い知識が必要であることから、難易度が高いと言えます。IT業界のアポ取りに成功するためには、自社のサービスならではの魅力をわかりやすく説明できるようにしたり、顧客の潜在的な課題やニーズをとらえ、信頼関係を構築したりすることが大切です。アポ取りに役立つサービスやツールも存在するため、積極的に活用してください。
また、IT業界にアプローチしたい営業担当者は、本記事の観点を参考に、営業方針や計画を立てるとよいでしょう。
(本文執筆・編集:オンリーストーリー編集部)
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(コメント:代表平野)