最終更新日: 2025.11.06

営業の現場では、どんなに優れたチームでも必ず「失注」は発生します。

商談を逃すこと自体は避けられませんが、その原因を見つけ、改善につなげられるかどうかで成果は大きく変わります。

この失注を次の成功の糧に変えるのが「失注分析」です。

感覚や経験だけに頼らず、データや事実をもとに失注の理由を把握することで、再現性のある営業活動を構築できます。

本記事では、失注分析の意味や目的、具体的なやり方から活用法までを、わかりやすく解説していきます。

失注分析とは

失注分析とは、商談が成立しなかった理由を明確にし、今後の営業活動に活かすための分析手法です。

単なる反省会ではなく、営業プロセス全体を改善するための重要なステップになります。

失注分析は、営業チームの「次の勝ち筋」を見つけるための仕組みです。

データや顧客の声をもとに失注の要因を整理することで、営業トークや提案内容の改善点を明確にできます。

特にBtoB営業では、案件ごとの失注理由を共有することでチーム全体の成約率を高める効果があります。

失注分析の目的

失注分析の目的は、失敗の追及ではなく「改善の方向性を見つけること」にあります。

失注を分析することで、営業活動のどの部分に課題があるのかを明確にできます。

たとえば次のようなケースです。

  • 見積提示後に失注が多い → 価格面の見直しが必要
  • 初回商談での離脱が多い → 提案の内容やヒアリング力に課題
  • 特定の業種で失注が多い → ターゲット設定がずれている可能性

このように、失注分析は「どこをどう改善すべきか」を見つけるための羅針盤になります。

失注分析の主な方法

失注分析には、大きく分けて「定量分析」と「定性分析」の2つの方法があります。

定量分析のやり方

定量分析とは、営業データをもとに失注傾向を数値で把握する方法です。

CRMやSFAなどの営業管理ツールを使って、どの営業ステージで失注が発生しているかを確認します。

たとえば「提案段階での失注率が40%」と分かれば、そのフェーズでの課題が明確になります。

数字による分析は客観性が高く、改善効果を検証しやすいのが特徴です。

定性分析のやり方

定性分析は、顧客や営業担当者の声をもとに失注理由を深掘りする方法です。

商談後に顧客へアンケートやインタビューを実施し、「なぜ他社を選んだのか」「どんな点に不安を感じたか」をヒアリングします。

この方法は、数値化できない“感情的要因”を把握できるのが強みです。

顧客の生の声を集めることで、提案の質や営業姿勢の改善につなげられます。

失注データの収集と整理方法

失注分析の精度を高めるには、まずデータを正しく整理することが大切です。

データがばらついていると、どれだけ分析しても意味のある結論が出ません。

データ整理の基本項目

失注データを整理する際は、以下のような情報を一元管理することがポイントです。

  • 商談日、提案内容、見積金額
  • 顧客の業種・規模・担当者属性
  • 失注理由(価格・競合・タイミングなど)

チーム全員が同じフォーマットで入力することで、分析の精度が安定します。

CRMやSFAの活用

手作業でデータを集めるのは非効率なので、CRMツールを活用しましょう。

SalesforceやHubSpotなどを使えば、商談履歴を自動で蓄積でき、分析が容易になります。

これにより、属人的な感覚ではなく、チーム全体で共有できる「営業知見」を構築できます。

失注理由の分類と見極め方

失注理由は多岐にわたりますが、大きく分けると次の4つに整理できます。

  • 価格・予算の問題
  • 競合他社の優位性
  • 提案内容・対応品質の問題
  • 顧客の事情(時期・社内承認など)

価格に関する失注

価格を理由に断られるケースは多いですが、実際には「価格以上の価値が伝わっていない」ことが原因の場合があります。

価格交渉で崩れる前に、価値訴求の仕方を見直すことが大切です。

競合優位性による失注

競合他社に負ける場合は、差別化ポイントが明確でないことが多いです。

競合の提案内容や訴求軸を調べ、自社の強みを打ち出す工夫をしましょう。

顧客側の事情による失注

顧客の社内事情やタイミングが理由のケースもあります。

この場合は、フォローリストに残しておき、時期を見て再アプローチを行うことが重要です。

失注分析の進め方

失注分析は、以下の4つのステップで進めると効果的です。

  • ステップ1:失注データを抽出・整理する
  • ステップ2:理由を分類し、傾向を見つける
  • ステップ3:原因の仮説を立てて検証する
  • ステップ4:改善策を立案し、再実行する

仮説検証のポイント

分析の段階で仮説を立てると、改善施策の方向性が明確になります。

たとえば「初回接触時の信頼獲得が不十分だった」と仮定し、次回以降は導入事例や実績を早い段階で提示する、など具体策に落とし込みましょう。


失注分析で活用できるツール

データ管理や共有を効率化するために、分析ツールの導入は欠かせません。

CRM・SFAツールの活用

CRM(顧客管理システム)は、商談履歴や顧客情報を一元管理できるツールです。

SFA(営業支援システム)では、営業活動の進捗や結果を可視化できます。

これらを活用することで、属人的な営業からデータドリブンな営業に変わります。

BIツールによる可視化

TableauやGoogle Data StudioなどのBIツールを使えば、失注率やトレンドをグラフ化できます。

これにより、チーム全体で現状を共有しやすくなります。

失注分析の結果を営業戦略に活かす方法

失注分析の結果は、次の営業戦略に反映してこそ意味があります。

ターゲットと提案の見直し

失注傾向をもとに、ターゲット層や提案内容を再設計します。

業界別・規模別に分析することで、自社が「勝てる市場」を明確にできます。

営業トークと資料の改善

顧客の声を反映したトークスクリプトや提案資料を整えると、成約率が上がります。

営業担当同士で共有し、チーム全体で精度を高めましょう。

失注後のフォローアップ戦略

失注した顧客を「もう終わり」と判断するのは早計です。

むしろ、適切なフォローで再受注につなげることが可能です。

フォローアップの基本

失注顧客に対しては、定期的に情報提供や近況確認を行います。

タイミングを見て再提案することで、「あのときの営業は丁寧だった」と好印象を残せます。

再アプローチのポイント

無理な売り込みではなく、顧客の変化に寄り添う姿勢が大切です。

顧客が抱える新たな課題に応える形で再提案できれば、受注の可能性が高まります。

まとめ

失注分析は、営業組織の改善を支える最も重要なプロセスのひとつです。

失注の原因を数値と声の両面から把握することで、次の商談の成功率を高めることができます。

分析を単発で終わらせず、継続的に取り組むことで、チーム全体の営業力が着実に向上します。

失注は「失敗」ではなく、「次へのヒント」です。

データと行動を結びつけ、学びを重ねることこそが、持続的な営業成長への最短ルートになります。

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