最終更新日: 2026.09.22
失注を招く7つの理由|分析方法と受注率向上のための対策を紹介

失注を招く7つの理由を、ニーズ把握やヒアリング、決裁者へのアプローチなどの観点から整理しました。フェーズ別・担当者別の分析方法やSFA・CRMの活用、受注率を高めるための具体的な対策までまとめています。

監修:平野 哲也(株式会社オンリーストーリー 代表取締役)

失注は理由を特定しないまま繰り返すと、同じ原因で商談を落とし続けます。

失注の主な理由と分析方法、受注率を高める対策を整理しました。

この記事の要約

  • ニーズ把握やヒアリングの不足、決裁者に届いていないことが失注の主な原因になります。
  • フェーズ別・担当者別・競合別に分けて分析すると、改善すべき工程が見えてきます。
  • SFAやCRMで記録を蓄積し、失注後も関係を維持することが次の受注につながります。

失注とは

失注とは、商談を行ったものの、提案した商品やサービスの購入が見送られることを指します

商談に至らなかったケースは失注には含まれません。

失注はリードタイムの期間を基準に判断することが一般的です。

ただし、失注扱いにする期間は、業種や企業によって大きく変わります。

失注が続くと、担当者のモチベーションが下がってしまうだけでなく、組織全体の売上にも影響します。

失注した案件はそのままにせず、必ず失注要因を分析し、今後の提案や営業活動に活かすことが重要です。

失注を招く7つの理由

失注を招く要因として、主に以下7つが挙げられます

  • 顧客のニーズを把握しきれていない
  • ヒアリングが不足している
  • 決裁者にアプローチできていない
  • 競合他社の提案力が強い
  • 顧客の購買時期に合っていない
  • 顧客の予算と合っていない
  • 信頼関係が築けていない

それぞれ解説します。

顧客のニーズを把握しきれていない

顧客のニーズを理解できていないと、適切なアピールができず、失注につながることがあります

顧客が抱える課題やニーズと、自社商品やサービスの提供価値がマッチしなければ、受注には至らないでしょう。

顧客とのコミュニケーションを強化し、ニーズや要求を正確に把握することが大切です。

顧客のニーズを把握するためには、直接ヒアリングする他、インターネット上での情報収集、顧客にアンケートを取る方法が有効です。

潜在ニーズを把握するためには、市場全体を細分化し、顧客をセグメントに分けて分析する方法が効果的だといえます。

ヒアリングが不足している

顧客へのヒアリングが不足している場合、失注の可能性が高くなります。

顧客のニーズや課題を正確に理解できず、要望に沿って商品やサービスを提供できないためです

ヒアリングでは、現状の問題点や課題を引き出し、お互いの認識を擦り合わせましょう。

顧客のニーズを引き出すためには、事前準備が重要です。

例えば、インターネットなどで競合他社や業界について把握すれば、業界における顧客の立場や状況が見えてくるでしょう。

また、商談の際に必要な情報を聞き出せるよう、SPIN話法やBANT情報などのフレームワークを用いるのも有効な手段です。

SPIN話法・BANT情報とは?

SPIN話法とは、ニーズを深く聞くためのトーク方法です。

状況質問(Situation)、問題質問(Problem)、示唆質問(Implication)、解決質問(Need -payoff)の順に質問を展開します。

BANT情報とは、営業における見込み顧客の絞り込みを行うための手法です。

予算(Budget)、決裁権(Authorrity)、必要性(Needs)、導入時期(Timeframe)の4つの頭文字を取った略語です。

BANT情報を用いることで、顧客から必要な情報を聞き出しやすくなり、受注確度を判断する指標にもできます。

決裁者にアプローチできていない

決裁者にアプローチできていないことも、失注理由の1つです。

決裁者は、受注に必要な決裁権を持つ人のことを指します。

商談の際、決裁権を持たない担当者がいくら商品やサービスに興味を持っていても、決裁者の了承が得られなければ失注してしまうでしょう。

営業活動の早い段階から、決裁者は誰なのか見極め、商談時には決裁者に同席してもらいましょう

決裁者と直接やりとりできれば、課題のヒアリングをし、その場で具体的な提案ができます。

担当者を介さないため、社内確認が少なくて済むでしょう。

決裁者にアプローチするための方法には、従来の飛び込み営業やテレアポがあります。

決裁者マッチングサービスを活用しよう

営業リソースの確保が難しい場合、営業代行会社に依頼するのも1つの手です。

中でも、決裁者とマッチングできるサービスの利用がおすすめです。

マッチングサービスを使えば、担当者と商談を重ねる必要がなくなるため、アポ獲得までの労力削減につながるでしょう。

競合他社の提案力が強い

失注に至る理由として、競合他社の提案力が強いケースも考えられます。

他社が自社よりもニーズを深く聞き出し、解決策を提示していれば、他社の商材が導入されるでしょう。

他社がどのような提案を行なっているか聞き出すとともに、営業担当者がニーズを深掘りしてヒアリングし、適切な提案を行えれば、競合他社との差別化につなげられます。

失注したとしても、他社を選択した理由を聞き出し、以降の営業活動に活かすことが大切です

顧客の購買時期に合っていない

顧客の購買時期に合っていない場合、失注につながるケースがあります。

例えば、今年度の予算の使い道が決まったタイミングで提案を行った場合、購入する費用がないと断られることがあります。

可能であれば、顧客が来期の予算を立て始めるタイミングに合わせて提案すると良いでしょう

新たな提案を受け入れられやすく、予算に組み込んでもらえる可能性が高まります。

顧客と定期的にコミュニケーションを取り、タイミングを逃さないようにしましょう。

3月が決算月の企業の場合、11〜12月ごろに予算組みするのが一般的です。

顧客の予算と見合っていない

顧客の予算と見合わなければ、失注となるケースが見られます。

顧客の予算を大幅に上回る金額を提示した場合「その金額は出せそうにない」と導入を断られてしまうでしょう。

価格設定は、商品・サービスの原価や競合他社の状況などを考慮する必要があります

その上で、顧客の予算をヒアリングし適正価格を設定すれば、失注を回避できる可能性が高くなります。

信頼関係が築けていない

顧客との信頼関係が築けていなければ、失注に繋がるケースがあります。

「質問に対して的確な回答が得られない」「スケジュールを守らない」など、営業担当者の態度や行動は、顧客との信頼関係に影響を及ぼす可能性があります。

また、コミュニケーション不足により、信頼関係の構築に失敗するケースも考えられるでしょう

商談前のアイスブレイクや、立ち居振る舞いといったマナーを見直すことも大切です。

顧客との信頼関係を構築できれば、本音を聞き出しやすくなります。

コミュニケーションが気軽に取れることで詳しく話を聞きだせ、顧客自身が気付いていない潜在ニーズを引き出しやすくなります。

また、関係性が深まることで、お互いより親身になって会話ができ、優良顧客やリピーターとなる可能性が高まるでしょう。

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失注の分析方法

失注の分析方法として、以下3つ解説します

  • フェーズ分析
  • 営業担当者ごとの分析
  • 競合他社や業界分析

それぞれ見ていきましょう。

フェーズ分析

まずは、どのフェーズで失注に繋がっているか、営業プロセスを「見える化」しましょう

各フェーズの数値データを収集します。

各営業プロセスと指標は、以下の通りです。

営業プロセス指標
アプローチターゲット数・アプローチ数・コール数
アポイント獲得ターゲット数・アプローチ数・コール数
ヒアリング案件数・商談数
提案・見積もり案件数・商談数
クロージング受注数・受注率・失注数・失注率
受注・契約受注数・受注率・失注数・失注率

上記のデータを収集し見える化することで、ボトルネックになっているフェーズが特定しやすくなります。

例えば、見積もり提出後に失注した場合、顧客の予算に合わなかったことが原因の1つだと考えられます。

営業担当者ごとの分析

営業担当者ごと、各フェーズを見える化して分析するのも有効な手段です。

担当者ごとに失注パターンを洗い出せば、対策を見出しやすくなるだけでなく、担当者へのフィードバックも可能となるでしょう。

例えば、商談数は多いものの失注率が高い場合、商談内容に問題がある可能性が考えられます

チームで営業活動を行っている場合、交渉力に長けた営業パーソンに任せれば、受注率向上に繋げられる可能性が高まるでしょう。

競合他社や業界分析

競合他社を分析する方法も、失注要因の特定に有効です。

競合他社の強みや自社より優れている点を把握することで、自社の戦略を見直すことが可能となります。

また、業界分析によって、市場のトレンドや動向を把握でき、自社商品やサービスと相性の良いターゲットを絞りやすくなるでしょう

今後、どういった業界で売上を伸ばしていきたいかの判断材料にもなるため、競合他社と業界分析は行う必要があります。

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失注分析に活用できるおすすめツール

失注の要因を具体的に分析するためには、SFAやCRMといった営業支援ツールを活用するのがおすすめです

GoogleスプレッドシートやExcelなどの表計算ソフトでも、グラフを作成したり、データを整理したりすれば行えます。

しかし、大量のデータ入力や表作成に手間と時間がかかったり、高度な分析が困難だったり、といったデメリットがあります。

ここでは、SFAとCRMについて詳しく解説します。

SFA

SFA(Sales Force Automation)は営業支援システムの一種で、営業活動の効率化や情報管理を行います。

SFAを活用することで、営業活動に関するデータを蓄積しやすくなるでしょう。

例えば、顧客管理、社内の案件管理、受注分析など、カテゴリ別に見える化できます。

失注した案件に関するデータを分析することで、今後の営業アプローチ方法や戦略を改善し、売上向上に繋げやすくなるでしょう。

CRM

CRM(Customer Relationship Management)は、顧客管理システムのことで、顧客情報や営業活動の管理、予測、分析をサポートします。

メールのやり取りや商談をはじめ、営業プロセスに関する情報を一元化できます。

顧客情報を一元管理できるため、失注要因が分析しやすく、効果的な改善策を立てられるでしょう

失注を回避し受注率を向上させるための対策

失注分析を行うだけでは受注率の向上には繋がりません

効果を高める、以下2つの対策を解説します。

  • PDCAサイクルを回す
  • 失注後も顧客との関係を維持する

代表・平野のnote▼

オンリーストーリー代表の平野は、12年間BtoB営業を見てきたなかで、失注の多くは商品力や営業力ではなく「接点を維持できなかったこと」にあると考えています。

高単価で検討期間の長い商材ほど、予算や時期が合わずにタイミングで失注するケースが多いと指摘しています。

そのうえで、決裁者に「顔が浮かぶ会社」として覚えてもらう関係性資産を貯め続ける会社が長期で勝つと述べています。

今すぐ客だけを追うのではなく、半年後・1年後に思い出してもらえる接点づくりが、受注の取りこぼしを減らします。

代表・平野のnote▶ 「今すぐ客」ではない決裁者を半年後の受注に変える方法を代表が語ったnoteはこちら

PDCAサイクルを回す

失注分析によって導き出された理由から、今後の営業活動を改善することはPDCAの一環だと捉えましょう

  • Plan:計画
  • Do:実行
  • Check:評価
  • Action:改善

上記のうち、Check(評価)にあたる失注分析を行い、施策の改善、計画の見直し、実行を繰り返すことで、受注率向上につながる可能性が高まるでしょう。

失注後も顧客との関係を維持する

失注に至ったとしても、今後新たな案件で顧客となる可能性はゼロではありません

そのため、失注後も顧客との関係を維持しておくことが大切です。

失注したからといって、全く関係性を断つ必要はありません。

これまで築いてきた信用をキープするためにも、定期的なフォローを続けましょう。

失注に関するよくあるQ&A

失注に関するよくあるQ&Aを解説します

失注理由をヒアリングしても良い?

A.失注理由はヒアリングし、今後の営業活動の改善に役立てましょう。

失注につながる理由は、予算不足や購買時期のズレなどによる顧客都合と、提案力不足などによる自社都合の、大きく2つに分けられます。

いずれの場合も失注理由を聞き出せたら、社内に共有し、今後の対策に反映することが重要です。

ただし、顧客と十分に信頼関係が構築できていなければ、本音を聞き出しづらいことが考えられます

何度もしつこく聞き出したりせず、「失注した理由を社内で共有し、今後のサービス改善に役立てたい」など、素直に伝えるのも有効な手段です。

オンリーストーリーの事例▼

SaaSの比較サイトを運営するある企業では、ホットリードの減少とCPAの高騰が課題でした。

自社のターゲットリストを照合したところ、決裁者マッチングの登録企業には新規の候補だけでなく、過去に失注した企業も含まれていました。

メールやテレアポでは数字に結びつかなかった失注企業とも、決裁者同士として再び接点を持てました。

その結果、決裁者との接点づくりでROI3倍の受注を生み出しています。

導入事例▶ 失注企業との再接点で受注を生み出した事例はこちら

失注分析で注意するポイントは?

A.失注分析では、仮説の検証を繰り返すことが重要です。

例えば、見積書作成後の失注率が高い場合、他社に比べて自社の商材が高い可能性があります

この場合、実際に商品価格を下げるなどして、失注が減るか確認します。

もし失注が減らなければ、顧客対応や提案力に問題があることが考えられるでしょう。

複数の仮説を検証し、改善点を見つけることで失注数を減らせるはずです。

失注の分析はどのタイミングで行いますか?

記憶が新しい商談直後に行い、フェーズごとの記録として蓄積するのが効果的です。

決裁者に会えないまま失注するのを防ぐには?

初期段階で意思決定の体制を確認し、決裁者と直接接点を持つ機会を作ることです。

失注分析にはどんなツールが使えますか?

商談の進捗を記録するSFAや、顧客情報を蓄積するCRMが活用できます。

失注理由を分析・改善して受注率を高めよう

本記事では、失注を招く7つの理由と分析方法、失注分析におすすめのツールを解説しました。

  • 失注を招く理由は、ヒアリング不足や提案のタイミング・予算が合っていないことなどがあげられる
  • 失注分析には、各フェーズ、営業担当者ごと、競合他社や業界の分析が必要である
  • 失注分析は表計算ツールでもできるが、SFAやCRMツールを活用すると効率的である

分析して導き出された失注理由はそのままにせず、PDCAを回し、今後の営業活動の施策改善に役立てることが重要です。

弊社オンリーストーリーは、決裁者同士をマッチングする経営・営業支援のプラットフォーム「チラCEO」を提供しています。

登録している7,000人以上の決裁者は、審査を通過した社員数5名以上の企業に限定しています

自社とマッチした決裁者に出会い、失注を回避し、売上向上につなげたい方は、ぜひ気軽に問合せてください。

(本文執筆・編集:オンリーストーリー編集部)

弊社の直近3年で約10億円、btobの投資をしてきました。

また、弊社自体が営業代行会社として、多くの会社様の案件を受けてきました。

その中で、再現性のある営業手法がないという話や、1社だけで満足できる営業支援の会社はなかなか見つからないという声を多く聞いています。

本記事や、10億円のまとめを記載したホワイトペーパーを用意していますので、少しでも皆様の営業の一助になりましたら幸いです。

コメント:代表平野

この記事の監修者

平野哲也

平野 哲也(ひらの てつや)

株式会社オンリーストーリー 代表取締役

BtoB営業と決裁者マッチングの領域に12年間携わり、決裁者同士をつなぐマッチングサービスを運営。

累計26億円の資金調達を実施し、「ベストベンチャー100」にも選出されている。

「つよいい会社をつくる」を掲げ、経営の中でのしくじりや営業の現場で得た知見を発信中。

ENICXO
メッセージアイコン オンリーストーリー代表 平野からのメッセージ
オンリーストーリーでは、これまで10年以上にわたり、
BtoB営業における「集客の課題」と真剣に向き合ってきました。

経営者同士が信頼でつながるマッチングプラットフォームや、
想いを届ける手書きの手紙など、独自の形で支援を続けています。

そして最近では、経営者同士を直接つなぐ「顧問&コミュニティサービス」も新たにスタートしました。

私たちが大切にしているのは、単なるマッチングツールの提供ではなく、
一社一社の課題に寄り添い、"本当に意味のある出会い"をつくることです。

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