最終更新日: 2026.11.02
1on1ミーティングの進め方|30分の流れと営業チームで使える質問例

1on1ミーティングの進め方を、初回の伝え方から30分の台本、1on1シートの書き方まで5つの手順で解説します。失注が続くときや決裁者に会えないときなど、営業チームの場面ごとに使える質問例と、頻度と時間の決め方も紹介します。

監修:平野 哲也(株式会社オンリーストーリー 代表取締役)

営業チームの1on1が案件の進み具合の確認で終わると、部下が抱えている悩みや、伸ばしたい力の話ができないまま時間が過ぎていきます。

1on1ミーティングとは、上司と部下が1対1で定期的に話す場で、部下が決めたテーマを部下が中心に話し、最後に次回までの行動を1つ決める流れで進めます。

30分の流れと、営業チームの場面ごとに使える質問例を確認しましょう。

この記事の要約

  • 1on1は、部下の成長のために上司と部下が定期的に1対1で話し、次の行動まで決める場。
  • 場の目的を伝え、頻度と時間を決め、30分を振り返り・テーマ・次の行動に分けて進める。
  • 部下の成長度が最も高いのは、月2〜3回以上・1回30分以上1時間未満の1on1という調査がある。

1on1ミーティングの進め方

丸いテーブルをはさんで向かい合い、手ぶりを交えて話す女性と、うなずいて聞く紺のスーツの男性。テーブルの上にノートとペン、2つのマグカップ

1on1ミーティングは、話すことを分けて伝える、頻度と時間を決める、テーマを部下に決めてもらう、30分を3つに分けて話す、決めた行動を次回に確かめる、の5つの手順で進めます。

1on1は、部下の成長を支えるために、上司と部下が1対1で行う面談です。

手順1 初回に、1on1で話すことと営業会議で話すことを分けて伝える

最初の1on1で、この時間は部下のための時間で、案件の数字の確認や評価はほかの場で行うと伝えます。

場を分けておかないと、1on1が営業会議の続きになり、部下が自分の悩みを話す時間がなくなるためです。

3つの場で話すことと、上司の役割は次のとおりです。

場話すこと上司の役割
1on1部下が決めたテーマ(仕事の進め方の悩み、身につけたい力、これから任されたい仕事など)聞いて問いかけ、次の行動を部下と一緒に決める
営業会議(案件の確認)案件ごとの進み具合、受注の見込み、次の打ち手数字をそろえ、打ち手を決める
評価面談目標に対する結果と、次の期の目標評価を伝え、目標を決める

初回は、次のように伝えます。

「この30分は、〇〇さんのための時間です。」

「仕事の進め方で困っていることや、これから身につけたいことを、〇〇さんが選んで話してください。」

「案件の数字は月曜の営業会議で一緒に見るので、ここでは聞きません。評価にも使いません。」

「私も、聞かれたことには正直に答えます。」

手順2 頻度と時間を決めて、予定を固定する

頻度と時間は、部下の人数と状況から決め、毎回同じ曜日と時刻に入れておきます。

パーソル総合研究所が2025年に公表した調査(2024年6月に実施)では、1on1が月2〜3回以上で、1回の時間が30分以上1時間未満のときに、部下の成長度が最も高くなりました。

同じ月2〜3回以上でも、1回が1時間以上の1on1は、成長度が最も低くなっています。

部下が答えた1on1の回数は、平均で月0.8回でした。

出典:パーソル総合研究所「部下の成長支援を目的とした1on1ミーティングに関する定量調査」

まずは隔週で1回30分と決め、1回が1時間を超えないようにします。

頻度と時間の組み合わせごとに、向いている場面と気をつけることは次のとおりです。

頻度と時間向いている場面気をつけること
隔週・1回30分部下の成長を支えることを中心にしたいとき予定が動きやすいので、曜日と時刻を固定する
週1回・1回30分配属されたばかりの部下と話すときや、状況が毎週変わる時期上司の時間を多く使うので、期間を決めて隔週に戻す
月1回・1回30〜45分部下が多く、隔週では回らないとき間が空くので、前回決めた行動をシートで確かめてから始める

手順3 テーマは部下に決めてもらい、前日までにシートに書いてもらう

話すテーマは部下に決めてもらい、前日までに1on1シートに1つ書いてもらいます。

パーソル総合研究所の同じ調査では、その日に話すテーマを部下が決めている1on1のほうが、上司が決めている1on1より、部下の成長度が高くなりました(10点満点で6.9点と6.4点)。

一方で、部下が挙げた1on1の困りごとには、「面談前に何を準備すればよいかわからない」(24.2%)も入っています。

出典:パーソル総合研究所「部下の成長支援を目的とした1on1ミーティングに関する定量調査」

テーマの候補を添えた案内を前日に送ると、部下が準備しやすくなります。

「明日15時からの1on1で話したいことを、シートに1つ書いておいてください。」

「仕事の進め方で困っていること、チームのこと、これから身につけたいこと、のどれでもかまいません。」

「思いつかなければ、最近うまくいった商談か、うまくいかなかった商談を1つ選んでおいてください。」

手順4 30分を「前回の振り返り・部下のテーマ・次の行動」に分けて話す

30分は、最初の5分で前回決めた行動を振り返り、次の20分で部下のテーマを話し、最後の5分で次回までの行動を1つ決めます。

パーソル総合研究所の調査では、部下の話す割合が上司より高い1on1で、部下の成長度が高くなりました(6.8点と6.3点)。

ただし、上司の42.5%は「部下の話す割合が高い」と答えた一方で、部下の36.6%は「上司の話す割合が高い」と答えていて、受け止め方がずれています。

同じ調査では、部下が「1on1のときに上司が本音を話してくれている」と感じることが、部下の成長に最もプラスの影響を与えていました。

出典:パーソル総合研究所「部下の成長支援を目的とした1on1ミーティングに関する定量調査」

上司は聞く側に回りつつ、聞かれたことには、自分の考えや経験を正直に話します。

30分の進め方と、それぞれの時間に使う言い方は次のとおりです。

最初の5分:「先週決めた『〇〇』は、やってみてどうでしたか。」

次の20分:「今日のテーマは『〇〇』ですね。どんなことが起きているか、詳しく教えてください。」「〇〇さんは、どうしたいと考えていますか。」

最後の5分:「次の1on1までに、何を1つやってみますか。私が手伝えることはありますか。」

話が案件の報告になったら、数字は営業会議で見ると伝えて、部下のテーマに戻します。

「その案件の数字は、月曜の営業会議で一緒に見ましょう。今日は、その案件で〇〇さんが一番困っていることを聞かせてください。」

手順5 決めた行動を1つだけシートに残し、次回の最初に確かめる

1on1の終わりに決めた行動は、1つだけ1on1シートに書き、次の1on1の最初の5分で、どうなったかを確かめます。

パーソル総合研究所の調査では、上司の困りごとに「部下への以前の助言が部下の行動に反映されていない」(25.7%)、部下の困りごとに「上司からの助言を、どう行動に移せばよいかわからない」(20.8%)が入っています。

出典:パーソル総合研究所「部下の成長支援を目的とした1on1ミーティングに関する定量調査」

行動は、誰が、いつまでに、何をするかが分かる形で書きます。

1on1シートは、次の項目で書きます(書き方の例)。

日付:10月26日(月)15:00〜15:30

部下のテーマ:失注が続いている。提案のあとの進め方

話したこと:直近の失注3件は、どれも決裁者に会えないまま、価格の話で止まっていた

次回までの行動(部下):来週の提案2件で、決裁者が同席できるかを先に聞く

上司がすること:〇〇社の部長に会うときは同行する

前回の行動の結果:前回決めた「提案書を1枚にまとめる」は、2件で試した

営業チームの1on1で使える質問例

テーブルの向かいの相手に、両手を軽く広げて話す紺のジャケットの男性。手前に聞き手の肩と後頭部、テーブルの上に閉じた手帳とペン

営業チームの1on1では、失注が続く、目標に届かない、成果が出ている、決裁者に会えない商談が続く、顧客とのやり取りで疲れている、上司への要望を聞く、の6つの場面ごとに質問を用意しておきます。

どの質問も、部下が自分で考えて答えられるよう、「はい」「いいえ」で終わらない形にしています。

失注が続いているとき

失注が続いているときは、失注の理由を問い詰めず、うまくいった商談との違いを部下に見つけてもらいます。

違いを自分の言葉にできると、次の商談で同じやり方を試せるためです。

「最近の商談で、手応えがあったものと、なかったものは、どこが違いましたか。」

「失注した商談を最初からやり直せるとしたら、どこを変えますか。」

「次の商談で1つだけ試すとしたら、何にしますか。」

目標に届かない月が続いているとき

目標に届かない月が続いているときは、数字の責任を問う前に、時間の使い方と、手が回っていない仕事を聞きます。

「今の仕事で、一番時間を取られているのは何ですか。」

「目標に届かない理由を、〇〇さん自身はどう見ていますか。」

「私が引き取れる仕事や、ほかの人に頼める仕事はありますか。」

成果が出ている部下と話すとき

成果が出ている部下とは、うまくいっている理由と、次に挑戦したい仕事を話します。

うまくいっている理由を言葉にしてもらうと、チームのほかのメンバーにも伝えられるためです。

「今のやり方で、うまくいっている理由は何だと思いますか。」

「そのやり方で、チームのメンバーに教えられそうなことはありますか。」

「1年後に、どんな仕事を任されていたいですか。」

決裁者に会えない商談が続いているとき

決裁者に会えない商談が続いているときは、どこで止まっているかを部下と一緒に切り分け、上司の同行や紹介のように、部下1人では選べない手段も一緒に考えます。

「その商談で、最後に決めるのは誰だと考えていますか。」

「担当者の方は、決裁者に話を上げてくれていますか。上げにくそうな理由はありそうですか。」

「決裁者に会うために、私が同行したり、誰かを紹介したりできそうな先はありますか。」

部下が電話で決裁者とのアポを取ろうとしているときは、次の目安と比べると、どこを直すかを話し合いやすくなります。

オンリーストーリーは、手紙と電話の施策で延べ400社以上を支援してきました。

その架電支援では、電話をかけたうち決裁者につながった割合の目安を10%に置いています。

手紙と電話を組み合わせたときのアポ率(連絡した相手のうち、アポが取れた割合)の目安は、1〜2%です。

決裁者につながる割合が10%を下回るときは、話し方を練習する前に、連絡先の一覧・つなぐ部署・伝える内容を1つずつ見直します。

オンリーストーリーが運営する決裁者マッチングは、審査を通過した企業の決裁者同士が直接つながれる仕組みです。

12年で築いた8,000名以上の決裁者ネットワークから、受付を通さずに決裁者と面談できます。

一方で、商材の単価が低い場合や、担当者の段階で決裁が終わる商材では、効果が出にくい傾向があります。

顧客とのやり取りで疲れているとき

顧客とのやり取りで疲れている様子があるときは、どんな場面で負担を感じたかを具体的に聞き、上司だけで抱えずに会社の相談窓口につなぎます。

2026年10月1日から、改正労働施策総合推進法により、カスタマーハラスメントへの対策が事業主の義務になりました。

カスタマーハラスメントは、顧客や取引の相手方などの言動のうち、社会通念上許容される範囲を超え、働く人の就業環境を害するものを指します。

事業主は、相談窓口をあらかじめ定めて働く人に知らせることや、起きたあとに事実関係を迅速かつ正確に確かめることなどを、必ず講じなければなりません。

あらかじめ定める対処の例には、できるだけ働く人を一人で対応させないことも挙げられています。

出典:厚生労働省「2026年(令和8年)10月1日から、カスタマーハラスメント対策、求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策が義務化されます!(リーフレット簡易版)」

「最近のお客様とのやり取りで、しんどかった場面はありましたか。」

「そのとき、相手からどんなことを言われましたか。」

「次にそのお客様と会うときは、私も一緒に行きましょうか。」

上司への要望を聞くとき

上司への要望は、上司から切り出して聞きます。

面と向かって言いにくいことは、前日までにシートに書いてもらってもかまいません。

「私の進め方で、やりにくいと感じていることはありますか。」

「チームの会議や報告の仕方で、変えたほうがいいと思うことはありますか。」

「私に、もっと任せてほしい仕事はありますか。」

代表・平野のnote▼

オンリーストーリー代表の平野は、社員から社長へのフィードバックを、フォームで集めたことがあると書いています。

面と向かっては言いにくいと考えて記入するフォームにし、匿名での記入も認めたと紹介しています。

平野は、フィードバックは、もらうものでなく、受け取りに行くものだと述べ、自分が受け止めて改善できるときに頼むようにしているそうです。

回答を読んで、組織の成長を止めていたのは自分自身だったと気づき、その後は新しい施策の意思決定や、自分の発言と行動にも変化が出たと振り返っています。

代表・平野のnote▶ 社長が社員からフィードバックを受け取ったnoteはこちら

オンリーストーリーの事例▼

SaaS・IT企業向けにウェビナーの支援サービスを提供するエキサイト株式会社では、通常のマーケティング施策で現場の担当者には会えても、その先の決裁者に直接アプローチするのが難しい状況でした。

決裁者と直接会える点を決め手に、オンリーストーリーの決裁者マッチング支援サービス「縁CXO」を導入し、再契約後は、オンリーストーリーの役員陣の人脈を通じて、狙っていた相手と接点を作りました。

その結果、再契約から約半年で21件の商談があり、そのうち5件が受注に至っています。

費用対効果(ROAS)は約1200%に達し、1回目の導入で受注した5社とも、今も取引が続いています。

導入事例▶ 担当者の先にいる決裁者との商談を増やしたエキサイト社の事例はこちら

1on1ミーティングでやってはいけないこと

1on1でやってはいけないのは、案件の数字を問い詰めること、評価や叱責をすること、上司が話し続けること、決めた行動を確かめないこと、予定を何度もずらすことの5つです。

  • 案件の数字を問い詰める:1on1が営業会議の続きになり、部下が自分のテーマを話せなくなります
  • 評価や叱責をする:評価に響くと思うと、部下は困りごとを話しにくくなります
  • 上司が話し続ける:部下が自分で考える時間がなくなります
  • 決めた行動を確かめない:話しても何も変わらないと、部下に受け止められます
  • 予定を何度もずらす:部下との時間を後回しにしていると受け取られます

まとめ

1on1ミーティングは、部下が決めたテーマを部下が中心に話し、最後に次回までの行動を1つ決める場です。

初回に、営業会議や評価面談とは話すことが違うと伝え、隔週で1回30分のように頻度と時間を決めて、予定を固定します。

30分は前回の振り返り・部下のテーマ・次の行動に分け、決めた行動はシートに書いて、次回の最初に確かめましょう。

失注や目標に届かない月など、場面ごとの質問を用意しておくと、案件の確認に流れずに部下の話を聞けます。

よくある質問

Q. 1on1で話すことが尽きたらどうしますか

A. 前回決めた行動の結果から話し始め、最近の商談を1つ選んで振り返ります。

前回シートに残した行動を最初に確かめると、できたか、できなかったならなぜかで話が続きます。

部下がテーマを思いつかないときは、前日までに、最近うまくいった商談か、うまくいかなかった商談を1つ選んでおいてもらいます。それでも話すことが出ないときは、失注が続いている、目標に届かない月が続いているなど、部下の今の場面に合う質問を1つ聞きます。

Q. オンラインで1on1をしてもよいですか

A. かまいませんが、互いの表情が見え、話がほかの人に聞こえない場所で行います。

厚生労働省の助成金の要件でも、Web会議で行う1on1は、互いの表情や声を確かめられ、面談の内容がほかの人に知られない環境で行うこととされています(2026年10月時点)。

出典:厚生労働省「人材確保等支援助成金のご案内(雇用管理制度・雇用環境整備助成コース)」

Q. 1on1の内容を人事に伝えてよいですか

A. 本人の了解を得て、必要な範囲で人事の担当者に伝えるのは、パワハラに当たらない例とされています。

一方、病歴などの機微な個人情報を、本人の了解なくほかの人に伝えることは、パワハラ(個の侵害)に当たる例です(厚生労働省の指針、2026年10月時点)。

出典:厚生労働省「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和2年厚生労働省告示第5号)」

Q. 部下にも1on1の研修は必要ですか

A. 部下にも1on1について学ぶ機会があるほうが、1on1を通じた成長につながりやすくなります。

パーソル総合研究所の調査では、傾聴の研修を受けた部下の成長度は7.1点で、研修も自己研鑽もしていない部下の6.5点より高くなりました。

出典:パーソル総合研究所「部下の成長支援を目的とした1on1ミーティングに関する定量調査」

この記事の監修者

平野哲也

平野 哲也(ひらの てつや)

株式会社オンリーストーリー 代表取締役

BtoB営業と決裁者マッチングの領域に12年間携わり、決裁者同士をつなぐマッチングサービスを運営。

累計26億円の資金調達を実施し、「ベストベンチャー100」にも選出されている。

「つよいい会社をつくる」を掲げ、経営の中でのしくじりや営業の現場で得た知見を発信中。

ENICXO
メッセージアイコン オンリーストーリー代表 平野からのメッセージ
オンリーストーリーでは、これまで10年以上にわたり、
BtoB営業における「集客の課題」と真剣に向き合ってきました。

経営者同士が信頼でつながるマッチングプラットフォームや、
想いを届ける手書きの手紙など、独自の形で支援を続けています。

そして最近では、経営者同士を直接つなぐ「顧問&コミュニティサービス」も新たにスタートしました。

私たちが大切にしているのは、単なるマッチングツールの提供ではなく、
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