廣田 可菜

私は、外国人留学生をサポートする株式会社ニュースタートジャパンを創業し、経営しています。そんな私が起業に至った原点は、高校生の時に家族で行った中国旅行です。そこで外国に強い魅力を感じました。

初めて見た中国は高層ビルが立ち並び、経済発展も進み、これまで中国に抱いていた印象と360度違うものでした。食事やホテルも不自由なく、当時最速だった新幹線にも乗り、中国の経済発展のすごさを実感し、中国の歴史や文化にも触れ、とても楽しい旅行でした。

しかし高層ビルの街並みを抜けると、裕福とは程遠い生活をしている人がたくさん住んでいました。

この中国の旅行で一番の衝撃でした。

そして、中国に大きな可能性を感じ、中国に魅了されていきました。

そして、大学3年の時に中国へ短期留学しました。

言語を学び、友人たちと充実した毎日を送っていましたが、

留学から5ヶ月を過ぎた頃、情勢が変わり中国国内の反日感情が高まりました。

危険な状況は十分理解した上で、それでもリアルな中国を知りたいと思い立ち、休みの期間を利用し、2ヶ月の間、中国の20以上の地域を１人でバックパックしました。

中国で過ごしている中、日本人差別に何度かあいました。

日本人というだけで罵れられ、その度に身の危険を感じました。

しかし、そういった人達と腰を据えて話をしていくうちに、意外と友好的な反応をしてくれる人が多いことに気が付いたんです。原因を探してみると、日本人と関わったことのない人がほとんどで、彼らの情報源は統制されたメディアからの得ているものでした。操作された情報から、真実は見えるはずがありません。

私はこの旅を通じて、老若男女問わずたくさんの方々と語り、対話していくうちに彼らの態度が変わっていくのを実感し、国同士の大きなつながりではなく、個人レベルでの友好活動がとても大切だと感じました。

もっと日本人のことを知るきっかけがあれば、国際交流も活発になるんじゃないかと考えました。

今まで中国で様々な経験をした私だからこそ”中国と日本の架け橋になりたい”と思い、株式会社ニュースタートジャパンの創業を決意します。

やはり、私たちは日本の良さをどんどん世界に広げていくことが何よりも大切だと思います。

人口が減り、少子高齢化になっている現状で、労働不足を外国人で補おうとするのではなく、優秀な外国人に日本に来てもらって、発信してもらう。これが重要だと思うのです。

例えば、以前過酷な労働環境で働かされた事がある学生さんは、日本への悪い印象を持ってしまっていました。これはすごくもったいないこと。

私たちは多くの中国人留学生と繋がりがあるので、この繋がりを次の繋がりに結びつけたいと思っています。中には優秀な留学生が数多くいるので、自分の強みや技術をより活かせる仕事に就いてもらうために、企業と学生をマッチングする事業を伸ばしていきたいです。

まだまだ留学生や外国人に対する日本の考え方も、優しくないと感じてしまう部分が多くあります。だからこそ、留学生と日本人がもっと手を組んで、世界にどんどん日本をアピールしていってほしいのです。そのためにも、日本のことを嫌いにならないように、嫌な思いをなるべく取り除けるようなサポートを、私たちは続けていきたいと思います。

執筆＝西山