南デザイン株式会社
南島 康
POSTED | 2018.07.27 Fri |
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TAGS | 従業員数:101〜300人 業種:製造業 創立:15年以上 決裁者の年齢:40代 商材:BtoB |
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絆を軸としたチームで新しい製造業の在り方を目指す
顧客のあらゆるニーズに応え、事業の幅をより広くTopics
南デザイン株式会社 社長 南島 康氏のONLY STORY
製造部、営業部、経理部を経て、会社を継承
私が生まれたときには先代はすでに事業を始めていて、ちょうど法人化したころだったと思います。父と母の二人で創業しました。
20歳のときにはバンド活動をしながらバイトで生計を立てるような生活をしていて、実家の事業を引き継ぐ気はまったくなかった。ところが、21歳のときにバンドを辞めて、そのあとギターを作る専門学校に通わせてもらったんです。そのときに父から「お前は昔から手先が器用だから物作りの仕事に就いたほうがいい。うちの会社で働くか」と言ってもらって。それが入社のきっかけになりましたね。
とはいえ、私は次男で、兄も姉の旦那さんも同じ会社で働いていたので自分が会社を継ぐことにはならないだろうと思っていたのですが、入社して8年目、私が製造部にいたときに先代に「いつかは会社全体を知らなければいけない」と言われたんです。私がいたのは製造部だったので、そこにいると顧客が見えない。だから、いつかは営業を経験しなければならないと。
私自身も、30代になってから営業職になって外のことを何も知らないという状況は恥ずかしいという想いもあり、営業部に異動させてもらいましたが、1人のビジネスパーソンとして自分の幅を広げたいという想いが強かったと思います。先代はお客様第一主義で、それは再三聞いていたのですが、製造のみに携わっていると、なかなかその感覚が肌でわからない。それを感じたいという気持ちもありました。
その後、営業を数年経験した後、会社の経理のことも学ばなければならないと思っていた矢先、経理を担当していた姉の出産・育児と、母が引退を考えていたこともあり、とりあえず母から引継ごうと経理部に異動させてもらいました。
その引継ぎの最中、先代が体調を崩し、2016年8月に他界。9月から会社を任されたという流れです。今も含めて勉強を重ねている最中ですね。
先代の「できないと言わない」という口癖から、事業の幅が広がった
もともと南デザイン株式会社はデザインモデル事業からスタートしています。企業などが製品を量産する前にデザインを検証するための試作品です。
わかりやすく言うと、デザインモックアップと呼ばれるものですね。例えば自動車のモーターショーの車などは形だけで実際に運転はできませんが、あのようなものをイメージしてもらえればいいと思います。
それともうひとつ。現在、南デザインが取り組んでいるワーキングモデルはデザインモックアップとは異なり、機能性をテストするモデルになります。見た目ではなく、中身の機能がきちんと作動するか、設計の意図の通りに仕上がっているのか、強度はしっかりしているのかといった検証を行う為のモデルです。
当初のモップアップ事業から、現在のワーキングモデルに拡大するにあたり、南デザインとしても事業の幅を広げ、対応できる範囲を広げてきました。先ほど説明しましたワーキングモデル事業だけ見れば競合も多いのですが、南デザインの強みはものづくりの上流から金型、量産等の下流工程まで幅の広い事業ドメインを有している点です。
先代が口癖のように言っていた「できないと言わない」という言葉の通り、とにかく顧客からの要望を断らずに柔軟に対応してきたことで、これだけのいろいろな事に対応できる会社になりました。
今はさらに対応範囲を広げ、医療機器の筐体設計や機構設計なども着手しており、今後も、南デザインに頼むとなんでもやってくれると言われるよう自分たちの取り組める範囲を広げていこうと思っています。
トップダウンではない製造業の在り方を確立したい
今後の展望としては、まず社内体制をチーム経営へと移行させていきたいと考えています。先代もワンマン経営というわけではなかったのですが、世代交代をきっかけに強いリーダーがいなくても自立自走する組織にしてきたいと考えております。
創業当事と現在では会社の規模も時代背景も取引先や顧客が求めるものも違っています。経営環境も目まぐるしく変化します。それらの変化に柔軟に対応していくには組織全体で知恵を出し合い立ち向かっていく必要があります。
それに加え、営業強化と生産性のアップ、そして絆を強めるという部分ですね。時代の流れもあるのですが、会社愛というものが希薄なりつつある中で、私は自分の会社に愛着を持って働いてほしいという想いがあります。南デザインで働いていることに誇りを持つことが生産性の向上にも繋がると思うし、会社が大きくなればなるほどコミュニケーションをきちんと取ることが求められます。世代を超えてお互いを尊重しつつ良好なコミュニケーションがとれる風通しの良い会社にして行きたいと思っております。
最後に、私たちには仕事をする上で大切にしていることについてもう少しお話しさせてください。
まず、1人で仕事をしてしまっているような感覚に陥らないこと。そして、自分の前にも後ろにも工程があり人がいる。誰かと常に繋がっているということを意識すること。そして先ず相手の立場に立ち、思いやりを持つこと。
これらは非常に大切なこと。だからこそ人の想いに応えて、人に喜んでもらうような仕事ができる。それが実感できたときに、仕事はもっと楽しくなると私は考えています。仕事のやりがいはそこから生まれてくる。仕事へのやりがいを理解する事が出来ればもっと相手に喜んでもらえるような仕事が出来る。この様な好循環にもっていければ人はすごいスピードで成長出来ると信じています。
私はそれをしっかりと発信して、それを理解してもらえる人たちと一緒に働いていきたいと思います。