株式会社Fam-Time 

西村 威彦

料理で「家族」も「会社」も成長させる!

料理を通して働き方や家族のあり方を見直す時代へ
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今回のインタビューは、自宅で家族と一緒に料理を学べるスマホアプリ『FamCook』を展開する株式会社Fam-Timeの西村氏に、お話をお聞きしました。さまざまな料理サービスアプリが配信されている中で開発された、同社ならではの初心者向け機能とは。まずはアプリの詳しい内容について語っていただきます。

株式会社Fam-Time 代表取締役 西村 威彦氏のONLYSTORY

ハンズフリーで料理を学ぶ


–株式会社Fam-Timeの事業内容を教えてください。

西村氏:弊社は自宅で受けられる料理教室アプリ『FamCook』を提供しています。FamCookは、料理初心者でも、料理を楽しく学ぶことができるアプリで、家族みんなで楽しむこともできます。

–いくつもの料理アプリが配信されるようになりましたが、その中で御社のサービスならではの強みは何だと考えていますか。

西村氏:一番の強みは、音声でハンズフリーで操作できる点です。音声認識技術を使い、スマホを触らずに、「次」、「もう一回」、「戻る」といった単純なキーワードで操作が可能です。

とくに初心者にとって、既存の動画サービスやレシピサービスのスピードは早すぎます。初心者にとって慣れない作業が終わらないうちに、どんどん動画は進んでしまう。私たちのサービスであればそういった初心者特有の悩みを防ぐことができます。

その上、FamCookでは分からない項目を詳しくナビゲーションをする「詳細コマンド」機能が搭載されています。例えば初心者が「玉ねぎのみじん切りをしてください」の一言を聞いただけでは、何をどのようにすればいいのか、わからないことがあります。

でもFamCookで「詳しく」と話すと、より詳しくナビしてくれ、自分のスキルに合わせて料理がでます。そこも私たちのサービスの大きな強みだと考えています。

–実際にご利用いただいたお客様からはどのようなお声が寄せられますか。

西村氏:FamCookは音声操作できるので、子供でも簡単に使うことができます。そこで、パパが子供に料理を手伝ってとお願いした時に、「紙のレシピだったら手伝わないけれど、FamCookだったら手伝うよ」と言ってくれたという、嬉しい声をいただいています。

そのほかにも、現在、料理教室でパパがつくる料理を推進しているメンバ―と事業を進めていますので、料理教室の生徒さんにFamCookを使っていただき、フィードバックをもらうことができています。

実は先ほどご紹介した「詳細コマンド」をはじめとする、「調味料コマンド」や「買い物リスト機能」などは実際にユーザーの意見から追加した機能です。

今後も、お客様のお声を機能に反映し、より使いやすいアプリを作っていきたいですね。

生産現場の経験を活かしたサービス


–現在のサービスを作ろうと思ったきっかけについて教えてください。

西村氏:私は前職のITベンダーで、国内大手メーカー工場に、IoTデジタル技術やAIの導入コンサルティングといった新規サービスを提供してきました。その中の2つの経験がこのサービスを作るきっかけになったと思っています。

1つは新規事業を立ち上げた経験です。数年前にお客様の生産現場の実績データを活用して、そのデータを見える化するプロジェクトを推進しました。実際にお客様の工場で生産性を30%以上も向上させることができ、お客様から大きな反響を得ることができました。しかし、こういったB2Bの新規事業は、実際の商品化までに数年の時間がかかってしまいました。もっとスピーディな事業創造をしたい、自らB2C事業を立ち上げたいと思うようになりました。

もう1つは、技術習得の難しさは、特に初心者向けが重要であると気づいた経験です。とある作業指示システムの開発プロジェクトで、たった2枚のマニュアルを初心者向けの作業ナビシステムにしようとした時、そのステップは100以上になりました。

何が言いたいかと言うと、それぐらいマニュアル作業指示書というのは初心者にとって分かりづらく、初めて使う人でも作業が行えるようにするためには、細かい指示が必要だという発見があったのです。


料理のレシピも、実は中級者以上には当たり前の情報が記載されておらず、初心者には全然分からない手順となっていることが多いのです。その技術レベル別にナビゲーションをどう実現するかというところが、このサービスを作るきっかけになりました(音声UIとして特許出願済)。

–どうして料理に関するサービスに着目したのでしょうか。

西村氏:現在の日本は、共働き家庭が増え、女性の社会進出は進んでいるのに、家庭内の家事分担が全くできていない状態です。というのも、日本の男性が家事をする時間は1日25分しかありません。この数字は、海外と比較した際、最低ランクの数字です。

男性の家事に対する意識が変わっていないその理由に、私は男性が家事や料理をこれまで学ぶ機会がなかったという背景がある考えています。とくに40代以上の男性は、中学や高校で家庭科の授業は必修ではありませんでした。

そんな背景もあり、いきなり家事をはじめるのが難しいパパのために、ママや子供と一緒にみんなで楽しみながら料理のスキルを上げることのできるサービスを作りたいと思い、このサービスが誕生しました。

料理にはすばらしい可能性がある


–短期的な目標を教えてください。

西村氏:男性が料理を始めるきっかけとしてFamCookを使っていただく事が第一の目標です。しかし、現実的にはそれだけで男女の家事分担が進むのは難しいでしょう。

まずはFamCookを通して、パパがママや子供達と、料理を楽しめる家庭を出来る限り増やしたいです。一人で行う料理は、家事ですが、家族で行う料理は、キャンプやバーベキューのように楽しいイベントになります。この日常で楽しめる体験を皆さんに実践して頂きたいです。

–長期的な目標を教えてください。

西村氏:私は、料理はとても分野が広く、仕事や学習にも活かすことができるものだと思っており、料理の可能性をより多くの人に知ってもらいたいと考えています。

料理は、買い物をして、冷蔵庫に貯蔵して、食事時間に合わせて調理をして、お皿に盛りつけて、家族に提供して、フィードバックを得て、明日の献立を立案します。

この流れは、原料調達から在庫管理、製造、出荷、計画、改善といった、事業においての重要な一連の流れに言い換えることができます。つまり料理を通して、事業の流れを俯瞰的に見るスキルが身に付きます。更により高度な効率化や分担なども、チームでの料理を通じて身につけられ、ビジネスを俯瞰的に見る力も養うことができるのです。

さらに、子供の教育の観点で言えば、料理の包丁や加熱などのプロセスを科学的にアプローチしたり、人間の味覚について研究したりと、子供の探求心を高めることができる。

このようにすばらしい可能性を秘めている料理を、ママが家族に急かされながらする、負担となる家事ではなく、みんなで楽しみながら学んで、仕事や学習にも活かせるものにしたい。こういったことを実現できたらいいなと思っています。


執筆=山田
校正=笠原

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