株式会社BonZuttner
坂下 裕基
POSTED | 2020.01.21 Tue |
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TAGS | 従業員数:11〜30人 業種:BPO・業務委託 創立:5〜6年 決裁者の年齢:30代 商材:BtoB |
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シリアの優秀なITエンジニア人材を繋ぐサービス
ラボ型オフショア開発で、シリアに雇用を生むTopics
今回のインタビューは、シリア・アラブ共和国でラボ型のオフショア開発を行っている株式会社BonZuttner(ボンズットナー)の坂下氏にお話を伺います。展開する事業内容をはじめ、起業のきっかけや今後のビジョンについても語っていただきました。
株式会社BonZuttner 社長 坂下 裕基氏のONLY STORY
【経歴】
1987年生まれ、東京都品川区出身。神田外語大学卒業。小学生時代に飼っていた亀と夕陽を眺めていたときに天命の啓示のようなメッセージを受け取ったと勘違いし、「社会正義」や「平和」について考えだし、今もその延長線上に存在している。大学卒業後は、ミュージカル団体におけるマネジメントやNGOでのプロジェクトスタッフとして東北震災復興支援などの活動を行う。
2018年より日本に滞在する庇護申請者のエンパワメント活動を行うNPOでの勤務を開始。2019年には㈱BonZuttnerを設立し、世の中に存在するあらゆる事象のバランスを適切にするために事業に没頭中。
シリア人ITエンジニアによるラボ型オフショア開発
–まずは、株式会社BonZuttner(ボンズットナー)の事業内容をお聞かせください。
坂下氏:弊社は、主にシリア人ITエンジニアを対象とした、ラボ型のオフショア開発や通常の開発受託を行っている会社です。
ラボ型の開発事業では、クライアント様の開発チームにシリア人エンジニアがオンラインで参加し、クライアント様の指揮命令のもと、オンライン上でコミュニケーションを図りながらプロジェクトを進めていきます。
–シリアを選ばれた理由はありますか。
坂下氏:とある事業でシリアの人と関わる機会があり、その方から繋がりあるシリア人のエンジニアを紹介してもらったのがきっかけですね。
私がシリアをおすすめする理由は3つあります。
1つ目は価格の差。人材要件によっても変わりますが、日本人の人件費と比べておよそ3分の1程度となり、インドやベトナムなどの他のアジアの国よりも費用を抑えることができます。
次にWebエンジニアのスキル。日本ではあまり知られていませんが、シリア人のWebエンジニアスキルは中東地域ではナンバー1とも言われており、高い技術を誇る人たちが多くいます。欧州などにおける開発の仕事の多くもシリア人ITエンジニアに発注されている実績も多くあります。
そして3つ目は、コミュニケーション能力の高さ。シリアには優秀で道徳的に優れている人たちが多く、コミュニケーションが取りやすい国民性だと感じています。
–シリアで受託開発をされている会社は他にありますか。
坂下氏:今はまだ、シリア国内でオフィスを立ち上げようとしている外国企業は弊社以外に聞いたことがありません。
シリアは参入障壁が高く、リスクもゼロではありませんが、私たちは他国よりも最初にマーケットを取るために、スピード感を持ってやっていきたいと思っています。
–実際に、クライアント企業からはどういった声がありますか。
坂下氏:価格に関しては、日本で開発する3分の1程度で済むため、「安い」「ありがたい」といったお声をいただきます。また、エンジニアの技術力にも「想定よりもはるかに高かった」といったお声やコミュニケーションのスムースさなども評価をいただいております。
しかし、日本とシリアの時差や文化・認識のずれから、期日がちゃんと相手に伝わらず誤解が生じてしまうケースも稀にあり、今は課題解決に向けて取り組んでいる段階です。
–事業を行う上で、楽しさや、やりがいを感じる時はありますか。
坂下氏:多くの日本人が、「現在のシリアやシリア人難民は仕事ができる情勢なのか」と気になっていると思います。私自身、以前まではシリア人と仕事ができるとは思っていませんでした。しかし今のシリアは情勢も落ち着き、普通に仕事ができる環境です。また、シリアの外にいる「難民」と呼ばれる人たちの中には、沢山の優秀なITエンジニアがいます。
現在の喜びは、エンジニアの方が日本の企業の仕事をこなし、収入をしっかりと増やしていけている現状を作ることが出来ていることです。「可哀そう」ではなく、しっかりと1人のプロフェッショナルとしてビジネスマーケットに繋げていけることに大きな喜びがあります。
今後弊社のサービスが大きくなっていった時、戦後の日本と同じように、シリアの人たちが立ち上がるきっかけの1つとして私たちが関わることができたら本当に意義があると信じています。
社会問題を解決するのは、ビジネス×道徳
–事業を立ち上げたきっかけについて教えてください。
坂下氏:もともと小さい頃から人や社会の役に立つことに興味があった私は、まだ事業内容が完全には決まっていなかった2年ほど前から、法人化を考えていました。
その後、シリア人との出会いから現在の事業に繋がったのは先ほど述べたとおりですが、はじめは仕事をマッチングさせるクラウドソーシングのプラットフォームをつくろうと思っていたんです。
しかし、シリア人たちと仕事をするにあたって、言語やリスクの問題を知らないとお客様に発注ができませんし、どういったプロセスや思考回路が必要なのかを知る必要があったので、まずは弊社が間に入る受託開発事業からはじめました。
–坂下様が人や社会の役に立ちたいという意識が芽生えたきっかけは何でしょうか。
坂下氏:小さい頃から「はだしのゲン」を読んだり、2001年に起きたニューヨークのテロを目撃したり、NGOの職員として活動をしてきた積み重ねの中で、自然と社会や平和について考えるようになっていました。
私は、「難民問題」「貧困格差」「情報格差」などの社会問題は善意だけでは変えられず、ビジネスという手段が入らないと大きな変化は望めないと考えています。
格差のあるバランスの崩れた世界を良くしていくためには、非営利組織や行政の施策だけでは限界があると感じ、ビジネスの道を選びました。
世界の富・機会・情報などのバランスを適切な状態にしたい
–今後の目標はありますか。
坂下氏:短期的には、シリア人の雇用をどれだけ生んでいけるのかを目標にしています。KPIとして、契約数や雇用数なども置いています。
なぜなら、現在トルコなどの周辺国に避難しているシリア人たちが自国に帰られない要因の1つが、シリアに仕事がないことだからです。
弊社は、何千・何万人の規模で雇用を生み出し、シリアで生活ができる環境をつくっていくことに少しでも寄与していければと考えています。
–社会に対してどういった影響を与えたいとお考えですか。
坂下氏:世界に存在する様々な格差を適切な状態にしていくことですね。
日本も相対的貧困が増えていると言われていますが、世界にはよりシリアスな状態が溢れています。弊社は、世界で極端にバランスを失っている「富」「機会」「情報」を是正していくところから着手していきたいと考えています。
特にシリアは、強い外部環境によって国民の意思だけでは状況をなかなか変えることができない国です。
弊社は、既存の事業にこだわることなく、いろんな人の力を借りながら、バランスのとれた世界を目指していきたいと思っています。
–ありがとうございます。では最後に、メッセージをお願いします。
坂下氏:開発に関することでお悩みがあれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。その他にもWEBサイトの多言語化などもリーズナブルなお値段で承っています。そして何よりも、チャレンジングな事業に興味がある方とお話ができればと考えております。
執筆=山田
校正=米山
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