株式会社HANABISHI
川村知広
POSTED | 2020.02.04 Tue |
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TAGS | 従業員数:11〜30人 業種:その他 創立:9〜10年 決裁者の年齢:30代 商材:BtoC |
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“最高の仲間”と“最高のプロダクト”をつくる
複数の領域でコミュニティサービスを運営する職人集団Topics
今回のインタビューは、信頼できるランキングのプラットフォームサイトを目指す「みんなのランキング(https://ranking.net/ )」や温泉好きが集まるWEBサービスを目指す「温泉部(https://onsenbu.net/ )」をはじめ、面白い領域のコミュニティサービスを複数手掛ける株式会社HANABISHI代表取締役の川村氏にお話を伺います。
サービスを立ち上げた理由から今後の展望まで、ざっくばらんにお話しいただきます。
株式会社HANABISHI 社長 川村 知広氏のONLY STORY
【経歴】
1986年生まれ、千葉県の一宮町出身。幼少期から“建築家”として生きていくことを目標にしており、東京理科大学で建築学を専攻、卒業後は住宅メーカーに就職、建築士免許を取得する。
「20代から30代はもっと大きく勝負したい」という理由から建築業界を離れ、人材ベンチャーの執行役員、ITベンチャーのCMOを経て2015年、現在の会社(当時の社名はwincar)を創業。
wincarでは自動車領域のWEBメディアを中心に、約10個のサービスを運営、月間のユーザー数は約1,000万人に。しかしながら、自動車領域で自分たちの力でできること・長期的な成長の限界を感じ、メインのサービスは上場企業に事業譲渡、その他のサービスは全て休止・終了を決定。
2018年11月、社名を“HANABISHI”にするとともにすべてを一新。メンバーと会社のミッション・バリューの再設定から、“本当にやりたいサービス”を徹底的に考え、ほぼすべてをゼロから立ち上げる第二創業期となった。
ユーザーが楽しく参加できる“居場所”をつくりたい
–株式会社HANABISHIの事業内容をお伺いします。
川村氏:弊社は、熱量のあるユーザーに愛されるコミュニティ・プラットフォームをつくるために、複数の領域でチャレンジしています。
現在特に注力しているのは、ユーザー参加型のランキングサイト「みんなのランキング」と、生き物を愛する人たちとつくる生物コミュニティ「ZUKAN」(現在開発中)です。
–「みんなのランキング」はどのようなサイトでしょうか。
川村氏:「みんなのランキング」は誰でも参加可能なランキングサイトです。日本にはランキングを好きな人が多く、ランキングサイトも数多く存在します。ただWEBでランキング情報を探すと、顔が見えない個人の主観や、根拠がわからないランキングが多いことに疑問を感じ、またランキング以外でもやらせの口コミやステルスマーケティングが横行している現状は、深刻な社会問題だと思っています。
そこで、「みんなのランキング」では、ユーザーがおもいおもいの自分のランキングを作成し、その集計で真の順位を決めてランキングを発表。たくさんのユーザーや専門家や著名人が参加し、得票の結果も公表することで、透明で信頼できるランキングを作っていきたいと思っています。
一定数のユーザーに、「みんなのランキングは信頼できる」「わからないからみんなのランキングで見てみよう」と思ってもらえることが当面の目標です。まだやりたいことの2割もできていないので、今後の進化に期待いただければと思います。
–ランキングのジャンルにはどういうものがありますか。
川村氏:いずれはランキングの形式で答えられるすべてのことをカバーしたいと考えていますが、今のところ投票がよく集まっているジャンルは、映画やドラマ、芸能人、ゲームなどの「エンタメ」ですね。例えば神アニメランキング(https://ranking.net/rankings/best-kamianimes)や歴代女優人気ランキング(https://ranking.net/rankings/best-female-actors)など。誰でも回答しやすいことが理由ですね。
「家電」や「美容」など、オーガニックユーザーの投票だけで信頼性の高いランキングをつくることが難しいジャンルのものは、それぞれの分野の専門家に協力をお願いすることで信頼性をあげ、ジャンルの幅を広げていきたいと考えています。
–次に「ZUKAN」についてお尋ねします。
川村氏:昆虫や魚について調べたいとき、Googleで検索するとウィキペディアに辿り着くことが多いと思います。ウィキペディアは生き物の図鑑に最適化されたフォーマットではなく、また内容をよくみると誤った情報もあり、生き物好きの需要を満たしているとはいえません。
弊社で現在開発中の生き物コミュニティ「ZUKAN」は、「生き物情報を、より身近に、より正確に、もっと楽しく」をミッションに、世界中の生き物について観察情報を共有したり、解説情報をみんなでつくりあげていく中で、生き物観察がもっと楽しくなる新しいプラットフォームを目指しています。
このサービスが例えば親子の昆虫採集などの場で役に立てば嬉しいですし、その情報収集時に、絶滅に追い込まれている数多くの生き物の現状に目を向けるきっかけになることを目指しています。毎年世界でたくさんの種が絶滅しています。「ZUKAN」のサービスは将来的には研究機関と協力し、種の保全といったような、大きな問題の解決に取り組むことを念頭に置いています。
–事業に対する想いをお聞かせください。
川村氏:今取り組んでいること、特に「みんなのランキング」と「ZUKAN」に関しては、社内メンバーで考えて辿り着いた本当にやりたい事業です。ただ利益をあげるのではなく、事業ごとに、解決したい、社会的にも課題といえるものがあり、その課題解決・ミッション達成のために日々チャレンジできることは幸せなことだと思っています。
弊社は過去に月間1.000万人規模のWEBサービスをつくったことはありますが、さっさとこの規模を超え、ランキングといえば「みんなのランキング」、生き物図鑑といえば「ZUKAN」というサービスにしていきたいです。
創業~小さなベンチャーは特に人が命
–起業後、苦労されたことや、失敗されたことがあれば教えてください。
川村氏:今も失敗ばかりしています。一番は圧倒的に『人の大切さ』を痛感しており、失敗といえば、安易に・簡単に人を信用してしまったことでしょうか。こう言うと非常に闇が深そうですが(笑)、今のメンバーは全員信頼でき、控えめに言って最高です。
–人を信用しての失敗の部分、もう少し具体的に教えてもらえますか。
川村氏:もはやネタレベルの話を二つ。一つ目は、実は創業メンバーは2人で、もう1人役員がいたんですが、お願いできる業務が少なかったので経理だけは完全にまかせていたところ、会社の大切なお金を数百万円横領していたことがありました。
二つ目は、プロデューサーとしてとあるアイドルグループをメジャーデビューまで育てたことがあるという、すごいレアな人材を紹介され、その方に社員になってもらい、新規事業でアイドル事業をまかせたことがあります。
アイドルは毎日夕方からライブがあるため、会社に出勤しなくていいと言っていたので、その方は会社にはほとんど来なかったんですが、メンバーや現場のマネージャーと話している中で、そのプロデューサーは現場にこれまで数えるほどしか来ていないということがわかり、おかしいと思って連絡したところ、無断で海外旅行中だったということもありました(笑)。
あとで別の方に聞いたところ、プロデューサーだったということ自体が嘘ということもわかりました。
–どちらもとても苦いご経験ですね。その失敗から学んだことは何でしたか。
川村氏:失敗として紹介した2名の経験で共通していたことは、知人の紹介だからという理由ではじめから信用してしまったことです。特に元役員の方は、キラキラした経歴と見た目・話し方の賢さに完全に騙され、会社を立ち上げるまでに何度かあった違和感・アラートに気づけたはずなのに、「人には向き不向きが合って、自分ができない仕事はきっちりこなせるはず」と目をつむっていました。今思えばとある有名企業でトップ営業だったという実績含め、ほぼ嘘だったと感じています。
今は採用面接をしていても、少し違和感を感じたら徹底的に深掘って解消するようにしています。スタートアップは少人数。1人でもバリューが合わない人を入れてしまったら、会社全体を変な方向にかき回されることもあります。
現在は、たとえ優秀な人であったとしても、「苦楽を共にできるか?」「一緒に打ち上げをしたいか?」という部分を社内で共通認識でもつようにしており、PHILOSOPHYの一部である「誰とするか」を最も重要視しています。
▼HANABISHIメンバーページ
▼HANABISHIのミッション・バリュー・フィロソフィー詳細
ほとばしる“HANABI”で“MATSURI”をつくる
–今後の目標を教えてください。
川村氏:お店を探すときは「食べログ」、家電を買いたいときには「価格.com」、場所を知りたいときは「Google Map」といったように、ある分野においてみなさんの頭に浮かぶようなサービスを今後3年以内にいくつかつくりたいと考えています。
現在のサービスはWEBでの展開が目立ちますが、アプリ化はもちろん、リアルの店舗や物販、イベントなども手掛けていきたいです。
–長期的にはどうでしょうか。
川村氏:意義のある事業を、最高に面白いメンバーで最高に楽しくこなす会社にしていたいですね。
いずれはなんらかの社会の課題を解決し、社会に貢献するサービスを提供する会社でありたいとも考えています。
内内だけではなく、外からみても、「“面白い人たちが楽しいことやっている会社”“社会問題の解決に貢献している会社”といえばHANABISHI」という評判を得ていたいです。
個人的には、猫が大好きで、猫のおかげで毎日とても幸せなので、猫への恩返しとして、ペットの社会問題である「殺処分」などを解決する取り組みをしていきたいと思っています。
–最後に、読者へのメッセージをお願いします。
川村氏:世の中にインパクトのあるでっかいサービスを一緒につくりたい仲間を募集しています。簡単なことではありませんが、ポジティブにチャレンジできる方、インターネットサービスが好きな方、ぜひお気軽にご連絡ください!
執筆=増田
校正=米山