株式会社VSN
川崎 健一郎
POSTED | 2015.11.06 Fri |
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TAGS | 従業員数:501人〜1000人 業種:人材(採用・派遣) 創立:15年以上 決裁者の年齢:その他 商材:BtoB |
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エンジニア+コンサルティングが創る新たな価値
人財の創造と輩出を通じて人と社会の歓びと可能性を最大化Topics
株式会社VSN 社長 川崎 健一郎氏のONLY STORY
全員が正社員の派遣事業
「この仕事をしたい」と派遣会社に登録して、その期間が終われば雇用契約終了の登録型の派遣とは違い、全員を正社員として雇用し高い専門技術を持ったエンジニアを派遣する常用型派遣。その業界をリードしていく株式会社VSNの川崎健一郎社長にお話を伺った。
派遣先の企業は約400社と川崎社長。
「当社のエンジニアの分野はIT系、機械系、電気系、化学系と大きく4つにわかれます。クライアントは、IT系ですと通信会社様、大手のシステムインテグレーター様が中心となり、機械や電気系ですと自動車メーカー様や宇宙・航空機、医療機器メーカー様、家電メーカー様などです。
化学系ですと、総合化学メーカー様や製薬企業様がメインとなります。9割以上が大手企業様で、半数以上が大手上場企業です。」
現在、全体で2,600名以上のエンジニアがVSNに所属しているという。ひとつの契約が終了して次の契約が決まるまでの間も、VSNのエンジニアは最大500名近くを収容できるトレーニングセンターで日々自らの技術を研鑽する。
雰囲気の良い会社
新入社員も含めて未経験者を採用し、一から教育していく体制が整っており、同時に即戦力となる中途採用も行っている。新卒は毎年200名程、中途は昨年実績で200名以上を採用。面接の際、どこを重視するかと伺ったら「ビジョンに共感しているかどうか」と川崎社長。
実際に訪問し、社内雰囲気が良いと感じた。その秘訣とは。
「オープンな雰囲気づくりを強く意識しています。本社フロアは一切間仕切りがなく、経営陣も執務室の中央に座り社員との距離も近いです。
また、社内SNSでのコミュニケーションも大変活発です。全社で2,800名以上の社員がいますが、皆別々の場所に就業しており、顔を合わせての対話がなかなかできません。
そこで社内SNSで会社の情報発信だけでなく、社員の日々の取組みや休日のイベントの様子などを投稿し、共有することでコミュニケーションを深めています。
また、月に一回行われる経営会議の議事録を全社員に公開しています。会社の動きを社員一人ひとりに伝えるだけでなく、透明性の高い経営にもつながっています。
施策については、これさえあれば良いということでなく、日頃の気づきをもとに様々な取り組みを多面的に行うことで、VSNらしい文化を醸成していきたいですね。」
17歳の夢
川崎社長は新卒で入り約10年で社長に就任。
入社当時から、VSNかどうかは別にして、将来は経営者になると目標を持って入社されたそうだ。
社長になろうという目標を持ったのは17歳。バスケットボール部を引退した後、ぽっかりと空いた時間でじっくり将来のことを考えるようになったときのことだった。
「部活を引退して、時間に追われない毎日になりました。そうしたら、逆に時間について考えるようになりました。そこで人生と時間の関係性は非常に深いものなのではないかと感じるようになったんです。そして、人間差別なく与えられた唯一の平等は時間の速度なのではないか、と考え始めました。時間をどれだけ自由にコントロールできる、限られた時間をどれだけ自分の好きなことに費やせるかが、一度しかない人生を幸せなものにするかどうかを決めていくのではないかと思ったんですね。
当時はまだ、特別やりたいことが決まっているわけではなかったので、将来は時間を自由にコントロールできる職業に就こうと考えました。それは社長だろう、と。まぁ、17歳らしい考えですよね。」
大学でも経営学を学び、アルバイトも多くの社会人や経営者に触れられるような仕事を選んできたという。入社する会社を選ぶ際も、早くからマネージメントができるベンチャーにと、創業3年目だった現VSNに入社を決めたそうだ。
29歳の現実の夢
それが29歳のときに、川崎社長は夢を変えることとなる。
専務取締役として経験も積み、経営についての基礎的な知識は得てきた。資金もある。今が夢であった社長になるチャンスだと、17歳からの夢である独立について仲間に話したところ、猛反対に合う。
確かに、ともに経営理念を固め、これから一緒に会社を大きく、良くしていこうという時期だった。そして川崎社長は葛藤する。
そんなときに読んだ本に書かれていたことが、川崎社長の人生を動かした。その本のなかにあった一つの質問。それに70歳、80歳の方々が回答していた。
「『人生で何を一番後悔していますか』という問いに対して、『もっと人の役に立ちたかった』という答えが圧倒的に多かったんです。この答えには衝撃を受けました。自分のやりたかったことを悔いるのではなく、他人のために生きてきたかどうかに向き合っている。この事実にショックを受けました。
『自分のやりたいことをやりたいときに実行する』『時間を自由に使う』私のその夢を実現しても、本当に悔いのない人生と言えるのだろうか?そう考えたんです。人生の大先輩たちが、『人の役に立ちたかった』と自分の人生を振り返っている。じゃあ私は、どんなことをしたら人の約に立てるのだろうか。
そこで今までの人生を遡って、どんなときに人から感謝の言葉をもらったかを一つずつ思い返してみました。すると、今までに何度か『川崎と話すと勇気をもらえる』『やる気になった』という言葉を、仲間や先輩、部下などから言ってもらうことが多かったとわかりました。その言葉を聞いたとき、私もとても嬉しかったんですね。
誰かの人生を大きく変えることはできなくても、少しでも前に進めさせることができたら、人助けと言えるのではないか。これが、私の人生においてやるべきことで、人の役に立てることなんだ、そう思いました。」
自身の言葉で仲間に語りかけ、彼らの力を最大限に発揮させ、ともにVSNの企業理念を全うすることが悔いのない人生につながるのだと改めて感じ、独立ではなくVSNで自身の力を発揮することを決めた。そして、33歳で社長となる。
将来のビジョン-常に革新的に
2010年に社長に就任してから5年間。今年は中期経営計画の最終年だという。
「この中期経営計画で、『バリューチェーン・イノベーター』という全く新しいサービスを開始しました。エンジニアを派遣するということは変わらないのですが、指揮命令を受けて言われたとおりに技術力を提供するだけでなく、派遣されたエンジニアが主体的にお客様の事業課題を発見して解決する、エンジニアリングとコンサルティングを同時に提供するというビジネスコンセプトです。
5年間で育成プログラムの確立やノウハウの蓄積が進み、実績とともにお客様からの評価も高まっています。これからはこのサービスをさらに強化・加速していきます。」
「エンジニアでありながら、有能なファシリテーターであり、プロジェクトを管理するマネージメント力もある。このような技術力と人間力を兼ね備えたエンジニア集団を目指しています。
そのような『人財』を育成しつづけ、お客様や社会により高い価値を提供できる会社でありたいと考えています」
編集=勝野・山崎