株式会社Agri Innovation Design
脇坂 真吏
POSTED | 2016.01.06 Wed |
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TAGS | 従業員数:5人以下 業種:卸売業・小売業 創立:11〜14年 決裁者の年齢:40代 商材:BtoB |
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”農業プロデューサー”という新しい仕事
子供のなりたい職業1位が農家になる未来の仕掛け人Topics
株式会社Agri innovation Design 社長 脇坂 真吏氏のONLY STORY
株式会社Agri innovation Design
~代表取締役 脇坂 真吏 (わきさか まさと)様~
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1983年12月18日生まれ。農業プロデューサー。
東京農業大学 国際食料情報学部 食料環境経済学科卒業。
「小学生のなりたい職業1位を農家にする」という夢を掲げ、
農業を切り口に都市・地方の両面で新しい仕掛けを展開。
都内でマルシェを年間100日近く展開し、
年間1億円のマーケットを構築。
地方でも様々なプロデュースを行い、数千人農家とつながる。
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農業界を変えたい。その気持ちが原点に。
農業というと、どんなイメージがありますか。後継者不足、TPP締結、休耕地…マイナスなイメージか、関心のない方が多いかもしれません。実は僕も、東京農業大学に入学するまで、あまり関心はなかったんです。東京農業大学に進学したのも、他に面白そうと思える学科が見つからなかったからでした。
それがどうして「農業・地域活性プロデューサー」になったのか。転機は、ある果樹農家さんとの出会いでした。
農業の現場を知るために入った部活で、40代の果樹農家さんの収穫のお手伝いをすることになったんです。自分の仕事に誇りを持って果樹を育てる彼の姿は、すごくかっこ良かった。なのに、農業はあまり儲からないと言うんです。
こんなに情熱を持っているのに報われないのはなぜだろうと思いました。この”農業界の不思議”を何とかしたいと。
とは言っても、所詮は学生でしたから、まずはできそうなことを探してみました。すると、中小企業や農家が若い人材を求めている一方で、面白い就職先がないと悩んでいる学生たちがいることに気が付いたんです。
当時は、大学生活とインターン先での八百屋経営を両立していたので、生産から流通まで全てを見ていましたし、魅力的な企業や農家さんとのつながりもありました。「自分はこれを何とかする立場にいるんだ」と思いましたね。そこで立ち上げたのが、農業と学生の出会いを創出する「株式会社NOPPO」です。
それからは、農業のこせがれを応援するNPO法人「農家のこせがれネットワーク」や、北海道との
出会いを創出する「株式会社DKDo」、プロデュースとコンサルティングメインの「株式会社脇道」を設立しました。
株式会社脇道は個人企業だったのですが、プロデュースに関するご相談が増えたので、スタッフを増やし、2014年に現在の「株式会社Agri innovation Design」になったんです。
団体の目的やメンバーは違いますが、根底に流れているのは、「農業を良くしたい」という思いだけですね。
マルシェを、売る場所から学びの場所に。
「株式会社Agri innovation Design」の中心はマルシェ事業です。都内を中心に、年100日程開催しています。
農家の所得向上のために始めた事業ですが、よくある「賑やかし目的のマルシェイベント」とは違います。僕らの目的は、マルシェを農家の向上の場にすることです。
地方の人は、奥多摩も六本木もひっくるめて「東京」と見ますよね。でも、マルシェを常設している六本木、日本橋、神田の3ケ所を見ただけでも、マーケットは全然違う。
農家が直接お客様と接し、経験したことをふまえて、僕らのコンサルティングやアドバイスも活かし、東京の使い方を学んでほしいんです。
僕らが、都内各地にマルシェを展開しているのは、ステップアップしながら販路拡大していくビジネスモデルを作るためです。
農業支援というと、多くの人が販売へ走りがちですが、単価が安く日持ちのしない生鮮品の流通販売系は長く続きません。一時的な収益ではなく、永続的な所得向上を目指す。農家が勉強できるマルシェには、売るだけのマルシェにはない価値があるんです。
マルシェと農家、ダブルのステージアップを目指す。
おこがましいかもしれませんが、僕らのマルシェが指針であることを示すためには、都内で1番マーケット規模の大きいマルシェの運営者になることが必須です。都内で約5億のマーケットを持っているマルシェがあるので、まずはそこを抜いてトップになりたいですね。
周辺環境に振り回されずに経営できる農家を、一人でも多く作っていくことも使命です。きちんと考えている人は、収益改善できている。育成塾などを通じて、多くの農家さんがそのステージに上がれれば、農業活性化のきっかけになるはずです。
将来的には、資材や機械、種、農薬などを扱う地方の農業系の企業ともつながって、農家支援の輪を全国に広げていければと思います。