小山　仁

私は、仕事を受けるにあたって「基本的に仕事は断らない」ということを大事にしています。この考え方を叩き込んでくださったのが、フリーター時代にお世話になった焼き鳥屋の店長でした。

高校卒業後、サービス業に興味はあったもののどうしたらいいのかがわからず、屋台運営、麻雀やパチンコ店勤務など職を転々としていた私に、商売の方法、お客さんへの接し方と言ったサービス業のいろはや、「お客さんの気持ちになる」という最も大切な基本を教えてくださいました。

特に、どんなご要望、どんな仕事も断らないという店長の精神は、今のビジネスでの「お客様を驚かす」という精神へとつながっています。

勤めてきた中で一番多忙なアルバイトでしたが、どんなに忙しくても働き続けられたのは、学べる楽しさ、成長できる喜びを一番感じられたからでした。

結婚を機にフリーターからは卒業し、修行を経て、父が経営する共栄精機を継ぎましたが、その店長とのおつきあいは今も変わらず続けさせていただいています。

業種を超える根幹を作り上げてくださった、大切な恩師です。

私たちは、常に「お客様を驚かせる」ことを心がけて仕事をしています。

特に、スピードの点ではどの会社にも負けないつもりです。

「時は金なり」と言うように、ビジネスにおいて時間ほど大事なものはありません。

欲しいものの値段が早く分かれば、お客様のスタートダッシュに繋がり、「共栄精機なら大丈夫だ！」という次への信頼へと繋がっていきます。

だからこそ弊社は、業界で初めてホームページで価格を公開したのです。

納期が短い仕事ほど喜んで承り、良いものをきちんと納品することで、お客様に、「こんなに短い時間で、こんなに良い仕事ができるのか！」という驚きを感じていただく。それこそが私たちの喜びなのです。

実際、見積もりを出すまでの時間が短いほど受注率も高くなるという経験もたくさんしてきました。

欲しいものの価格がすぐわかる。どんなに忙しくてもお客様が来店されれば接客する。

これらは全てサービスの鉄則であり、過去に身につけた精神が根幹にあります。

弊社では、新規のお客様からのお問い合わせを、ネット経由で毎日2〜3件頂きますが、ネット経由のお客様はスピード重視ですから、弊社の強みが生きていると感じます。

もちろん全てがビジネスにつながるわけではありませんが、私たちにできることを通して、何かしらの成果につながるように心がけています。

「スピードでお客様を驚かす」という精神を社員全員で共有し、どこよりも融通のきく「金属加工のコンビニエンスストア」になりたいですね。

これからは、「お客様のための仕組みづくり」と共に、「社員のための仕組みづくり」を強化していくつもりです。

若い人にとっても楽しい職場にしたいという思いは当初からあり、工場を新しくしたり、メイ事業をプレスから板金にシフトしたりと、色々な取り組みをしてきました。

その甲斐あってか、社員には若い世代が多く、家族を抱えている者もたくさんいます。

彼らが将来も生き生きと働き続けられるように、人材や後継者の育成など、私に何かあったとしても会社が永続的に続けられる仕組みを構築したいのです。

自由度が高く、上下関係などもあまりない社内の環境を維持できているのは、それぞれが甘えることなく、責任をもって仕事をしてくれているおかげです。

私は、常に彼らに生かされていると感じます。

私にとって共栄精機で働いてくれる社員こそが誇り。

感謝を胸に、これからも走り続けたいと思います。