株式会社ホームクオリティ

宮形 定征

チャンスは、自分で作り出すから面白い。

54歳からのリスタート。成功を支えた強い想いと誇り
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株式会社ホームクオリティ 社長 宮形 定征氏のONLY STORY

54歳で廃業、裸一貫東京へ。


北海道の農家に生まれた私は、小さい頃から農業を手伝ってきました。
決して裕福ではない環境で、一生懸命働く人たちの姿を見てきましたから、子どもながらに農家の役に立ちたいという思いがずっとありましたね。
実際に運搬用一輪車を使う中で、その重さや不安定さを痛感した時は、力の弱い高齢者でも使いやすいように、電動機付きに改良したりもしました。
時間はかかりましたが、みんなの喜ぶ顔が嬉しかったのを覚えています。

高校卒業後は、農業機器メーカーに就職してがむしゃらに働きました。
お客様との信頼関係の構築に力を注ぎ、上々の営業成績を収め続け、7年間勤めた後に、28歳で独立しました。
牛の爪切りを効率化するための大型機械を始め、様々な農業機器の開発・販売に30年にわたって取り組みましたね。
ところが、国の制度が変わり農業関係の仕事が冷え込んでしまい、成長を見込んでシフトした通販事業も地銀の破たんで廃業に追い込まれてしまいました。
当時既に54歳。自分のチャンスは自分で作らなくてはダメだと思いましたね。
わずかばかりのお金とともに上京し、ホームクオリティを立ち上げたのです。
東京でのリスタートは本当に大変でした。そう簡単に信頼してもらえるわけもなく、ひたすら誠実に「宮形」という人間を売り込み続けましたね。
そのうち、少しずつ応援してくださる方が増えていったのです。

今では同じ志を持って働いてくれる社員や信頼してくれるお客様に恵まれて、通販事業部、環境事業部、特殊機械事業部を展開するまでになりました。
若き日に改良した電動機付き一輪車も、さらに改良を重ね、現在7代目が誕生しています。
あの辛い日々があったからこそ、社員の幸せを本気で考えられますし、農家への思いもより強くなったと感じます。
失敗した経験や苦労した経験は誰しも持っているでしょう。
それを力にできるかどうかは、本気の想いがあるかどうかだと感じますね。

マネして楽するより、挑んで誇りを持て。


農業機器から始まった弊社も、今は生活雑貨や輸入商品の開発・販売が増えました。
生活雑貨に至っては、30,000点以上を取り扱っています。

製品開発で大事にしているのは、「これを使って嬉しいか、使って楽になるか、使って楽しいか」という3つの視点です。
界面活性剤が入っていない自然素材の洗剤「ミラクルクリーナーZ」や、臭いやカビなどの元を納豆菌で取り除く消臭剤「HQ-22」の開発でも、使う人にとって安全で、効果が高く、最終的に喜びを感じられることを目指しました。
安全性を求める介護・病院関係や幼稚園などで非常に喜ばれている商品です。
また、消臭剤は、香りでごまかさず、無臭で消臭できる点への評価が高く、大手有名ホテルからも繰り返し発注をいただいています。
このように、大手の同業他社では手掛けにくい「本物」を開発できることが、私たちの誇りですね。

輸入商品については、海外を自らの足で歩き、自らの目で査定します。
これまでデンマーク、オーストラリア、スイス、フランスなど、あらゆるところに行きました。日本にないものは研究し、輸入しても日本では使いにくいという場合は、日本の嗜好、市場にあわせて改良します。
今では全国区になっている「すべりにくいハンガー」や、100℃の蒸気で汚れを落としたり除菌をする「スチームジェット」も、うちが初めて輸入し、テレビ通販などで紹介した商品なんですよ。
「スチームジェット」に至っては、年間で18万台売れました。
でも人気が出すぎて類似品が出てきたため、販売は中止してしまいましたね。

私には、「信用が無ければお金は付いてこない」という持論があり、類似商品が出たら、どんな人気商品も販売を止めることにしています。
類似品の質が悪ければ、元祖の信頼も自動的に落ちてしまうからです。
だったら、さっさと見切りをつけて次に挑む方が良いでしょう。
マネするのは簡単ですが、自分で研究することこそが大切で、本当の価値があるのです。
今はなんでもコピペで済ませられる時代。その中で生きている若い世代にも、マネして楽することではなく、挑んで価値を生み出す楽しさを知ってほしいですね。

成長に終わりはない。だから楽しい。


これからは、「何が売れるか」ではなく、「何が今の時代と市場に合うのか」を常に考えた商品開発をしていきたいと考えています。
2020年に向けて注力しているのは公害・環境分野で、既に水質環境の改善に向けた事業が進み、大手企業での実験段階に入りました。
食品分析センターの検査でも合格しており、環境汚染の進んでいるアジアからたくさんのひきあいを頂いています。
もちろん特許も申請済みです。
お客様に喜ばれない商品は、売れても一時の話ですから、これからも変わらず社会や市場が求めるものを商品化し、改良をつづけていきたいですね。

会社としては、無理に規模拡大を追うことなく、自然体で発展できればと考えています。
社員が満足し、安心して暮らせるからこそ良い商品開発につながり、世の中への貢献につながるのだと思いますから。

私も、この業界には長くおりますが、まだまだ子どもと同じ。
頭の中は、常に商品開発のことでいっぱいです。
成長に終わりはありません。だから人生は楽しいんですよね。

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