株式会社RASHISA

岡本翔

虐待に関係する様々な人が「生きる喜び」「自分の人生への喜び」を感じられる環境を。

ビジネスの力で「世界一」虐待問題を解決したい。
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今回はビジネスを通じて虐待問題解決にコミットをしている株式会社RASHISA代表の岡本さんにお話を聞いてみました。

株式会社RASHISA  社長 岡本 翔氏のONLYSTORY

学生起業からのスタート


インタビュアー:岡本さんは、大学生の時にRASHISAさんを立ち上げられたんですよね。

岡本:はい、21歳の時に起業しました。その後大学は中退して、大学生の就職支援やキャリア支援をメインに行なっていました。しかし、昨年、本来挑戦したかった「虐待問題」に取り組むため、それまでの事業を譲渡して今の事業を始めました。

インタビュアー:なぜ「虐待問題」に取り組もうと思われたのでしょうか?

岡本:私自身、また弟と妹も、親族からの虐待を受けていたという原体験があって。

インタビュアー:そうだったんですね。一口に「虐待」といっても、貧困やDV、虐待の連鎖など様々な課題が存在すると伺いましたが…

岡本:厚生労働省によると、平成30年の児童相談所への虐待の相談件数は、およそ16万5000件です。これはすなわち、これだけの数の虐待が毎年見つかっているということです。これを未然に防ぐための日本の年間の予算は1,655億円。これが現状です。
そんな中で、我々は虐待の後遺症の影響で働けていない方を対象にビジネスを展開し、虐待に関係する様々な人たちに「生きる喜び」「自分の人生への喜び」を感じられる環境を創っていきたいと考えています。

インタビュアー:RASHISAさんのミッションは ”ビジネスの力で「世界一」虐待問題を解決する”とのことですがこれにはどんな意味が込められているのでしょうか?

岡本:”ビジネスの力で”という点で、なぜ虐待問題に対してNPOや行政などではなく、ビジネスでアプローチしようとしているのかというと、理由としてはお金と人材が挙げられます。

インタビュアー:といいますと…?

岡本:まずお金に関しては、事業を始める前にNPOで活動されている方にも話を伺ったのですが、補助金や助成金に頼るとお金の自由度が下がってしまうという声を聞きました。そこで、お金の自由度が高いビジネスを通して虐待問題を解決しようと考えました。自分たちの力で課題を解決し、利益を得て、それを次の事業に投資していきます。

インタビュアー:確かに、ビジネスの方が自由度の高いお金でどんどん事業を拡大していきやすいですよね。人材の面では…?

岡本:これは完全に私のイメージですが、言葉を選ばずに言えば、どちらからというとビジネス界隈の方が優秀な人が多い印象があったからです。事業を大きく、組織を大きくしていく際に、人材獲得の面でより優秀な人が多い市場で戦いたいと思って。

インタビュアー:”「世界一」虐待問題を解決する”と言う部分はいかがですか?

岡本:日本の課題を解決した後に会社としての存在意義が無くなってしまうので、世界にも目を向けています。逆に言うと、日本の課題解決には、世界の知恵も必要だと思っているので、アメリカなど、海外の虐待に関するビジネスの知恵も借りながら、まずは日本の虐待問題に向き合っていきたいと思います。

虐待を受けた方が 自分のペースで働ける場を


インタビュアー:虐待の後遺症とは具体的にどんなものがあるのでしょうか?

岡本:パニック障害、対人恐怖症、男性恐怖症、双極性障害、メンタルの不調など様々な症状があります。後遺症がある方は、週5日間どこかに出社して働くということが、メンタル的に難しいんです。例えば、双極性障害で急にメンタルが落ち込んで鬱になってしまう方も多くて。

インタビュアー:そのような後遺症がある方の仕事として、ライティング事業に注目された理由は何だったのでしょうか?正社員ではなく業務委託という形を取られているんですよね。

岡本:前提として、自分のペースで働けるのが良いと考えました。そこで色々と検討した結果、最適な仕事としてライターに辿り着きました。エンジニアやデザイナーなどと比較しても未経験の方が始めるハードルが低いですし。
彼らができる案件を弊社が受注して、業務委託しているのですが、業務の中で分からないことは、担当のディレクターがサポートしながら進めています。ライティング教育で文章をしっかり書くことが出来るようスキル育成を行い、彼らの収入と、社会との接続の場を作っています。

インタビュアー:このような働く場があることで、虐待の後遺症がある方にどんな変化が出てきているのでしょうか?

岡本:まだデータとしては出せていないのですが、メンタルの変化はあると思います。やはり自分のペースで仕事ができるので。案件もその数も選ぶこともできるので、正社員として働くことよりメンタルへの負荷は少ないはずですし、また、時給ではなく、成果ベースで自分でお金を稼ぐことができるので、正社員として働くよりも満足度や幸福度が上がるのではないかと考えています。

インタビュアー:確かに、自分でお金を稼ぐことで、自身にも繋がりますよね。RASHISAさんは、ライティング事業以外にも、インタビューメディアもやられていますよね。

岡本:はい、「RASHISA ストーリーズ」というメディアで、過去に虐待を受け、今を強く生きている方の声を発信しています。

インタビュアー:この取り組みは、虐待やその後遺症についてより多くの人に知ってほしいという思いから始められたのでしょうか?私自身、ニュースなどで「虐待」というワードはよく耳にしていたものの、後遺症についてはこれまで全く知りませんでした。

岡本:そうですよね。多くの人に現状を認知してもらいたいと思っています。虐待問題に向き合おうと決めてから、最初は、虐待を受けた方に特化した人材紹介をやっていたんです。しかし、営業活動をする中で「虐待」という言葉を使うとネガティブに捉えられてしまうことが多くて…。
その原因を考えると、虐待=ネガティブな印象になっていて、私のように虐待を受けていてもバリバリ働ける人はいますし、虐待の後遺症を抱えながら働ける人もいる、という現状を分かっていない人が多いことに気がつきました。そこで、現状を認知してもらうためにこのようなメディアで発信しています。

これからのビジョン


インタビュアー:最後に、岡本さんご自身としてどんな社会を実現していきたいか、何か思いがあればお聞きしたいです。

岡本:やはりRASHISAの代表としては、虐待がゼロの社会を作りたいです。理想としては、現在は年間16万件もある虐待の相談件数をゼロにして、世の中から児童相談所をなくせたら…。
この実現に向けて、これから数十年かけてしっかりと取り組んでいきたいです。今は、虐待が原因で苦しんでいる方に伴走する事業をやっていますが、いつかは、虐待を未然に防ぐための事業をしたいと考えています。

インタビュアー:虐待をゼロにするために、私たち一人一人にできることはあるのでしょうか?

岡本:やはり、知る努力をすることだと思います。私自身、ハチドリ電力に申し込んだことで、これまでより環境問題について調べるようになりました。このように、何かのきっかけを通して、虐待問題に限らず、世の中の社会課題に対して目を向け、知る努力をする人が増えてほしいと思います。

そうですね、我々もより多くの人に社会課題や環境問題に目を向けていただけるよう、情報発信にも力を入れていきたいと考えています。インタビューにご協力いただき、ありがとうございました!

撮影:吉野かぁこ

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